タグ別アーカイブ: Water pressure

水 その実相

(2012/04/26) 追記。一通り『津波現象』に対する自分なりの解釈の結論に達したと思う。4月8日に、津波(tsunami)を解剖する の冒頭に『津波速度』の概要を載せた。

(2012/03/26) 追記。(下の(2012/03/24)付けの追記が)大変な勘違いで、誤解を生み、御迷惑をかけました事お詫びします。改めて水圧とエネルギーの関係を纏めました。貯水槽、ダムの水位と水圧の関係をグラフとして示した。しかしまだ海岸線での津波エネルギー変換の解釈には到達していません。水圧のエネルギー伝播が浅瀬でどう変換するかの問題です。

(2012/03/24) 追記。当ブログ記事の末尾に「水圧とエネルギー」のファイルを載せた。自分の水力学理論の常識と考えていた『流速度』V=√2gh [m/s] について、 V=√gh [m/s] が正しくて、√2 が不要の間違いと出た。大変申し訳ありませんでした。私の勘違い(バルブ内の水圧と平均水圧を混同した)があるようで、もう一度再検討する。

津波を解剖する の記事を書きながら、津波の速度の意味で、その実態を納得するだけの心境に至れなかった。特に水深の深さと波の速度の関係で、専門的な解釈を素直に受け入れられない。気象庁のホームページでも、水深の深さ5000m では時速800km 、100m では時速100km などと示されている。その物理的な根拠が示されていれば、考える手がかりを得る事も出来る。しかし、ただそうだと示されても、理解できないのである。自然科学はもう少し論理的に導出過程が示されないと、専門家、専門機関としての責任を果たしていると言えるだろうかと心配になる。

そこで自分なりに、基礎から考え直してみたいと思う。『水』とは何かと考えて見ると、それはとても不思議な物に見える。水のこころ、変幻自在と言う意味で、筆にしてみた。水変幻自在泥流の文字が滲んで埋もれてしまった。水は化学的にはH2Oで、水素と酸素の結合分子と言うが、そんな化学的意味で、津波の脅威や水の持つ力と結び付けることができないのである。余りにも多様な姿を我々の前に現わす。原子力発電や火力発電で利用される水の力は「水蒸気」の力である。D51と言う蒸気機関車もその水の蒸気の力である。発電所のあの大きな蒸気タービンを駆動する蒸気は普段の生活で理解できない程の魅力を秘めている。水の蒸気には臨界点と言う状態がある。臨界点の圧力は225気圧、温度は摂氏374度である。そんな状態の蒸気(臨界圧の蒸気が利用されている訳ではないので、誤解を招く不適切な表現である。2012/11/07/ 追記)がタービンを回しているのである。その臨界圧の蒸気の密度は水の密度と同じ値である。利用すればとんでもない技術の動力源となる。火力発電所の水の熱サイクルについては風とは何かー水と温度ーに示した。同じ水でも津波の恐ろしさも、その水の持つ力の一つの姿である。

水が持つ姿の多様性を踏まえて波のエネルギーの実態を捉えて見ようと思う。私は信濃川の岸辺で水を日々感じながら生活した。先日、葛飾北斎の浮世絵、富嶽36景「神奈川沖浪裏」のテレビ映像を見入った。あの迫力と波の姿の動きには水の持つエネルギーを理解するヒントがあると思った。以前その波の意味の一端を考えた事がある。『波乗りの推進力』である。波の解釈の一つの具体例として、

波乗り(2)

その記事を少し纏めて見た。波の意味を基本から考えると、ただ津波だけに限ると十分波の本質に迫れないと思う。信濃川で水に戯れて、眺めた風景から少し考えた。川は水の流れである。海も海流の流れがある。日本列島付近には黒潮、親潮として海の流れがある。その干満が瀬戸内海に渦潮も作る。

慣性流体と流速水の流れを川で眺めて見よう。夏になると、深い小淵と言う川の壺のような深みで毎日泳いだ。その断崖の淵に流れる水の様子は淵の底までは及ばない。表面程流速が速い。その流線が水の流れる速度になる。川の浅瀬は水流が底の石につられて、波を打つ。アユが石の表面の苔を削り取った紋様が付いているのが見れる。そんな水の流れに心任せで、ぼんやりしている情景は昔の話に消えて仕舞ったかもしれない。③の流速と近接作用。水の流線どうしに働く力は隣同士の繋がりが水流の流れの分布を構成する。隣同士の作用の繋がりで生まれる力の現象を『近接作用力』という。『遠隔作用力』の代表例が「万有引力」になろう。離れた物同士で力を及ぼし合うと言う「物理学的概念」である。しかし私はこの遠隔作用力を信じない。さて、元の水の話に戻る。勝手な事ばかり書いて誠に気掛かりではあるが、③の図の空気と水の境界面の話をしたい。図の標題が慣性流体と流速である。慣性流体と言う意味は水のように一塊として常に動作の現象に作用すると考えられるような流体を指して表現した。その意味で考えれば、常識的にあるいは理学的な分類からすれば『空気』は流体と言えるか疑問は残る。しかし空気も踏み込んでみれば、その表情は台風や竜巻となる意味には一塊の繋がりで現れる現象と見る事も出来る。その面では、空気も気体であるが、流体と言えるかもしれない。水との接面で互いに流体としての近接作用力が働いている。③の石の面の水は動かない。以上川の水の流れに思いを寄せて見た。こんな詰まらない事を考えた訳は、海の海底に及ぼすエネルギーの伝播現象をどのように解釈すれば良いかの参考になるかと考えたからである。

津波、その現象をエネルギーから捉えて解釈するのが目的である。津波の「津」と言う文字の意味は海と陸との境目の事であろう。その沿岸での波の現象を如何に解釈するかの問題と思う。津波の本質を的確に捉えるには、震源地と地震の規模その形態などに基づく海域全体としての水圧のエネルギー流の捉え方であろう。その水圧という特質を理解するに、「トリチェリの真空」という現象を理解することに意義があると思う。誰もが理解している事であろう。ここで改めて、トリチェリの真空と水圧という観点から考えて見た。トリチェリの真空(1)トリチェリの真空(2) 海の津波現象の伝播は、海水の一体的な全体を通した圧力波の伝播現象である。それは海水面上に高波があれば、海底までその水圧が影響する訳である。その圧力の波頭面が水面から海底までの一連の波面として、水面に垂直なエネルギー波が伝わると解釈する。ここで圧力エネルギーとその伝播速度について結論をまとめた。圧力エネルギーと伝播速度1

圧力エネルギーと伝播速度2ここで、一つ蛇足かも知れないが、念を押しておきたい。検索などで、津波に速度を水の速度と勘違いしている様子が見受けられるので、波動の伝播速度と水の速度とは異なる事を図で示しておきたい。

波の速度と水の動き

表面的には波を見れば如何にも高い衝撃波が水の流れであるが如くに見えよう。しかし水面を衝撃状の水その物が移動する訳ではない。波動の前面ではむしろ水は波動の進行方向と逆向きに流れる。それは波動の圧力エネルギーが進行するにつれ、その圧力エネルギーを保持するには、水がその条件を満たすべく、自動的に衝撃波の高さを保つように次々と水が上昇の移動を余儀なくされれて、エネルギー伝播の形態を作る事になる。その水の逆流とも見える動きによって、波動の伝播を継続している。だから、波動は水を運ぶのではない。水はエネルギーの伝播を託されて、波動の形としてその伝播を水が手助けしていると見た方が正確であろう。しかし、そのエネルギー波が海岸に到達した時にはまた状況が異なるのである。ここで、圧力エネルギーについて基礎的な事を問題にして、例題を示そう。

水圧とエネルギー①

水圧とエネルギー②

 

エネルギーと水頭③以上で水圧に関する考察は終わる。津波と言う海の現象に対して、水圧を考えると、大気圧が海水面に水頭10.13[m] の重さを掛けている事になる。海底で大気に解放されていない事を考えると、その意味をどう解釈するかの疑問が起きる。 『津波と大気圧』の関係? 陸との境界に到達すると、所謂「津」の波の特性を表す。そこでは、そのエネルギーを保存したまま上陸することになる。そのエネルギーが水深の浅瀬で圧力波としての形態を保持できなくなり、水の速度エネルギーに形態を変換することになる。波のエネルギー(沿岸)

だから、水その物が大量に陸上に突入することになるのである。その関係を考える為に上に絵図を示した。

大津波の発生原因を探る

(海底沈没に関する計算式の追記。2013年2月7日)少し海底陥没に基づく津波エネルギーの強度計算をした。道草問答(5)津波と真空破壊力

(引き波に関する追記 7月8日) 大津波の主原因を、震源地の海底の地割れと解釈している。-7月6日23:23時の産経ニュースに、激しい引き波、海底露出、南三陸町の住民撮影ーと言う記事で海底露出の写真が載っていた。しかし気になる点が有る。3月11日午後5時23分(遠藤さん撮影)と言う時間について何故かと気になる。5時過ぎであれば、津波の襲来以降の引き波と言う事になる。それなら、津波の引く状況を海岸で撮影した事になる。津波の襲来に合わずに、津波の引き波を追っかけて来て、海岸線で撮影した事になる。もし、時間が15時23分ならば、私が指摘する、大津波の主原因の引き波と解釈できる。震源地での海底の地球の巨大な強力パワーによる真空地割れ空間が生じて、その真空空間吸水エネルギーが海水を猛烈に吸い込む事になり、それが海岸線まで波及すると見るのである。その現象が海岸線での海底露出の引き波である。もし今回の『産経ニュースの写真記事の時間が15時23分』ならば、津波主原因の引き波の証拠と観たい。

(2016/11/25)追記。震源域の深海底に亀裂 その海底亀裂が巨大津波の発生原因である。

(追記ー2011/05/24)この項は エネルギーで見る世界ー津波ー 以後の地盤沈下を見ての解釈を書き記した。前に『奥尻島沖地震』から大津波の原因は地震地点での海溝の陥没か大きな地割れが主原因と観ていた。その後に、スマトラ島の大津波を見てその観を強く抱いた。しかし今回の日本の大津波については、沿岸部の陸地での地盤沈下が大きくテレビで報じられていた。だから地震地点の海溝の地割れは『津波の主原因』ではないのかも知れないと解釈した。しかし、その後のいろいろの報道から考えて、やはり今回の「大津波の主原因」は地震震源地の海底における『大陥没・地割れ』であろうと解釈する。それはその海底の調査しか明らかにする術は無い。大きな波高値の海面上昇は海底沈没に拠る、その地点の海底の水圧エネルギーの大きさを考えれば、その海底に地球の地殻変動力で1㎥の『真空空洞』が出来たとしたら、どれだけの『瞬時エネルギー』を発生したと考えれば良いでしょうか。『真空空洞』は人力で想像することだに無理な莫大なパワーなのである。それ以外あれだけの津波災害を引き起すパワーは世界に考えられない。自然の力は人間など及びも付かない世界を秘めている。

『詩心・・』第158号 水 その実相 に津波が海底陥没に拠ると言う記事を書いた(2005.1.20)。その図を再掲する。今回は、説明なしで図のみを示す。さらに、2004年12月26日の「スマトラ島沖地震(マグニチュード9.2)」の大津波の原因として、私の解釈を裏付けると考える新聞記事の写真を載せさせてもらう。それは『朝日新聞記事、2005年3月30日付』に載った記事である。

エネルギーで見る世界ー津波ー

水が示す様相は誠に不思議に満ちている。その恐ろしい姿は『東日本大震災』で悲惨な悲しみを残した。それが津波(TSUNAMI)である。津波は波であるが、波動方程式に乗せて解析できない波だと思う。特にコンピュータで解析する範囲は限られているように思う。陸上に流れ込む津波の水流まで波動方程式で表現できるのだろうか。津波は陸に上がる水の威力が問題であるから。その点で、波の本質をどのように捉えるかが極めて重要と思う。物理学理論に於いて、『エネルギーの本質』の捉え方が大変あやふやであるから、この機会に『エネルギー』の具体的な事例として、『津波』を取り上げようと考える。上の図は2007年8月に出した「詩心乗せて・・」物理学解剖論『波の本質』に乗せた図である。津波は階段波である。水に乗った『エネルギー』の流れである。ITの検索に拠ると、津波の速度が水深 h [m]に拠ると出ている。津波の伝播速度  v はv=√gh [m/s] と計算されると出ている。ただし、 g は地表の重力加速度で、g=9.8[m/s^2^(m/(sの2乗の表記法))]である。それによれば、太平洋の水深h=4000mでの津波速度は時速720km、秒速では200[m/s]と大変な高速波動と成るようだ。この速度式は、実際の観測に照らしているから正しかろう。

(1)津波速度は海岸で加速する(これは間違いである。2017/10/28 追記が正しい)  この項をどのように纏めるかで、困惑している。上に記したように、『津波の伝播速度』が v=√(gh) [m/s] で決まると言われている。gは重力の加速度で9.8[m/s2乗]の値、hは水深[m]を表すと言う。この式が本当なのか、どうかの判断が出来ずに前に進めなくなった。この式も、何故そのように成るかという理由が見当たらないのである。『波のエネルギー伝播』と言う認識で解釈するべきと考えるが、この式がその解釈と整合しないのである。私だけがその式の論理的根拠が理解できないのであれば、謝らなければならない。しかし、物理学理論には、これと同様に如何にも本質的で基本原則と言うにも拘らず、深く追究すると全くの無意味な物である事が分かる事例が多くある。従って、この式の真偽が論理的に考えて、結論が得られなければ暫くこのままに中断しておきたい。御免なさい。(2013/5/15追記)すでに津波の海洋での『伝播速度』はほぼ一定の200[m/s]と、海洋の深さに無関係であると解釈している。それは圧力エネルギーの縦波の伝播速度と解釈した。津波(tsunami)を解剖する後半に記した。(2016/10/12)追記。今読み返して少し補足したい。『速度』の意味であるが、海洋では水が速度を持つ訳ではない。津波の『圧力エネルギー』が速度を持つ訳で、水は殆ど流れない。海岸に上陸する『津波』は海洋の圧力エネルギーが水の運動速度エネルギーに変換されて、水の『速度』として水が上陸するのだ。(2017/10/28)追記。もう一言付け加えておく。「津波速度は海岸で加速する」は正しい表現でない。津波の海洋伝播速度は毎秒200メートルの高速である。しかしその速度は水の質量の運動速度ではない。水と言う質量媒体に乗った「圧力エネルギー」である。鉄棒の一端を叩けば、先端にまでその衝撃が伝播する。鉄棒の各部は僅かな縦振動をするだけで移動はしない。それと同じく水は移動しない。圧力エネルギーだけが伝播するのであり、水は海洋の津波の高さの上下運動の波を打つだけである。そのエネルギーは物理学での運動エネルギーでも位置エネルギーでもない。海岸ではその圧力エネルギーが浅瀬の為に、同じエネルギー(保存則の原理に因る)を伝播するには高さの増加に因るだけでなく、水の運動速度エネルギーに変換せざるを得なくなる。その水の移動に変換した運動エネルギーの速度は海洋圧力波伝播速度とは比較できない遅さである。海岸ではその地形で圧力エネルギーと水の移動の速度エネルギーとの割合が変化しながら、元の海洋圧力エネルギー波の『エネルギー量』を保存したままで津波の上陸となる。最近テレビで、南海地震の想定の映像での海岸線の波の映像を見て、何かピコ、ピコと跳ね上がる様な波の様子はちょっと津波の映像に相応しくないと感じた。海洋伝播の圧力エネルギーの意味を捉えていないからではないかと思う。物理学の『エネルギー』認識に問題があると。海岸線で津波による海面が競り上がる映像でなければ正しくはないと思っている。

(2)津波の高さとはどのような意味か 、以前から気掛かりであった。北海道の『奥尻島』の地震に伴う津波が高台まで届いて、多くの犠牲者が出た。その時専門家が言うに、「何でこんな高いところまで波が来るのか」と驚く解説をしていた。私は当たり前の事と思ったから、逆にその発言を訝った。この度の津波の高さがやはり問題視されている。そこでITで検索すると、解説が間違っている事に気付いた。(2013/04/30 追記)海上で見る津波の高さは海面に対しての高さを言う。しかしその波が海岸に到達したとき、どの高さまで上がるかという『高さ』はその海上の波の高さとは全く異なる『高さ』である。それは海岸に到達した海水の持つ『エネルギー量』で決まるのである。海岸に到来する波の『エネルギー』をどう解釈するかに係っている。その点の解釈を自分なりに纏めてみた。堤防面と津波

津波の高さとは? 上の図で私の解釈する『津波の高さ』と言う意味を説明したい。このたびの震災でも10メートルの堤防を津波が超えて、街が大災害を受ける結果になった。残念であるが、その堤防と津波の高さと言う意味には誤った認識が有る。何も海で津波の高さが高くなくても、街に到達した時のその『波の高さ』と言う、どの程度の高さまで到達するかと言う意味とは異なるのである。それを上の図に示した。(この図には表現内容に不十分な点がある。それは堤防を登る津波の水流の断面積に間違いがある。流れる水流を頂上まで一定とすれば、断面が減少する事はないから。その図表現は正しくないのですが、その点をお許しください。)海岸線が平坦で、その津波の高さがh_s_(下付き文字sの表記法とします)、津波の速度がV_s_で水深に無関係に同じ速度と仮定する。その津波が堤防を越えるのである。津波その物の高さが高いのではない。津波も一定の衝撃状の階段波であるから、普段の上下する様な『水面波』の形状はしていないのである。押し寄せる階段波が後ろから連続して来るから、その前の水の波は堤防の面に沿って押し上げられるのである。堤防の途中の、高さhの点の単位体積当たりの水が保有する『エネルギー』、それをE_h_[J/㎥] のエネルギー密度とすれば、

E_h_=ρgh+(1/2)ρV^2^[J/㎥]    (1)

と位置エネルギーと速度エネルギーの和として表現できる。ここで数式を直接記すには文字の表現に無理があるので、数式をファイルで示す。津波到達高さ(2017/09/09) 追記。津波と水力学の運動方程式との関係には難しい問題がある。用語で『速度』と言うと、一般的には質点の移動速度で解釈する。海洋を伝播して来る津波の速度は質点の速度ではない。水は運動しないから質点、質量の速度ではない。「津波の速度」とは「圧力エネルギー伝播速度」である。速度Vsとはエネルギーの速度の事である。海岸に到達した時、その津波の『エネルギー』は殆ど減衰しないと考えなければならない。海岸の浅瀬に到達した津波の『エネルギー』は海底の地形や海岸に入り江の形状などで、水の質点の運動エネルギーに変換し入り江が狭まれば、どこまでも高さと水の速度に元の海洋を伝播して来た圧力『エネルギー』がすべて等価的に変換される訳である。だから地上に到来する津波の高さとは海洋伝播の圧力『エネルギー』が損失無しに殆ど変換されると解釈しなければならない。『エネルギー』の等価変換により、障壁が有れば海岸全体の地形との関係で、エネルギー分布バランスが成り立つ高さまで何処までも乗り越えることになる。津波の上陸する『高さ』や『速度』と言う用語の意味は、すべて『エネルギー』の等価変換から割り出されるもので、幾らと決められるものではない。

一方、その水が丁度堤防の高さまで届くとしたら、そこで速度がゼロとなると考えれば良い。その堤防の高さがHメートルとする。その点における水のエネルギー密度は E_H_ [J/㎥]と成り、そのエネルギーは位置のエネルギーだけとなるから、

E_H_=ρgH             (2)

である。今(1)式で、津波を海岸の到来波で考えると、高さh_s_[m] 、速度V_s_[m/s]であるから、そのエネルギーは

E_s_=ρgh_s_+(1/2)ρ(V_s_)^2^ [J/㎥]     (3)

と成る。エネルギーの保存則が適用できる場合と言えるから、(1),(2)および(3)式が全て等号で結ばれる事に成る。(2)式=(3)式より、津波が到達する堤防の高さ H は 次式で求められる。

H=h_s_+(1/2g)(V_s_)^2^ [m]

以上で説明した事は、津波その物の高さ h_s_と到達高さ H とは異なると言う点である。例題を一つ挙げておきましょう。h_s_=7[m],V_s_=2o[m/s] としてみましょう。その時、H=7+(1/2)(1/9.8)20^2^=27.4[m]  の高さまで登る事に成ります。また堤防に面した部分は殆ど水が静止した状態となり、高い水圧がかかるものと解釈する。静水圧は堤防の最下面でH=27.4[m]の水深圧27[ton/㎡]にも成る。その力は津波が街を破壊する恐ろしさを秘めている事を示す。水には物を軽々と持ち上げる『浮力』と言う力がある。

津波の破壊力と液状化現象 この度の津波の破壊力の凄まじさに地球の生命の実相をまざまざと見せつけられた。堤防もコンクリートの建物も薙ぎ倒して破壊した。上昇水面テレビで、その様子が放映され、コメントが有った。引き波の威力が強調されていた。

(追記 2012/02/10)  これ以降の私の解釈について訂正しなければならないことがあります。今まで放置した事をお詫びします。それは以前NHKの解説映像を見た。それは津波の返し波で建物が海側へ倒壊している原因を探る実験映像であった。その時に訂正しなければと思いつつ放置して来た。上の図の『破壊力点』と示した点についての訂正です。その点は確かに水圧が最大と解釈出来ますが、あくまでも「静水圧」と考えるべきです。動的な破壊力としては堤防を越えた水流が陸側の堤防下端に落ち込む時の岩盤土砂の「えぐり取り」が堤防破壊の一因になっているだろうと解釈する。そこで、堤防を越えて流れる場合の様子だけ図に示したい。更に他の点についても改めて、別に論じさせて頂きます。

(2019/01/18)追記。この部分を削除し訂正する。津波が帰る引き波で堤防が海側に転倒するのは理屈に合うと思う。

『液状化現象』と言う問題がある。地震に伴い地表面の土壌が液状化する。土砂と水が液状に成る現象である。その泥水状態は途轍もない破壊力を持つのである。『アルキメデスの原理』は古典的物理の英知である。その原理によれば、水と土砂では流体の比重差が大きく、土砂の場合にはトンデモナイ浮力の破壊力となる。6年ほど前の『中越地震』で近所の殆どのマンホールが 1 mも高く飛び出したのである。異様な光景であったが、液状化した土砂はコンクリートなどいとも簡単に『浮力』で持ち上げてしまうのである。津波は汚泥状で押し寄せるから、建物の下面にその汚泥が入り込む僅かな隙間が有れば、忽ちにして強力なアルキメデスの浮力で浮き上がらせてしまうのである。『水の神通力』とも呼べる不思議な水の素顔が隠されているように思う。水には本当に『エネルギー保存則』と言う物理学上の大原則が成り立つのだろうかと言う『魔物の力』さえ感じる。浮力で持ち上げて物に水はエネルギーを消費せずに、それをエネルギーの上乗せとして、津波の威力を拡大しているように見える。防波堤がどんなに高かろうと、津波の力は液状化と支える岩盤との調和がとれた構造設計が無ければ、『建設費の無駄』に終わるのであろう。

(追記) 有り難い事にこの記事を見てくださる方が多い。確かに地震関係の専門家の解釈には、学説に忠実で、日常感覚からずれていると思う。今回の『東日本大震災』は地震時の津波現象の恐ろしさを如実に示した。関連で、「大津波の発生原因を探る」 にスマトラ島沖地震後の海底亀裂断層写真ー『朝日新聞、2005年3月30日付記事』-と、私の古い図解を再掲した。

(2013/05/01)追記。海底亀裂について、道草問答(5)津波と真空破壊力に述べた。震源地が近い場合は、海岸線で引き波があるか無いかで、その津波の大きさが推し量られると解釈する。引き波(津波到達前の)があれば、巨大津波に成るだろう。それは海底亀裂が原因となるからである。この解釈は、気象庁など、専門家は採らないようだ。近海での地震時に、津波警報が出る。放送で避難を呼びかけることに成る。しかし、50cm程度の津波で済むことが多い。50cm程度の時に、津波警報での避難と言うのも、本当の巨大津波が発生した時に対する警戒感を削ぐと心配である。海岸での引き波(津波前の)を監視する対策が欲しい。堤防を高くする津波対策は、引き波(津波前の)を捉え難くする。また、水の特性も中々捉えにくいと思う。そこで、水 その実相および津波(tsunami)を解剖するに少し自分なりの考えを纏めた。