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地球の運動と速度

朝起きて、夜に寝る。電灯も無い、長い歩みの中で生命を繋いで来たこの貴重な星が地球である。日常生活で、人が感じる世界は自分が宇宙の中心に居て、あたかも太陽が地球の周りをまわって、1日・1年を刻んでいるように感じる。地球がどんな運動をしていようが、自分の身の回りに考えなければならない問題はない。学校で、理科の時間に学習する運動方程式も、地球がどんな運動をしているかは決して問題にしない。陸上競技の100m競争で、走る方向が東西南北どちらでも無関係である。それは地球の表面が全ての運動の速度の基準にして問題が無いからである。それを「慣性座標系」と言うと考えて良いだろう。しかし、自然科学では、宇宙はどのように生まれたか等と、トンデモナイ事に疑問を抱く。そんな話になれば、地球の運動を考えに入れなければ、宇宙論には成るまい。今は、「地動説」で太陽を中心に地球の自分が廻っていると理解している。地球の運動を何故取り上げたかと言うと、先にエネルギーと空間と質量の記事を書いた。質量とエネルギーは等価であると述べた。運動エネルギーは質量になると解釈した。それでは、物理学で取り上げている、運動方程式の本当の意味をどのように解釈すべきかと疑問が湧いて来た。最先端の物理学研究論では、ブラックマターとか暗黒物質とかの話題が論じられている。宇宙論を展開する科学者集団が有る。自分も少しは理解したいのだが、基礎理論が見えなくて、取り付く方法が分からない。自分なりの理解で基礎を抑えようとすると、余りにも単純な事から考えなければならなくなる。それが自分が立っている地球の運動の意味を理解しようと思ったのが切っ掛けである。物理学で、運動エネルギーを解釈するのに、地球の運動も宇宙論では当然取り組まなければならないと思う。ブラックマターと言う意味はどのような基礎概念の上に提唱されたものであるかを理解したい。市民が理解できるように、その意味を専門家は説明する責任が有ると思う。地球回転運動

地球の運動を簡単に図に描けば、右のようになろう。Sを太陽、Eを地球とする。回転軸の方向を、単位ベクトルk_s  および k_e で表す。実際の軸ベクトルの方向は同じではないが、簡単のためにそのスカラー積が1(方向が同じと言う意味)であるとした。角速度ω_s は太陽を中心とした地球の回転運動の速さを表す。その角速度を、太陽Sに対して地球が張る半径R_s の掃引面(円平面)に垂直な軸ベクトルとする。一応右螺旋の向きで、方向を決める。

さて、円平面上に直交座標 x(t)i+y(t)j=r(t) で、地球の位置ベクトル r(t)を仮想する。ただし、i ,j はそれぞれ単位ベクトルとする。この半径座標ベクトルr(t) は地球の位置座標を表すと考えられる。右図の半径R_s が時刻t の関数であるから、ある時刻tの位置とすれば、r(t)=x(t)i+y(t)j =R_s {i x(t)+j y(t)}/ {x(t)^2+y(t)^2} で地球の位置を認識出来る。斜文字をベクトルとする。ただし、時間の基準は r(0)=x(0) i に取り、またR_s=√{x(t)^2+y(t)^2} である。空間ベクトルについては、空間ベクトル解析と単位ベクトルに参考記事。

そこで、地球の運動を速度から単純な計算で算定してみた。公転軌道の半径さえ分からない。だから、適当に太陽から地球に陽の光が到達する時間が8分と言う事だけで算定した。

地球公転・自転速度その結果が右のようである。厳密なベクトル式で表現すれば、公転と自転のそれぞれの速度のベクトル和で表される。ただ、地球の運動を公転と自転で比較すると、太陽基準空間に於いて、我々の運動する空間速度Vは殆どが公転速度で決まることが分かる。地球の自転速度は0.0162の比率分しかない事になる。1.6パーセントでしかない。自分の空間速度は公転でほぼ決まっている事になる。概略であるが、毎秒地球が30㎞弱の速度で運行している。昔、マイケルソンとモーリーと言う二人の物理学者が地球の運動が光の速度にどのような影響を及ぼすかを実験で調べた。結果は巧く確認できなかった。その事が、現代物理学の理論に大きな影響を残した。アインシュタインはじめ、ローレンツ等の物理学者が、その実験事実を捉えて、実験が全ての意味で正確で誤りが無いものとの認識の下で、理論をつくりあげたと思う。ローレンツ収縮や特殊相対性理論等である。光の速度と光の寸法(波長)および実験装置の寸法誤差(何オングストロームの寸法誤差)等が如何に正確に設定できるかをどんな方法で確認したのかという点でも信じられない理論である。更に、光の速度と地球上の実験装置の空間速度の意味をどのように解釈したかも、難しい論議になる。ほぼ30[km/s]の地球速度で解釈しているようだが、それは公転速度で、実験装置の地球上での回転とはあまり関係ないことになる。そんな事からも光に関する相対速度の理論は信頼できない。これは余談である。さて我々が運動方程式を立てる場合に、運動は慣性座標系と言う地球上の目の前の空間だけを認識すれば良いことになっている。しかし運動方程式が物理現象の厳密な原理から得られるとすれば、地球の運動を考慮しないで済ませられる訳は『何故か』について答えなければならない筈だ。それは、ブラックマターの問題にも通じる話となろう。運動エネルギーが質量と等価だと言う事から、この地球の保有するエネルギーと質量をどのように認識し、算定するかと手も足も出ない事に首を突っ込んでみたが、自然の重層構造に今のところ脱帽する以外ない。しかし、理論が本当に正しいかを常に疑問を持ちながら、理解する必要が有ろうと言う点で、取り上げておくべきと思った。

今朝の新聞科学記事に驚いたー相対論と隕石ー

朝日新聞には、土曜日に発行されるbe版がある。今朝(2013/03/09)のbe版に、e6ページの教育関係の科学記事が載っている。1:今さら聞けない+で、光速になると時間が止まる不思議の見出し記事。2:Do科学 落ちてくる隕石はなぜ光る?(高1年生からの質問) の解答見出しに 摩擦より、空気の圧縮で光るの とある。

1:『光速になると時間が止まる』と言う文言は古くからの『特殊相対性理論』の解説に必ず出て来る常套句である。こんな理解できない解説が罷り通る所に、科学論の欺瞞性がある。『光速度』と言う意味をよく考えている解説かといつも悩まされる。私がアインシュタインの相対性理論の不可思議さで、混乱し悩まされた原点の一つがこの言葉の意味であった。光が光速度で進むと言う空間の意味と定義、更に光の放射現象の放射瞬時以降の伝播経路(どのような経路に向かって伝播するかと言う道の方向)をどのように理解した結果であるか、その深みの信憑性を疑わざるを得ない。新聞の記事の宇宙船が速度、毎秒18万㎞で空間を飛行している(この宇宙船の速度がどんな空間を定義して決めた速度かが明確であるか?と言う疑問はアインシュタインが言うところの光の速度の定義空間が明確かと言う疑問と同じものである。)と言う設定である。船内で、船側から宇宙船の進行方向に直角に光を放射したら、舟の横幅30万㎞ありながら、1秒後に光は舟の反対側に到達しない。と言う論である。それは、船外に居る人から見ると、光の速度30万キロメートルであるのに、光の速度が遅いように観測される。しかし、船内に居る人にとっては、1秒後には光速度通りに反対側の壁に届いていると見える。と言う解説だ。この論説には大きな誤りがある。それは光が放射された瞬間に、放射光の一粒と舟の光源との位置関係は全く無関係になるのである。舟がどんな速度であろうが、放射光の一粒ごとに独立して光の速度で定義される空間を独立に『光速度』で伝播するのである。舟の動向や舟の内外の観測者の関係に無関係に『光速度』一定で、光で定義される空間を伝播するのである。光の速度一定と言う意味は、どんな観測者から見ても光との間には『相対速度』としての観測結果が得られるのである。『光速度一定』は観測者にとって、光は殆ど『相対速度』として観測されるのである。光の速度と観測者の速度の空間的方向ベクトルとの関係から、観測光の波長は基本的に変動すると考えるべきである。光の相対速度に関して、光の速度と空間特性相対速度とは?に考え方を述べた。

空間の定義 光の速度や観測者の速度と言う『速度』を定義する空間を論議の前提として明確にしておかなければならない。その空間が論者間で共通でなければ論議は迷走するだけである。光の速度は、空間の物理的特性で、透磁率と誘電率に基づくと解釈する。光速度は c=√(1/(με)) [m/s]と空間定数が規定すると解釈する。その空間は、アインシュタインが否定した『絶対空間』と言える光が決める長さと時間の比率の空間をその空間と定義する。天体も太陽も全てが同一の絶対空間を基準にして『速度』を定義する。逆に速度は光が決める空間でのみ、定義される。その点を述べた記事がある。太陽の寸法測定と光空間 更に空間の誘電率と透磁率がどんな『次元解析』に重要であるかを御理解いただきたい。エネルギー[J(ジュール)]とJHFM単位系 更に蛇足かも知れないが、『光規定空間』と光の関係を述べた。空を見上げて

2:隕石が光る訳が摩擦でなく、空気の圧縮と言う科学解説記事を本当に誰もが信じるのだろうか。とても恐ろしい教育問題に思える。隕石突入の衝撃波に摩擦熱としての解釈を採り上げた。