40年程傍に置く楡(ニレ)ケヤキの盆栽が有る。元気がないので、植え替える事にした。起した根に驚いた。生きる生命の強烈な姿が現れた。
姿作りの技がないため、曲がりながら背が伸びて仕舞った。
鉢の中に隙間なく張り巡らせた根の姿。こんな盆栽の手入れの日常作業に、自然世界の本質が見える。物理学理論で捉えられない自然の奥底の真理が見える。『エネルギー』が自然世界の本質であると。太陽の光の『エネルギー』が生命を育てる。この土の中の根は何が根の『質量』に変換したかと考える。殆ど土は消えて、全部楡ケヤキの生命の中に消えてしまった。楡ケヤキの成長した幹や根は何がその『質量』に変換したのか。殆ど栄養も与えず、ヒモジイ思いの中で、限られた盆の中の土を栄養に変換して、生命を育ててきたのだ。欅は落葉樹だから、冬前には青葉が枯れて土に落ちる。限られた世界で、太陽光線を源にした生命の営みである。
世界の根源 すべて『エネルギー』一つが創り上げたものだ。宇宙の広大な広がりも、基は『エネルギー』という物理量が創り上げている。決して17個の素粒子が創り上げているのではない。『光』-『熱』-『質量』は『エネルギー』の諸相である。この図案化したものが世界を描くである。今年の年賀状にも。