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電気回路のエネルギー問答

はじめに(この記事は、早や一か月以上前の8月5日に書き始めた。今9月17日でまだ投稿できていない。次々と新たな課題が生まれる。その単体問題として幾つかまとめた。電圧・電流とエネルギーと時空 (2019/08/11)、光エネルギーと速度と時空 (2019/08/23)、電流1[A]の論理性‐考える理科教育への科学者の社会的責任‐ (2019/09/07)、空間定数とエネルギー伝播現象 (2019/09/14)。)

遥かなる呼び声がする。何度も関わってきた筈のことであるのに、未だに未練がましく電気回路に呼び止められているようだ。『瞬時電力』の物理的意味 (2018/03/15) に疑問を呈した。エネルギーの物理量を理解しているかと自問した。実験的検証の技術と人の自然認識の関係を自然と科学理論の架け橋はいずこに(2019/05/13) にも述べた。極めきれない概念量にエネルギーがある。

エネルギー量の単位 1[J] とは? その量は小さいが、世界を知る基本単位として大きな意味を含んでいる。それは1[g]の純水の温度を0.24[°C]だけ高めるに要するエネルギー量でしかない。

物理量のエネルギーは空間に実在する量である。

今まで、様々な電気回路の問題を取り上げて考えてきた。もう一度エネルギーの意味を電気回路の中でまとめておきたい。

単相交流回路のエネルギーから、最後は三相交流回路の「瞬時虚電力」の物理的意味をまとめたい。

〈問答1〉電源からのエネルギー送出量を決める要因は何か。

エネルギー流は如何に

電源が直流であろうが交流であろうが、その電源はエネルギーを供給する元である。電気回路論では電圧と電流という電気量で評価し、解釈する。しかし負荷で利用するのはエネルギー量である。図で、スイッチを直流側に投入すれば、伝送路の電圧は負荷まで主に電源電圧Esによって支配される。負荷までの電圧はどのように決まるのか。何がその電圧を決めるのか。

〈問答1-1〉無負荷線路の電圧 短い電線路を電源につないだ。つなぐ前は電線路には何の電気的意味もない。触れても何も感じられない。スイッチが投入されると、今度は電線に触ることは危険になる。何故だろうか。電線路にどのような電気現象が起きたのか。こんな愚問あるいは哲学問題は決して電気回路論では取り扱わない問答である。皆さんはどう答えますか?電源はエネルギーの供給源といいました。当然エネルギー以外ありません。それではどこにエネルギーをどのように送出するのでしょうか。金属の導線を繋いだのです。導線の中の金属原子結合空間でしょうか。決して『電荷』や電子では解釈困難のはずである。答えは電線路が握っているのでしょう。

〈問答1-2〉 電線路の物理的意味。

単相の2本の電線が張られれば、それは電気エネルギーを伝送する空間を規定する電気回路となる。金属導体が挟む空間は電気要素の静電容量という場となる。負荷があるかないかに関わりなく,エネルギー源の電源に繋がれた時点でコンデンサの機能を持つ。ただそのコンデンサに自動的にエネルギーが流れ込むことになる。流れる速度を規制するのが電気要素のインダクタンスである。それは自由空間を伝播する光のエネルギーの関係と基本的には同じ現象である。ただ、光のエネルギーが伝播するのに電線路はなくても、空間自体がエネルギーを伝送する真空誘電率と真空透磁率の伝送特性を備えているのである。電線路は金属導体で伝送空間が局所的に制限される点が異なる。そこに電圧の2乗の意味が働く。電圧・電流とエネルギーと時空 に答えを示した。

〈問答2〉 電気回路の電気量の波形を観測できる。その波形の物理的意味は何か。表現波形にも観測できる波形とできない波形がある。右に(問答2)観測波形の物理的意味。として回路と検出の図を示した。一般的には電圧と電流波形が普通の観測波形となろう。電圧と電流の積をとれば、電力の波形も観測できる。

 

【回路条件】具体的な回路条件で考えよう。

 

 

 

 

〈問答2-1〉電流波形の物理的意味 不可解な電流の物理学的概念について考える。電荷の時間微分 [C/s] を電流アンペア [A] と定義している。いくら不可解だといっても、オッシロスコープで実際に電流波形が観測できる。電圧波形 v と電流波形 i は図のように簡単に観測できる。ただし、図には電流 i を有効分 ia と無効分 ir に分けた波形も記した。電流波形 i は観測できるが、ia や ir は観測できない。ここでは電流 i についてその物理学的意味を考える。実際の観測は、電流も電流計のシャント抵抗と同じく回路の抵抗降下電圧を検出して、電流と解釈しているのだ。だから、本当に電流という電荷の時間微分値を計っている訳ではない。電線の中の電荷の挙動など観測できる訳ではない。電荷量[C(クーロン)]の時間微分[d/dt]値、電流[A=dC/dt]が流れるとはどの様な物理現象か?例えば、電線路の導線のある点に1[A]が流れるとは電荷がどのような状態と解釈するのですか?ここにも、「見えるもの(波形) 見えないもの(意味)」が隠されている。電流が電線の中を流れる電子の逆流等ととても難しい哲学的で抽象的な概念で解説するのが科学論の論理性に適っているとお考えですか。愚直に、科学論の言わんとする概念や内容を自分の心に共感して納得できるかどうかを追究する過程で、納得できない矛盾に突き当たれば、その矛盾を取り除くにいかなる道があるかを探るだけである。その結果が『電荷』には科学論の基礎概念の資格がないとの結論に達してしまった。だから『電流は流れず』などの表現を使ってきた。電気回路現象から否定した電荷概念が科学論全体にいかなる混乱を与えるか、計り知れない恐ろしさを抱く。考えれば、電流が電荷の何々という意味で理解できない訳で、エネルギーとの関係で捉えなければならないものだ。前の記事電圧・電流とエネルギと時空で示した 電流の2乗  i^2^[J/H] から、線路定数 μ[H/m] による電線路のエネルギー流 μi^2^ [J/m] の意味を捉えた科学技術量が電流だと解釈すればよい。

電流 i を有効電流 ia と無効電流 ir の2つの電流に分離して図に示した。それは次のようになる。

i=ia+ir= √2 ×10 sin(ωt-θ) , ia=11.31sin ωt , ir= -8.48cos ωt

ただし、θ=tan^-1^(12/16)=36.87 [°]=0.205π [rad.]で、力率 cosθ=0.8である。

<問答2-2> 電力波形の物理的意味。電線路の各部で、そこの電力は電圧と電流の積で解釈される。電力工学やその技術感覚では電力と言えば、何の躊躇もなく電圧と電流の積で p=vi [W=(J/s)] と捉えて理解する。

電力波形の意味 この電力とその波形の物理的意味は何かとあらためた考え直すと、よく分からないことに気付く。それは時間軸上に描かれる電力波形が,時刻のその瞬時におけるエネルギーの時間微分という物理的不明確な概念をどのように理解できるかという問題である。電圧と電流の積が電力ということが表現する意味は何か?ということだ。「積」の[×]と言う記号の意味は何か。巷の専門的記事の解説は如何にも当たり前のように電力の単位ワット[W]で納得しているようだ。恐らくすべての専門家が疑問にも思わないのだろう。その常識的基礎の電力の意味が分からないと言えば、専門家の中には入れないだろう。専門家とは共通の学術的基礎の基盤の上に立って論議のできる人たちから構成された職業的繋がりの集団であるから。しかし電力という単位の意味が筆者には理解できないのだ。ある時刻における、ある電線路の位置で、その点の電力という『エネルギーの時間微分値』とはどの様なエネルギー像で捉えればよいのか。[W]は[J/s]で、その電線路の位置の1秒間の値など決して電力波形で表現できる筈がない。時間軸上に表現すればそれはその瞬時の値で時間の長さはない筈だ。1マイクロセカンド[μs]の時間での微分値と言ってもそれは瞬時値ではない。しかしながら、誰もが上の図のように電力の波形 p を描いてその意味を解釈する。その波形の物理的意味が明確ではないにも拘らず。このような論法は、科学技術論の専門的仲間同士の論議にはならないのである。しかし時間軸上の瞬時値波形には決して時間での微分値概念は描けないのである。磁束での変圧器の鎖交磁束の論議と同じく専門的な話が進まないのだ。もともと電圧(磁束の時間微分)、電流(電荷の時間微分)も時間微分値の概念であるから、同じことではあるが。この先の論議が本当の自然現象の物理的意味を探る話になるはずだ。それは哲学道場での論議になる。所謂東洋的削ぎ落しの思考の場となる。物理学とは何かを問う話にもなろう。例によって JHFM 単位で考えれば、電力は次のように表現できる。

電圧[(J/F)^1/2^] × 電流[(J/H)^1/2^] = 電力[J/(HF)^1/2^]

この上の式が表す次元と電力の意味を理解しようと考えても、筆者は電圧と電流の積の物理的意味さえ捉えきれていないのではないか。理解できない、分からないあるいは不思議だと感じた時が、それが新しい理解の道の入り口になるのだ。疑問こそ宝玉、道標。疑問に思わなくなったら進歩は途絶える。書いている筆者自身が分かっている訳でなく、これから答えを探す旅。第一歩は、何が分からないのか探る、その道の入口を探すこと。とボーっと過ぎる時間の中で一つ見つけた。光の速度が空間定数で決まる訳を。それが時間の次元[s]が[√(HF)] と同じ意味である訳が見えた。光エネルギーと速度と時空 の記事とする。電力の意味はその後に託す。電力p[J/s]の意味と解析(1)意味 (2019/09/ 16) に回答の一部を示した。

むすび

この記事のはじめに挙げたように、電力の意味を尋ねて、途中でいくつかの問題に結果をまとめた。電力p[J/s]の意味と解析法(1)意味 にようやく一つの納得できる結論に到達した。次に具体的な負荷特性との関係をアドミッタンス解析法としてまとめて、電力の姿を自分が納得できるようにしたい。

 

これが電気回路の実相だ

はじめに 電気技術概念、その代表が電圧と電流だ。その本当の意味はすべてエネルギーの姿を利用しやすい観測量として評価するものであった。エネルギーが電線導体の中を流れることはない。すべて電線で囲まれた空間を流れるのだ。基本的にはほとんど光と同じ光速度、毎秒30万キロメートルの考えられない速度で伝送されている。電気回路理論では電線路をエネルギーが流れるという解釈は一般的に採られない。それはエネルギーが空間内に実在している物理量という意識がないからであろう。エネルギーその物を計ることもできないし、目で見ることもできないから意識化が困難な事にその原因があるのだろう。太陽の光を浴びて、暑くてもそのエネルギー量を計れない。光を見ても、そのエネルギーが流れていること感覚的に捉えにくい。決して光は振動などしていないことを実験的に検証できない。光の科学測定は振動数の姿でしか測定値として捉えられないから。光の空間を伝播するエネルギー分布波など測定・観測できないから。電気回路を伝送するエネルギーも光と同じ空間分布波である。

特性インピーダンスと伝播定数。 電気回路は電線と回路要素のインダクタンス、コンデンサそして抵抗の3つでほとんど構成されているとみてよかろう。モーターもそれらの要素に等価的に分解して解釈できる。それらの要素がエネルギー(このエネルギーという意味を空間分布波として認識しなければ意味が通じない)に対して、それぞれ異なる機能を発揮するから、電気回路現象を理解するには技術的学習が必要になる。その技術習得に欠かせないのが、電圧や電流あるいは電力の概念である。しかし、電気回路の実相はもっと単純なのである。電気回路のインピーダンスや虚数軸のベクトル手法などによる専門的知識によって、単純な電気現象の実相が見えなくなるようでもある。ベクトル解析などと抽象的な解釈法を専門的共通理解の手段として学習すると、とても便利に理解しやすくなり、専門家集団内の共通コミュニケーションに欠かせないものとなる。そこには物理学理論としての電圧・電流概念が確固たる強固な物理的基盤として支えてもいる背景もあるから。しかし、電気現象も光や電波と同じエネルギーの空間伝播現象でしかないという本質を先ず捉えることが必要なのだ。そこに大事な電気回路現象の理解の要として、特性インピーダンスと伝播定数がある。街には配電線が電柱で支えられて配線されている。電気エネルギーを供給するためである。高電圧6600ボルトのピン碍子配線、変圧器を介した低電圧200・100ボルトの絶縁ケーブル配線がある。それは空間を伝送されるスマホの信号エネルギーと同じ電線導体の間の空間を伝送される電気エネルギーの伝送設備なのである。専門的技術理論が分からなくても、単に電線路空間を構成して、その空間を通してエネルギーを光速度で送っているだけなのである。その基本の単純な自然現象の利用技術が電気工学や電力技術として熟練を要する専門的な理論となっているのである。誰しもが基本となる自然現象の単純な意味を先ず理解してほしい。電線導体の中を電子が流れている等という、如何にも専門家らしい言説に惑わされないでほしい。決して電線導体の中を電子など通れないのだ。この世界に、負の電荷を持った電子など存在しないのだ。教科書が真実などと言うことではないことも知らなければならないのだ。自然は深くて単純なのだと。

電線路の実相

電気回路の真実を知りたい方のために少し解説したい。技術と自然の架け橋の要点を。

空間の電気特性 目の前の空間が持つ科学技術的解釈に誘電率と透磁率という概念がある。空間がインダクタンスとコンデンサから成り立っているという解釈である。携帯電話を使えば、電線が無くても通信ができる。空間が電波信号(これがエネルギーの空間分布波なのだ)の伝送路だからだ。図に透磁率μo[H/m]と誘電率εo[F/m]の値と空間の持つ特性インピーダンスZo[Ω]および電気信号の伝送速度の逆数で伝播定数γ[s/m]を示した。光速度coもその定数から決まる。透磁率が4πという立体空間角度に関係した値で定義されて、うまく統合されている訳は誠に不思議に思える。余りにも良くできているから不思議だ。それは空間の長さ1メートルあたりにインダクタンス[H/m]がある。同じくコンデンサのキャパシタンス[F/m]がある。空間にコイルやコンデンサがある訳はないのに、そのように解釈して初めてエネルギー伝播現象の姿を納得して理解できる。その捉え方の妙味が、とても便利であるから不思議なのである。何か禅問答のようだ。

右に裸電線を張った電気回路の意味と特性を示した。数式には自然対数のln(2D/d)を使って示した。常用対数log(2D/d)に変換するには係数2.3026を掛ける。一般的には絶縁電線が使われるが、基本的な特性は裸電線の空間構造によって決まると考える。絶縁電線は電気エネルギーの流れる伝播空間が電線表面の絶縁体部を流れるため、エネルギーの流れる速度が比誘電率の値で遅くなる。1メートルの長さをエネルギーが伝播する時間が伝播特性で、比誘電率εsのため√εs倍だけ長くなる。裸電線の場合は、空間の光の速度と同じことになる。線路の特性インピーダンスの機能はその値が同じであれば、エネルギーの流れが電源電圧のエネルギー分布に従って反射などの阻害要因がなく伝送されることを示す。その現象は特に超高周波回路に現れる。分布定数回路と実験に例がある。

むすび

空間の光エネルギーの伝播現象を科学技術概念、空間定数(透磁率、誘電率)と結びつけて、その捉え方を電気回路の伝播現象と統一的にまとめた。30数年前に、拠り所の電流概念を棄却して闇の世界の中をさまよいながら、プランク定数の次元と実在概念 日本物理学会講演概要集 第56巻第1分冊2号、p.338. (2001) の光エネルギー分布波の捉え方から、空間エネルギー分布の解釈にたどり着いた。光とは何か?-光量子像‐にまとめた。今50数年前の、分布定数実習に対する一考察 (新潟県工業教育紀要第3号、1962)の分布定数回路の実験結果が貴重な資料となり、この記事の基にもなった。新潟県教育委員会に正式採用もされていなかった中で、アルバイトのような身分の分際で研究するなど誠に御迷惑をお掛けしたと恥じている。と卑下してみても、新潟県はこの研究報告を生かす責任があろう。 

 

静電容量算定式と理論

はじめに
電気回路の要素に静電容量がある。それは電気回路の中に含まれるエネルギーの貯蔵要素の一つである。回路素子としてはコンデンサになる。静電容量という用語から、静電エネルギーと繋がりそれは「電荷」によって解釈される。しかし実際の電気回路の中の導線路の静電容量を求めるのは簡単ではない。

静電容量の算定式とその理論的根拠

静電容量の算定 Fig.1.のように、直径d[m] の導線2本が間隔D[m]で平行に張られた電線路の単位長さ当たりの静電容量C[F/m]を算定したい。さて、どのように算定式を求めるか。静電容量の定義は二枚の電極に挟まれた空間の形状で決まるとなっている。極版の面積Aとその間のギャップDと空間の誘電率ε[F/m]で算定される。しかし張られた導線路の導線の面積は計算できない。だから静電容量の定義に基づく理論的計算は本来できないのである。結局電荷分布を想定して、電圧と静電容量の関係から算定することになっている。その手法は参考文献 5.4 静電容量 p.103. 以降にその手法が述べられている。

算定とその論拠 図のFig.2. のように、半径r の導体a、 bが間隔Dで張られている。この電線路の単位長さ1[m]当たりの静電容量C[F/m]を算定する論拠は何か。文献には線路中点Oを電位零点と仮定して、導体aの中点Oに対する静電容量Ca[F/m]が算定されている。さて、この算定論拠はどのような意味か。導体aに電荷q[C/m]、同じくbにーq[C/m]の電荷を仮定。そこで、P点に生じる電界を算出。aによる電界Ea [V/m] 、bによる電界 Eb [V/m]とする。

Ea=q/(2πεoxa×1)=2q×9×10^-9^(1/xa)  [V/m=(J/F)^1/2^/m]

となる。単位長さ1[m]の円筒状の表面積 2πxa×1[㎡] における電界強度として求まる。その電界は当然ベクトル量である。導体a 、bのそれぞれの電界ベクトルは図のようになる。電界ベクトルはその向きに電位が下がることを意味している。今導体aの導体中心に電荷を仮想する。もちろん本質的には「電荷」など実在しないのであるが、教科書の伝統理論に従って考える。しかし電荷に論拠を置いてもFig.2.の静電容量Caの算定式の論理性が見えない。この式は、導体aの表面rから導体bに向かって

電界ベクトル Ea=q/(2πεox)をrからDまで積分して得られる式

va=∫Eadx =2q×9×10^-9^ ln(D/r)

に等しい。故に、va=q/Ca より静電容量は

Ca=q/va=1/{2×9×10^9^ln(D/r)}

=0.02413×10^-9^/log(2D/d) [F/m]

となる。ただし、ln(2D/d)=2.306log(2D/d) 、d=2r である。

また導体bについてもその電荷 -q によってa、b間の電界Ebの積分によって、

Cb=0.0241310^-9^/log(2D/d) [F/m]

と同じ算定式となる。

この結果は、基本的なコンデンサの電極を導体aとbとした時の両電極の正、負電荷分布による電圧と静電容量の関係を表現している。しかし、参考文献の結果は導体間の中点Oに対する静電容量と算定されている。しかもその電線単導体当たりの中性点(アース)Oに対する値としての値が、実際の三相送電線路においてはその結果が適切な値となっているところが誠に不思議なことである。平行2線式電線路の場合も、図のFig.1.に示した通り線路静電容量Cは 算定式の値の半分で、C=Ca/2[F/m] とコンデンサの直列接続の値となって、実際の電線路の特性に合致するのである。

コンデンサと電荷。 電線路の静電容量もコンデンサもエネルギーの貯蔵機能要素である。その機能の理論的解釈になると、電荷が拠り所となり、電荷による電界強度が基になる。そこで改めて、コンデンサと電荷の関係を貯蔵エネルギーWc[J]によって Fig.3.に表した。コンデンサは電極版間の空間構造とその誘電体材料でその静電容量が決まる。電荷によって理論的解釈がなされるが、電極版間の寸法D[m]と電荷量q[C]と電界E[V/m]との関係で決まる。内部空間の電界はこの場合一様と考える。電界や電荷は貯蔵エネルギー量Wc[J]で解釈できる。電荷q= √(2CWc) [(FJ)^1/2^]を意味した概念と言える。このコンデンサの静電容量C[F]の算出に、電線路の静電容量算定手法のような中性点などは考えない。電線路の静電容量の算定手法はとても難しく、理解困難である意味をこの平板コンデンサを例に考えた。しかし、電線路の算定静電容量は電線路の1本当たりの値として実用的に優れた算定式であることも確かなことである。

むすび

この静電容量の算定に関わる理論で、導体周辺のエネルギー分布については全く考慮されない。電線路電圧がv[V]であれば、その分布エネルギーはw=Cv^2^[J/m]となる。その値は電線路周辺空間内の電界分布とは繋がらない。科学技術の応用においてはその概念は極めて有用・有効であるが、理論的に追及すると曖昧なことも多い。自然現象としての理学の問題と科学技術の手法との間には解明されなければならない基礎の問題が取り残されている。そこには『電荷』とは何か?『磁束』とは何か?『電流』とは何か?など科学技術用語の基礎概念の意義を問う哲学的論考が求められるはずだ。

参考文献:電気学会大学講座 送電工学(改訂版)第2編 送電 第5章 線路定数。

電力 p[J/s] の意味と解析法(1)意味

はじめに

瞬時電力という用語を今までも常用してきた。電力制御の技術理論も確立していると思う。電圧と電流の瞬時値も制御可能であり、電流の偏差値の微細制御さえ可能である※(1)。当然その積としての瞬時電力も制御可能である。電力工学で制御が可能であるにも拘らず、瞬時電力の意味が理解できないとはどういうことかと理解されないかも知れない。筆者自身も自分が何を理解できないと考えるのかを理解するのに困惑した。禅問答のようである。電力の単位[J/s]のエネルギーの時間微分という概念の物理的意味が明確ではない。時間軸上に電圧も電流もその波形が当たり前のように描ける。従ってその積である電力も何の違和感もなく、その波形を描くことができる。そこに科学技術とその基礎になる自然現象の本質との間に横たわる人には気付きにくい不思議な関係があると考える。電流波形が描けるとしても、その物理的意味をどれほど理解しているかという課題が残されているのだ。だから電力の瞬時値の意味が分からないのも当然と言える。それは『エネルギー』の意味が明確でないからであろう。

電力 p[J/s] の物理的意味。

電線路のある点の電力 p[W] はその点の電圧と電流の積で捉える。単位ワット[W] はエネルギージュール[J] の時間 [s] での微分値となっている。エネルギーの時間微分値とはどの様な物理概念と理解すればよいか。瞬時電力 p が電圧 v[V] と電流 i[A] の瞬時値の積であると定義されても、物理的に単位 [V] と [A] の積が [J/s] となるという感覚的に納得できる理解、安堵に至らない。精神的に安心した状態に至らない。要するに腑に落ちないのである。自分の脳の弱さを棚に上げて、[VA]=[W]=[J/s]となる理屈が理解できないと言って悩んだ。それは[V][A]そのものの物理的概念が心で納得していないからであろう。そこに不思議の原点があった。せめて、[V=(J/F)^1/2^][A=(J/H)^1/2]と[VA=(J/F)^1/2^(J/H)^1/2^=J/(HF)^1/2^=J/s]の単位、次元の換算を頼りに考えた。そこから、[J/s]の理解の旅が始まった。

エネルギー[J]の意味を知ること。

電気回路で伝送されるものがエネルギーの空間分布波であるという自然現象の実相を知ること。電圧・電流はそのエネルギー流を評価する科学技術概念であり、自然現象を理解する物理概念と捉えるには少なからず考えなければならないものがある。電気回路のエネルギー流とはどの様なものか。具体例として、負荷容量1[kW]の電気負荷を考える。電源は100ボルトの正弦波交流電圧とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上に抵抗負荷の場合を例に、瞬時電力という意味を電圧と電流の積という観点と異なる電源からのエネルギ流-として考えた。結果としては、電圧と電流の積の電力で解釈して矛盾はないという意味になった。ただ、電圧の意味と電力の関係の物理的意味で、具体的な理解ができた。電気回路には線路ロスがあり、それを線路抵抗などで解釈するのが一般的であるが、エネルギー伝送の観点からは少し異なると考える。線路損失は電流によるジュール損というより、空間から放射されるエネルギーの損失と捉えるべきで、電圧位相遅れは伝播定数γにのみ因ると考える。電線路導体を電子が流れる訳でないとなれば、空間のエネルギー流からそのように考えざるを得ない。

瞬時電力p

電源電圧を基準に、負荷端の電圧が線路長l[m] では、γl[s]だけ位相の時間が遅れた電圧となる。負荷電力はその端子電圧の2乗に比例する。電線路の単位長さ 1[m] 当たりの空間に分布するエネルギー量はγp[J/m]となる。

電力

p=dE/dt [(J/m)/(s/m)]=γp[J/m]/γ[s/m] = p [W=J/s]

という意味で、電力を捉える。空間的広さあるいは時間経過に通過するエネルギー量で捉えないと、エネルギーの意味を捉えきれない。

むすび

時間軸上に描きながら、その瞬時電力という用語の物理的意味が理解できなかった。電線路空間にエネルギーが実在するにも拘らず、エネルギー量の時間微分という概念量の捉え方が理解できなかった。上の解釈で、伝播定数γ[s/m]による空間のエネルギー流として納得できた。しかし、何を考えても専門家の皆さんの考え方を否定するあるいは無視するような結論が多く自分に困惑頻り。本当に『流れに竿挿せば流される。流れに逆らえば窮屈だ。』の名言の通り。

参考文献※

ここに挙げた文献は電力工学の分野での過去の研究の成果といえるものだ。特に(1)はスイッチングによる微細電流制御の回路解析を論じた内容だ。しかし、その電流を物理的には実在しないと棄却した。己の専門分野を切り捨てるような、研究のはみ出しの世界を歩いた。『静電界は磁界を伴う』と『電荷』を切り捨てた。ようやく『エネルギー』によって電気現象を解釈できるところに到達できたと思う。文献(2)、(3)は電気回路解析の手法として、インピーダンスでなく、アドミッタンスが有効と考えるに至ったその原点をなす資料である。中でも(2)は特殊な空間モデルを描いて、瞬時虚電力の概念を電磁気学の微分演算子で纏めたものである。次の記事(2)回路解析で、負荷力率との関係をアドミッタンスによって考える参考にする。

(1) 金澤他:電圧型PWM変換器を用いた瞬時無効電力補償装置の動作解析と設計法 電気学会論文誌B、論文61-B 39 (1986.4.)

(2)金澤:561  瞬時ベクトル空間モデルと空間瞬時アドミッタンス 昭和61年電気学会全国大会 (1986.4)

(3)金澤:空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用 電気学会 電力技術研究会 資料番号 PE-86-39 (1986.08.04)

電圧・電流とエネルギーと時空

今、電気回路のエネルギー問答 を書き始めた。その途中で、一つまとめておきたいと思った。その問答の中の一つの答えでもある。物理学理論では、エネルギーは主役ではなく、何か端役あるいは誘導量という捉え方で理解されているように思う。しかし、電気技術から見た場合、電気回路現象を考えると回路内を伝播するのは光と同じエネルギーしか見えない。それでは電圧とか電流という電気量は何を表現したものかと、そこに戻ってしまう。また物理学理論では、あまり重要視されていない空間概念がある。それが誘電率と透磁率である。世界を支配している物理量の代表が光エネルギーであるとの認識に立った時、その光速度を規定する原因がその伝播する空間特性にあると考えざるを得ない。

光速度=(透磁率×誘電率)^-1/2^ =  1/√(με) [m/s]

ただし、μ[H/m] 、ε[F/m] から、[(HF)^1/2^]=[s] である。

空間の誘電率は空間長1m当たりの静電容量[F]、空間の透磁率は空間長1m当たりの誘導値(インダクタンス)[H] で、その空間を伝播する光エネルギーの空間共鳴現象としての伝播特性を呈すると解釈する。光を世界基準の物理量と見做した時、その伝播する空間の長さと時間を規定する「時空」概念として時間[s]と長さ[m]の時空基準を光エネルギーと速度が決めていると見做せる。この何もない空間が電気回路のインダクタンスやコンデンサの回路定数の単位ヘンリー[H] やファラッド[F] との関係で解釈できることの中には、そこに物理量『エネルギー』という空間伝播実体である光の『エネルギー』が空間分布として存在するからと理解する必要がある。光には振動する実体はないのだ。観測技術としての評価概念が振動数である。

上の解釈で電気量を解釈したとき、

電圧の2乗、電流の2乗と次元

その2乗値の単位はエネルギー[J] との関係で図のように認識できる。

次の問答の記事の答えともなるが、電線路には回路特性として単位長さ当たりの静電容量と誘導インダクタンスを備えている。その電線路単位長当たりの静電容量をε[F/m]とすれば、その電線路には1m当たり εv^2^[J/m] のエネルギーが線路空間に存在するとなる(係数1/2は省いた)。このように考えた元に、例えば電流を取り上げて考えた時、アンペアの単位が[C/s]と言う電荷の時間微分値であるということである。電線路の電荷の時間微分とはどんな意味か分かりますか。電流計で測る点で、その電線内の電荷がどんな意味と捉えるのですか。電流波形で描く時間軸のある時刻の電流値とはその電線の中に電荷が時間的にどのように存在し、変化していると考えたら、その電流の意味を納得して理解できるのか?その辺の電流概念への疑問から、どう考えても電流概念棄却の結論にならざるを得なかった過去がある。1987年8月に決断した研究会資料:電気学会、電磁界理論研究会資料 EMT-87-106 である。その5.むすび に・・・電磁気学の基本概念である電荷や電流までも疑い、棄却さえしなければならなくなってしまった。云々と記した。

次に電流 i^2^[J/H] は線路定数の誘導量インダクタンス[H]との関係で、流れるエネルギー量に関係した捉え方ができないかと考えたが、今のところ答えに到達していない。(2019/08/19)追記。電線路にはその単位長さ当たりのインダクタンスという流れを制限する回路要素がある。μ[H/m]の分布定数があるとすれば、電線路の単位長さ当たりμi^2^[J/m]の流れる伝送エネルギーが分布していると考えることはできる。同じく負荷のインダクタンスL[H]とは当然の関係で、Li^2^[J] の貯蔵エネルギーとなる(1/2は省く)。

負荷抵抗R[Ω]の次元も[(H/F)^1/2^]である。抵抗も空間特性は誘電容量と誘導容量の意味を持っているものと見做せる。この見方をとれば、i^2^Rの単位は[J/H][(H/F)^2]=[J/(HF)^2]=[J/s]=[W]という意味で納得できよう。

JHFM単位系 1990年(平成2年)春にまとめた単位系である。マイケルソン・モーレーの実験とマックスウエル電磁場方程式の関係から得られた。色々あって、1998年4月2日に初めて日本物理学会で発表させて頂いた。物理的概念とその次元 日本物理学会講演概要集 第53巻、1号、1分冊、p.13.  関係記事 エネルギー[J(ジュール)]とJHFM単位系 (2010/12/18) 。

まとめ 電圧及び電流という電気量はその根底には深い知恵が潜んでいる。その科学技術量を理解するには、自然との間の深いつながりを紐解かなければならないだろう。その辺に考えるということの意味があるのだろう。単に法則や原理ということで、それを鵜呑みにしていては本当の自然の深い意味を知ることはできなかろう。電圧と電流もその2乗に意味があるのであって、その平方を電気量の概念として実用化しているのだった。電圧、電流はその測定器があるということとの関係で、如何に優れた量であるかということになる。しかし負の電荷の電子が電線の中を流れているという解釈は誤っている。

エネルギー その見えざる正体

見えないもの 世界を光によって見ることが出来る。しかし、その光を見ることは出来ない。光がどんな形をしているかは分からない。その光の形を科学的に検証して確かめることも出来ない。しかし光は世界の実在的物理量で、空間に実在する。光は空間エネルギー分布波であると言っても、そのエネルギー波を検出をする測定法は無いだろう。何しろ1秒間に30万キロメートルの速度で通過する空間エネルギーの密度波であるから。そのエネルギーの分布状態を計る測定法が見つかれば夢の世界が広がるのだが。 見えるもの 見えないもの  にも見えないものについて述べた。その科学的に測定・検証できない電磁波の空間エネルギーについて述べようと思う。エネルギー程自然世界の根源を成しながら、その姿を見ることが出来ない不思議なものもないと思うから。大学教育に求められる「電気磁気学」 はその眼に見えない空間エネルギー波が光の本質であることを理解することを求めたものである。その見えざる正体を電磁波の中に観ることを論じたい。 眼で見えない物を心で観る夢としたい。 

電磁波はエネルギー波

図1.電磁波とエネルギー分布 正弦波の電磁波はマックスウエル電磁場方程式の解釈により、電界E と磁界Hの直交したベクトルの波動として表現される。その電界と磁界の偏微分形式で方程式に表現されている。しかし、電界や磁界が空間にあると考えるなら、その空間にはエネルギーがあると解釈される筈であるが、エネルギー分布についての解釈は電気磁気学の電波伝搬現象には見えないようだ。エネルギー波という解釈の記述について見た記憶がない。何故なんだろうか。電波伝播現象ではない静止電磁場については電界エネルギー「(1/2)εE^2^[J]」とか磁界エネルギー「(1/2)μH^2^[J]」とかの解釈がされているにも拘らずである。光速度伝播での電磁界については空間エネルギーという概念が消えてしまう人間の不思議な科学的習性を観なければならないのかと。そこで、今回はその光速度伝播の電磁界についても空間エネルギーが実在するのだということを伝える為に、その正弦電磁波のエネルギー分布を描いてエネルギーの実在性を解説しようと考えた。電磁波の本質は電界や磁界ではなく、エネルギー波なのである。それが光が空間エネルギーの縦波だという解釈に通じる事の要になるのである。図のように、正弦波の波長λとすれば、その半波長 λ/2 の繰り返し正弦波分布波となる。実はこのエネルギー密度分布波δ[J/㎥]の空間伝播現象を解説しようと考えたとき、このエネルギー波の表現法に困惑してしまった。そのことで、前の記事、瞬時電磁界と概念になった。エネルギー波が電気磁気学で取り上げられない訳の一つに、その空間表現が困難であるからかも知れないと考えるに至った。それが見えないものを観る困難かとも思う。しかし、エネルギー単位量子という捉え方で電磁波のエネルギー縦波伝播現象の解釈が欠かせないと考え、その意味を解説したい。

エネルギー単位量子

図2.エネルギー単位量子 ε=(λ/2)(δの平均値)[J]  見ることのできない空間エネルギー分布密度波を、空間に図形表現してみたのが図2.である。石や花のように眼で見ることが出来るものは空間に描ける。平面表現であっても絵にして伝えられる。しかし、空間に実在すると言っても眼に見えない、形の表現のしようがないものを示す事は困難である。質量に付加される運動エネルギーは質量体とその速度を併記すれば、理解できよう。しかし、質量のないエネルギーは目に見えないから形に示せない。これは『禪問答』の部類かもしれない。そこを何とかご容赦頂いて論じさせて頂く。空間を伝播する電磁波は正弦波波長の半分の長さの空間エネルギー密度波の繰り返し波形である。今仮に単位面積あたりを通過するエネルギー波を考えれば、単位面積1[㎡]で長さλ/2[m]の体積のエネルギーε[J]の光速度の縦波伝送として捉えられる。それをエネルギー単位量子と定義する。

見えざる正体

見えない空間エネルギーは光の視界を遮ることもないから、そこに在るとは見えないのだ。電気コイルの中や磁石の周りにエネルギーが在ってもそれは目に見えないのだ。地磁気のエネルギー流が在ってもそれは目に見えないのだ。見えざる正体それが空間に実在するエネルギーなのだ。世界を構成する基であるエネルギー・素原の光がその代表なのだ。その見えざる正体のエネルギーが理科教育に求められる本源だ。サーフィンが夏の海に運動力学の絵を描く。津波とサーフィンは同じ水力学の形を見せている。波のエネルギーとは何かと尋ねれば、振動数が何とやらの解説が検索に出て来る。エネルギーの実在性が見えない理科の解説は間違いである。

『課題』が残る。光の波長はこの「λ/2」を捉えて今まで論じてきた。正弦波波長と光の波長との関係を明確にしなければならない。

過去から今まで

32  『静電界は磁界を伴う』 -この実験事実に基づく電磁界の本質ー

1.まえがき 現代物理学の基本概念に電磁界概念がある。しかし、マックスウエル電磁場方程式には時間的に変動しない電磁界いわゆる静電磁界に対してエネルギー伝播の概念は含まれていない。この解釈から「電荷も電流も時間的に不変である限り電気と磁気とは別々の現象である。」(1)という当然ともいえる結論が得られる。しかし、マックスウエル電磁場方程式をエネルギー伝播という観点から考察したとき、筆者は「電界あるいは磁界のみが単独に存在するような場は有り得ない。」という結論に到達せざるを得ない。・・・

と書き出した、1987年(昭和62年)4月の解釈から少しも進歩していない同じ事を論じ続けているようだ。

電気回路要素『抵抗』の物理的意味

電気技術と電気物理 電気磁気学は電気物理と言うより電気技術理論である。電気回路における技術概念『抵抗』の物理的意味はどのようなものか。抵抗の単位は[Ω]である。電気工学、電気磁気学では回路の電圧が電流に比例するその比例定数と言う意味である。いわゆるオームの法則における回路要素の定数を表す。電気技術論とは異なる電気物理理論とはどのようなものと解釈すれば良いかの具体的例題として、抵抗R[Ω]を取上げて考えてみる。電気磁気学と言えば、その基本概念に電界と磁界がある。電界とは空間の単位長さ当たりの電圧の強さで、磁界と言えばやはり空間の単位長さ当たりの電流の強度で定義した技術量である。電圧とか電流と言う概念は電気技術論の最初に定義した科学技術量の代表的概念である。電圧とは何か?電流とは何か?と自問してみた時明確に答えられるでしょうか。おそらく科学技術論としては電気工学の常用概念では理解できているであろうが、それ以上の意味を認識しているかと余り考えはしないことであろう。そこからが電気物理になる。そこでは『電荷』も「素粒子」も望まない自然世界の話になる。いわゆる物理学の眞髄であろう。それは単純であり、ただ空間に『エネルギー』が実在するだけである。従って電界も磁界もその『エネルギー』の観方でしかない。

空間のエネルギー 空間にエネルギーが存在する時、その空間は電気導体も有れば、磁性体もある。その空間に存在する『エネルギー』にとっては真空自由空間とは言えない様々な制限の条件を受ける電線路空間で、そのエネルギーの果たす機能をどのように解釈するかが大切であろう。単に空間誘電率や透磁率と捉え切れない条件があるように思う。

図1.回路抵抗と空間エネルギー 電気技術論での電気回路がある。交流電源電圧 v(t) に3つの抵抗が繋がれている。回路論では電圧、電流で全て解釈できる。それ以上の事は要求しない。しかし、電気物理と言うものの理屈を究めようとすれば、技術的な簡便法では無理である。光のエネルギーが導線の無い自由空間を伝播するように、電気エネルギーも電線路に制限された局部空間を伝送されるのである。図の電線路空間内のp点の微小空間のエネルギー密度δ(r,t) [J/㎥]は座標rと時間tの関数である。しかも座標点がp'(導線近傍)等のようにその近傍空間の条件で異なる空間特性に支配されると類推できる。空間点の空間特性ε、μが一様ではない筈だ。さて、抵抗のエネルギー消費電力はオームの法則から簡単に算定できる。そこには電流や電子あるいは電荷の技術概念の助けを借りて可能になるという前提がある。電気エネルギーと言うエネルギーそのものの実在を認識するかしないかに因って、解釈の手法が異なって来るのである。電気磁気学や物理学理論では『エネルギー』の空間に実在する意味を認識していないのである。そこで電子(これもエネルギーと理解すれば良い筈だ)や電荷と言う概念を創り上げて、その概念に因って技術論を構築した来たのである。電気エネルギーの光速度伝播現象を電荷で解釈しようとしてもそれは無理であるが、その曖昧さは解決できない謎のまま見過ごさざるを得ない現状に在る筈だ。電気物理としてはやはり電線路空間内を電気エネルギーが光速度で伝送される現象として捉えなければ、論理的明快さは得られない。空間のエネルギーがどのように抵抗体の中で『エネルギー変換』されるかを明らかにすべきと考える。そこで『抵抗』の物理的回路要素の意味を考えなければならない。抵抗の単位[Ω]もエネルギー変換機能として見れば、[(H/F)^1/2^]と看做されよう。抵抗で消費されると言っても『エネルギー保存則』が成り立っているのである。電気エネルギーを使っても空間の熱エネルギーや光エネルギーとして放射されているのである。エネルギーは失われずに、新たな輪廻転生の基として保存されている。

抵抗はエネルギーの吸収・変換機能体 電気技術・電気工学から見ればエネルギーの消費要素として抵抗を捉える。抵抗を電気エネルギーの熱・光エネルギーへの変換機能要素と観るのは電気物理となろう。その時電気エネルギーが直接抵抗体に空間から流れ込むのである。その抵抗体中に侵入するエネルギーの様態をどう捉えるかに掛ってこよう。明確に捉え切ったとは言えないが、現時点での解釈を述べたい。一つの技術論との繋がりで電界、磁界と言う概念との関係でポインティングベクトルS(t)[J/s㎡]のエネルギー流をその基に据えて考えてみる。その前に、電気工学における抵抗の意味をまとめておく。

抵抗とエネルギー感覚(電気工学) 電気回路には抵抗が様々な意味で使われる。電子回路やオペアンプなどに使われる時は、抵抗に要求される機能は電圧分担、電流制限などでエネルギー処理の意味は殆ど無い。ただ発熱の熱処理の意味で意識される。電気工学でも電力部門では電力処理、エネルギー処理の問題意識で対処される場合が多かろう。どちらもオームの法則で十分理解できる。電流と電圧によって回路動作の理解に問題は感じない。図2.回路抵抗と電力 簡単な回路例で、抵抗と電力の関係を考えておきたい。電気工学でオームの法則だけで感覚的に電力と抵抗の関係が納得できる。

① 合成抵抗値はR=R1+R2+R3で、電流値i(t)=v(t)/R。各抵抗の電力はその抵抗値に比例する。電力は負荷抵抗に比例して配分される。

② 負荷端に負荷抵抗R4を追加した。抵抗値が小さいR4が電力は大きい。R2とR4の負荷抵抗で比較すれば、今度は抵抗値に反比例して電力が大きくなる。一般に電力配線で負荷電力で考えると、抵抗値が小さい程消費電力が大きいと感覚的に捉える。

③ 抵抗R1とR3の代わりに電流計が繋がれているとする。電流計は交流回路で実効値を測定しようとすれば、可動鉄片型電流計になる。しかし簡便測定では直流用の可動コイル型計器に整流回路を使った整流器型も使われる。波形が正弦波でないと正確な実効値は測定できない。電流計の内部回路はほぼ抵抗体である。抵抗値の小さなシャント抵抗が指針可動用のコイルと並列に入っていて、回路電流の殆どがそのシャント抵抗を流れる。だから電流計の内部は抵抗電圧降下r i(t)の電圧値を計っていると見做せる。その電圧の分流電流分のコイル電磁力を指針回転力に利用して、電流表示目盛を読んでいるのである。電流と言う電気技術概念はとても有効な電流計と言う測定方法を獲得したから、極めて有力な電気概念『電流』が電気技術の要として意味を成していると考える。

電気工学では、電圧、電流そして抵抗でオームの法則によって回路解析は可能である。その技術概念と測定技術が電気技術を完璧な実用性で完成させているのだ。その完全性が『電流』や『電荷』の実在性を疑う余地を奪っている。 『静電界は磁界を伴う』と言う1987年(昭和62年4月)の電気学会全国大会(仙台市、東北大学)での発表は今日までの電気エネルギー論の原点であった。それは現在の電気磁気学の根源的基礎概念に疑義を提起したものであった。30年前のその基本的論点は今考えても科学界では受け入れ難い内容であることは良く分かる。マックスウエルの電磁場方程式の電界と磁界概念を『エネルギー』から見れば矛盾がある概念だと唱えた訳だから。しかしその極端な意味が『電荷』否定の象徴的な表現になっていた訳である。その時の主張したかった事が、当時曖昧で有っても今は確たる認識になって、間違っていなかったとホッとしている。電気磁気学に対する解釈への責任は果たし切ったと。しかしその当時の社会的存在の意味『以下余白』の不覚も定かに自分が知り得ないままである。

抵抗体の空間概念(電気物理) 抵抗体は回路内で発熱体である。その抵抗体から放射される熱エネルギーは『エネルギー』そのものである。他に解釈する必要の無い『エネルギー』そのものである。この『エネルギー』と抵抗体の関係を考えるに適切な題材が白熱電球である。白熱電球(100V 40W)の抵抗値 一般の回路抵抗は10kΩとかで、抵抗値は変化しないように見える。しかし同じ抵抗体でも、電球フィラメントはフィラメント温度で抵抗値が変化する。テスターで計ると20Ω程度である。定常点灯時は250Ω程の筈である。この図は『オームの法則』-物理学解剖論ーで取上げたものである。電球点灯時から定常時まで何故抵抗値が変化するか。電気エネルギーが抵抗体内の内部空間に貯蔵され、抵抗体空間内の熱エネルギーとしてそこに留まっているからである。抵抗体空間のエネルギー量で抵抗体内への入射エネルギー量が制限された結果として、抵抗値の増加と言う意味になっているのである。抵抗体内のエネルギー貯蔵量で、抵抗体内部空間の空間定数が変化するからと解釈する事も出来よう。抵抗体構造が変化するからとも観られるからかも知れない。その技術的評価概念を抵抗体内部の誘電率と透磁率と看做しても良かろう。昔は電子回路にカーボン被膜抵抗などで陶磁器表面に薄い炭素皮膜を巻きつけたものを使っていた事を思い出した。熱放散と抵抗値の変化抑制策の結果の抵抗体であったかと今思う。

図3.エネルギー流と空間特性(電気物理) 図1の回路で、座標r点の空間定数を透磁率μ(r)、誘電率ε(r)と解釈する。透磁率、誘電率も磁界、電界と同じく科学技術概念として仮定したものである。実在するものはエネルギー密度δ(r,t)の座標点rと時間tによって決まるエネルギーでしかないのだが。電界と磁界が電気磁気学・電気工学の論理展開の要の概念であるから、それを無視したら電磁界理論が成り立たなくなる。しかし、本当の事を言えば、電界と磁界概念さえ矛盾した事を含んでいる。それはパラボラアンテナ表面に放物面中心軸に対称な電界と磁界を表現できない事から分かる筈だ。衛星放送は電界と磁界ベクトルでの電波表現が出来ない意味を考えて欲しい。衛星放送の電磁波方程式を解剖するをご参照いただきたい。お願いしたい。電磁気学の授業担当者は、パラボラアンテナ表面での電磁界ベクトルを描けるかご確認いただきたい。その表面の反射信号が受信アンテナの入射信号となるのでる。エネルギーの縦波信号以外は論理的には表現できない筈である。少し筋道を離れたが、電磁界とエネルギーの関係および空間定数の意味との関係を確認して頂きたくて触させて頂いた。以上の話を踏まえた上で、電界・磁界のベクトル積で表現されるポインティングベクトルS(r,t)で電線路空間内を伝播し、伝送される空間エネルギーの意味を表現したのが図3.である。空間定数も導体表面と電線路中心部では異なるだろう。従ってエネルギー伝送速度も座標位置によって異なると観た。負荷へのエネルギー伝送空間分布模様も一様ではないと結論付けた。その上で、抵抗体へのエネルギー入射がどのようであるかは簡単には判断できない。ただ、抵抗体への入射エネルギーベクトルSi(t) と熱・光放射エネルギーベクトルSo(t) との間には定常状態では常に等しい筈である。その意味が白熱電球のエネルギー変換機能として理解の助けの具体例になろう。何も難しい量子力学など要らない事を分かって欲しい。

電気回路のエネルギー

電気回路の新しい解釈の『道』に踏み出そう。

自然の世界を理解するには『エネルギー』の空間現象を思い描くことが大切である。それが物理学の根本的理解の本筋・道筋である。兎角運動エネルギーの質量に囚われ易いが、それは回り道で複雑な迷い道に入り易い。確かに目の前に在る『物』を対象にして考えた方が目で確認できるから、理解が容易に思えるだろう。それはそれで良いのだが、物理学理論が空間に質量に関係しない『エネルギー』が存在することを認識していないことが理論の矛盾の根源を成していて、その事が教育の大問題となっているから困るのだ。『熱』と言えば質量の運動エネルギーで、押し競饅頭だか、ぶつかり合いだか知らないが、振動の運動エネルギーで解釈する現代物理学理論が間違っているのだ。すべて『エネルギー』が空間に存在している事を認識していない事から生まれている混乱・矛盾である。それは光がエネルギーの縦波だという事につながらない理由だ。光速度は質量の速度ではなく、光即ち空間の『エネルギー』の速度である。その光の速度は何が決めるかと言えば、空間そのものが決めるのである。光の光速度は空間定数(H/m,F/m)で決まる と述べた。物理学理論では、時空論が議論の対象になって居ながら、空間定数の透磁率や誘電率などはあまり重要視されていないように思う。科学技術の単位系の拠り所として、真空透磁率 μ=4π×10^-7^[H/m] が定義されている。上の記事で示した資料(1)の空間にエネルギー密度δ[J/m^3^] を想定して、質量の無い『エネルギー』の速度を書き加えた。

空間エネルギーの速度空間エネルギーの速度 電磁波も電気エネルギーもそれは質量の無い『エネルギー』である。質量の無い『エネルギー』と質量に伴う『エネルギー』とがある。運動エネルギーは質量に着目した『エネルギー』である。その値はE=(1/2)mv^2^[J] のように表される。このエネルギー量の大きさは単位ジュール値であり、それは質量ではない。質量m[kg]は物体として目に見えるから、如何にも質量が飛んでいるように見えるが、速度v[m/s]は『エネルギー』の速度なのである。質量を媒体として借りた『エネルギー』の速度がvなのである。この解釈をとれば、電磁波の『エネルギー』も質量の有る無しに関わりなく、その伝播するのが空間定数により決まる速度である。

速度の意味 速度とはある空間基準に対して何かが相対的に動いているその動きの強さを『速度』と考える。一般的な慣習ではある基準の時間当たりに動いた空間の位置の差を計った長さがその『速度』の評価量と看做す。単位は[m/s] が普通である。それは言葉も皆が共通に理解する解釈概念を表現したものである。しかし同じ物の速さを表現するにも、単位を逆の[s/m] としても理解できよう。この逆の概念なら、1m進むに要する時間は何秒[s]かで評価することになる。時間が小さい程速度は速いとなる。『速度』の概念一つをとっても観方でいろいろになる。もし例えば、光速度cを c^2^=(透磁率)μo×(誘電率)εo [(HF/m^2)]で定義すれば、それも速度の意味になろう。速度という意味は日常に溢れた言葉でありながら考えれば深い意味である。その速度の物理現象として電気回路での『エネルギーの速度』を取上げてみよう。

電気回路定数 電気回路定数は回路解析には無くてはならないものである。その意味を考えてみよう

回路定数回路定数

エネルギーと回路定数エネルギーの意味 『電荷』や『電流』でない『エネルギー』によって電気回路現象を解釈しようとすると、回路定数の意味が変わって見える。電圧、電流で回路解析をする手法は科学技術の部に属する事である。物理学として電気回路問題を扱うとすれば、『エネルギー』についての問題でなければならない。それが「理科基礎」の市民の科学リテラシーの未来への視点として大切であろう。

電気回路のエネルギー

電気回路現象(エネルギー描像)電気回路現象(エネルギー描像) 電気回路は電気エネルギーを扱う科学技術である。電荷を扱う回路ではない。『エネルギー』を電気回路ではどのように処理しているのかを解説しよう。どのように解説しようかと考えた時、少し時間を掛けてまとめなければならなくなった。電気回路のエネルギー(2)として記事にしたい。電界、磁界の意味をも含めて論じたい。電界とは?に古い記事を載せた。ここでは、その基本的な解釈を述べておこう。上の図の電線導体に沿ったエネルギー密度δ(x,y,z,t)が空間分布として存在する訳であるが、それは系統のエネルギー規模を決める『電圧』評価に関わる成分である。負荷によって負荷に供給されるエネルギー量は変化する訳で、図のエネルギー分布とは異なるものであろう。図の緑色で表現したエネルギー流がオレンジのエネルギー分布密度の一部分になると解釈すべきである。緑色のエネルギー流が磁気検出に現れる成分となる。

専門用語『振動数』の解剖

物理学の基本概念『電荷』を否定すれば、現代物理学理論の根本から問い直さなければならない。『電荷』否定への道。物理現象の記述概念に「波動」が有る。波動には『振動数』あるいは「周波数」と言う専門用語が必ず含まれている。特に光の周波数あるいは『振動数』が物理学理論の専門的常識用語と成っている。その『振動数』を物理学的観点から、問い直してその曖昧な論理を曝け出そうと思う。身近な所に確かに振動する現象を見る事が出来る。イヨマンテの夜

太鼓と撥捌き 夏祭りになれば、太鼓が響き、その音に心が鼓舞される。太鼓は人の腹にその空気圧の振動を伝える。腹に響いて、身体を夏祭りに誘い出す。太鼓と言うと、敗戦の苦しみの中でみんなが一生懸命に生きていた中で、その切なさを癒してくれたものにその歌があった。筆者が中学生のころか、歌手伊藤久男が唄う『イヨマンテの夜』があった。太鼓に結びついて思い出されたので、絵に描いてみた。太鼓はその振動が生命である。膜の振動を物理的に解剖したらどのように解釈できるかである。筆者は、その様な自然現象を解釈するとき、勝手に自分の感覚的共感によって認識するのが普通である。具体的な力学的解析も教科書には無かろう。だから勝手に現象の解釈を展開する。太鼓の膜がどのように振動するかは誰でも見れば大体分ろう。如何にも膜に垂直に波打ち振動している様子が捉えられる。しかしそれだけでは、膜の振動する力学的意味を捉えているとは言えなかろう。だからと言って、太鼓の膜の振動現象を数式で厳密に表現しようとすると中々難しそうだ。しかしその基本的な力学現象を言葉で説明する事は何とか出来よう。太鼓の振動現象は膜が垂直に振動する事に本質的な物理現象が有る訳ではない。その奥に大事な力学が有る。枠が何故あるか。太鼓の振動と音

太鼓の皮の面が振動するが、その意味を図にしてみた。①太鼓の音色と響きはその撥捌きにある。膜は反対面との間の空気圧の振動も影響を受けて、その太鼓の音を決める一因にもなって居よう。撥の捌き方と膜の張り具合が音色・迫力を決めるだろう。膜の振動は膜に掛る張力の円周への縦波によると考える。②その張力波の往復振動が膜の垂直振動を作り、外表面の空気の圧縮と伸長を引き起こす。結局空気の膜面に垂直な粗密波を創り出し、その粗密波が縦波と成って、太鼓の響きになる。③音の波の中を解剖すれば、それは空気媒体を伸縮させるエネルギーの密度波となっている。空気密度が高いのがエネルギー密度が高密度の部分で、空気密度が低いのはエネルギー密度も低いのである。

音のエネルギー 太鼓の膜によって叩き出される空気の波はやはり正弦波と言うより、衝撃波に近かろう。その空気の粗密波が、音のエネルギーとして音速で進行する縦波なのである。空気は太鼓が叩き出す膜の振動エネルギーを空気の圧縮高密度として、そのエネルギーを乗せる伝播媒体でしかない。空気は進行しない。進行するのはエネルギーであり、音圧として進行する音になる。丁度、空気の圧力p[N/㎡]と単位質量あたりの空気体積(空気密度の逆数)v[㎥/kg]の積が空気のボイルの法則になると考えて良かろう。即ち、E=pv[J/kg]となる。少し詳しく表現すれば、音圧も体積も微分表現でなければならないのだが、おおよその解釈の考え方として示した。

かがり火と光 イヨマンテの夜の歌詞にかがり火がある。かがり火の光を光エネルギーの伝播と言う意味で絵に書き加えた。発光ダイオードの光であろうとかがり火の光であろうと光に違いは無い。光の発光源の熱源であろうと電気発光源であろうと、そのエネルギー放射の原因に違いがあるが放射された光には周期性が揃うか揃わないかの違いは有っても光に違いは無い。

振動の有る無し 物理学的には、自然現象を波として捉える場合が多く、そこでは『振動数』と言う単位時間当たりの繰返し数で捉えるものがほとんどである。特に目で確認できない現象の代表として、光が挙げられよう。光は振動などしていない。しかし物理学理論では光の『振動数』あるいは「周波数」をその光の保有する基本特性と見做して論じる。物理学理論で光の『振動数』と言っているのに、筆者が光は振動などしていないと強情に主張するには、そこにそれ相当の重要な意味が隠されていることを理解しているからなのである。『振動数』と言う専門用語の意味を少し分析しておきたい。太鼓の膜のように明らかに『振動数』の意味を持つ自然現象が有る。だから、『振動数』が有る場合と無い場合とを区別する定義は何かと考えた。それは振動する現象が、振動を支える固定体を持つか持たないかで解釈の区別をしたい。太鼓は膜が張られた固定した枠が有る。光は光速度で進行するから、振動する固定端が無い。太鼓の音はどうかと言えば、音は科学的常識からいえば、『振動数』を持っていると考えられようが、振動などしていないのだ。音の中味をどのように解釈するかに掛っているので、ただ何となく波と言う捉え方で、深く波の中味を理解していない処に大きな問題が隠されているのだ。波の本質は『エネルギー』の縦波である。日常生活で認識できる物に関わる現象で、空気に関わる音を例に挙げてみれば、そこに『エネルギー』を認識できるかの問題である。津波現象に『エネルギー』を認識できないと同じような事が有れば、そこには物理的解釈が生きていないとしか言えない。教科書が問題の核心を捉えていないのである。

波の伝播依存空間媒体 音は空気(音速毎秒340m)、水(音水速?毎秒200m?ITで検索すると、驚く事に毎秒1500mとあるが確認できない)によってその伝播速度が決まっていると観る。津波は伝播媒体が水であるから、そのエネルギー伝播速度(圧力波)はほぼ毎秒200m(太平洋対岸のチリ津波の伝播到達速度からの推定であり、深さには関係しないと観る―気象庁の解釈と異なるー)と解釈する。光は伝播媒体を必要としないと観て良かろう。ただ厳密に考えれば、空気が有るか無いかで、光の速度は当然変化すると考えなければならない。アインシュタインが問題にした、水星の近日性の光の伝播現象も重力で変化する訳などでは決してなく、光も空間伝播時にはエネルギーの回折現象でエネルギー分布が変化する、その結果でしかない。光と音の伝播速度が違う。光は何もない空間でその速度の本領を発揮する。音は空気の存在が無ければ伝播できない。真空中では音は伝わらない。昔は光もエーテルを伝播するとの解釈があった。伝わるものはすべて『物』が必要と考えていた頃の話である。一つだけ、認識しておいて欲しい原則が有る。伝播するものの本質はすべて、『エネルギー』である。光もエネルギーの一つの形態であり、音波も銃弾の飛ぶ現象も、全てエネルギーである。運動エネルギーと言うが、質量にエネルギーが乗って質量のエネルギーに加算された運動エネルギーとして見るべきである。その様に、『エネルギー』と言う本質的な物理量が認識されていない処に現代物理学理論の重大な欠陥があり、そこに矛盾が内在しているのである。光が振動などしていないにも拘らず、光を『振動数』や「周波数」でその本質を捉えると考えている。運動エネルギーは質量と一緒に飛んでゆく。しかし光と音はエネルギーだけが飛んでゆく。音も質量は運ばない。丁度、水を伝わるエネルギーと音のエネルギーは同じようなエネルギー伝播現象と見做せよう。海を伝播する津波は海底の地形でエネルギー伝播面積が変わり、伝播媒体である海水の深さによる水圧が変化する訳だから、そこでの津波エネルギー伝播がどのように分布を変化させるかまでは分からない。空気も上空と地表ではその空気密度が変化しているから、気圧が異なり、音の伝播にもその影響が有るだろう。光だけは伝播空間媒体を必要としない。真空がその本領を発揮する。しかし、空気、水あるいは透明なガラスなどではその伝播速度に影響を受ける。光伝播速度・光速度に対して不思議にも真空空間の空間定数が物理・技術定数として定義されていて、その数値から光速度が決まると言う意味にも何か深い意味が隠されていると観るべきかもしれない。真空透磁率と真空誘電率である。しかしこの定数については宇宙論でも、素粒子論でもほとんど無関心であるところに理解できない不可解さを技術的観点から強く感じる。そこには宇宙・素粒子の論理では、光を『振動数』で基本的特性を捉えているから、空間定数が速度と結びつきにくい論理性なのかとも思う。太鼓の表面を伝播する張力波を数式で表現しようとすれば、何よりもまず膜に掛る張力のエネルギー密度を仮定しなければならない。張力波の伝播速度も太鼓の皮の特質とその張り具合が決め手となる係数を仮定しなければ数式には表現できない。伝播するエネルギー量はエネルギー保存則の上で広がると考えるべきだ。それは正弦波では捉えようがない物理量である。太鼓の撥で打つ撥捌きの時間微分に関わる衝撃波となろう。こんな日常の現象も正確に理解しようとすると、とても難しいと思う。なお波が太鼓の枠に達した後は反射波として膜の中心部に向かって来ることになる。その反射現象も、送電系統で問題になる雷撃波の反射現象が同じ自然界の姿として繋がって見えるのである。物理現象を解釈するにはどうしても技術的感覚から捉えようとする習慣が身体的感性になっている。技術を理解しない理論は甚だ危険な結論に行くような畏れがする。科学技術の巨大化が、人間の技術的感覚を磨いておかないと『想定外』と言う逃げ道になる、当然起こると予想できる事件さえ、予測が出来ない社会状況を生みだすようで恐ろしくもある。その代表例が『原子力発電所』の巨大科学技術の混合機構の複雑化であり、思いもよらない落とし穴が待ち受けているという現実が見落とされる危険だある。『振動数』一つから見る物理学理論の虚構が見える筈だ。この『想定外』と言う意味を柳田邦男氏が 「想定外」の罠 大震災と原発 (文芸春秋)に良く表わされている。

エネルギーの伝播速度

 

参考資料 三味線と縦波 中々数式で太鼓の膜の振動を表現するのは簡単でないが、円周波の往復伝播として表現は出来よう。三味線の場合を以前式に表現して見た。光速度は空間定数(H/m,F/m)で決まる に光の速度と空間定数の関係を記した。

特性インピーダンスから見る空間の電気特性

身の回りの空間は電波に満ちている。ラジオ放送、テレビ電波、スマートフォンなど生活に密着した電波に取り囲まれている。その電波が伝播する空間の抵抗値が120π [Ω]と言うことになっている。抵抗は個体の寸法が決まった物に対して定義される。電熱器やフィラメントあるいは電気回路の抵抗素子等の値である。ところが電波伝播の空間の抵抗とは何かと考えてしまう。それには大きさの寸法が無い。だから空間の抵抗とは何かと問わざるを得ない。しかも空間抵抗は電波が流れても損失の意味を含んではいない。光が伝播する時の空間内の損失と同じくほとんど零と解釈して良い。『オームの法則』ー物理学解剖論ーの末尾にも特性インピーダンスを述べた。

電磁気現象は空間特性として全て統一できる 何故この特性インピーダンスを取上げたか。電磁エネルギーの挙動を解釈するに、導体、絶縁体および半導体あるいは磁性体また誘電体と言う電気材料の区分から、それぞれ特性を捉えるのが一般的である。それらが示す特性の違いはすべて空間特性から統一的に解釈できそうだと気付いたからである。空間の持つ電気的特性は二つの定数から決まると見做せる。誘電率と透磁率である。電気材料の原子・分子結合から来る内部空間構造にその特質が隠されていると解釈する。エネルギーと空間との相互作用と看做せよう。その点はエネルギーと空間と質量に論じた。

抵抗値の次元 抵抗の単位はオームである。それは電圧の単位ボルトと電流の単位アンペアの比率で定義される。

『オーム』=『ボルト÷アンペア』

何故ボルトをアンペアで割ると抵抗の単位オームになるのだろうか。元もとこれらの単位は厳密な物理的意味合いが明確にされて、定義された訳ではない。1827年、Georg Ohmによって発見された『オームの法則』が基である。科学技術は余り物理的厳密性を考えるより、実用的な解釈法で社会的合意形成が進み、便利さが法則の価値を決めて来た。そこに見える社会的背景が気にかかる。それは現代にもその影響力はますます増大している。所謂学識・有識者として特権階級に位置づけられた人達の学術研究組織内での合意形成がその社会的科学論となる必然性のようなものを備えている。生活者の認識とは掛け離れて行く独善性に裏付けられている。19世紀初頭に電磁気現象の発見や解釈にアンペア、ファラディ等が活躍した。当時は、当然電磁気現象の意味合いなど暗中模索の中で、実験的確認を通して定説として広まって、徐々に定着したものであろう。その中に『オームの法則』がある。電圧計、電流計(計器の方式、精度も怪しい)等の基準値も曖昧で、測定値も相当誤差がある中での認識であった筈である。それが今になっても、『オーム』の単位の意味さえ物理的に厳密な説明ができる訳ではない状態にある。オームはオームだなどと言われても、それでは納得しかねると思う。教科書的に説明するなら、抵抗に電流が流れると、発熱現象を起こし、エネルギーを消費するとなろう。ならば、抵抗体と言うオームの電気素子で、何が熱エネルギーに変換されたのかを『エネルギー保存則』から説明しましょう。あるいは、電波伝播の空間の特性インピーダンスが376オームと言われるが、マックスウエルの電磁方程式から計算すれば、電流と抵抗から熱損失が生まれる筈であるが、そこは少しも問題にはしない。それは、電流など無いから問題にしなくて良いのであるが。『オーム』の単位は物理的には[(H/F)^(1/2)^]なのである。空間の透磁率 μ[H/m]と誘電率 ε[F/m]の定数比√(μ/ε)から導出されるものの意味である。エネルギー[J(ジュール)]とJHFM単位系参照。このことは、例えば白熱電球のフィラメントに対してどのような物理的特質として解釈できるかである。フィラメントのタングステン元素Wの金属組成・結晶格子構造及び二重コイル構造に基づく、エネルギーの貯蔵・放射に対する透磁率、誘電率の効き方が熱エネルギー・光エネルギーへの変換特性としての抵抗値になると解釈できよう。抵抗を単にエネルギー消費材料と考え、感じるだけでは物理的解釈としては不十分であろう。何故どのような仕組みで、エネルギー貯蔵が起こり、光放射現象へのエネルギー変換が起きるかを考えるべきと。それが物理学であろう。科学技術論と物理学とは同じものではない。

特性インピーダンスの定義空間 田園や山間に送電鉄塔がある。普通は電線が6本(天頂に1本アース線)で伝送される。その伝線路も長さ1km当たりの線路定数が定義される。インダクタンスL[H/km]、静電容量C[F/km]等と言われる。その伝送速度は1/√(LC) [km/s]、伝送インピーダンスは√(L/C) [Ω]他に線路損失を表す抵抗R[Ω/km]がある。この場合の伝送インピーダンスと同じものが光空間伝播の特性インピーダンスである。空間の透磁率μ[H/m] 、誘電率ε[F/m]であれば、それは伝播速度方向に1[m]当たりの定数と解釈して良かろう。光の伝播速度は1/√(με)=3×10^8^[m/s]。特性インピーダンスZ=√(μ/ε)=120π[Ω] 。定義の空間範囲は連続した光伝播方向の1m当たりの値と解釈できよう。光はエネルギーの空間分布の縦波である。そのエネルギーが空間で誘電率のコンデンサと透磁率のコイル間でのエネルギー共振の繰り返しで光の光速度が決まると捉えれば良かろう。