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誘導エネルギーに観る技術と物理

はじめに
電気回路現象を理解するにはその回路内でのエネルギーの振る舞いを感覚的に捉えることが大切である。この記事もロイヤーのインバターの記事の準備として書いている。誘導電動機の運転などでは、その誘導性のエネルギー処理の問題を理解して置かなければならない。インバーターは直流電源を交流電圧波形に変換する技術であり、変圧器と誘導負荷のエネルギーの物理的意味を、電気技術概念の更に深い処の意味で捉えて置きたいと思った。基本的な方形波電圧波形と純誘導負荷のエネルギーの特質を捉えて置く必要があるからである。

単相インバーターと基本動作
最も簡単な基本回路を取り上げ、その負荷が純誘導負荷、リアクトルだけの場合についてまとめておく。物理量のエネルギーをどのように認識しているかが理科教育特に物理学において極めて重要に思える。誘導エネルギーと言う用語は一般的ではないが、コイルに蓄えられるエネルギーの技術的表現である。空心コイルでなく、鉄心に巻いたコイルのエネルギー量が大きく、その電気回路動作に強い影響を及ぼす。鉄心も含めて、コイルの中の空間に蓄えられる貯蔵エネルギーをここでは誘導エネルギーと言う。正弦波交流電圧より直流電圧の一定値を切り替えた方形波電圧波形の方が、そのエネルギーの意味を感覚的に捉え易いだろうと思う。技術的な電流や電圧の意味とエネルギーの関係について、方形波交流電圧源によって考える中身が明確になるだろう。筆者自身の経験で、初めて電気の回路動作を知ったのが方形波電圧源に関わったからである。正弦波電圧では意識しないものが観えて来るからである。

方形波電圧と誘導負荷電流 上の図のように、トランジスタとダイオードを逆向きに繋いだ一対で一つのスイッチを構成する。それを4個使って、負荷Lを電源につなげばトランジスタのオン、オフで方形波電圧が得られる。この方形波電圧で初めて、コイルの電流はどのようになるかを知ることが出来る。コイルの電圧voはLと電流ioの時間微分の積で得られることは知っていても、電流ioが電圧の時間積分となることは意識していない。コイルの電圧時間積分は磁束になる。磁束[Wb]をL[H]で割れば電流[A]になる。このような計算は科学技術理論であり、物理理論(現在の物理学は科学技術理論である)ではない。

科学技術理論と物理論あるいは自然論 科学技術論は電圧、電流などの計測量に基づいて理論を組立てたものである。当然現代物理学理論もその同じ概念に基づいて組み立てられているから自然論とは異なる。自然は人間が創り上げた自然観察手法ほど複雑な原則には無い。磁束も電荷も無い。原子構造もすべての素粒子と考えるものもたった一つの『エネルギー』の世界像である。磁束、インダクタンスおよび電流の単位間で、磁束[Wb]=インダクタンス[H]×電流[A] が何故成り立つのか?自然感覚としてその意味を捉え切れるか。せめて、磁束[(HJ)^1/2^]=インダクタンス[H]×電流[(J/H)^1/2^] なら、次元解析も容易であろう。如何に世界は『エネルギー』が根源を成しているか。エネルギーを論じない物理学は自然を論じているとは言えない。まだ、科学技術論からの要請で取り入れられた空間概念の空間容量ファラッド[F]と誘導容量ヘンリー[H]の時空論の曖昧性は残されたままのように思う。それは哲学的な思考によって解決されるべきものと思う。電流も電圧もそれらがエネルギーと関係付けて捉えられるには、それぞれ2乗によって初めて観えて来る筈だ。もう一つ触れておこう。トランジスタのnpn積層構造でも、ダイオードで表記すれば、ベース端子に対してエミッタもコレクタもダイオードの背向した構造体の筈である。コレクタ側からベースへ電流が流れないダイオードの構造の筈である。何故か不思議にもダイオードの逆向きの電流を制御していることになる。これも実際の製造現場では、単純なnpn積層構造ではない事が分かっているのだろう。考えても単純な頭では理解できない。これも何とも言えない不思議な科学技術論である。トランジスタにはエミッタに電流の方向が示されているが、量子力学論では電流ではなく、逆向きの電子の流れで論じられる。何故電子がコレクタ側に流れるかの明快な解釈は見えない。何しろダイオードの逆向きであるから。それも質量でもなく電荷でもないエネルギーの流れとして捉えなければ真の物理学にはならない筈だ。この辺に対する過去の悩み論を記した記事謎(p n結合は何故エネルギーギャップ空間か)がある。標題に技術と物理としたので少し脇道に逸れてみた。

誘導エネルギーの回生 誘導負荷エネルギーはその処理を的確にしないと、スイッチング素子が破損する。貯蔵されたエネルギーは回路から突然切り離そうとすれば、無限大のエネルギー放射源となり、回路内で炸裂する。だからと言ってそのエネルギー量が多いとは限らない。量は少なくても、そのエネルギーの流れを瞬時に止めることはできない。無理に止めようとすれば火花を放ってエネルギーを放射する。そのエネルギー感覚が電気回路解釈における筆者の感覚の基になっている。コンデンサのエネルギーにはそのような凶暴性を持った回路への危険はない。コンデンサの貯蔵エネルギーは簡単に回路から切り離せる。半導体回路のその誘導エネルギー処理の優れた機能に感心させられた。

リアクトルエネルギーの貯蔵と回生 ここでも技術論である。本来の電圧は電位が高い方がエネルギーの分布が少ないのである。負側がエネルギー源である。然し技術論では如何にも電圧の高い電位がエネルギー供給側のように解釈される。だから電流が流れて、負荷にエネルギーを供給すると理解する。本当は逆なのであるが、如何に科学技術論で頭が飼いならされたかは、電流と電圧の意識が手っ取り早い理解に結びつくかを思い知らされる。実に電圧、電流の技術概念が使いなれると便利であることか。しかしその物理的根本原理を明らかにしようとすれば、並大抵のことで解き明かせるものではない。だから電流が電線導体の中を電子が逆向きに流れる現象だなどと、実しやかなウソで誤魔化す事になる。質量の無い電子は定義されていない。電線の中を質量を移動させるにはどのような力が必要かは知っている筈だ。運動力学論で質量は電界では動かない。だから電荷と電界の関係で力を想定する。一般導線の中に電界をどのように想定できるか厳密に論理を展開出来るか考えてみれば分かろうと思う。無理なのである。それでも巷の電気解説論では堂々と電子が電線内を移動すると解説されている。しかし、だからと言って電流、電圧と言う概念を不要と言って切り捨てる訳にはいかないのだ。これ程実用的な便利な技術概念も無いから。その物理的実像を明確に捉えることは本当の自然の深い真髄を理解する上で大切な事でもある。それはトランジスタの内部あるいは近傍空間をどのようにエネルギーが流れるかを極めることに繋がる話である。技術論と自然の眞髄はどこかで明確に論理的に繋がる筈であるから。エネルギーの回生については何も述べずに来てしまった。一定周期でのスイッチングで、定常状態になった場合の負荷電流ioは三角形状に変化する。その各状態でコイル内にエネルギーが貯蔵される区間と放射(それが電源にエネルギーを回生)する区間とに分かれる。エネルギーの流れと電流値とは同じくはないが、コイルのエネルギーを電流で捉えるのが分かり易いという実に慣れという常識習慣の恐ろしさも感じながらの論理に従って理解する。本当のことは、エネルギーは電流の2乗で捉えられる筈だ。

半導体スイッチ回路をダイオードとスイッチSで書き換えてみた。二つのスイッチSを同時にx 側かy 側に投入すれば、電圧は方形波となる。スイッチの切り替えごとに打点のダイオードが電流の帰還回路を形成し、エネルギーの電源回生動作となる。なおコイルのエネルギーは電流の2乗だから放物線状に変化する。

むすび 電圧、電流と言う技術概念が如何に便利であるかは慣れるに従って益々離れがたい価値を意識する。しかし、自然にはそんな概念は無く人が創りだした技術概念でしかないのだ。実に不思議なことである。こんな事を書くことが社会的な混乱を来たす元になるようで実に気が重い事でもある。社会的組織の中では許されない論議になるかも知れないことから、孤独の世界を歩くことに成ったとも考えられる。過去の電気技術の仲間や工業高校時代の仲間とも全くの繋がりのない世界での思考の論考である。5,6年前に住所録も消えて無くなっていた。日本物理学会での発表も所属欄が書けない無様で今は止めた。学術に関する処に参画するには所属欄の記載がなければ、参画資格が無いようだ。時どき昔のことの闇の声が聞こえる。竹下内閣の『約束』が有ると。地方創生資金配分の関係かとも思うが、何の『約束』かは知らない。

今回の記事で、単相インバーター回路を取上げたが、電流が電気エネルギーの流れを示していると電気技術者ならそう理解する。しかし直流電源のエネルギー放射・伝送は実は負側のマイナス側から送られるのだ。だからトランジスタのスイッチングによるエネルギー伝送機能も負荷に印加する電圧のマイナス側がエネルギー高密度空間の基になっているのだ。大学の電気工学・電子工学の教育上の『参照基準』はその辺に照準を合わせるべきと所属の無い身ながら恥ずかしさを忍んで提言する。残念ながら教科書が間違いあるいは矛盾に気付かない内容を広めているのだ。理論がもっと実学・技術の学びの上に基づくべきだ。何々の法則が矛盾に耐えない筈だ。

政府機関なのかどうかは知らないが、裏で何か決めているようで、実に気味の悪い精神的ストレスの毎日である。正に人権侵害の連続だ。人の繋がりのない断絶した過去の上の浦島退屈論ではあるが。

 

謎(p n 接合は何故エネルギーギャップ空間か)

(2022/07/13)。訂正。大きな間違いに気づいた。pn接合のエネルギーギャップが逆であった。現在修正中である。N型半導体側が高エネルギー領域で、P型半導体側が低エネルギー領域であると気付いた。この事で、他の記事にも多くの訂正が有る為、訂正にはしばらく時間を頂きたい。

『エネルギー』の存在形態を尋ねる旅。半導体はエネルギー変換制御に欠かせないスイッチング素子である。電力制御とは『エネルギー』制御である。三相交流回路の瞬時空間ベクトル解析で、スイッチング機能を回路定数サセプタンス化して解釈する意味を考える。その基礎考察で半導体の意味を理解したい。電力系統のスイッチング機能を担う半導体のp n 接合 とはどんな物理的意味を持っているかが分からない。その動作原理を『電荷』に頼れないとすれば、『エネルギー』に頼るしかない。専門家は良く解って居られることだ。しかし私は理解できないから困っている。何とか、まとめ に結論と覚悟した。

‐下のエネルギーギャップの図で、Diode のエネルギー分布が逆であった。‐

以下に、訂正図を挿入。

ダイオードのpn接合面で、『エネルギー』の分布状況が逆になる。それは、半導体の前の真空管時代で、二極管が検波機能を担っていた。その陰極側とダイオードのN極側とが同じ意味を持ったいると解釈できる。整流機能要素の原理 (2022/01/04)で訂正で示した。その意味から当然 N極側が『エネルギー』レベルが高密度である事になる。だから、下の エネルギーギャップ(訂正)になる。

『エネルギーギャップ』と『電圧』の物理的概念関係。 p n 接合の意味をダイオードを例に考えた。p型半導体とn型半導体の接合部にどんな現象が起きるのか。pn接合部のエネルギーギャップの電圧分が電源電圧との極性とによって、負荷側の回路空間に及ぼすエネルギーギャップとの間の関係でダイオードのオン、オフが決まる。エネルギーは高密度部から低密度部へ流れると考えたいが、乾電池に蓄えられる『エネルギー』は内部では消耗しないで、必ず外部負荷を通して消費する。その訳も重要な意味を秘めているのだ。乾電池の『エネルギー』の供給機能も、決して『電荷』では理解できない現象である。『電源電圧』という意味の物理現象もおそらく今までの物理学理論では説明できない筈だ。それが『電子』では電気回路現象の物理的意味を解釈できないという事である。『電子』概念から離れない限り、電気回路現象を理解できないという事だ。電源端子に現れる『電圧』が回路空間内に生み出す『エネルギー』の分布は結局回路空間構造の回路定数 C[F/m]、 L[H/m] によって決まる現象と理解しなければ、端子電圧の意味さえ理解できないのである。『電圧』という単純と思える概念さえも、その本質の物理的意味を理解するには『エネルギー』の空間に展開する現象を深く認識しなければ理解は無理である。(新しく書き換えた。)

まとめ 過去の記事をまとめて確認しておきたい。エネルギーギャップという意味に至るまでの過程も見たいから。最近の記事から古い記事の順で。単1乾電池もエネルギー貯蔵庫で、そのエネルギーギャップが内部で炭素陽極と亜鉛陰極間に保持された状態と言える。電池自身が、その内部の『エネルギーギャップ』によって、外部回路空間へ『エネルギー』を放射する物理的機能を保持した要素という事である。しかも陰極電線路空間側への放出によって。

(2019/04/02)半導体追加。

  1. 半導体とバンド理論を尋ねて (2018/05/14)
  2. トランジスタのオン・オフ機能と理論の間に (2o17/05/23)

半導体とエネルギーギャップ

  1. ダイオードの機能 (2016/09/17)
  2. 電気回路とスイッチの機能
  3. 物質のエネルギー準位
  4. 問答実験
  5. 半導体とバンド理論の解剖
  6. トランジスタの熱勘定 (2013/01/30)

電圧とエネルギー

  1. 電圧ーその意味と正体ー (2016/05/15)
  2. 電池電圧と『エネルギーギャップ』
  3. 電池の原理を問う
  4. 電圧ー物理学解剖論 (2011/12/14)

 

 

電気回路とスイッチの機能

電気回路に欠かせないものにスイッチがある。エネルギーを負荷に供給したり、遮断したりする役割を担うのがスイッチである。一般には電線路に流れる電流を切ったり、流したりする役割として理解しているだろう。その考え方で『オームの法則』を理解するには十分である。しかし、電流とは何か、電子とは何かと電気現象の本質を物理的に理解しようとすると、単に電線路のオン、オフというだけの捉え方では十分その意味を捉え切れていないと言わなければならない。前回電圧ーその意味と正体ーで電気回路の電圧の意味を捉え直した事により、電気現象の本質に迫れ、より感覚的に納得できるようになった。その空間のエネルギー分布からスイッチの機能を考え直してみたい。多寡がスイッチと言うけれども、その奥には深い意味が隠されているのだ。そこにこそ、科学技術と自然現象との間に横たわる人間を理解する哲学的真理が垣間見えると思う。

『エネルギー』の空間実在性の認識 『エネルギー』とは決して『運動エネルギー』と『位置エネルギー』だけではない事を認識すべきである。ややもすると、科学論の基礎認識としてエネルギーは『運動エネルギー』と『位置エネルギー』であるとの認識から論説が始るように思える。それは、現代物理学の教科書的教育の現状に原因がある。私はその自然科学論にとても違和感を抱くのである。例えば「空間のエネルギー」と検索する。そこには驚くような意味不明の精神論と関係付けるような記事まで現れる。科学論を論じる方は、電気磁気学にも十分精通しているものと思う。電気回路でコイルを思い描けば、そのコイルの巻線内の空間に『エネルギー』が蓄えられるというのが電気工学では常識となっていると思っている。しかし『空間エネルギー』がそのコイルに存在しているとの認識が無いなら、その『エネルギー』はどこに在ると考えるのだろう。どうも理論物理学では、『運動エネルギー』と『位置エネルギー』の二つのみで『エネルギー』を解釈していて、空間に存在する質量無しの『エネルギー』の実在性を認識していないからであると考えざるを得ない。そうでなければ空間に『エネルギー』が存在すること位は日常生活で、感覚的に分かる筈であろう。このコイルのエネルギーには『質量』はない。『運動エネルギー』と『位置エネルギー』は必ず『質量』をその拠り所としている。『質量』の無い空間の『エネルギー』を認識しているかどうかの問題である。その『エネルギー』認識のために、この電気回路のスイッチとその機能と言う視点で考えてみたい。

電源から負荷へのエネルギー供給 乾電池などの電源から負荷(懐中電灯など)に『エネルギー』を供給する。それは懐中電灯を点けることになる。スイッチを閉じて(オンして)、そのままにして置けば、いずれ電源(電池)の『エネルギー』を使い切ってランプは暗くなる。その時何を使ったのかと言えば、それは電流でも電圧でもなく、『エネルギー』を使い果たしたのだ。その時の『エネルギー』とはどんなものかを電気回路の中で理解しているかという問題である。電気回路のスイッチとは、『エネルギー』を取り扱う機能だという事である。電気回路のスイッチの機能を『エネルギー』との関係で考えてみよう。

直流回路の空間エネルギー

回路とスイッチ回路とスイッチ  スイッチ二つの単純な回路である。この回路を見てどのような事を思うでしょうか。先ず二つのスイッチがオフの時。考えて欲しい事はどこに電圧が掛っているかです。当然スイッチの間の空間に電圧が掛っている筈です。何故そこに電圧が掛っている事に成るのでしょうか。その意味は『電圧』とは何かと言うことです。それは空間のエネルギー分布によって決まる技術的評価量である。

 

写真298

等価回路とエネルギー分布 スイッチがオフのときの電気回路の状態は回路導体で囲まれた空間にエネルギーが分布しているのである。

 

 

その静止したエネルギー分布は電気回路としては、スイッチを含め、空間にコンデンサが分布し、それぞれそこにエネルギーが保有されているとも見做せよう。その様子を表現すれば、色付けしたエネルギー分布の図のようになろう。あくまでもおおよその分布表現でしかなく、正確な分布を書き記すことなど出来ない。このスイッチオフの状態から、スイッチ投入したらどのようなエネルギーの流れが生じるだろうか。回路空間の様子を考えてみよう。

写真299スイッチS2投入 回路導体で囲まれた空間全体が『エネルギー』の流れの過渡状態に成る。回路空間全体がコンデンサとコイルの分布した過渡現象状態を経る。 直ちに定常状態に入り、普通の抵抗の回路になる。

交流回路のスイッチ

交流回路とスイッチ交流電源電圧をスイッチでオン、オフ制御する場合を取上げて考える。正弦波交流電圧に対して一定周期でスイッチを制御するとする。次の記事への橋渡しの意味も込めて、『半導体素子』のスイッチング機能を含んだ動作を取上げた。

(2020/08/29) 追記。

上の回路の中に『半導体素子』のスイッチング機能を含んだ云々とあり、その具体的な意味が示してなかったので、サイリスタ(SCR)でのスイッチング回路構成を示す。なお、サイリスタの動作機能は制御整流素子として優れている。その機能を電磁コイルで表現してみた。点弧角αで瞬間オンすると、オンが自動的に続く。オフはダイオードと同じ回路状態で自動的に遮断する。回路状態とは下に示した意味である。半導体では機械的スイッチと異なり火花は発生しない。以上追記。

上の制御はスイッチをある位相αでオンし、電圧値が零でオフするものとする。しかし負荷が誘導性負荷の場合には、誘導性リアクトルの貯蔵エネルギー分の処理に問題が生じる。即ちスイッチを切って接点が離れても、負荷の保有するエネルギーがある限り負荷を切り離せない。その為スイッチの接点間に火花が発生し、少し回路のオフが遅れる。その遅れ分の角度βを消弧角と言う。

交流回路の空間エネルギー分布 直流電源の場合と異なり、電線路空間のエネルギー分布はその電圧周期に従って常に変動し続ける。その空間のエネルギー変動はほぼ光速度に近い即応性で対応する。スイッチ接点間の電圧も電源電圧とは周期の遅れと値で異なるだろう。

スイッチ機能のまとめ 『オフ』は接点間で『エネルギーギャップ』を支える。『オン』は『エネルギーギャップ』を零とする。

ダイオードの機能 (2016/09/17)

トランジスタのオン・オフ機能と理論の間に (2017/05/23)

電圧-その意味と正体-

(2022/02/21) 追記。時々この記事が読まれている。この時、6年ほど前の思いが今漸く実を結んだ。例えば、瞬時電力の具象解剖 (2022/02/03)などになった。科学技術概念『電圧』と電気回路現象の物理的認識としての新しい捉え方即ち『エネルギー』の流れとして認識する事との意味の違いを示すことが出来た。

電圧とは何か? 電気工学や電気物理に関わる仕事に携わっている人はこんな疑問を抱かないだろう。電圧100ボルトあるいは3ボルトなどと日常用語としてありふれて使っていることだから。常識の言葉だから。こんな常識の科学技術用語を理解できないと言って、その正体をあばこう等と考える事を仕事にするとすればどんな仕事に成るのだろうか。全く経済的な利益を生むどころか、科学技術関係社会に反逆的な伝統破壊の行為と看做される。反発を食う研究である。そんな業務を仕事として受け入れる環境があるのだろうか。科学研究社会は、特に学術研究に属する分野では『客観性』を持って研究を進める事が要求される社会であろう。過去の先人の業績を踏襲してこそ仲間として受け入れられる社会である。それが常識の世界だ。学術研究機関に所属していれば、大いに常識に挑戦する機会もあろうが、最初から所属の無いものには不可能な事であろう。世界で誰も挑戦しない研究、「電圧とは何か?」と問う事も有意義な筈である。学術論文にも成し難い研究ではあるが。自然の本質を明らかにする重要な研究ではある。

総合科学・基礎科学・純粋科学の意義 本質を明らかにすることの意味は、誤ったり誤解した研究や方向性を質す判断基準として、総合的な評価を下すに重要なのである。経済的効果が無いと言うが、間違った高額の投資を避ける意味で経済性は大きい。それが総合科学、基礎科学、純粋科学なのである。科学研究の内容を市民が理解でき、賛同できることで初めて研究費を使う権利が得られるのだと認識すべきである。数式でなく、日常用語で高度な研究内容を説明し納得を得る事が必要になる。そこに、専門家だけの内部了解ではなく、市民社会との関わりが大切になるのだ。その時に科学の基礎概念が誰もが理解でき、疑念の無いもので初めて市民との意思の疎通ができ、健全な科学社会への安全が担保できるのであろう。そこに総合的な広い基礎科学の重要性が狭い専門性を超えて必要になるものと考える。ここでは前の電池電圧と『エネルギーギャップ』を受けて少し電圧の解釈の意味を深めてみようと思っての記事である。

電圧とは何か?電圧とは何か 電圧Eボルトの直流電源がある。銅板と銅線が図のようにつながっている。 

電圧問答電圧問答 

電圧問答 直流電圧源だから、各電圧計の指示値はすぐ分かる。ただ電圧計の繋がる位置が色々だ。電圧計は何を計るかと考えて、その電圧値に成る原因を何に因ると解釈するかを尋ねている。もし『電荷』を原因と考えると、その分布を考えなければならなくなる。さてどう考えるか?こんな問答は禅問答の部に入るようで、科学論の部門では毛嫌いされる問答である。しかし科学理論は論理性を持ってその真価と尊厳を勝ち得ている訳であるから、こんな易しい日常的な質問には朝飯前と答えられる基盤の上に成り立っている筈だ?そこで答を書こうとすれば、学校教育で教えられる教科書の内容から考える事に成ろう。どんな教科書も文科省の『学習指導要領』によって教育内容は決まっており、『電子』あるいは『電荷』による解釈しか許されていないから、その指導要領に従わざるを得ない。そこで『電子』で考えようと試みる。

電子と電圧電子と電圧 回路の一部を取り出して電圧計V1の意味を『電子』に因って考えてみよう。鉛蓄電池や燃料電池の電池機能原理は水素原子の『電子』が陰極端子から外部配線、負荷を流れて陽極に戻り、『エネルギー』供給源としての電池の役割を果たすと専門家の解説に在る。それが負荷への『電流』の電気磁気学理論に基づいた教科書的標準理論である。しかもそれは世界の物理学理論でもある。その時の電気現象の電圧には『プラスの電荷』は電池の外部回路に関与する解釈は無いようだ。すべて『電子』だけで理論的な解釈が成されている。そのような世界標準の電気論に従って、電圧計V1の『電圧』をどのように解釈すべきかを考えてみた。①電荷分布(電子)?と電圧として銅板間にどのような『電荷』分布を描けば良いかと苦心した。『電子』同士は好きではないが、有名な『クーロンの法則』に従えば、お互いが反発しあって、集合するのはいやだ、いやだと纏まらないのではと考えると、『電子』の分布予想も出来ないのでお手上げだ。理論とは不思議なもので、後生大事に守られている『クーロンの法則』があっても、そんな法則などお構いなしに『マイナス電荷』の集団と『プラス電荷』の集団同士が向き合って対峙する構図が理論の伝統的な常識・思想に成っている。しかしこの電池の場合には『プラス電荷』は出る幕が無いのが不思議だ。だから教科書に従って電池電圧を『電荷』で描こうとしたが無理だった。それでも思い直して、マイナス側の銅板に『電子』が分布したとして、電圧計を繋いでみた。それが②電圧計である。電圧計は中味の回路を見れば、単に高抵抗rとコイルlの直列につながっただけの物でしかない。電圧と評価する部分はコイル内に貯蔵されて『エネルギー』を指針の回転に利用しているだけである。特に電圧と言うような感覚的に予想する様なものを計っている訳ではない。陽極側と陰極側の銅板の間に電気回路のrl要素を繋いだ事に成る。もし陰極側の銅板に最初『電子』が集合していて、電圧が掛っていたとする。電圧計を繋ぐ前後で銅板間の電圧にどのような同じ電圧を発生・保持するかの訳を考えられるだろうか。また、図のように電圧計(負荷)を繋いだとしたら、『電子』はどのような力を何によって受けて運動すると考えれば良いだろうか。大まかな概略論でなく、厳密な基礎理論に基づいた合理的で論理的な解釈が求められる。日常用語と基礎的な科学用語での説明なら、誰でもが理解でき納得できると思う。しかしこの『問答』にはなかなか納得できる論理的な解釈が出来ないジレンマに陥るのだ。結論を言えば、『電子』や『電荷』では電池電圧の発生原因を説明できないという事である。宇宙の話や五次元空間の話は話の実体が目の前に無いから高度な数式で論じられると煙に巻かれたような気分でうんともすんとも言えないもどかしさが残る。しかし乾電池や蓄電池の話なら、電磁気学の理論検証には十分分かり易い筈だ。この電池電圧の意味が『電荷』概念では自分が納得出来ないので、『エネルギーギャップ』の電圧発生理由で解釈する様子を示す。

空間のエネルギー分布空間のエネルギー分布 エネルギーにはプラスもマイナスもない。光のエネルギーと同じく、空間に金属導体に因って束縛された状況で分布する。その分布密度を予測して図に描いて示した。その密度分布を実験的に測定する方法を見つけられるかどうかは疑問だ。『電子』の分布を描く場合に似ている結果である。プラス、マイナスと言う金属導体間にそのエネルギーは分布し、マイナスからプラスまでのエネルギー分布密度の線積分がその『電池電圧』となる。エネルギーで観る線路電圧に交流の場合を示したが、直流でも同じ事である。

交流電圧 電圧は直流も交流もその本質は同じである。主に金属導体間に掛かる電気の”何か圧力”のようなものと感覚的に捉えられる。その姿・本性を認識し難い訳は実験的に測定することが出来ない「空間エネルギー」だからである。電気の眞相(2)-電圧とは何かーに述べた。科学技術の電気工学では空間エネルギーなど観測できない物理量であるから、『エネルギー』の利用と言う眼目から、実に優れた計測量として、『電圧』を考えだした訳である。『電圧』と『電流』で電気工学の基礎を創り上げたのだから、その技術的感覚は素晴らしいと先人の業績に感謝しなければならない。交流電圧によって送配電線路が構築され、『エネルギー』利用が可能になった。その交流電圧は発電機と変圧器での発生原理に新たに「磁束」と言う概念を創り上げた事により、理解し易い『電磁誘導則』で誰でもが理解し易くなった事は科学技術の意味を理解する上で大切である。「磁束」で交流電圧を理論付ける技術感覚の意味を理解すべきであろう。さて、科学技術とその基礎概念は自然世界の『真相』と成るかと言う点で改めて考えなければならない歴史的転換点に居ると思う。電気現象の物理学的解釈は自然世界の眞相を捉えるに重要な基本認識と成っている。その自然現象・自然世界を『電圧』、『電荷』、『電流』の科学技術概念で論じようとしたとき、その論理の先には混迷の未来が待ち受けている。同様に『電界』『磁界』も自然世界に実在する『真相』ではなく、科学技術の『エネルギー』利用手段としての便利な構築概念でしかないのだという事を認識することが未来への安全の思考の基盤である。

科学技術と自然世界と教育 先人が築き上げて来た科学技術と自然世界の眞相を混同しないように理解して欲しい。『電荷』など世界には存在しないのだ。今、この事の中に見える複雑な人間意識と科学的競争社会の間に立って、未来への子供達に対する教育を考え、根本から再構築すべき時に立っている。未来への教育問題は教育機関、教育者に課せられた喫緊の課題である。過去を踏襲し、先人の業績を尊重してなどと拘泥している時ではない筈だ。

『電圧』と『エネルギー』その実験的検証 昨年は物理学概念に(『電荷』への)疑念を抱き、旅立って30年程たった時に不思議な実験を手掛けた。これも予測できた訳ではなく、何かに誘われて手掛けたような実験である。変圧器の奇想天外診断で『電圧』の意味を考える切っ掛けを得た。続いて、コイルと電圧とエネルギーおよび天晴れ(コイルと電圧とエネルギー)の実験的検証、そしてまとめとしての電気の眞相(3)-電圧と負荷ーによって『電圧』と『エネルギー』の関係を捉えることが出来たと考える。

天晴れ(コイルと電圧とエネルギー)

自分で言うのも変だけど。我が感性に『天晴れ』と。やっぱり嬉しいもんだ。自分で分からずぐずぐずしている姿を辿って、不図気付いた解消には特別の高揚感を感じる。それにしても、気付くのが遅かった。

コイル3つコイル3

コイルの①が今までの実験で利用したものだ。それに対して②と③のコイルが追加したものだ。みんなポリラップの芯の紙筒に巻いたコイル。電気回路技術者の端くれとして、不可解な実験結果に悩んでいた。その不可解な現象の原因はすべてコイル①の巻線の3本の内の1本1-1’の電線が特別の電線を使っていた事に有った。奇想天外実験の最初の電源電圧印加時にヒューズ切れを起こした。それでコイル絶縁に問題があるかと、コイル1-1’だけ難燃架橋ポリエチレン線1.2mmを使った。結論はその絶縁材料の空間エネルギー分布の高密度化に因る平行電線間のエネルギー流の不平衡が原因であった。架橋ポリエチレンのエネルギー伝送特性によるものであった。電線導体内に電流が流れる訳でないから、エネルギーは金属導体表面の空間を伝送するのであれば、その導体近傍の空間特性・誘電率や透磁率によって影響を受ける。ポリエチレンが導電性を持つという意味(ここで言う導電性と言う用語は誤解を受けそうだ。意味は例えばコンデンサ内の絶縁体がその誘電特性で電気エネルギーを蓄えると言う時の、その電気的なエネルギーの出入りに対して決して絶縁ではないと言う意味で使った。液晶テレビの材料も絶縁体だか導電?体だかどう区別するか?)はこの実験結果にも現れていた。コイルと電圧とエネルギーの実験結果には、鉄心コイルを含め全て架橋ポリエチレン絶縁電線を一本の巻線だけ利用していた事に依る現象が測定結果に示されている。コイル②(30ターンの3本線を別々に分けて巻いた分接巻)、③(32ターンの3本線を揃えた合接巻で、コイル①と同じ巻き方)の場合はすべて、ポリウレタン銅線0.4mmを使った。

実験の意味と結果 現代物理学の最先端研究は、その専門的細分化と実験・計測装置の設備が大掛かりである。然るにここに示す実験内容は、不思議な現象ではあるが、その内容は極めて単純な子供もできる器具のものである。電圧測定だけの結果でしかないので、その実験を行う思い付きがむしろ面白かろうと考える。そこで、疑問と改良実験、その結果の失敗の繰り返しで、結論に辿り着く過程が面白かろうと思う。その過程を含めて実験結果の報告だ。

実験Ⅰ コイル②を新たに巻いて実験した意味。それはコイル①の測定電圧の不平衡な違いが気になったので、コイルを分けて巻いた場合、巻線1-1′ と2-2′ に対する巻線3-3’との間の電圧値にどのような違いが出るかを確認したかった。そこで今までと同じように、巻線1と2端子に電源電圧をかけて見た。その結果が次である。

実験Ⅰ実験Ⅰ

結果評価 この結果にも巻線3との間の電圧値で、離れた結合の少ない巻線1との電圧が大きい。測定電圧値で、一つ注意すべき点がある。それは他の場合にも言える事であるが、電源電圧値は全く調整していないから、配電線路電圧の負荷変動の影響があるので、数ボルトの差は意味がない。この場合は、20Vほどの差があるが、その意味が理解できない。未解決の疑問だ。

(2015/09/26)追記 実験Ⅰの疑問の解決。当然のことであった。電圧を計ると言うことは、導線間の空間エネルギーを計ると同じ事であるから、コイル1と2に電源電圧を掛けたのだから、コイル1と2の間の空間にエネルギーが分布している訳である。従って、コイル1と3の間に電圧計を繋げば、コイル1との間のエネルギー分布を拾う。しかし、コイル2との間には電源によるエネルギー供給空間外であるため、コイル3との間で拾う量は小さくなる。その空間エネルギー検出量の差が20ボルトになったと解釈する。

実験Ⅱの1 実験Ⅰの結果を観て、再び元のコイル①で確認したい事が浮かんだ。電源電圧印加を巻線3に掛けたらどうなるか。その結果だ。

実験Ⅱの1実権ⅱの1

この結果の評価 コイルと電圧とエネルギーの実験結果と比較してみれば、巻線3と巻線2が入れ替わっただけで、巻線1に対する電圧が大きい事は変わりがない。

実験Ⅱの2 電源電圧印加端子を3から3’に切り替えた場合も示す。

実験Ⅱの2実験Ⅱの

(2015/09/26)追記。 実験Ⅱの1と2の結果はコイル1に関係した電圧が大きい。その意味は、最後に書いた実験全体を通した結果評価に述べてある。

実験Ⅱの3(215/08/15) 昨日はいわゆる終戦記念日。また不図気が付いた。コイル①で電源電圧印加端子を2と3としたらどんな結果になるかを調べていなかった。この場合は架橋ポリエチレン絶縁体のエネルギー伝播現象は起こらないだろうと気付いた。測定結果が次である。

実験Ⅱの3実験Ⅱの3

結果評価 巻線2と3はエナメル線と看做せる普通の平衡電線である。巻線空間エネルギー分布に偏りはない事を結果が示したと考える。予測通りと解釈したい。(2015/09/26)追記。僅かだが6Vの差がある。その訳は?実験Ⅰの解釈から見れば、逆に思える。

実験Ⅲの1 実験Ⅰの分接コイル②についても電圧印加を巻線3-3’の場合を確認した。

実験Ⅲの1実験Ⅲの1

実験Ⅲの2

実験Ⅲの2実験Ⅲの2

実験結果の評価 ところどころ測定値の欠落(測定忘れ)があるが特に問題無し。さて、ここまでの実験ⅠからⅢまでの結果を観ると、コイル①の巻線1だけが難燃性架橋ポリエチレン絶縁線で、他はすべてポリウレタン絶縁の銅線である。予想に反して、巻線1だけが全て電圧が大きめに計測される。そこで一つ気掛かりな点が浮かんだ。印加電源電圧の電位(この電位と言う概念は技術用語としての捉え方で、物理的意味は余りないと考えるのだが、配電線路の電圧には柱状変圧器からの二次側で、必ず1線は第二種アースで大地に落ちている。変圧器の故障事故による高電圧6300Vが配電線を通して家庭内に侵入する事による感電事故を防ぐ安全対策としての第二種アースがある。)の影響かと考えて、建物のアルミサッシを基準にして電源電圧を調べた。電源スイッチがコンセント型スイッチで、片側1線のみのスイッチである為かと考えた。しかしスイッチオフ時には、電圧が15Vや24Vで現れたが、スイッチオン時には影響がないように思える。ここで、また解釈できない壁として実験結果が精神的負担を掛けて来た。悩んだ!!

実験Ⅳの1 他に対策が見えなくなって実験結果が教えてくれた。まさかと言うことに気付いた。コイル①の巻線1だけが特別の電線を使っていたと。改めて、ポリエステル銅線3本を使ってもう一つ合接コイルを巻いて確認しようと考えた。それがコイル③である。三本の銅線を交差しないようにきちっと揃えて、巻上げたら32ターンであった。実験結果が鮮やかに出た。

実験Ⅳの1実験ⅳの1

実験Ⅳの2

実験Ⅳの2実験ⅳの2

実験ⅳの結果評価 電圧印加端子1と3および1と2のそれぞれの場合で、電圧印加されない浮遊巻線はそれぞれ2-2’および3-3’で、その巻線に対する測定電圧がほぼ同等の値を示した。この測定結果は今までの測定電圧値で初めての結果である。

実験全体を通した結果評価 最大の発見的事実として挙げたい点がある。合接コイル①の巻線1-1’に難燃性架橋ポリエチレン絶縁線を使った事によってコイルの電線路特性に『エネルギー流』の空間的ひずみを生むと言う現象の発見である。この事の意味は少し複雑でもあるから別に改めて詳しく説明をする(2017/12/12追記。電線路のエネルギー伝送の意味は電線導体内を伝送されるのでなく、その導体で挟まれた空間内を伝送される。絶縁被覆の銅線なら、エネルギーはその絶縁被覆内(コンデンサと同じ意味)で密度が高くなるため、その誘電特性に因って伝送速度などが決まる。光の屈折と似た現象で、その空間のエネルギー密度がその絶縁媒体の影響を受けるから電線導体の絶縁体で電気エネルギーの伝送特性が支配されるという事になる)。従来の電気回路論では説明がつかない筈だ。基本的認識は『電流は流れず』を理解する事である。もともと実験に供したコイルは電気回路としての実用的価値は全く無いものである。こんなコイルを巻くこと自体が電気技術者の発想には無い。正しく奇想天外な発想から生まれた偶然の発見かもしれない。不立文字の哲学的発想、東洋的『無』に通じるかも知れない。

平行電線路の珍現象(この項は削除2017/12/12)

電圧計が計るもの

科学技術を支える理論に電気理論がある。しかしその技術概念は物理的な意味を追究すれば、極めて曖昧なものである。技術と物理学理論との関係を明らかにすることが、明日への学問に必要であると考える。今回は『電圧』と言う科学技術の概念を、電圧計が何を計っているかについて考えることによって、少しでも明らかに出来たらと思う。電流と電圧の正体で述べた事であるが、少し補足の意味で追加する。電圧と回路

無負荷時の回路を示す。電圧計の内部は電気回路である。直流の電圧計は可動コイル型計器である。電流計が導線内を流れる『電流』等を計っていないと同じく、電圧計も『電圧』など計ってはいないのだ。電圧計にも図のように『電流』が流れているように表現する。電流 iv の値で電圧計の表示値が決まる。

可動コイル型電圧計とエネルギー流電圧計も電流計も内部の電気的回路構成は全く同じものである。磁石の中に回転する可動コイルが支持されている。その軸に制動バネ(コイルの回転を妨げるバネ)と電圧値の表示用指針が固定されている。軸受で、軸がコイルと共に回転する。その回転力がトルクτである。コイルに電流が流れるという意味は、コイル導体の周辺にエネルギーが貯蔵されることを表していて、そのエネルギー量を表現していると解釈すれば良い。アンペアーの法則やフレミングの法則で電気理論では解説されるが、本質は単にエネルギーの自然現象である。それを電磁エネルギーと言うインダクタンスLv内の貯蔵量として理論で説明されているのである。そのエネルギーの状況をどのように認識するかが重要なのである。磁石内の空間ギャップには磁石自身が造るエネルギー流が存在する。そこに可動コイルの貯蔵エネルギーが追加されれば、エネルギー流間での相互干渉が起こる。図にギャップエネルギー流とした。そのエネルギー流間の相互作用が力の『近接作用』と言うものである。水の流れで、互いに接する間の水流は相互作用をし合う訳である。それと少しも変わりの無い現象である。水の流れは目に見える。しかし、電磁エネルギー流(熱や光のエネルギーの流れ)は目に見えない。目に見えなくても、自然の現象は同じであるという極めて単純性がその本質なのである。人間が自然を解釈するのに、勝手に複雑に考えているだけなのである。ただ、空間を流れるエネルギー流の間の相互近接作用力をどのように数式で表現すれば良いかは、実験的に評価できないままである。電圧計指示値

電圧計が指示する計測量の意味を最初に挙げた無負荷回路との関係で、数式で示せば、ファイルのようになろう。

(2015/06/23)追記。線路電圧の新しい概念解釈を示しておこう。エネルギーで観る線路電圧 。