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『瞬時電力』の物理的意味

はじめに 電気技術概念に『瞬時電力』がある。電気エネルギーが現代生活を支える基盤となっている。しかしエネルギー消費量が増加すれば、海水温度の上昇を来たし、地球温暖化による自然災害の増加と言うリスクも伴う状況を来たして居る。先日も新潟地方を襲った暴風雨によって電柱4本がなぎ倒され、突然の停電の被害が発生した。海水温度の上昇が空気中の水蒸気含有率を挙げ、寒気とのせめぎ合いによる上層部の急激な水蒸気体積収縮により低気圧を作り出す。日本の木造住宅の安全性が脅かされる事態を迎えている。竜巻と低気圧暴風雨が伝統的な生活様式の安全性を脅かす事態になっている。食糧生産のハウスも対応できない事態を来たしている。『エネルギー』の物理的意味が正しく認識されていないようで気掛かりである。3月5日西日本では雷の異常発生が観測された。雷の原因は水蒸気の熱エネルギーである。『電荷』などでは決してない。#末尾注#に雷について関連記事。初期の記事、電流は流れず (2010/12/22) にも論じた事である。水と温度の関係は『エネルギー』の何たるかを問う問題でもある。電気技術には『瞬時電力』の他新しい『瞬時虚電力』などと言う用語もある。電気技術の『瞬時電力』の意味を少し深めて置きたいと思った。

瞬時電力とは? 電気現象を論じるに『瞬時電力』と言う用語が使われる。一般にはあまり馴染みがないであろう。電気製品の消費電力も余り気にはしないだろうから。600Wとか500Wと言う数値はその電気製品の1秒間の消費エネルギーが600J(ジュール)、500J(ジュール)であることを示している。その消費したエネルギー量に対して電気料金を払っている。少し電気回路を考える技術者なら電圧と電流の実効値の積との関係で平均の消費電力量で十分理解できる事である。今更改めて、『瞬時電力』でもなかろうと思うかもしれない。しかし無効電力などとの関係を考える時になると、時間的なある瞬時の値がどんな意味を持つのかが分かっているのかと自分に問うてみた。簡単な回路で考えた。

図1.瞬時電力とは何か? 100V、50Hzの電源に10Ωの負荷抵抗。難しい理論は分からないが、基礎的なオームの法則の範囲なら深くも考えられる。電圧v(t)、電流i(t)および瞬時電力p(t)はグラフに描いてその瞬時値を認識出来る。不図気になったのは瞬時電力p(t)の座標の[kW]である。この負荷の電力は電流実効値10AであるからP=1[kW]である。この1000[W]と言う電力は1[s]間の間に負荷に供給されるエネルギーが1000[J]であると言う意味である。瞬時と言う時には時間の長さは含まれていない筈だ。ある時刻の意味である。1[μs]でも瞬時と言う時刻ではない。ワット[W]と言う単位はエネルギーの時間微分の意味である。50Hzの交流電源電圧は1[s]間に100回の回数で負荷にエネルギーを供給しているのだ。その1回分が10[ms]の間に供給される丁度10[J]である。その100回分が1[s]間の1[kJ]になる訳である。

図2.p(t)=dwp(t)/dt  瞬時電力p(t)とは、ある時刻における供給エネルギー値wp(t)の時間微分値を表すものと見られよう。瞬時電力と言う供給エネルギーの電気技術概念もその表現内容を確認しようとすると、なかなか複雑である。それは電圧でも電流でもやはり時間微分の概念が含まれているのだろうから、同じく物理的には微妙な意味を含んでいるようだ。電気回路の基本認識として、『エネルギー』の供給設備であると言う事を理解して欲しい。燃料の『熱エネルギー』を発電設備で「電気エネルギー」に変換し、送配電線路を通して需要家に『エネルギー』を供給しているのである。電気エネルギーを動力に使ったり、熱源として利用したり電灯の光として利用するのである。その『エネルギー』とは何かを認識することが重要である。何処にも『質量』を必要とはしていない。質量でエネルギーを論じる必要は無いのである。確かにモーターの負荷は回転の慣性に動力を働かせるから、質量との関係で論じられる。しかし電気エネルギーには質量は含まれていないのである。電気回路の電流概念には『電荷』と『質量』を含んだ『電子』が主役を演じて論じられる。電気回路で、電源の『エネルギー』を『電子』がどのように負荷まで運ぶと考え得るのだろうか。『エネルギー』の実在性を認識する事が科学論の基本であるべきだ。瞬時電力p(t)は正弦波電源電圧で有れば、数式では電圧と電流の瞬時値から、その積として三角関数の式で表現できる。その電圧と電流の瞬時値は変圧器(Tr.)と変流器(CT)で検出し、その積をオペアンプなどで算定して瞬時電力p(t)の瞬時波形を描くことが出来る。その得られた波形の瞬時電力の単位と数値で、2[kW]のピーク値とは一体どのような意味を持っているのかと考えると、その表現する概念の内容が良く分からないのである。技術概念とは?と誠に不思議な感覚に陥るのである。完璧と思われる技術概念と理論が電気技術者としての長年の常識的世界観が故の物であったのかと、自分の認識に戸惑いさえ感じてしまうのである。

易しいことに含まれる深い意味 電気理論は長い伝統に育まれて、完璧な電気技術論として定着している。それは、電圧と電流の技術概念で十分電気回路現象が理解できるものになっている。極めて易しいオームの法則として完成されている。しかし、その完璧と思える理論でさえも、自然世界の眞相と看做すにはどこか不自然な違和感を感じざるを得ない。そんな感覚的理論の不整合性を突き詰めて来た。物理学理論の『電荷』と『質量』そして『エネルギー』の間に横たわる膨大な絡み合いを解きほぐす作業であったのかも知れない。世界を描くはそんな思いの結論であったのかもしれない。

図3.瞬時電力p(t)とエネルギー伝送 導線内を電子が流れ、電気エネルギーを負荷に供給すると言う解説が普通の電気回路解釈である。今でも教科書はそのように解説されている。電気技術概念の『電流』と『電圧』は誠に素敵な概念である。そんな便利な概念を創り上げてきた電気技術を称賛しなければならない。その御蔭で現在まで電気が社会生活の重要な『エネルギー』供給源として利用出来ている訳である。太陽からは電線路も無しに地球上に『エネルギー』が供給されて、地球の生命が育まれている。お日様が照れば暖かい。太陽の『エネルギー』を受け取っているのである。電線路の銅線の中を『電子』が流れて、電気エネルギーを供給している等と言う解釈では矛盾に耐えないと思うのだが皆さんは如何に考えるかと問いたい。最近は配電線路も絶縁電線を撚って配線しているので、相当配電線路静電容量も大きいかもしれない。その配電線路単位長さ当たりの静電容量をC[F/m]として、電圧分のエネルギー分布量wv(t)[J/m]を表現してみた。電線路には電圧が印加されただけで、線路空間に電気エネルギーが溜まると解釈する。そのエネルギー量を評価する電気技術概念が『電圧』である。電気の眞相(1)-電気エネルギーとは何か― (2014/10/13) に関連している事でもあろう。過去に電気の眞相(2)および(3)で―電圧とは何か―、-電圧と負荷―(2015年)を論じた#末尾注#。電線路電圧の2乗に比例してエネルギー量が溜まる。どのような空間分布になるかは分からない。絶縁材料部でエネルギー密度は高くなるだろう。深い意味でのエネルギー流について。図3で、ポインティングベクトルS(r,t) を使って線路空間のエネルギー流の解釈を描いた。しかしそれも考えてみれば、時間的には瞬時の表現には成っていない。電力の単位ワット[W=J/s]は時間的な瞬時と言う意味での物理概念を表現しては居ないのである。今までの考察では、線路電圧がその線路空間のエネルギー貯蔵量を評価する技術概念であると言う結論に達した。しかしそのエネルギー貯蔵量に対して、負荷に供給される伝送エネルギー量がその内のどの程度の比率であると考えれば良いかまでは示されていない。その負荷供給のエネルギー量を評価する技術概念が『電流』瞬時値i(t)になる筈である。i(t) とp(t) およびwv(t)の間の関係で捉える必要があろう。その辺の関係は次の記事、瞬時電流の物理的意味で別に述べたい。(2018/11/25)追記。瞬時電流や瞬時電力と言う物理的意味が今まで筆者の理解し切れないでいた事さえ改めて考え込んでしまう。その意味を、技術概念『電流』とその測定および瞬時電磁界と概念に纏めることが出来たかと思う。導体中を流れる電子と言う解釈が虚構の科学概念であったと言わなければならない事態をとても残念な結果と思う。物理学の根幹から立て直さなければならないから。

光の正体が電気現象の基礎事項 電気現象は線路空間のエネルギーの挙動として理解する必要があろう。電子が『エネルギー』を背負って負荷まで運ぶ理屈は成り立たない筈だ。どうしても物理的な自然現象として捉えるには、光のエネルギー伝送の意味を基礎に考えなければならない。電子では、エネルギーの光速度伝送を説明できなかろう。『電荷』概念では物理現象としての電気回路解説は無理である。『現代物理学理論』の高度な数学理論での解釈は何も理解できないが、身近な電気回路の『オームの法則』の自然現象としての物理的意味を掘り下げて解釈することの大切さは理解できる。目指すは市民が理解できる科学論であるかも知れない。

#末尾注#

雷の正体 (2012/11/13) ドアノブの火花-熱電変換- (2014/02/09) 雷は熱爆発 (2014/05/03)

電気の眞相(2)-電圧とは何か― 電気の眞相(3)-電圧と負荷―

電気理論は手品師の世界

理論は真理か?何か手品師の舞台を見ているような感覚の世界だ。
『瞬時電力』とは何か? 『瞬時値』と言う物理量を捉えることが現象のより深い理解につながるかという考えで、その用語を多く使って来た。本当の意味を考えて使って来たかと自分に問えば、殆ど感覚的により真相に近いだろう位の思いであったのかも知れない。
科学理論と言う論理的な厳密性で構成されているとの理解の中で、より根本的な誰もが常識として共通に納得している事象や用語でさえも、その意味を自分は分かっているのかと自問すると、不思議にも分かっていない事に気付く。それも十分分かっていると自負していた電気現象に関わる話でさえも。

瞬時電力とは? IT検索すると、その意味を尋ねる質問者が居る。電気回路の電圧や電流波形はオッシロスコープで観測できる。電圧や電流の瞬時値は波形として見慣れているから、その意味など全く気にもしないで、瞬時値と言う電気量の定義など疑いもしない。

瞬時値の単位と時間 瞬時電力p[W]は波形観測が出来る。単位はワット[W=J/s]である。瞬時値とはどの程度の時間感覚の意味なのか?瞬時だから、時間の長さは『ゼロ』でないのか。

瞬時値と単位と時間 (1)回路と測定の電圧計、電流計そして電力計の測定値V[V] 、I[A]および P[W]は十分長い時間での平均値のような『実効値』を計測している。しかし交流回路であるから、それぞれの値は時間的に変動している訳で、その波形の各時間における値を瞬時値と言っている。回路の瞬時値波形は抵抗などを通して簡便に測定できる。瞬時電力p[W]は掛算に因らなければ波形は得られない。電力の単位[W]は図(2)瞬時電力波形のpの単位も[W]である。電力と言えばワットである。そのワットと言う意味は何かと考えて見る。ワットが流れている訳ではない。流れるのはエネルギーのジュール[J]であろう。[J/s]とはどういう意味か?エネルギーが流れると考えれば、時間当たりとなる。しかしそれでは何か『瞬時値』と言う意味と感覚的にも腑に落ちない。結局の結論としては、瞬時値であるからある時刻における時間微分値と言う意味としか解釈のしようがない。瞬時電力p= lim _⊿t→0 (⊿E/⊿t)=dE/dt[J/s]としか捉えようが無い。となるとdE[J]とはその線路点のどのようなエネルギーを意味しているかと、また疑問となる。ここまで自己を追い詰めて、疑問の渦に自分を引き込む。抜けられないかと不安が解決策を見つけ出してくれる。不思議だ!それが次の話になる。科学技術の競争と言う世界から離れた場所だ。

電力の物理的意味(自分への問答) 正しくこの電力p=dE/dtの意味が手品師の隠した「種」に思えて来た。誠に不思議の極みである。位置x点での電線路空間のエネルギー分布dE(x)がその意味を隠している。『光速度伝播』が電気理論の隠した種でもある。『エネルギー』と『光速度』、この二つが種明かしの要だ。dt=dx/c[s]にあり。距離dxと時間dtの関係を支配するのは『光速度c』だ。電線路空間距離位置x点における瞬時電力はp(x)=c dE(x)/dx の『エネルギー』の空間分布の勾配である。昭和62年の『静電界は磁界を伴う』のマックスウエル電磁場方程式の解釈に適用した『エネルギー』と『光速度』の関係と同じ解釈につながっている。とは言っても新たな疑問が待っていた。

思考実験―単相電線路の瞬時電力とは?- 単相交流回路は一般にはその亘長を考慮する必要が無い。だから電線路電圧は電源から負荷端まで同じ電圧と考える。もし少し電線路の長さが長いとしたら、その回路の電気現象をどのように捉えたら良いだろうか。電源は電線路の電気状態を電圧と周波数で制御するだけである。電源は負荷の状態を認識できない。ただ電圧保持に必要なエネルギーは電線路の要求に見合う様に供給するのみである。負荷電力が大きければ、電圧保持に必要なエネルギーが多く必要なだけである。50Hzで、相当電線路が長いとすれば、線路電圧は電源からの距離によって異なる筈である。即ち、電線路定数(C[F/m] ,L[H/m])によって決まるエネルギー伝送速度c[m/s]によって支配される。電源からの距離xの地点での電圧値は図のように、x/c[s]だけ遅れた位相の電圧となる。これが電気回路現象を支配する基本原則である。言わんとする意味は、電流も電線路の位置により異なるのである。電線路空間内を『エネルギー』が伝播速度で流れているのであり、或る位置x点での瞬時電力pxはその点の電圧と電流の積で評価するが、『エネルギー』の光速度に近い伝送速度の現象下での認識が必要になる。もし電線路亘長X=3000kmのような場合を考えると、その電圧分布は丁度半波長の波が乗った状態と考えて良いだろう。当然電源での瞬時電力もx点の瞬時電力も、また負荷点の瞬時電力も同じではない。さらに、もし負荷がスイッチSオフとしたら、電源の供給『エネルギー』は電線路の分布回路要素C,Lおよびコンダクタンスgの機能によって支配されるから、帰還する電源への『エネルギー』をどのように処理できるかも問題になる。送電電力系統での開閉サージ電圧が定格電圧の7倍にまで跳ね上がる現象も観測されていると本で読んだ。電線路の『エネルギー』の往復反射での電圧上昇現象である。電気現象を解釈する電気理論は電気工学の電圧、電流概念が如何に便利で優れたものであるかは誰もが否定できない。しかしそれは科学技術の応用としての技術理論であり、自然の物理的本質を唱える理論ではない事だけは理解して欲しい。電気現象の本質は光速度での『エネルギー』の伝播現象であることを。電気回路の電力とは何ですか? (2016/12/16)から考え始めて、今年は電気回路解析の『時定数』の意味を取り上げ、電線路空間の『エネルギー』の振る舞いについて考察した。電力概念も難しいと知った。

課題 電線路空間を伝播する『エネルギー』の本当の姿はどのよであるか?線路定数から、電圧分布エネルギーはCv^2^[J/m] 電流分布エネルギーはLi^2^[J/m]で電線路単位長さ当たりの値を捉えようとしても、その『エネルギー』の電線路空間内での分布などは全く捉え切れない。ただ電気現象の本質を理解するには、電線路空間内の『エネルギー』とその光速度伝播認識が欠かせない。未だ手品師の「種」を明かせない。x点の瞬時電力pxに負荷電力prがどのような関係で影響し、そのエネルギー分布勾配が生じると考えれば良いかなど全く不明である。また、三相交流回路に対して、単相交流の方がその電圧エネルギーの線路往復流に因り原理的には複雑な現象となる。多くを未来への課題としたい。

空間ベクトルと回転軸

世界は何故回る。それは回転(rotation)が世界の構成原理だからだ。その理由を求めても自然(神)は教えてくれない。ただそこに在る姿を素直に受け止めるだけしかできない。何故地球が自転と公転をしているかに答えられるだろうか。太陽系が何故独楽のように惑星質量空間分布の統一体として回転しているか。その質量エネルギー(mc^2^[J])と運動エネルギー(Σ (mv^2^+Iω^2^)[J] 1/2は?)の空間分布構造を計算出来たら回転現象の秘めた原理が観えるかも知れないのだが、それは遠い夢。回転現象の意味は決して万有引力に因っても理解できない。世界が回転で成り立っているから万有引力説が解釈法の一つになっているだけだ。

空間とベクトル 微分演算子にローテーション (rot S )と言うベクトル計算概念がある。空間に『エネルギー流』のベクトルS がある時、その微分演算式が回転流平面に対して垂直の空間ベクトルを表現する計算式だ。それは回転流の半径分布密度に因る空間軸ベクトル量を示す。微分回転演算は電磁気学での偏微分式にも使われるが、軸ベクトルとしての意味は余りないかもしれない。また、子供の頃によく独楽(コマ)を回した。漢字の通り回転体が一人で楽しんでいるような世界に見える。コリオリの力と言う説明があるが、その理解もなかなか難しい。この回転と言う自然現象は世界の根源に在りながら、人が気付き難いものかも知れない。独楽が何故立つかには、その回転『エネルギー流』に自然の秘めた本質があるのだろうと思うが、具体的な数学表現式は見えない。瞬時電力理論も平面(エネルギーの熱平面とも見られる)に垂直な虚軸で定義した処にその有効な意味が隠されていると観たい。瞬時虚電力と名付けた電力概念は系統の電源と負荷間を還流している回転『エネルギー流』の時間微分と看做せる。空間ベクトル解析は虚軸で評価する技術概念の意味を理解することが、電気現象の抽象的解釈概念ではあるが、空間ベクトル解析論への入り口として重要であろう。

虚軸の名称 独楽の心棒はその重要な意味を担っていると見て分かる。しかし、電気現象には従来の伝統的ベクトル解析法での複素平面における『虚数』の概念も同じ事であるが、その物理的意味は見て分かると言うものではない。三次元ベクトル座標の立体空間で考える瞬時電力理論も、平面に垂直な回転軸が感覚的に在ると見える訳ではない。空間ベクトル解析法として有効なベクトル軸でありながら、直接在ると見えるものでないという観点から『虚軸』とした。勿論複素論の虚数( j= √ -1 )の軸と言う意味ではなく、空間ベクトル解析のスカラー積、ベクトル積の演算に因る計算手法がその電磁現象の本質的意味を理解するに極めて有効であるために導入したベクトル概念軸である。

自然現象と回転軸 先に挙げた独楽、災害の竜巻、瀬戸内海の渦潮等も自然の回転現象である。これらの回転現象に共通したものは回転の中心に軸があることだ。台風の目のように、中心軸は空洞のように周りのエネルギー流分布とは異なる特異な空間となっている。何も回転していないような中心軸が想像できる。回転独楽の極真の中心軸が回転していないように。北半球の台風や竜巻の回転方向は必ず上から見て反時計方向(衛星画像の)に廻る回転流になる(下から見れば時計方向)。台風の低気圧は中心軸が天空冷気(空気体積の収縮源即ち低気圧源)と海上面(高温度の高エネルギー“水蒸気高含有空気質量とそのエネルギー保有の”供給源)と繋がった空間構造を成して、その回転現象が安定した一つのエネルギー回転体のような存在を成す。竜巻(地上面の高エネルギー水蒸気膨張空気と上空の冷気に因る水蒸気体積収縮に因る上昇回転気流現象)は下から見れば、時計方向の回転エネルギー流体構造を成す。渦潮は上から見れば、やはり時計方向のエネルギー回転流体構造を成す。エネルギー流の回転が時計方向なら、時計の裏側に向けての軸エネルギー流となっている。右ねじの回転と進行方向の関係に在る。南半球はその逆に成っていると思うが、そうではないとの意見もある。海の潮流や渦にその様子は見える筈だ。その回転の方向性は地球の回転と球面に因るだろうと思うからである。地球を回している力の原因が何かが謎である。地球の上空は地球より早く回っている。謎こそ自然の魅力かもしれない。

回転軸の単位ベクトル 2次元平面座標上で回転運動を記述する時、その平面に垂直な座標軸の回転軸が重要な意味を担う。その三次元空間座標で、回転運動の回転角速度ωをその軸上のベクトルとする。回転軸の単位ベクトルnγ = [ × ]を決める。平面上の回転運動体mには軸ベクトルがある訳ではないが、回転角速度ωをその軸上の空間ベクトル ω = ωとすれば、回転速度vはベクトル積として図のように解釈できる。その単体の質点mの運動には、単に運動エネルギーを持った物の運動と言う点しか見えない。その質点には回転軸方向への運動を産む意味は見えない。しかし、回転円板や独楽などの運動平面上のエネルギー平面分布となると、少し様相が異なって見える。即ち軸方向性の力ベクトルの隠れた意味が見えてくる。

光伝播と空間ベクトル解析 Fig.1.の質点mがもし地球とすれば、その表面から光の短時間パルスを天空に放射した時、その光の軌跡をどのように認識するかを考えた図でもある。光は光源の運動速度には影響されないと認識する。その光が伝播する『光速度一定』と言う伝播空間をどのように認識するかが大きな問題であろう。地球は少なくとも2軸回転運動体と看做される。光の相対速度の意味を考える図にもなろうかと思う。電気現象が光速度伝播現象であることとの関連として意味があろう。

電気現象と回転軸(虚軸)ベクトル 電気現象や電気回路に見える回転軸がある訳ではない。台風などの意味とは異なるが、電気現象解釈に4次元(時間が1次元)空間ベクトルを取り入れると理解し易くなるだろう。しかも従来のベクトル解析での複素平面ベクトルと異なり、『虚数』概念の矛盾( j^2^=-1 に基づく混乱-ピタゴラスの定理ー)は取り除かれる。電力系統の送配電線路網は、その本質がすべて電線路内の空間を伝播する電磁エネルギーの光速度伝播現象である点で極めて効率的エネルギー伝送機能設備である。その『エネルギー』は勿論空間エネルギーで光と同じように金属導体によって制限されてはいるが、空間を伝播するのである。瞬時電力理論での解析手法の『虚電力』と言う概念が電圧・電流ベクトル平面座標に対して、その垂直軸の『虚軸』に定義した処に特異さがある。実際に電気回路に虚電力が在るのかと尋ねられれば、在るとも言えないし、無いとも答えられない。それは各相の無効電力に反映されるもので、各相無効電力発生の原因を『虚軸』の電気ベクトルとして定義した電力概念である。しかしその三相の各相無効電力は、過渡瞬時値でなければ、総和を採れば零となる。三相をまとめて見た時に『虚電力』の意味が分かろう。それを次の図に表現した。

電線路の空間エネルギー 三相電力線路には三つの「空間エネルギー」がある。瞬時電力理論での『実電力』と『虚電力』に関わる『エネルギー』と更に系統の電力規模を示す『電圧』に関わる『エネルギー』である。図では、『実電力』の赤色の流線で表示したエネルギー流と『虚電力』を意味する青色の回転流線で表示したエネルギー回転流の二つの「空間エネルギー流」がある。電気現象の最も基本的な認識として、捉えなければならない事がある。それが『電圧』の物理的原理である。負荷が無い、無負荷での電線路空間のエネルギー分布がどのように成っているかの認識である。無負荷であるから、電流が流れているとは言えない。それでも電線路の遠方終端でも瞬時に受電できる。それは電線路に『エネルギー』が電圧と言う意味の隠れた物理現象として存在するからである。『電荷』や『電流』でない『エネルギー』の電線路空間内での実在認識とその光速度伝播現象での解釈が必要である。図2は『エネルギー』を認識する事に因って、初めて電線路空間内のエネルギーの回転流としての『虚電力』の意味が分かろう。物理的には、決して『電荷』や『電流』での伝統的電気工学の技術概念に因る認識では無理である。電線路空間のエネルギー分布は電源から電線路末端まで、光速度に因る遅れを伴うが、空間エネルギーの供給に因る『電圧』として電力系統保持が成されているのである。その『エネルギー』の分布を図の緑色で示した。図の(2)は電線路の断面空間を示した。三相交流電圧の位相により、「空間エネルギー」の分布は電線路空間内を回るのである。この電圧エネルギー分布がすべてのエネルギー供給現象の基を成していると解釈する。負荷電力もその負荷点での電圧エネルギー分布の「空間エネルギー」を供給源とし、負荷が吸収した事に因るそのエネルギー欠陥を補償すべく次々と分布エネルギーを取り込みながら、その欠陥状態が電源側に光速度で補償しながら伝播するのである。定常負荷状態であれば、安定した赤色のエネルギー流で供給される。負荷変動の過渡状態は、電圧エネルギー分布に大きな欠陥状態が生じ、その光速度補償現象の伝播動作として系統に影響を与える。基本は電線路空間内の『エネルギー』分布が在ることに因って決まると見なければならない。『エネルギー』が光速度伝播と言うことの意味は、(3×10^8^)^-1^ [s]間に伝播する量が電線路の1[m]当たりの分布でしかない事で理解されるだろう。微弱な空間エネルギー分布でも光速度伝播と言うことで、極めて大きな送電電力となり得る。また図の(1)や(2)の電線路空間内の『エネルギー』現象を考えると、電気現象が空間ベクトル(技術概念の電流と電圧)の回転現象として、ベクトル解析手法の合理的な意味が納得できる。空間ベクトル解析ではインピーダンスよりアドミタンスが有効である。アドミタンスベクトルを虚軸上に定義することで、空間ベクトル解析にその意味が生きる。

むすび 瞬時電力理論の空間ベクトル解析の意味を少し広げ(リサジュー図形など)て見ようかと思い、その基本的物理現象を『エネルギー』でまとめた。ここまでの道程の電磁現象に対する解釈を進めて来た精神的な科学認識の支えが次の資料の写真に在る様な実験結果に負っていた。『電界』も『磁界』も『エネルギー』の解釈概念でしかないのだと言う電気現象の認識である。新世界への扉ーコンデンサの磁界ーの意味である。

瞬時電磁界理論の実験的検証とその意義 電気学会電磁界理論研究会資料 EMT-88-145 (1988-10)

三相交流回路の電圧ー電気回路技術を越えて―

オームの法則や単相交流回路の学習を通して電気回路の基礎を理解する。その時電圧と電流という技術量の概念と意味に触れ、その指導内容に従順に従い理解に努める。はじめは伝統に慣れ親しむ事からその道の技術者としての自負を持つことに憧れて精進する。その技術者仲間ではそれで十分であろう。その学習の途上で、『電流』とは何かなどとは考えない。電子の逆の流れを電流と言うと説明されれば、それでその通りの解釈に従い、納得して進む。物理学が自然の真理を説き明かす科学理論の根幹を成して、その理論で『電流』とは何かとは問わないから、学習するに疑問を抱く訳にはいかないし、そんな余裕はない。電気回路解釈法は、結局電圧・電流という電気技術概念量の計測量に基づいて解釈する以外他に無いのだから。それだけ電圧・電流の計測技術が優れていると言えよう。しかし本当は電線の中を電子など流れてはいないのである。この事を理解し、認識するには深く電気回路現象に関わり、多くの経験と訓練を積むことに依って初めて分かることであろう。真の学習は覚え習得した知識を、その先で疑い、理解できないと疑問を抱くところから始まるものかも知れない。知識を超えて、捨てることで新しい領域の自分なりの学習が始るものであろう。そんなことで、一通り単相交流、三相交流回路について学習した方がもう一度学習内容の意味を確認する作業として考えて見てはどうかと思った。

『電圧』と極性 その辺を三相交流回路を通して考えてみたい。

図1瞬時ベクトルの極性 電圧、電流で回路現象を理解するに、その大きさだけでなく極性、その値がどの方向の値として捉えるかがベクトルとして解釈するには重要である。特に瞬時空間ベクトルに表現するには極性を決める必要がある。線間電圧が電線路電圧という場合の電圧であり、相電圧では言わない。三相交流回路には、線間電圧と相電圧がある。回路解析の理論では相電圧での取り扱いが一般的である。しかし、現場技術者の間では線間電圧での捉え方が普通である。電力系統の公称電圧として、その線間電圧が系統規模を認識する基準となっている。その電圧をベクトルとして捉える時、その極性を例えば図のように決めて考える。線間電圧の総和はゼロになる。しかしその極性の採り方に因ってゼロとは成らないことにもある。上の線路上に決めて表示したA相とC相間の線間電圧v_acの極性では代数和はゼロにならず、v_ca(= – v_ac )の極性でなければならない。なお図の方向・極性は二電力計法の方向性を考えて、C相基準にした極性である。さて線間電圧から相電圧ベクトルを算定するには、その線間電圧の瞬時値から算定した代数計算値に各相ベクトルの単位ベクトルn_a等を採ることで得られる。

線間電圧と瞬時空間ベクトル 瞬時電力理論による電力補償法等の実用に関しては十分研究されているだろう。しかし、瞬時空間ベクトルに因る回路解析法が新しい交流理論の手法として一般化されるだろうと思い、その基本的な意味を深めて見ようと考えた。一つの方法として、線間電圧を基準にした瞬時空間ベクトルがどのようになるかを検討した。その結果、従来の相電圧を基準にした三相ー二相変換の空間ベクトルe と位相関係は同じであった。

三相瞬時空間ベクトル  ベクトル円 三相交流電圧が平衡電圧の場合は相電圧の総和も、線間電圧の総和もゼロである。その時の電圧ベクトルは円周上を等速度で回転する回転ベクトルになる。線間電圧と相電圧のベクトル和v_s =v_ab+v_bc+v_cae_s =e_a+e_b+e_cの間の位相関係を示した。なお図の電流ベクトルiの位相φは負であることを理解願いたい。sin φ <0である。

電圧と位相(図2)の電圧瞬時値で、線間電圧v_ab=V_m sin ωt を基準電圧として、ωt=π/3 の位相の場合を取上げて、各電圧のベクトル関係を(図3)に示した。なおこの時、線間電圧v_ca=0である。(図2)の電圧の値を(図3)のベクトル円上にプロットすれば任意の時間における瞬時空間ベクトルが決まることが確認出来よう。三相電力系統の瞬時空間ベクトル解析の解釈の基本はこのベクトルを描く事から始まる。電圧基準を相電圧にするか、線間電圧にするかは自由である。結果はベクトルの総和は同じ位相の位置に得られることが分かった。

瞬時空間ベクトルのベクトルの意味 ベクトル円上におけるベクトルの意味には少し数学的なベクトル解析と異なる点がある。(図1)の電線路に表示した相電圧、線間電圧のベクトルの極性から勘違いしないように注意したい。

ベクトル相互間の関係 線間電圧と相電圧の間のベクトル関係についての留意すべき事。線間電圧ベクトルv_ab=(e_a-e_b)n_a であって、相電圧ベクトルの差e_ae_b ではない。

電圧は保有エネルギー技術評価量 電圧という電気技術評価量は結局電線路空間に保有されたエネルギー量の規模を認識する概念であると言える。その電圧は実に優れた技術概念であり、その電圧に因る回路現象を解析するにベクトル円が有効であろうと考えて、少しその瞬時空間ベクトルの意味を掘り下げて見た。

電圧は保有エネルギー技術評価量 電線路が無負荷の状態で考えて見る。電圧を印加すれば、電線路全体は静電容量の回路と等価と看做されよう。コンデンサ内に貯蔵されるエネルギーの電源周期に因る周期的変動の負荷回路である。電線路全体の線路間の総容量をC[F]とした時の貯蔵エネルギー量を示した。

『問題』 瞬時空間ベクトル図に関する簡単な問題を考えてみよう。

極端な例題かもしれない。発電所の同期発電機はStar結線である。Δ結線にすると、巻線間の僅かな電圧差で、内部循環電流が大きな過熱原因となるからであろう。そこで、Star結線のA相だけ電機子巻線を不平衡にした場合の例でベクトル円上の電圧ベクトルがどのような軌跡を描くかという問題である。当然一般の相電圧間の条件、e_a+e_b+e_c=0は成り立たないことになる。しかし線間電圧の総代数和はこの場合もゼロである。

まとめ 電気回路を考える時、電圧と電流がその回路解析の基礎概念である。しかし科学技術として確立した電力供給エネルギー機能設備も、その深い奥では自然現象の眞髄が根底にあることを理解すべきであろう。電圧という技術概念の意味を探れば、それも『エネルギー』の一つの人間の評価解釈量であると言う意味が観えてこよう。そのような深い自然の意味を考えるのが理科教育の目標ではなかろうか。

 

三相交流瞬時空間ベクトル

はじめに 電気現象を理解するには、先ず『電気エネルギー』とは何かを知って欲しい。現在の教科書にはその基本が示されていない。だから専門家にこそ理解して欲しい。決して『電荷』論では理解できない筈だ。電気エネルギーは電線路を張り巡らすことで、どこにでも供給できる目に見えない不思議な『エネルギー』である。『電荷』が流れると言われても、その『電荷』はどのように『エネルギー』を運ぶと言うかの説明ができるのか。不思議と言う意味は、教科書で説明されていないから殆ど教えられていないと言う人間の思考上の不思議と言う意味をも含んでのことである。科学論の不思議は人間の不思議でもある。このような文章も本当にその意味が伝えられるかと言う疑問がある。この『エネルギー』は全く質量など無関係で空間に存在するものであると言う意味を理解して貰わなければ、上の文章の意味が伝わらないと言うことである。この『エネルギー』の意味を物理学という学問で認識しているのかという疑念があるのだ。物理学という理科あるいは自然科学の根本原理であると考えられている学問分野で、『エネルギー』という用語の本質を捉えていないという現実をみんなに理解して、教育のあり方を考えて欲しいと願う。今までに論じた『電荷』否定の関連記事を挙げさせて頂く。クーロンの法則を斬る ドアノブの火花ー熱電変換ー 雷は熱爆発だ 『電荷』否定への道など。

三相交流回路の電気現象 三相交流回路の電気現象を理解するには、その三本の導線で供給する『エネルギー』が基本的には直流の一定値であると言うことを知って欲しい。二本の導線で供給する単相交流回路の三倍の『エネルギー』を導線一本追加するだけで可能だと言う技術的効率の有効性を。すべて『エネルギー』に注目して欲しいのだ。その上で、瞬時電力理論で論じる瞬時空間ベクトル(文献1,2)とはどのような意味があるのかを説明してみたい。確かに制御するのは『電流』という電気技術量であるが、その目的は瞬時電力という『エネルギー』の時間微分量を制御しているのである。その『エネルギー』を効率良く伝送するには無駄を省きたいから、無効電力という厄介な『エネルギー』の流れを抑制したいと言う技術的手法として瞬時電力理論が提唱された。その理論は電気現象を瞬時空間ベクトル上で解釈する手法で理解し易いと言うことである。三相交流電圧が平衡の場合はその瞬時電圧の総和は常にゼロになる。しかし空間ベクトル上で表現すると、一定の回転速度の電圧ベクトル(文献3に基本説明)として捉えられることになる。何故そのようになるのかを初心者にも分かるように説明できたらと願う。

三相交流電圧

三相交流電圧三相交流電圧と位相 三本の導線で構成される電線路には、線間電圧と線路電流でその電気現象の状況を知るしか方法がない。電線路の空間には何も検出できるものはない。送電鉄塔の懸垂碍子の劣化状態を検査する検出(電圧、電界)器具などを子供(日本発送電株式会社の姿散宿所)の頃見た記憶があるが。需要家は線間電圧(vab、vbcおよびvca)しか使えないが、発電所の発電機は相電圧のStar結線で、相電圧(ea、ebおよびec)である。瞬時電力理論で解析する場合は、相電圧を基本に取り扱う。負荷は線間電圧負荷であるが、相電圧に変換して解釈する方が取り扱い易いからであろう。瞬時空間ベクトルでは基本的に相電圧に変換して取り扱う。変圧器をStar結線にして電圧を検出すれば、相電圧が得られる。また次のような線間電圧と相電圧の関係があるから、相電圧は算定できる。実際に電圧と電流の瞬時値を検出するには、電線路に変圧器(Tr.)や変流器(CT)を接続して測定することになる。

線間電圧と相電圧

三相ー二相座標 平面空間に三相と二相の電圧ベクトルを展開して解釈する。

単位ベクトルと三相ー二相座標単位ベクトルと座標 三相交流電圧が平衡であれば、位相が120度(2π/3)ずれた電圧である。そのA相、B相、C相の各相電圧を平面上に2π/3角度ずつ位相差を持つ軸を設定する。その軸上に単位ベクトルを設定して各相電圧の瞬時値を反映すると、その各電圧は平面上のベクトルとして捉えることができる。その各相電圧ベクトルのベクトル和を採ると、ベクトルes=ea+eb+ecが得られる。

三相電圧ベクトル 空間ベクトルの回転する意味が分かり難いかもしれないので少し説明をする。特別難しいことではないが、初めての人にも分かるようにと考えて、ただ具体的に突き詰めて見ることで分かると言うことを示したい。

空間電圧ベクトルの回転位相と電圧ベクトルes 三相の電圧位相(時間t)の経過に従って、各相の瞬時値をベクトル軸上に投影してみる。A相の電圧を基準にして、ωt=0の時刻ではB相電圧は負、C相電圧は正でA相電圧はゼロである。その状態の電圧分布が0あるいは12の位相の場合に当たる。位相を12等分して一サイクルとすると、丁度電圧ベクトルesは一回転する。

三相電圧ベクトルes  総和電圧ベクトルesは相電圧の最大値をEmとすれば、その大きさ(3/2)Emの回転ベクトルesとして捉えられる。図はある時刻ωtでの様子を示した。

二相電圧・電流ベクトル 標準的な理論は三相交流を二相座標上に変換して解釈する方法である。三相のままでは、その電圧と電流から電力系統に潜む電気エネルギーの本当の姿は捉え難いのである。二相座標変換解析法は優れて、技術と芸術の融合した手法にさえ思われる。電気現象の本質を理解するには三相交流回路の二相座標変換した空間ベクトルによる論考が欠かせなかろう。

二相電圧・電流ベクトル 三相電圧・電流ベクトルをα―β二相座標上に分解したものである。ただし『エネルギー』あるいは電力値との整合性を得るための変換係数√(2/3)倍となる。電圧ベクトルeeαの直交電圧ベクトルの和に分解できる。電流も同様である。なお、この電圧ベクトルeの2乗はe^2^=V^2^となる。Vは線間電圧実効値。図には電流ベクトルiを電圧ベクトルeの同相分と直交分との二つに分離した意味も欲張って示した。α相の瞬時有効電流iαpと瞬時無効電流iαqの意味をも示した。以前単相交流電流の瞬時電流分離について論じた事が三相交流でも同じ意味で理解できる訳である。

瞬時空間ベクトルと瞬時電力 二相電圧・電流ベクトルに因る瞬時電力は次のように定義される。しばらくは文献3.のはじめの内容が参考になろう。(続く)ここにもう少し説明を加えようと考えたが他の記事で述べたい。

線間電圧と瞬時電力 上の二相空間ベクトル表現を三相線路の線間電圧によって表現すると次のようになる。二相瞬時空間ベクトルで基本的概念が理解できれば、実際上では三相電圧と電流で瞬時電力が評価・検出できるので、その意味を示す。

線間電圧と瞬時電力、瞬時電流 三相交流回路は線間電圧によって解釈するのが一般的である。瞬時電力のpおよびqは線間電圧で表現できる。従ってその電力から直ちに各相の瞬時有効電流及び瞬時無効電流も算定できる。三相回路の電流分離の意味である。

瞬時有効・無効電流 瞬時実電力pと瞬時虚電力qから線路電圧により直ちに三相各相の瞬時電流が算定できる。なおVは線間電圧の実効値である。この分離電流から各相の瞬時有効電力、瞬時無効電力も相電圧との関係で直ちに算定できる。

瞬時虚電力の意味 瞬時電力理論で最も重要な理論の要は瞬時虚電力qに集約されよう。電線路空間の『エネルギー流』で瞬時実電力pは電線路観測点で、電源側と負荷側の間での実際の流れを捉えた電力である。しかし瞬時虚電力qはpのような『エネルギー』の流れを評価する技術量ではない。観測点ではどちらにも流れている訳ではない。差引ゼロである。それが無効電力の意味である。しかし三相の三本の導線の導体近傍を『エネルギー』が流れているのである。いわゆる三本の導線で囲まれた空間内を『エネルギー』が循環して流れているのである。しかしその空間内をまとめてみれば、どちらに流れていると言う訳ではないのだ。差引ゼロである。その『エネルギー』の流れが無効電力という技術量の意味である。流れていない『エネルギー』の還流状態を評価する技術量が瞬時虚電力qという概念である。電線路空間内全体をまとめて観た時、『エネルギー』は電源と負荷間を往復する実際の流通量の実流と還流して差引ゼロの無効流(虚流)との二つしかない筈だ。それで全ての『エネルギー流』を捉えた筈だ。電線路空間内の『エネルギー』を認識することにより、その電気現象の状況が分かり易く捉えられると思う。『電荷』では電気現象を捉えられないと思う。当然『電流』概念でも十分分かったと納得できないだろう。すべては『エネルギー』の実在性を理解する事から始めたい。

まとめ (続く) 「三相交流回路の電圧」等の記事でまとめを追加したい。結局『電圧』という技術概念の意味を『エネルギー』でどう解釈するかという物理的問題、自然哲学になろうから。

(関連記事) 電気現象は『エネルギー』とその光速度伝播現象である。光と電線路空間のエネルギー分布・伝播に統合した解釈に至るまでの思考の主な関連記事を挙げておく。電流や電圧の電気工学概念と電磁気現象の物理学としての眞髄は異なるのである。物理学で『電荷』の否定できない電磁気学は理論としての物理学の存在意義が疑われる。電気工学としての瞬時空間ベクトル解析を論じるに、電線路空間を伝送する『エネルギー』の実在性を認識したうえで、ようやく今安心できる感覚に在る。8.は瞬時空間ベクトル解析の一つの具体例と言えよう。

  1. 新世界への扉ーコンデンサの磁界ー
  2. 光の速度と空間特性
  3. 光とは何か?-光量子像-
  4. 光速度は空間定数(H/m,F/m)で決まる
  5. 空間ベクトル解析と単位ベクトル
  6. 変圧器の奇想天外診断
  7. コンパスと砂鉄の心
  8. pq理論のリサジュー波形を見つけて

(文献)

  1. 赤木他:瞬時無効電力の一般化理論とその応用 電学論B 103,483 (昭58-7)
  2. H.Akagi,Y.Kanazawa,and A.Nabae : Instantaneous Reactive Power Compensators Comprising Switching Devices without Energy Storage Components IEEE Trans.Ind.Appl.,Vol.IA20,no.3,1984,p.625. (恥ずかしながら、著者紹介欄で人の書き方をそのまま真似た為、助手の身分(実際は教官でなく事務官扱いだったかも知れない?)を間違った。)
  3. 金澤:空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用 電気学会 電力技術研究会資料 PE-86-39 p.71.(1986/08/04)

三相交流回路の瞬時電流分離

瞬時電力問答で瞬時電流分離を取上げた。その後三相瞬時空間ベクトルを、過去を振り返りながら再確認しようと考えた。しかし、単相交流回路現象でさえ、改めて気付くことが生まれる。単相瞬時空間ベクトルと瞬時値で回路電流の分離を考えた。この電流分離の解釈が三相交流回路に於いても同じ事であると分かった。それは瞬時電力理論のα―β座標の二相空間ベクトルの瞬時実電力、瞬時虚電力に関わる意味でもあった。二相空間ベクトル解説の前にそのことを報告する。

三相交流回路の電力

三相交流回路と電力 平均電力で言えば、図のように有効電力P[W]と無効電力Q[Var]で捉える。(注意)少し説明して置かなければならない事がある。一般的な電力ベクトル図では無効電力Qの値を誘導性で『負』容量性で『正』として取り扱うかの疑問がある。ここでの解釈では、誘導性負荷ではsinφが『負』であるから、Qは『負』として解釈しないと混乱するかもしれない。負荷変動の瞬時電力でない場合には、この平均電力で解釈すれば十分であろう。瞬時電力で解釈する場合は、三相の各瞬時電力の総和p=ea・ia+eb・ib+ec・icは瞬時実電力と言い、それは瞬時有効電力と瞬時無効電力の両方の電力成分を含んだものである。また瞬時無効電力は三相電圧、電流からは算定することが出来ない。三相各相の瞬時無効電力を検出することは瞬時電力理論によらなければ出来ない。瞬時虚電力と言う空間ベクトル概念を定義したことで初めて、各相の瞬時無効電力を算定できることになった。それは結局各相電流を瞬時有効電流と瞬時無効電流に分離することが出来ることが可能になったからである。負荷変動しない三相平衡定常負荷の場合で、瞬時電力理論の意味を適用すれば、三相有効電流と無効電流に分離することができる。三相交流電圧、電流(二相座標変換せずに)のみで有効・無効電流に分離してみよう。

瞬時実電力・瞬時虚電力表式 二相座標変換しないでの瞬時実電力と瞬時虚電力。

三相瞬時電力

三相回路電流の分離 電源電圧が三相平衡電圧の場合で、負荷も三相平衡定常負荷の場合には負荷電流を有効電流と無効電流に分離できる。

瞬時電流の分離 図ではa相電流iaの有効電流iap と無効電流iaqへの分離式を示した。ただし、sinφの符号は誘導性で負、容量性で正。

瞬時電力理論に因る分離

各相瞬時電流算定式 各相の電流を有効電流と無効電流に分離した表式である。有効電流は各相の電圧位相と同位相の電流であり、無効電流は電圧とπ/2だけ位相差の電流となる。単相回路での電流分離の手法がそのまま同じ方法で適用されることである。ただ、三相電圧・電流で算定する式に表現したが、元は二相座標変換の空間ベクトルの概念を書き換えただけである。ただし、Qは誘導性負荷では『負』である。それはsinφが『負』だから。

参考文献(*1)(*2)

 

参考文献

(*1)  赤木他、瞬時無効電力の一般化理論とその応用 電学論B103,p.483(昭和58-7)

(*2) 金澤 空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用 電気学会、電力技術研究会資料PE-86-39,P.71.

単相瞬時空間ベクトルと瞬時値

はじめに 瞬時電力理論(pq理論)は三相交流回路に対してその威力を発揮する。当該理論は電力エネルギーの制御・補償で、スイッチング機能を伴うなど、絶えず瞬時変動する負荷に対して、その電気現象の意味を捉えるに欠かせない理論である。物理的には電荷に基づく電流は流れずと言いながら、ここでも電流の解説をしようとする。昔pq理論に基づいて、電流の微細制御を論じた論文「電圧型PWM変換器を用いた瞬時無効電力補償装置の動作解析と設計法」(電気学会)電学論B106,323(昭61-4)もある。この論文の意義は変換器の半導体素子のスイッチング動作限界を明らかにし、変換装置の設計基準を示した点にある。しかし瞬時電力理論は単相回路に対しては特別有用とは看做されていないだろう。単相では、三相回路での空間ベクトル積で定義される瞬時虚電力の概念が得られないからであろう。電気工学の学習でも、電気現象理解の初歩では、オームの法則から直流、単相交流回路と学習が進み、インピーダンスベクトルや電圧ベクトルの複素表現法によって電気現象解釈の目標に到達したと成るのじゃなかろうか。遥か昔の30年も前の学校現場での教育内容であるから間違っているかも知れない。もし教育内容が昔のままであるとしたら、三相交流での瞬時空間ベクトル解析法との隔たりが大き過ぎるだろうと懸念する。単相交流回路でも、瞬時空間ベクトル概念に依る解釈法を学習する必要があろうと思う。従来の複素ベクトル解釈法は負荷変動の無い、平均電力回路現象の理解を目的にした方法である。今回少し単相交流回路で、瞬時値に対する瞬時空間ベクトル解析法として理解に優れているだろうと思う方法を考えたので、『単相瞬時空間ベクトル解析法』を提案する。電気現象も瞬時空間ベクトルとしてみると芸術的に見えるから不思議だ。今電気現象をこのように感じるのも、いろいろの電気回路の中で起こる『エネルギー』の挙動に常に注意してきた結果のように思う。初めて電気回路の魅力に取りつかれたのは、1970年頃にパワーエレクトロニクスに出会ったからである。Principles of Inverter circuits  by B.D.Bedford ,R.G.Hoft の名著によって、電気回路技術の深さに興奮を覚えた。同時に電気理論に教育的矛盾のあることをこの頃に確信した。ファラディーの電磁誘導則とアンペアの磁束発生解釈の間の埋められない溝を何故誰も指摘しないのかであった。『磁束は電圧時間積分で決まる』その基本原理を!その意味を知ったのが『ロイヤーのインバーター』(静止電力変換回路の基礎(2)新潟県工業教育紀要第8号、このインバータで単相誘導電動機の速度制御を行った)である。この回路の動作原理を知れば、誰でも電圧時間積分の意味を理解できる。アンペアーの磁束発生原理はどこかに飛んで行ってしまう筈だ。これは物理学原理の根幹を問う問題でもある筈だ。伝統理論に偏り過ぎた理科教育はもっと技術に寄り添わなければ、存在意義が問われる筈だ。

単相瞬時空間ベクトルの要点 単相交流回路の電気現象の瞬時の状況をどう捉えるかは殆ど論じられて来なかったのではないか。電源電圧が正弦波の場合だけに限って考えてみた。従来はインピーダンスベクトルに対して電流が流れた時、各負荷要素に掛かる電圧分担分を基本的考察の拠り所としていた。今回提案する解析論は負荷に対して、電流を電源電圧と同位相の成分と90度位相差の成分とに分離して考えた点が特異な観点である。その二つの瞬時電流の算術和は勿論回路電流の瞬時値に等しい。負荷が変動する場合、変動瞬時では電流は正弦波ではなくなるから、その過渡状態では解釈上でも分離は出来ない。三相瞬時電力理論とは違って、単相では過渡時に電流を分離する威力を発揮できないきらいはあるが、今のところ単相回路ではそれも止むを得ないと考える。ベクトルを扱う空間は4次元の抽象概念空間である。電源電圧が角周波数に従って一定速度で回転する電圧最大値のベクトルとして捉える。回転電圧ベクトルに対して電流は空間的な位相差を持ったベクトルとなる。

4次元座標と電圧ベクトル 4次元座標は3次元の直交空間座標軸と時間から成る。この空間は実在空間とは異なることは当然である。電線路導体の空間は実在空間であるが、この座標は電気現象を解釈するための抽象化した空間である。三相伝送線路の瞬時電力理論の三相ー二相座標変換への橋渡しの意味を込めて、α軸とβ軸で構成した。

vec-1%e5%ba%a7%e6%a8%99%e3%81%a8%e9%9b%bb%e5%9c%a7%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab座標と電圧ベクトル 三本の直交した座標軸α軸、β軸およびγ軸から成り立ち、その単位ベクトルをnα,nβ,nγ とする。電圧ベクトルe は最大値Emの正弦波で、時間の原点ωt=0を-nβ方向とする。電圧ベクトルはα軸とβ軸の成す平面上を反時計方向に回転する。この電圧ベクトルeの回転速度はαβ座標面に垂直なγ軸上に電源周波数の回転角速度ベクトルωを定義することにより決まる。単相交流回路には電圧が回転する現象がある訳ではないが、その電圧波形が正弦波の場合では、正弦波の周期性から電気現象を空間ベクトルの回転として捉えると電気特性を理解し易くなるだろうと思う。その座標と回転基準ベクトルとなる電圧ベクトルの解釈基準を示した。

瞬時電流ベクトルと瞬時値 エネルギー消費負荷の内部インピーダンスは外部からは分からない。特性不明の負荷の電気現象を知る手掛かりは電圧と電流の瞬時値しかない。その事から電圧と電流の関係を空間ベクトルとして認識しようと言う事である。電流の瞬時値を電圧同相分と直交成分に分離し、その関係を空間ベクトルとして表現した。

vec-2%e7%9e%ac%e6%99%82%e7%a9%ba%e9%96%93%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab%e3%81%a8%e7%9e%ac%e6%99%82%e5%80%a4瞬時空間ベクトルと瞬時値 空間ベクトル値が計測できる訳ではない。計測できる瞬時値はα軸上に下ろした垂線によって示された値となる。電圧瞬時値はeαであり、電流はiα が瞬時値として検出できるものである。計測できないが電流値i(電圧ベクトルeに位相差φで追従するベクトルiの値)を解釈上二つに分離した空間ベクトル上での電流ipは電圧瞬時値の位相に同相の瞬時有効電流になる。さらに同様な分離電流iqは電圧と位相π/2だけ異なる瞬時無効電流となる。電流の空間ベクトルについて、線路電流の瞬時電流ベクトルiは負荷特性によって決まる力率の位相φで電圧との関係が決まる。位相φは正弦波電流の場合の意味であり、単相回路の瞬時変動負荷に於いては電流ベクトル i は残念ながら確定できない。

瞬時電流分離の意義 電流を瞬時有効電流ipと瞬時無効電流iqの二つの成分に分離することの意義は何か?確かに従来の抵抗とリアクタンスによる電気回路解析法に馴染んだ解釈法からすると、回路要素に依らない解釈が正しいのかと疑問に思うだろう。電圧と電流と言う科学技術概念量の魅力はほれぼれするものである。しかしその概念が、『電荷』と言う実在しない物理量によって解釈されることから、実際の電線路空間内に分布する『エネルギー』の自然の眞髄に気付かない事から来る、余りにも数式に厳密性で依存する科学理論が社会的な問題を含んでいないかと、それが気掛かりである。電線路近傍空間の『エネルギー』は電気現象の根底で、空間の空間定数によるインダクタンスやコンダクタンスの過渡的現象を大きく受けているのである。そんな自然現象の意味を数式で捉え切れるものではない。だから、前回の記事瞬時電力問答で疑問を呈した「Ri^2^の不可解」での関係で、瞬時有効電力との位相の差の問題に答えなければならなかろう。実際の負荷は抵抗とリアクタンスに厳密に分けられる訳でない。負荷は負荷空間全体が一体としてエネルギー処理に当たっているのである。だからこのエネルギーは抵抗分で、このエネルギーはリアクタンス分と分離することを実際上は厳密に分けなくて良いだろう。単相交流回路の負荷内で、リアクタンスに蓄えられた『エネルギー』が時間差を持って抵抗に消費される現象と考えれば、電流を二つの成分に分けて解釈しても何ら矛盾はない筈だ。『エネルギー』にとっては抵抗もリアクタンスも特別の差はないのだ。また電源から監視する技術面で見ても、電源側に影響するかどうかで評価すれば良い事であろう。だからと言って学習しないで良い訳ではなく、抵抗とリアクタンスの『エネルギー』に対する基本的特性の違いは十分理解していなければならない筈だ。この電流分離の意味を、前記事の具体例でもう一度確認したい。その前に一つ注意しておきたい。瞬時電流ipやiqの値が分離計測できる訳ではない。

%e7%9e%ac%e6%99%82%e6%9c%89%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81%e3%81%a8%e7%9e%ac%e6%99%82%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81瞬時有効電流ipと瞬時無効電流iq 電源電圧に対して位相角φの遅れの線路電流iが流れる。Vec.2のベクトル図で、α軸電流iαがこの電流波形iとなる。Vec.2はα-β二相座標でベクトル展開したものであるが、それは三相回路の瞬時電力理論との関係で単相回路の電気現象を考えるためである。この具体的回路例をVec.2のベクトル場に対応して考えると、線間電圧vを三相回路のα相の相電圧eと考えればよいだろう。その上で、瞬時電力理論の瞬時有効電力p=(ei)のベクトルのスカラー積で解釈すると、p=eα・iα +eβ・iβの内の第1項分のeα・iαがそれに当たる。しかしこの電力は有効電力と無効電力の両方を含むものである。そこに、単相回路の空間ベクトルと三相回路の空間ベクトルでの解釈上に含む違いの意味を考えなければならなかろう。Vec.2の瞬時電流でのipとiqが確かに有効電力と無効電力を分離している意味で意義がある。

瞬時電力 電気回路で計測できるのは線間電圧と線路電流である。その瞬時値を観測・計測するにも方法が必要だ。電圧は2本の電線に高抵抗(ほとんど電流が流れない程の抵抗値)か変圧器を繋いで、分圧電圧を利用する。電流の瞬時値はやはり電線に低抵抗(抵抗値ほぼゼロの電圧降下値)か変流器(CTと言う電流変成器)で測定するしかなかろう。制御回路では絶縁が基本だから、Tr.とCTが使われよう。その信号を波形観測機器で観測できよう。先のVec.2の空間ベクトルとの関係を示さなければならない。線路電流iは、i=iα(Vec.2のα軸上の成分になる)である。電圧vはv=eα(Vec.2のα軸上の電圧成分)の意味である。

%e7%9e%ac%e6%99%82%e6%9c%89%e5%8a%b9%e3%83%bb%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e5%8a%9b瞬時有効電力p_p・瞬時無効電力p_q

前記事瞬時電力問答では「Ri^2^の不可解」と疑問を取上げたが、同様にリアクトルの電力Lidi/dt[W]も同じ意味を含んでいる。ここでの電流iもVec.2のベクトル図では、電流i=iα(α軸上の電流)、電圧v=eα(α軸上の電圧)であることを了解して頂きたい。瞬時電力p=vi[W]は

p=v ip +v iq =p_L + p_R  [W]

と各瞬時電力の和で、電流分離による電力の和も各要素電圧による電力の和も当然ながら同じくpに等しい。当然ながら、無効電力も有効電力もその次元はワット[W]である。従来の電力理論で言う無効電力は瞬時値を論じてはいないから、平均値の無効電力はゼロワット 0[W]となり、単位[Var]で零ワットの意味を表記するのである。無効電力VIsinφ[Var]とその無用なエネルギー流の関わりの悪影響の大きさを表記するのである。ただし、V,Iは電圧電流の実効値であり、最低でも1サイクルの2乗平均の平方根値で算定する訳で、瞬時値としての捉え方はない。だから瞬時電力pの平均値はP=VIcosφ[W]となる。それは瞬時有効電力p_p=v ip [W] およびRi^2^[W] の平均値に等しくなり、無効電力分は結果的に、エネルギー量の評価量としては表面に現れないのである。だから無効電力評価単位を[Var]とする。電気工学を学ぶ初期の方がよく質問しているので老婆心いや老爺心で単位について説明を。なお電力の単位ワット[W]についても瞬時値表現としては意味に明確さが見えなくなるのだ。ワットは[W=J/s]であり、エネルギー量の時間微分値である。電線路空間を伝送する『エネルギー』の時間微分とはどんな概念と理解すれば良いか。電線路を伝送するエネルギーは送電端と受電端では距離が離れているから、たとえ光速度で伝送されるとしても、その離れた場所での空間のエネルギー分布は異なる。その事は電流についても、一本の電線であっても送電端と受電端の離れた点では等しくないのである。この辺の論になると所謂物理現象、電磁現象を論じる内容につながる。

電力ベクトル

vec-3%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab電力ベクトル α―β―γ空間ベクトル場で単相交流回路の電力を考えてみた。従来は三相交流回路に対してしか瞬時電力(瞬時電力理論)を考えなかっただろう。その研究分野から離れて30年もたったから実際のことは知らないが。単相交流回路を4次元空間ベクトル場で、その電気現象の解釈を試みた結果、新しい電気工学ベクトル解析の一手法になろうかと思うので報告する。こんな基礎的な内容が学校教育の教科書の中味を探ると見えて来ると言う事が驚くべきことに思える。従来の電力ベクトル図では、有効電力P=VIcosφ [W]と無効電力Q=VIsinφ [Var]を直角三角形のベクトル図として解釈していた。Vec.3 の電力ベクトルでは、

有効電力p=2P=2EIcosφ =Em Im cosφ [W] 、

無効電力q=2 Q=2EI sinφ =Em Im sinφ [Var]

となる。有効電力の算定値pは平均電力Pの2倍値となるから、少し注意する必要があろう。無効電力までが三相交流回路の場合と同じように算定されることが不思議だ。勿論無効電力Q=q/2と言う電力が流れている訳ではないのだ。それは三相回路における瞬時虚電力と同じような意味を単相回路ベクトルの中に捉えることが出来ると言う意味で、新しい認識を得たと言えるのだろうか。なお、E(=Em/√2)およびI(=Im/√2)は電圧、電流の実効値である。

まとめと考察 回路の瞬時電力pαはpα=eα・iα [W] で、有効電力と無効電力の両方を含む。このα軸上の電流iαは電流計で計る回路電流の瞬時値iである。vec.2のベクトル図で、iα=ip+iq であり有効電流分ipと無効電流分iqの両方を含んでいる。ここで論じた事をまとめる。

vec-4%e7%a9%ba%e9%96%93%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab%e3%81%a8%e9%9b%bb%e5%8a%9bVec.4 空間ベクトルと電力(sinφの正・負に注意) 単相回路の瞬時空間ベクトルを三相回路の瞬時電力理論と対比してみよう。電力ベクトルとして瞬時実電力に対応させて、電圧・電流のスカラー積p=(e・i)を計算すると、図の(6)式のように単相電力P=EIcosφの2倍となる。それはα相とβ相の二相分を計算したことになるからである。α相の単相分を計算すると、pαは(5)式の通り、単相回路の電圧と電流の積の瞬時電力となる。平均電力P=EIcosφに対しての2倍周期の正弦波電力となる。次に瞬時電力理論の瞬時虚電力に相当するベクトル積[e×i]=[×]+[×]を計算すると、q=2Qと従来の電力ベクトルの無効電力分Q=EI sinφ [Var]の2倍値となる。単相回路の場合はこの虚電力に関しては余り意味があるとは言えない事が分かる。三相回路では、瞬時有効電力は電圧電流のスカラー積で得られるが、単相のα相電力pαは有効電力と無効電力の両方を含んでいるので、有効電力と無効電力に分離することは出来ない事が分かる。しかし今回の考察で、単相回路の電圧と電流及び負荷力率角φから、空間ベクトル図上で有効電流ipと無効電流iqに容易に分離できることが分かった。Vec.4 図のp_p の(8)式およびp_qの(9)式である。具体例を挙げておこう。

%e5%9b%9e%e8%b7%af%e4%be%8b%e3%81%a8%e7%9e%ac%e6%99%82%e5%80%a4具体例と瞬時値 α相の単相回路で、電圧、電流の実効値およびその位相差角φが分かると、その回路の瞬時値は確定できる。『問題』波形図で、位相ωt=2π/3 の時の瞬時空間ベクトル図はどのようになるでしょうか。

単相回路を空間ベクトルで考える手法について論じた。電気工学学習での一つの解釈法になればと思う。一つ留意しておきたい。三相回路の瞬時実電力pとここで論じた単相回路の瞬時有効電力p_pおよびpαとの間の関係についてはまだ十分分かっているとは言えないかも知れない。

瞬時電力問答

昔瞬時電力理論について考えていた。なかでも『瞬時虚電力』と言う新しい電力解析理論の概念を論じた事もあった。しかし、電気理論の基礎になる『電荷』の意味が分からなくなり、更に電気現象の影を支える『光』について考えるには、余りにも有名なアインシュタインの『特殊相対性理論』の大きな壁が立塞がった。光の速度と空間特性 。研究分野(電力工学)に縛られては到底無理な道であったとやっと分かった。
常識の壁 自分自身の中に育った常識さえも考えれば壁になっている。分かっている心算の事が誤りであったと気付く。昨日も電気抵抗の解釈で驚きを覚えた。

瞬時電力と無効電力 瞬時電力も無効電力もその基に在るのは『エネルギー』である。電力は計測できるが、計測できるからと言ってそれが物理的実在だとは言い切れない。科学技術量ではあるが。

%e7%9e%ac%e6%99%82%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e3%80%81%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e5%8a%9b瞬時電力と無効電力 電圧が正弦波の電気回路でも電流が正弦波とは限らない。最近の様に電気製品に半導体素子が多く使われると殆ど正弦波電流ではない。図のような場合の、瞬時無効電力はどのように解釈したらよいだろうか。瞬時電力p=vi[W]は図のようになろう。その平均値が消費電力で、その平均値の値は1秒間の消費エネルギーを表してジュールとなる。それが電気量単位のワット[W=J/s]である。しかし、瞬時電力の中味には消費されるエネルギーの電力分とただ電源と負荷の間でのやり取りされるだけで消費されない電力即ち無効電力とがある。そのそれぞれの瞬時値を分離することが出来るだろうかと言うのが瞬時電力問答の主題である。単相回路の瞬時電力で、電圧電流からそれを分離することは不可能である。三相電力系統で初めて可能になる。その瞬時電力理論を理解するには、今までの電気回路理論では無理があろう。抵抗とリアクトルと言うインピーダンスベクトルの解釈ではおそらく瞬時電力は捉え切れない。

瞬時電力その意味

%e7%9e%ac%e6%99%82%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e3%81%a8%e9%9b%bb%e6%b5%81瞬時電力と電流 電流は流れずと言いながら電流の話をする自己矛盾論お許しください。電気製品はテレビや冷蔵庫など多様である。電圧は正弦波であるが、電気製品の負荷は単純な抵抗とリアクトルの回路では決してない。その電流波形がどのようであるかは測れば分かろうが複雑であろう。②の様に電気回路要素で解釈することが出来ないのが殆どであろう。その時の負荷や電源の電気現象を解釈しようとすれば、測定できる情報は電圧と電流しかない。しかも瞬時値となれば、電流計や電圧計では測れない。時間の流れの無い一瞬の値が瞬時値である。それは一連の瞬時値の流れとして計測できるから、電気回路制御が出来ると言う科学技術の不思議である。実際の負荷回路の状況は知ることが出来ないから、電圧と電流の瞬時値で検出する。②のように、電気回路理論では要素抵抗とリアクトルに掛かる電圧に分解して解釈するが、実際は無理である。従って、③のように電流を分解して、有効電流irと無効電流ixに分解して解釈したらどうかと考えて見る。そのように電流を分離できれば、電圧とその電流との積で、瞬時の有効電力pr と瞬時無効電力pxを解釈することが出来る。瞬時電力p=viは有効電力と無効電力の両方を合わせて含んでいる。元々無効電力と有効電力に瞬時電力としては何の違いもないのである。瞬時電力が有効か無効かはその平均値としての『エネルギー』の消費に関してどのような意味を持っているかで区別する概念でしかないのだ。負荷側に供給したエネルギーが電源側に戻れば、差引消費する『エネルギー』がなかったとなり、その電力が無効電力と言う意味になるだけである。ただ電源と負荷の間で無駄な『エネルギー』のやり取りが生じた事で、その電力分を無効電力と言うのである。電気負荷には無効電力を含まなければならない必然的理由があるのだ。モーターには必ずコイルと鉄心があるように。

瞬時電力と電気抵抗 瞬時電力とはその瞬時における負荷側での消費電力と解釈することが一般的であろう。電気抵抗はその瞬時の電力を消費すると考えていたが、そうではなかった驚きに気付いた。実際の具体的数値で考えてみよう。

ri2%e3%81%ae%e4%b8%8d%e5%8f%af%e8%a7%a3Ri^2^[W]の不可解 電源電圧実効値200V(最大値282.8V)、抵抗とリアクトルの直列要素の単相回路で見る。抵抗とリアクトル値が同じで、瞬時電流i(最大値10アンペア)が有効電流と無効電流に分離できる。瞬時有効電流irと瞬時無効電流ixが図のようになる。この二つの瞬時電流の解釈が瞬時電力理論の理解に必要になる。瞬時電力理論では、瞬時有効電力と瞬時無効電力が、三相回路で実電力と虚電力と言う概念につながる。この図から、瞬時有効電力prは負荷抵抗要素の電力Ri^2^を意味している訳ではないことになる。負荷抵抗の機能はエネルギー消費だけの機能であるとの認識では理解できない事を示している。Ri^2^[W]の瞬時値と瞬時有効電力pr[W]に位相のずれがある。ただ、このずれは三相回路での総和では負荷変動がなければ、全く差がない一定の直流電力となる。

方形波電圧と瞬時電力 最近はインバーター回路が多く使われる。最も単純なインバーター電圧波形が方形波である。そんな波形での瞬時電力はどう算定できるかを考えてみた。

%e6%96%b9%e5%bd%a2%e6%b3%a2%e9%9b%bb%e5%9c%a7%e3%81%a8%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e5%8a%9b方形波電圧と無効電力 回路解析は微分方程式を解く事から始まろう。しかし、残念ながら考えたが電流の式を解けなかった。厳密な方程式を解く方法でないが、指数関数での電気現象から解いた結果が次である。

%e6%9c%89%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81%e3%80%81%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81電流解 スイッチング時間T0=5[ms]での結果である。有効電流ir および無効電流ixの数値グラフは正解ではなかろう。その訳は抵抗での消費電力からの算定結果であるから、前のRi^2^の不可解に通じる意味で自信がない。『問』瞬時有効電流及び瞬時無効電流を算定してみてください。さらに瞬時無効電力はどのような式になるでしょうか。

三相交流回路の瞬時電力 三相電線路の線間電圧と線路電流からの瞬時電力の算定式だけを参考に示しておく。

%e5%86%99%e7%9c%9f446瞬時電力理論の電力算定式で、三相ー二相変換しない、三相電圧と電流からの直接の瞬時実電力と瞬時虚電力の算定式である。ただし、この瞬時虚電力とは瞬時無効電力のようなエネルギーの流れの瞬時値を算定している訳ではない。三相では無効電力の総和値は零になる事を付け加えておく。この式が電圧、電流の瞬時値のみから算定できる瞬時電力式である。この式の意味を次の記事で、空間座標上で考えてみましょう。

光速度は空間定数(H/m,F/m)で決まる

光の速度は途轍もない大きさである。一秒間に三十万キロメートルの先に進む。3×10の8乗メートル毎秒と言う早さだ。その光の速度が人間の感覚的距離感と余りにも離れ過ぎているため、科学の世界で多くの問題を投げかけてきた。最大の事件はアインシュタインの『特殊相対性理論』が詭弁論であり、アインシュタインの歴史的間違いであると私は解釈する。「マイケルソン・モーレーの地球の速度と光の速度との相対速度差の実験的検出の不成功」をそのまま鵜呑みにして論理の構築をした点にアインシュタインの誤算があった。しかも、その延長で権威に迎合した「一般相対性理論」が現在も物理学の宇宙論で議論されている。

光の速度を決めるのは、何も神様が決める訳でもなく自然の空間がその決定権を握っているのである。即ち、空間には二つの定数があると、科学・技術の世界で認められている。それが「空間の透磁率 μ0 [H(ヘンリー)/m]」と「空間の誘電率 ε0[F(ファラッド)/m]である。さてこのHとFの単位やその次元の意味を誰でもが理解出来るように説明することが求められている。しかし簡単に説明できないのが現状である。Hは電気のコイルの機能の強さを示す単位として使われている。Fは電気回路のコンデンサの機能の大きさの単位でもある。しかしその空間での意味をどのように認識するかは簡単ではない。これは哲学と科学との問題でもあり、大きな命題となろう。そこで、空間の透磁率、誘電率の単位に[m]が、1メートル当たりと言う意味で含まれているので、その方向をどう捉えるかだけでも説明しておきましょう。このような単位の意味を考えることが物理学や科学の本質であると思うが、素粒子論でも宇宙論でも全く意に介さない事が私には不思議でならない。この[m]の意味は電力技術の送電線路定数として基本概念である事に結びつくものと解釈する。だからこの距離[m]の方向性・ベクトルは光の進行方向を意味していると解釈しなければならない。その関係を述べるに数式が入る。そのことを図版を用いて説明する。4枚の図版の内の一枚目である。その(1)で、空間定数と光速度を三次元ベクトルとして捉える考え方を示す。上の図にある空間定数の数値は、真空透磁率μo=4π×10^-7^[H/m]、真空誘電率εo=(36π)^-1^×10^-9^[F/m]である。光速度cはc=((1/9)×10^-16^))^(-1/2)^=3×10^8^[m/s]となる。重要な結論として、光速度が透磁率と誘電率によって決まる事とその次元から時間の単位秒[sec] が(HF)の二分の一乗になると言う二点を認識しなければならない。この空間ベクトルに関する解釈には、単位ベクトルが重要な意味を持っている事を説明しておきたい。光速度の三次元空間上でのベクトルとしての解釈に、私なりの考えを基に工夫した。それが図版の(2)である。この空間ベクトルおよび単位ベクトルの解釈は一般的な数学では余り取り扱わないものであろうと考える。空間ベクトル解析と単位ベクトル に解説を追加した。またベクトルの割り算の算法についても触れてある。ベクトルの逆数をどのようなベクトル方向と解釈すれば良いかには異論があろうとは思う。そこで、その基本的考え方を提示してある。その手法に基づき、「微分演算子」の分母の方向ベクトルをどう捉えるべきか、その分子のベクトル方向との関係も考えた上での結論とした。この解釈に基づいて光速度ベクトルc空間定数の単位ベクトルのベクトル積として認識出来ると解釈した。ファイル(2)の末尾の 力密度 f=rot(S/v)とベクトル算法 は日本物理学会講演概要集第63巻 第2号 第2分冊 p.196 にベクトル割り算の規則として示した。

この光エネルギーの光速度については、電力系統の技術概念との関係で捉えた認識でもある。簡単にその回路定数と瞬時電力の概念を示したい。図版(3)である。

 

%e9%80%81%e9%9b%bb%e7%b3%bb%e7%b5%b1%e3%81%ae%e5%88%86%e5%b8%83%e5%ae%9a%e6%95%b0図に示すように大電力送電線路網は線路こう長が100km以上では分布定数線路として送電線路の特性解析をする。厳密には短距離線路でも同様であるが、単純なL,C,RおよびG(コンダクタンス)の集中回路として取り扱うのが便利である。送電線路は三相で、三本の導線で囲まれた空間を伝送路として制約されて電気エネルギーが伝送される。その伝播速度はほぼ光速度であるが、分布定数値のL[H/m]およびC[F/m]によって決まると解釈できる。エネルギーの損失は抵抗R、漏れコンダクタンスGに拠る。これらの回路定数も伝統的に築き上げられた有効な技術概念である。しかし、それら回路定数の厳密な物理的意味は明確に理解されている訳ではない。同様に図版の線路上に記した三相の電圧 e、電流 i も計測器の電圧計および電流計での測定値と言う意味である。その測定値の三相分で送電線路の全ての電力状態および回路特性の瞬時値を把握できる。それが『瞬時電力理論』である。その意味を電力技術分野の専門家は十分認識しているとは思うが、それ以外では余り知られていないかと思い、ここに提示した。20年以上昔に開発された新技術理論である。瞬時実電力 p[kW]、瞬時虚電力 q[IkVar](I はimaginary の意味を含む)で電力系統の瞬時状態を把握できる。その式を示しておく。これは、系統の電圧や電流の波形、周波数に一切無関係に線路状態を把握できる。三相送電線路の解析に三相正弦波交流理論など全く不必要と言えましょう。それだけの威力の有る理論です。最後に、簡単な電気の基本回路である乾電池と豆電球の場合にも、回路定数がエネルギー伝播速度を決めると断言しなければならない。その図版が(4)である。エネルギーは二本の電線で伝送路が局所化されて、その空間を通して豆電球に送られる。そのエネルギー流は古い概念ではあるが、重要なポインチングベクトルSにより、その伝播速度はやはり分布回路定数によると解釈しなければならない。

エネルギー[J(ジュール)]とJHFM単位系」に空間定数と単位系について纏めてある。

我が科学革命の道のり

(2013/03/25)少し修正・追記をした。

1. 物理学の世界に踏み込む切っ掛け。  今思う事は、科学と己の意識の間に途轍もない複雑な関係が渦巻いている。何も知らない世間知らずの自分が、ただ流されていた。事件の渦中に投げ込まれたのは、昭和60年3月であった。長岡技術科学大学から長岡工業高等(殺人)専門学校へ邪魔者排除の対象に選ばれた。中曽根(康弘)臨時教育審議会の抹殺対象として好適であったようだ。筆者は電力変換工学などの所謂強電部門を専門としていた。PWM変換装置《(挿話)丁度その当時開発・研究していた回路が並列多重化電圧型PWM変換装置で、右に示したものである。昭和60年4月の電気学会全国大会では、発表を欠席せざるを得なかった。「詩心 乗せて観世の帆掛船」 37号 不思議は智慧との出会い旅 で取上げた。この回路には今でも私が惚れる不思議がある。制御方式が極めて単純でありながら、制御性能が優れている。あれから『瞬時電力理論』の実電力・虚電力応用の研究開発からは遠ざかってしまったので、不思議はそのままで置き去りと思う。ヒステリシスコンパレータ制御方式で、写真の波形は三相の一つの a 相電流 ia を三組の変換回路によってそれぞれ勝手に制御すると、偏差電流 ia1,ia2 および ia3 の波形が自動的に多相化制御され、その合成電流即ち a 相の系統電流 ia は指令値に極めて良く追従した電流となる。この自動的に制御される意味は、十分解析せずに中断した事を残念に思っている。ややもすると、強引な制御方式の回路設計をし易いが、理論過信に陥る危険を避けるのみならず、自然には不思議な安全が隠されているのかもしれない。生物多様性が地球の安全の仕組みのように。人間の知識を振りかざしても、たかが釈迦の手の中の世界と!》  さて、3月中頃に突然決まった移動で、4月からの長岡高専での授業担当科目が4,5年生の電気磁気学と数値解析と告げられた。どれも全くの専門外である。電磁気学は学生に教科書も無い。授業の一歩から全て手作りで行った。全てをポインティングベクトルによる解析法を導入して進めた。世界にない授業展開である。長岡高専には二年間いた。この抹殺対象人事に関わったことが、今の物理学基礎理論に対する深い認識に到達する原点となった。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の例えがある。人生の不思議な因縁さえ感じる。電気磁気学の授業を始めるに、先ず『アンペアーの法則』と『ファラディーの電磁誘導則』の矛盾の解決に迫られた。

 筆者は電力変換工学の『瞬時実電力・虚電力理論』の4次元空間ベクトル展開で、微分演算子(div,rot,grad)の電力理論への適用を考えていたので、電磁気学への思い入れも深かったと思う。《金澤: 空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用 電力技術研究会資料 PE-86-39  (1986.8.4) 》は注目された筈である。物理学基礎理論が虚飾に満ちたものであると断言できる認識に到達するまでには、殺害の地獄の中を生き延びた経験があった。生命を掛けた沈黙の戦いを過ごした。その成果が、自然科学の『神髄』と思う。それが昭和62年4月に仙台市、東北大学で発表した『静電界は磁界を伴う』-この実験事実に基づく電磁界の本質―(電気学会全国大会 32 )である。翌年NatureのLetterにも投稿したが、所属の無い立場故に諦めた。その査読評にも great interest とあった。今思っても大変な科学革命の本質を指摘した内容であった。ある新聞に『ノーベル城のお殿様』と言う漫画の連載記事まであった。その4月にはフランスのイブモンタンが来日した事を印象深く覚えている。この歴史的発見にまつわる、多くの神秘的で、運命的な事柄は『耀發』にも認めてある。今も、新潟県(教育長と教育委員会委員長との組織体制の権限不明?)の欺瞞雇用・職歴なし(採用辞令の発令なし)の16年間も踊らされた愚かさを恥じ入って居なければならない。だから世界的な発見も陽の目を見られない。その偽装・幽霊教職で、工業高等学校での担当科目は電子工学を皮切りに、電気機器、発送配電、電気法規、電力応用などの指導に関係した。今強く思うことは、物理学教育が座学で、技術訓練なしの理論伝達教育では物理的感性の習得は無理かも知れないと思う。物理教室で、技術教育をどう取り入れるかが大問題である。高等数学や数式を取り扱っても、変圧器自作の経験なしに電磁気学の理解は困難であろう。結局古典教育の伝達法になり易いだろう。

昭和60年からの数年間は、地獄の暗闇と光の探究の毎日であった。光と電気磁気学の統合には参考文献が必要であった。2冊挙げる。アインシュタイン選集1,2,3巻(湯川秀樹監修 共立出版)。科学革命の構造 トーマス・クーン著(中山茂訳、みすず書房)。トーマス・クーンの科学革命を読んで、筆者が予見する電磁気学概念の知見が、世界の科学認識の混乱を解決する道になると確信した。その書籍の「まえがき」の一節を挙げたい。「・・時代おくれになった科学の理論と実状に眼を向けてみると、私がそれまで待っていた科学の本姓と、科学が特に成功を収めた理由についての、私の基本的な思想の若干は、根底からぐらついてきた。これは、われながら驚くべきことであった。・・・ 」 この文が当時の筆者の思いに一致した。世界の物理学理論に革命的変革をもたらす知見・発見であった。しかも論理的予測に基づいた実験結果であった。生命を掛ける価値を覚えた。自分がやらなければ、誰に出来るかと。もう25年以上経ってしまった。国籍条項欠格と言う日本政府の犯罪行為、新潟県、長岡市および十日町市全てが関わる人権侵害行政が原因と解釈する。昭和16年12月19日に何故日本海軍舞鶴鎮守府、巡洋艦香取丸(昭和19年2月7日被爆後被弾沈没、同年3月31日船籍除籍)に戸籍移動されたまま。私は何者でしょう(3)故郷貝野村と舞鶴鎮守府

2.日本物理学会に入会して     1997年に会員にしてもらった。1988年10月、滋賀県琵琶湖湖畔の近江八幡市での電気学会電磁界理論研究会での実験写真データ(昭和61年に、長岡高専で撮り纏めた世界初の実験写真記録)発表後は、社会から逃避した。『瞬時電磁界理論の実験的検証とその意義』資料、EMT-88-145 (1988.10)。高専での殺害対象の本当の意味を探るための迷路を彷徨う。父の遺品『軍歴表』にそのすべての意味が隠されていた。原因を掴んで、ようやく頭に描いてきた新しい物理概念の発表を始めた。1998年宇宙線部門で、『物理的概念とその次元』を皮切りの発表にした。内容は物理学の本質的新概念である。それはエネルギー[J(ジュール)]とJHFM単位系に示した表にしてある。次は、アインシュタインの『特殊相対性理論』の詭弁性を指摘する長年の課題の発表。光速度の探究は、電気磁気学と切り離せない課題である。マイケルソン・モーレーの光の相対速度検出実験失敗の意味も、前出の『アインシュタイン選集1』を読み解く事で納得、理解できた。『嘘』の詭弁論である事が。 電気磁気学は物理学基礎理論の一翼をなす。その発表論文は、『誤った電流概念』(2005)、『クーロン力とは何か』(2005)、『超伝導現象の誤解』(2008)、『エネルギー流と回路解釈』(2008)および『虚偽に満ちた物理学基礎理論』(2010) などの日本物理学会で行ったものである。その内容は主に電磁気学の中心をなす電流概念の棄却を論じたものである。昭和62年秋、千葉県館山市での電気学会電磁界理論研究会で、理論的に電流概念の矛盾を始めて論じた。『電磁エネルギーの発生・伝播・反射および吸収に関する考察』(1987)。 その肉付け的内容を、様々な方向から指摘して、「電流の物理的矛盾」を発表した。電流が電気回路の導線の中を流れ得ないことを指摘した。それは同時に、『電荷』の概念を破棄する必要性を主張するものである。

『量子力学』は現代物理学を特徴付ける中心的分野である。1905年にアインシュタインが『光子』論を発表した。それに対して、ノーベル賞が授与された。その業績は偉大で、流石と思う。1900年にマックス・プランクが発表したプランク定数hがある。・・・中断・・・。  光の最小単位、光量子は雷の1波と同じエネルギーの分布波形である。光を構成する元になる元素など存在しない。『光こそ実在世界の根源的素粒子である』

3.原子構造とマグネット 小さな磁石が日常生活でたくさん使われている。とても強い力で引き付ける。電気・物理発表資料(2) その力の素は何だろうか。何処にその原因があるのか。物理学は、きちんと説明できない。磁力線と言う引き合う線が磁石のN極とS極の間にできる。その線がゴム紐のような働きで、引き合うと。誰もがそう説明されると、素直に納得するだろう。しかし、私にとっては磁力線などと言う『実在しない物』を掲げられると、実在しない事を実証しなければならない『途轍もない否定論』の証明が要求される。それは『電荷』と言う『非実在物概念』と同じである。誰もが『光』の存在は否定できない。しかし、光が何から出来ているか、その素は何かと言う『疑問・問答』が西洋哲学、西洋自然科学には無かった。それは東洋哲学の、禪思想の『色即是空・空即是色』の意識において初めて、認識可能の世界観である。全ての根源に向かって問答を発する意識において初めて可能であるように思う。科学の思考の拠り所として、『電荷・磁束』を掲げた理論には到底越えられない自然界の壁である。だから、『光』が『光量子』が空間に実在する『エネルギー』と言う全世界・宇宙を構成する『真の素粒子』、それを筆者は『素原』と呼ぶことにする。

『電荷棄却の電子スピン像と原子模型』(2009年9月13日、神戸市甲南大学で、素粒子理論分科会で発表)で原子構造の革新的解釈を発表した。理論的矛盾排除の結果としての到達点である。教科書的原子構造論は、原子核の陽子数と同数の電子が原子外郭軌道を回転している描像で捉えている。そんな描像は『嘘』であるというのが本発表の趣旨である。筆者が高等学校で習う最初につまずいたのが、物理・化学の原子結合の『共有結合』の不可解さであった。とても理解できない結合の説明である。空間を頭に描いて、目の前の空間に4価の原子、炭素などがダイヤモンド結合していることを考えてみましょう。ある原子の4個の外郭電子が自由に軌道を周回しながら、どんな具合に他の4個の原子と電子同士が共有結合して、安定な原子構造を構成できると解釈できるのだろうか。筆者の頭では、そんな巧妙な空間立体構造を取り得る原子模型は描き得ない。ダイヤモンドは超硬度な結合力に因ると言ってもよかろう。炭素の結合手である電子が回転していて、ダイヤモンド結合などの強固な結合など出来る筈がない。電子の負電荷同士が結び付くクーロン力など、何処の物理学理論などに無くても物理学理論の専門家の権威は無理強いする強引性で、不思議な力を発揮している。今回の筆者の発表した基本的主張は電子の電荷などを否定した、マグネットのエネルギー回転流が原子の結合手になっているということである。何も原子の周りを外殻電子が回転する必要・必然性など何処にもありはしない。日常経験する豆磁石の強力な吸着力を考えることに、世界の神秘を感じ取る不思議が潜んでいる。電界と磁界は一つのエネルギー流の様相の違いでしかない。『科学技術の基礎に物理学がある』と言う認識を改めなければならない。物理学と言う学問体系は次々と新しい概念を積み重ねて、理論と概念の混迷に導いて来たと思う。

先日、物理学のある大家からメールでのコメントに対して御返事を頂いた。中々実験の出来ない境遇で在るため、現代物理学理論の矛盾を指摘しても、論理だけでは納得頂けないものだと思い知らされた。哲学か文学論でしかないとの御指摘であった。新世界への扉ーコンデンサの磁界ーに挙げた「科学革命の証拠写真」は僅かな枚数の写真でしかないが、研究が継続不可能と諦めた残骸写真である。ただ、昭和63年10月に、撮り貯めた「静電界中の磁界検出データ写真」を中心に発表した物がある。「瞬時電磁界理論の実験的検証とその意義」電気学会電磁界理論研究会資料、EMT-88-145(昭和63年10月)である。写真32枚を載せた。しかしそれも地磁気の北側だけで、東西南北全てで確認しなければならない。西側で少し調べた時の様子は、磁針が停止せずにくるくると回転を始めた。地磁気との関わりで静止バランスが取れない状態と当時は解釈した。様々な面白い現象を予想させたけれども、長岡技術科学大学には、学生実験設備としての高電圧実験装置が何か他の設備用として流用されて、存在しなかった。実験が不可能であるため諦めざるを得なかった。実験で証拠を示せなければ、私の論はたかが文学論でしかないと論断され、誠に当時を思い返して、改めて残念な思いを繰り返した。今でも誰かがその残された実験をしなければ、永遠に『物理学基礎理論の迷走状態』から脱出できない事になると強く懸念せざるを得ない。『静電界中の磁界』と言う要点が科学革命の真理の証になるのである。