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エネルギー像(物理学基礎論)

自然世界の認識には(2019/12/01)、唱えることを具体的空間像で描写することが大切である。存在するものは空間を占有する形状を持つ筈だから。見えるとは限らなくても、実在するとは空間にしか存在し得ないから。数式の中に存在することはできないから。抽象的な数理式で表現する以前に日常用語で一般市民が納得できる論説が必要である。日常用語が専門的科学論を展開するに不足する程貧相であるはずがなく、十分な能力を持っている筈だから。例えば『電荷』とはどの様なものかを日常用語で説明できなければ、それは実在しない虚概念と見做してよい。空間に存在していながら、目で見る事のできないものの代表が『エネルギー』である。光は存在していることは理解できるが、その『エネルギー』を見る事は決してできない。この記事は年末の12月20日のまま年を越してしまったので最初の公開になる。

不図気になった。『エネルギー』の日本語の訳語が何故ないか?
ほとんどの科学的専門用語には日本語の対訳語が有る。日本が明治維新に外国の科学技術の目覚ましい発展を知り、その導入に欠かせない科学技術用語の翻訳で、名訳の専門用語の体形が確立したのだろう。運動エネルギー、位置エネルギーと言うが、何故その『エネルギー』だけ日本語の訳語がないか。『エネルギー』だけは日本語訳が無い。その訳は何だろうか。先進諸国の科学技術用語の中に、『エネルギー』だけ確立した概念が無かったからではなかろうか。目に見える物体が持つものと言う認識が基本になっているからではなかろうか。敢えて『エネルギー』の日本語訳語を求めれば、『素原』としたい。最も小さな原子が水素である。その水素も『エネルギー』から成り立っている。だから『素原』がお似合いかと思う。

誰もが目にする水の波が有る。水の波と言うが、その水の波は何が原因で発生すると考えるのか?水の波を見れば、同心円で拡がって行くのが分かる。どうも物理学などの科学論は自然現象を観測し、あるいは実験で確認するが、何故そのような現象が起きるかに疑問を抱かないまま、その現象の存在を記憶する暗記の学習に終始しているように思える。水を波立たせる原因が水中に掛かる水圧の『エネルギー』であると言う、『エネルギー』の本質の認識が無いからであろう。水の水中を伝播する、ボイルの法則の体積と水圧の積pV[J]の『エネルギー』の縦波が原因なのだ。電気回路のコイルの『エネルギー』が導線で囲まれたコイルの中の空間に存在することをどの程度認識しているかが心配でもある。その『エネルギー』は目には見えない物理的実在量である。『エネルギー』の空間像が認識されていないところに、大きな問題が有るのだ。だから「津波」の物理現象も分からないのだ。光の『エネルギー』とはどの様なものと理解しているのだろうか。光の『エネルギー』は振動などしていない。空間の『エネルギー』の密度分布波が光速度で伝播する現象が光なのである。その『エネルギー』を観測する方法が無い。だから目で見ることはできない。光によって世界を見ることはできても、その光の『エネルギー』を観測することはできない。

世界・生命は『エネルギー』の賜物である。世界の存在を認識するのは光エネルギーに依っている。人が生きて行けるのも細胞の活動を支える熱エネルギー(体温)に依っている。体温も体温中枢機能によると言われるが、その熱エネルギーは細胞の分解によって保有エネルギーの差が放出されることに依っている筈だ。決して脳が支配する程複雑ではないと思う。細胞自身が周辺環境を整える自律的機能を持っているからであろう。常にエネルギーを放射する必要があり、それが体温を保つ仕組みになっている筈だ。そんな素人の感覚的捉え方も、体温の熱エネルギーの解説が専門的に示されていないから考える自己流の認識でしかない。体温と身体活動エネルギー「理科基礎(仮称)」を想定して (2016/04/08) を読み返して思った。やはりアデノシン三リン酸では全く意味が理解できない生物学的理解力欠如の脳にお手上げで考えた。その原因をやはり理論物理学の『エネルギー』の認識が曖昧であるからと考えざるを得ない現在である。

水の電気分解と燃料電池

とても不思議な科学的現象である。普通の生活環境では起きない現象と理解する。直流電源によって水の中に電極で電圧を掛ければ、水分子の酸素と水素が分離してそれぞれの気体に分かれる。一方水素ガスを酸素と反応させれば、水分子に化合反応して電気エネルギーを作り出す燃料電池となる。化学反応式では、

O2 + 2H2 = 2H2O + E (電気エネルギー)     :燃料発電電池

2H2O + E (電気エネルギー) = O2 + 2H2 :水の電気分解

と燃料電池と電気分解は電気エネルギーを介して水素と酸素および水の間の化学反応現象の逆の関係になっている。ただし、一般の教科書の化学反応式では電気エネルギー E[J] という解説には成っていない。すべて電子の『電荷』が現象を司っているとなっている。それも不思議な科学理論である。決して『電子』では『エネルギー』の関りを説明できないにも拘らず、すべて『電子』で完璧であるが如くの解釈に終わっている。燃料電池でも何故『電子』が通過すると『エネルギー』を負荷に供給できると考えるのか。『電子』が電気エネルギーを背負い籠にでも入れて負荷に届ける役目を担うとでも考えるのだろうか。『電子』は『エネルギー』を運べるのか?このような最も基本的な科学論の根本で論理性のない矛盾を抱え込んでいることを放置して居て良いのだろうか。物理学理論に『エネルギー』の認識が欠如していることが全ての科学論の混乱の基になっているのだ。理学の生物学については全くの素人でしかないが、少なくとも電気回路の物理的な現象については少しは分かっているつもりだ。『電子』はその矛盾のために、論理的な科学論に堪えない概念であると思う。『電子』を論題にするには『エネルギー』との関係で解説できなければならないのではないか。水の電気分解については、前の記事水の電気分解 (2019/12/20) にファラディーの「ロウソクの科学」を読んで考えたことを述べた。過去にも水と水素とエネルギー流の図で水の妖精七変化(エネルギー) (2017/11/02) に記してあった。

 

水の電気分解

はじめに(2019/11/19)

有名な本「ロウソクの科学」を読んだ(まだ最初の何章かであるが)。なかなか理解するのに基礎知識がなく、困難である。年代は1860年ごろの出版書である。現代科学論と比べれば相当昔の話の内容である。しかし乍ら、有名なファラディーの公開実験講座の講演記録で、とても内容は高度なものに思える。実験器具や化学薬品など基礎的なものでありながら、深い内容として筆者には有意義な著書になる。その中に水の電気分解の実験記事がある。J.J.トムソンの陰極線より前の話である。『電子』概念がない頃の実験である。それでも直流電源は立派に働いていた。その本を読んで、水の電気分解がよく理解できない筆者自身を自覚させて頂いた意味でも貴重な内容の本である。電気分解は化学の話になるかと思うが、電気との関係で『電子』の意味を考える話としてとても重要な物理的内容を含んでいると思う。今取り上げている、電池とイオン化傾向そして『エネルギー』との関係の物理現象が物理学基礎理論として大変意味が有ると考える。そんな筆者の理解できない内容を自己問答として取り上げてみる。その取り上げる内容が科学知識としては本当に基礎的な知識であるから、専門家がどのように評価されるかにも関心がある。読者にも参考になろうから、ご指導をコメント頂ければ有り難い。理科教育の科学常識に関わる意味であり、特に『電子』概念の論理性の問題でもある。なお時代として「ロウソクの科学」ではまだ電子論は採られていない。

水の電気分解

現象と意味。 水の電気分解の現象を考えると、とても難しいことに思える。幾つかの場合に分けて、分からない意味をハッキリさせてみたい。自分の分からない事を明らかにするには、その分からないという意味の内容を明確に認識し、自覚することが先ず大事である。そこから研究の第一歩が始まり、より深い理解に辿り着く可能性が見えてくるかもしれない。と考える。

水とは何か?

検索すれば簡単に解説がされているが、筆者にはとても理解できない事ばかりである。水の分子一つを取り上げても、何故酸素と水素が結合して命の水に形態変化をするのか。朝露を観れば、踏み付ける草の命に愛おしさを覚える。目立たない草が水を作っているように見えるから。コンクリートの中に居ては決して見えない世界であるかも知れない。天然の精水 (2012/06/14) 。化学結合論として H2O を学習しても、何故そのように結合するかの原理は原子物理学の解明するべき内容である。自然界に存在しない電子で結合論を論じても、一般の市民が真に納得するだけの解説にならないだろうと思う(?)。クーロンの法則を電荷論の基礎に据えながら、負の電荷同士の電子が手を繋ぎあう共有結合等と言う結合力を認める合理的解釈が生まれる訳などどこにもない。そんな基本的矛盾を抱えたまま、科学コミュニケーションなど採れる訳がないと思うが如何でしょうか。

実験回路

回路①。 基本的な実験回路は①の場合である。まず図の直流電源の電池をエネルギー源としてみた時、エネルギーは電池の負極から電線近傍を伝播して、負荷対象に届く。この場合の負荷対象は水で、 H2O という分子の集合空間である。今の教科書の解釈は電子で説明されている。筆者は、その『電子』が実在するなどとは考えられない。「ロウソクの科学」でも未だ電子での解釈はない。電気のプラスとマイナスという説明もなされてはいないで、電気の力という言い方である。水に電圧を掛けると、酸素と水素に電気分解されるという実験的事実である。その実験的水の電気分解はさて、この①の場合で、筆者はここでも電池から『エネルギー』E[J]が水分子一つ H2O に供給されると解釈する。その時水の空間が負荷インピーダンスとなる。水分子に『エネルギー』がどのように印加されるかという問答になる。水中に?マークを印した。しかし、その水の空間にどのように電圧が印加されると考えればよいか良く分からない。分子式で書き表せば、次のようになろう。電源からの供給エネルギーをE[J]とする。なお、水の電気分解と水素燃料電池は丁度逆の化学反応になっている。ついでに、燃料電池の場合も併せて示す。

電気分解    H2O + E[J](電気エネルギー) =(1/2) O2 + H2

燃料電池   (1/2)O2 + H2 = H2O + E[J](発電エネルギー)

電気分解は水(実際は純水ではなく、不純物が含まれている)に電気エネルギーを供給して、金属電極と水分子の間に掛かる電圧(エネルギーギャップ)に因って分子分解をすると考えたい。電子、電荷を物理量から排除すれば、残るはエネルギーによって解釈する以外ない。その『エネルギー』と言う概念が物理学理論で明確に捉えられていないと、残念ながら考えざるを得ない。それは『電荷』や『電子』が水の電気分解はじめ、電気現象の基本的論拠となっているのが現実であるから。『電子』での解釈は原子構造論からの『イオン』と『電子』の関係で如何にも分かり易いように思えて、科学常識として受け入れられてきたものであろうが、そこには『エネルギー』の意識が抜けた、大きな矛盾を抱えたものとなっている。電源からの供給エネルギーと言う解釈が無い。『電子』では『エネルギー』の役割を担えない。そこに物理学理論の基本的欠陥が隠されている。

針状電極

『電荷』を否定すれば、イオンと言う解釈が採れない。しかし電極には確かにプラス、マイナスという違いがある。(プラス、マイナス)という表現自体が『電荷』を否定したら使えないのであるが、エネルギー供給側(マイナス側)とその対称極側(プラス)などと区別しても、もっと分かり難くなるから,やむなくプラス、マイナスで表現する。さてそのプラス側とマイナス側の電極と水の接触点で、どの様な電気的ストレスが発生するのか?一つ電極が針状の尖ったものの場合を考えてみたい。電極が尖った場合は、空気中では明らかに火花、グローコロナの形状が異なる。負極側では勢いよくコロナビームが放射するように発生するが、プラス極側では先端に固まった小さなコロナとなる違いがある。それは水の中でもおそらく同じ傾向の現象に成ると考えて良かろう。電極が針状の場合は分解効率が良くなるのではないかと考えたい。

印加電圧の極性が両電極で異なる。水と電極金属の間の極性(エネルギーギャップの電圧極性)が逆になる。電源のエネルギー供給は負極側からなされる。負電極と水の間のエネルギーギャップは電極金属側がエネルギー密度の高い状態を呈する。それに対して、陽極側の電極と水の間のエネルギーギャップは水が高エネルギー密度分布となると考えられる。陽極電極にはエネルギーはない。

プラスとマイナスの電極間にエネルギーギャップが掛かる。水分子と電極金属面間に大きな電圧(エネルギーギャップ)が分担されて印加される。学術的解釈論は水分子のイオン化が基本になっている。『電荷』が存在しないから、残念ながらイオン化論以外の解釈で理解したい。解釈の基準に、エネルギーと結合 (2018/10/10) および水の妖精七変化 (2017/11/02) さらに結合エネルギー:不思議の砦 (2018/12/02) を参照したい。水素分子と酸素分子が2対1の体積比に水が分離される。この実験的事実は科学論の基本として、紛れもなく自然の本質を表している。この科学的常識が『電荷』に因る、あるいは『電子』に因るイオンの解釈になると途端に論理性が欠落してしまう。

回路②。

①の集気は酸素と水素が別々の試験官に採取される。だから酸素と水素が別々にプラス電極とマイナス電極で分解分離されると分かる。「ロウソクの科学」でも、この②のように一つの試験管内にプラスとマイナスの電極によって、酸素と水素を電気分解しながら混合気体として採集している。その混合気体がやはり酸素と水素から成り立っていることを実験的に証明して見せているところが素晴らしいと感じた。その混合気体を燃焼させれば元の水になることを実験で示している。ファラディーのその実験では「電荷」も『電子』も説明には出ていない。ファラディーは“電気の力”や“エネルギー”と言う用語で解説している。そこには違和感はない。ー強力なヴォルタの電池、その二つの電極ーなどと表現しているが。20世紀初頭からの数理的理論偏重の構築された物理学によって、生活科学からの乖離が始まったのが原因ではないかと危惧する。そこに分かり難い曖昧さが忍び込んできた。

回路③。

この回路は①の回路の水(?)の部分を分離したらどうなるかと不図疑問に思ったものである。実験してみないと分からない。回路①の水(?)で繋がった部分の、所謂イオン(?)の移動ができない場合に水が電気分解されるだろうかと試したくなった。この回路はただそれだけの意味を示した。

水素爆発現象が有る。福島原子力発電所崩壊での実際の様子にもあった。大気圧の7倍の高圧破壊になるという。太陽の原理は水素の連続定常核融合現象と専門家は指摘している。水素核融合は水素がヘリウムに変換する現象で、その時エネルギーを放射する核融合反応と言う。ウラン原子の核分裂と逆の核反応現象であると。素人の感覚からすると、太陽の水素原子核融合反応が継続的にほぼ定常の水素原子消費で起きるという状況が信じられない理解力の無さを抱え込んでいる。クーロンの法則との関係で、原子共有結合原理の理解ができない悩みと同じく。「ロウソクの科学」で水素の燃焼実験を公開している。筆者は残念ながらそのような水素燃焼実験を見たことが無い。高圧水素ボンベでの燃料電池の発電方式は水の電気分解と丁度逆の化学反応だ。水とエネルギーの間の有り触れた不思議が考える一コマを運ぶ。