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気象災害と海水面温度

地球温暖化の問題は人の生活環境を維持できない危険な状況に進んでいる。カーボンニュートラルという事で、二酸化炭素排出量の抑え込みがその温暖化抑制の切り札と解釈されているようだ。経済的成長のジレンマが解決困難な世界的政治課題ではあるが‥、その悩ましさを考えると🙇。

温暖化による災害。食料枯渇の問題。空気乾燥の山火事。また水蒸気含有量による暴風災害と水害。地球上の生活環境破壊である。

最近の気象災害を身近に経験しているにもかかわらず、その異常な状況を感じ取れていないのかと不安が募る。二酸化炭素が空気中に増加することにより、空気の貯蔵エネルギー量が増加するという解釈が基本的認識となっているからであろう。それ程二酸化炭素が地球表面の薄い空気層で気温上昇の原因となるという解釈はどのような意味からか理解できない。

海水表面温度と上空の冷気との間には『エネルギーギャップ』が生じる。丁度電池の電圧供給の『エネルギーギャップ』と同じ意味が海水熱エネルギーによって、地上にもたらされる現象が気象災害の原因となっている。強烈な暴風災害は、海からの水蒸気が海水熱エネルギーの放出現象として蒸発し、空気が保有したその水蒸気分に依る質量増加として強烈な風圧を生むと解釈する。木造家屋など一溜まりもなく吹き飛ばされる。過去の生活様式が通用しない災害になっている。みんな海の温度上昇が原因である。

地球温暖化の問題は、むしろその二酸化炭素ガスより、『エネルギー消費量』の増加が問題なのである。『エネルギー』は地球表面から宇宙に放射されない限り、その消費量が地球内に蓄積されるのである。それは殆ど「熱エネルギー」として地球に蓄えられる。現在の生活環境に大きな災害として襲い掛かる現象は風水害であろう。水による災害はその源は海にある。消費エネルギーの地球内での貯蔵場所は空気層ではなく、海の海水なのだ。温暖化の問題は、海水の温度上昇が北極、南極の氷河を溶かし、地球の健全な気象環境、その保全に貢献してきた極地環境を破壊して過去の極地冷気環境資源を消費している事に大きな原因がある。冬の暖房は今でも石油ストーブに頼っている。冷房はエアコンにしか頼れないが、暖房は発電エネルギーに頼らないでいる。発電エネルギーは蒸気タービンによる分は2倍以上の熱エネルギーで地球に負荷を掛けているのだ。灯油ストーブとエアコンとの総合的熱効率をどう評価するかも一つの課題ではあろう。

海水温度の上昇が地球上のエネルギー消費による温度上昇抑制の隠れた、受け皿となっている事に何故気付かないのか。

原子力発電プラントが二酸化炭素の排出抑制に効果があるなどという、余りにも科学技術を知らない科学リテラシーの政治問題意識に危機感を抱かずにはいられない。海に原子力発電はその技術の根幹を委ねている事を知らない科学パラダイムに恐れ入ります。

原子力発電、石油燃料および石炭燃料による汽力発電はすべて同じ蒸気サイクルを利用した発電方式である。その電気エネルギーの発電には、燃料の燃焼熱エネルギーの半分以上を海水の温度上昇によって処理しなければ発電できない方式なのだ。熱エネルギー量の60%近いエネルギーを海水に吸収させて初めて、電気エネルギーに漸く30数%が利用できるのである。海水加熱発電方式なのである。

現在の生活環境が辛うじて保たれているのは極地における氷河の御蔭であろう。その氷の溶解による海水の熱エネルギー吸収で何とか保たれているとしか思えない。科学技術開発競争がエネルギー消費を前提に進められる現状は未来への希望が展望できない。間もなく、異常気象災害に人の住環境は耐えられなくなろう。気温が40度を超えた時、・・。

暴風とエネルギーギャップ (2021/02/16) 。原子力発電の熱の行方 (2011/04/17) 。

原子力発電の熱の行方

『熱』という自然現象の本質は、きっと人間に知ってほしい事があるに違いない。熱には不思議な力が隠れている。火を起こし、肉を焼き魚を料理する術を知った。人の知恵と科学知識がそんなところから始まったのかも知れない。『熱』はエネルギーの日常性の具体像である。しかし、その熱の本性がまた捉えにくい科学的対象でもある。熱力学と言う学問分野が産業革命の『蒸気機関』の発達に拍車を掛けた。物理学教育でもその熱力学は一つの分野を成しているようだ。ところが今でもその物理学的『熱』の解釈は曖昧なままに残されていると思わざるを得ない。蒸気機関車は時代の中に主役を降り、電力のエネルギーにその座を明け渡してしまった。蒸気は『水』の熱力学的変幻自在の妙を演出して見せる世界である。理論で「カルノーサイクル」が有る。蒸気の臨界点は圧力が225.2[kg/cm^2^]で、温度が374[℃]で特異点として知られている。その蒸気タービンの水蒸気は完全な蒸気であると同時に水の密度のままで乾燥した蒸気でもある。なかなか不思議な水の状態でもある。その理論は『火力発電所』の蒸気タービンを回す動力源の熱理論であり、今も蒸気はエネルギーの主役を担っている。蒸気タービンで発電機を回して発電する方式が『火力発電』『原子力発電』であり、現代社会のエネルギー源の主役である。石炭、石油および原子核燃料のウランU235がその熱エネルギー源の『化石燃料』である。石炭は太古の大森林材木が地球の地殻変動で地下に潜り込み地熱の作用で変換した。石油も同じような地球の地殻変動のお陰で、動物的細胞の熱変換結果であるかと解釈している。ウランが放射性鉱物であり、どのようにその鉱物資源が造られたかは知らない。地球誕生の不思議と同じく私には解らない不思議である。今回の『東日本大震災』で大きな被害がもたらされて、改めて地球の生命の迫力に思い知らされた。地球は人間の為の存在ではない。あらゆる生命の創造体として地球は存在する。化石燃料を利用できるのも、地球の地殻変動と言う巨大な自然現象の一端に人間が触れているだけなのである。さて、原子力発電設備は人間の科学技術の最先端の集積機構である。その仕組みは、『水の熱現象』の熱源に『原子炉』の核分裂を利用している点である。ウラン原子核の質量の一部が『光・熱エネルギー』に変換する核分裂反応を利用しているのである。

原子力発電は海の加熱装置である。その熱がどのように利用されているかは、発電電力を利用する現代科学技術社会に生きる人の誰もが知っておかなければならない常識であろう。地球温暖化が経済発展と引き換えに、人の生きる環境に大きく影響を及ぼしてきている。人間の生存がその環境を変化させていると見て間違いなかろう。何を言いたいかと言うと『原子力発電』が電力源として、この震災が起こる前には、世界的な設備増加の傾向を示していた。しかし、それは電力源のみならず、『海の加熱装置』が『原子力発電』『火力発電』でもある。上のエネルギーフローの図は10年も前に纏めた古い資料であるが、『原子力発電』も『重油燃焼火力発電』もその熱エネルギーの半分以上は海の水に吸収して貰わなければ、海に放熱しなければ、発電できない仕組みなのである。人間が利用する電気エネルギー、それ以上の熱エネルギー分を無駄に『海』に吸収して貰って初めて発電できる事を誰もが知っていなければならない筈である。極端にいえば、蒸気タービン発電方式は地球の海加熱装置で、地球環境加熱装置であるのだ。空気の熱吸収量に比べて、同じ体積で水は3360倍の吸収能力がある。(誤りの記事を謝罪します。前回の記事で67万倍としたのは私の勘違いの計算結果でした。ここに誤りを訂正させて頂きました。4月29日)。海への放熱の為に海際に発電所が有る訳です。最近福島原子力発電事故の報道に、『復水器』と言う設備の用語が出てくる。それは原子炉などの炉で発生した蒸気が回転動力機械のタービンを回し、余力の蒸気熱量を復水器で海の水に拠って冷却せれて、原子炉への供給用の水、蒸気サイクルの利用水に成るのである。この復水器で熱エネルギーの半分以上を放出しなければ発電できない発電方式の設備である。図面が不鮮明のままで取り急いだ事をご勘弁下さい。

(2013/04/29)訂正と謝罪。水の熱吸収能力が空気に比して5.18 3360倍の能力を持つ。その算出理由を説明しておく。水。比熱は1[cal/gK]=4200[J/KgK]。密度は1000[Kg/㎥]。この二つの数値から、水の単位体積1[㎥]当たりの体積の比熱に換算すると4200  4200×10^3^[J/㎥K]と言う値になる。次に空気について。空気の比熱が0.24[Kcal/KgK]=1006 1008[J/KgK]だと言う。密度は1.24[Kg/㎥]。従って、空気の単位体積当たりの体積比熱は1006 1008[J/KgK] /1.24 ×1.24[Kg/㎥]=811 1250[J/㎥K] と成る。ただし、空気の比熱がどのような意味を持つと解釈すれば良いかは十分吟味する必要があろうとは思う。しかし現在はその値の計測条件も解らないから、信じざるを得ない。その上での話ではあるが、次のように5.18 3360倍を算出した。以上から、水と空気の同体積当たりの熱吸収容量の比率はA=4200/811=5.18 4200/1.25=3360と成る。以上記事の間違いの再謝罪と訂正をさせて頂きました。しかし、5.18倍は余りにも小さすぎると考える。『空気の比熱』の測定法とその検証(空気分子が吸収するエネルギー量を正確に測定できるかの疑問がある)に問題が無いのか気掛かりではある 大変な間違いで、気付いてお恥ずかしい事です。しかし、地球表面の空間体積に対して、水が空気より3360倍の熱エネルギー吸収能力を持っている事が確認できた。海が如何に地球温暖化に対する保護機能を持っているかを示していると。その海の温度上昇1度がどれほどの気象環境に影響を与えるかを理解する視点を示すと。豪雨被害や様々な異常気象の原因として考えるべきである。