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エネルギー伝送と電気回路技術

物理学の基礎分野である電気磁気学は、現在その教育と言う面でとても大きな壁に突き当たっていると言える。それを克服できるかどうかは、教育関係の行政機関初め現在教壇に立つ教育者の科学的感性とその姿勢に掛かっていよう。私自身が工業高等学校、大学等で生徒に教えている時に現在の電気磁気学の理論を疑いもしないでいた。しかし、その理論の意味を深く考えて見れば、怪しさに惑わされていた事に気付く筈なのである。『電荷』、『電流』と言う物理学的概念の『実在性』をどのように認識するかに取り組む事で、世界の理論的概念がとても怪しいものであり、脆い基盤の上に構築されて来た事に気付かされた。電流は流れず でその意味を論じた。しかしとても大き過ぎる問題であるから、そんな論で納得されるものではない。科学技術と学問分野が細分化され、専門性が極端に狭い視野に限られた現在、基礎理論の教育に注ぐ情熱も、時間も無いままにやり過ごされているである。ただ時間が無駄な教育を学生、生徒に押し付けているように見える。視点を広めて見ると、いろいろ今まで気付かなかった事に遭遇する。電気通信は現代社会の基盤を成している。IT通信始め携帯電話、衛星放送等の科学技術は、その専門技術の中味を知ることなど誰にも不可能な世界に生きざるを得ない事になった。科学技術が進展する程、我々はその技術からの疎外感を強めた中で、ただ流されて生きるだけの存在に成っている。とても大きな時代を支配した代表格の、技術が見える『ブラウン管式テレビジョン』、またそれ以上前の『真空管式ラジオ』などは蒸気機関車と同じく感覚的に技術の恩恵をその中身と一緒に享受できた。ここに挙げたエネルギー伝送路で、「導波菅」と言う技術も殆ど過去の物に消えてしまったのだろうと思う。その技術は、当時はやはり目で観る事の出来る技術であったから、何となく理解は出来ようと思う。不思議にも、電力配線は電気の送配電系統に19世紀からの電気技術が現在も活躍している。目に見えるから理解しやすく、その面で安心出来る。ところが、その電線路の意味さえ、理論で克服していないという恐るべき科学論とは、一体何者だろうか。電流が電線の中を流れると言う「アンペアーの法則」の意味を疑わない理論の人間の本質とを重ね合わせて不思議なのである。上のエネルギー伝送路は、電気磁気学の理論を、その電流と言う概念の持つ本質を説き明かすに役立つかとの思いで取り上げた。どれも『電磁エネルギーの伝送』の問題である。エネルギーは真空空間を最も容易に伝わるのである。『空即 無限なる有なり』と言う名刺を作った事がある。当時は電磁気学の本質は何かに悩んでいた頃。電線はエネルギーを反射し、受け入れないのがその本質的特性である。その象徴的現象が『超伝導』である。実は、「表面波伝送線路」と言う記事を昨日見た。「新版 無線工学Ⅰ 伝送編 宇田新太郎著 丸善株式会社 昭和39年4月」のp.150. に出ている。Sommerferudo (1899年) の理論を、アメリカのGoubau (1950年) のエナメル線の話等がある。それは超伝導現象との関係でも意味のある話である。空間こそエネルギーの伝送の舞台である。

表面波伝送線路は導波管路に接続した導線に関する接合部の話である。その本、無線工学Ⅰを参考にして、分布定数線路実習を学生実験に取り入れた。双三極真空管 2B29(真空管名) で発振器を作り、実習室に長さ約5mの2本の平行した分布線路を張った。発振周波数は 150 MHz で、線路インピーダンスは 500 [Ω] =276 log (100/1.6) となるように、屋内配線用ビニル軟銅線 1.6 mm の裸線を 5 cm間隔に張った。裸線2本の間に、 150 MHz の高周波信号の定在波分布が得られた。裸線でのみ行ったが、ビニル被覆線のままであったらどうかと、今に成って考えてしまう。その実験結果等は、新潟県工業教育紀要 第3号(昭和43年)分布定数線路実習に関する一考察 に載せてある。驚くほどきれいな分布データが得られた事を覚えている。直菅 40W 蛍光灯をその分布線路に近付けると、高輝度に蛍光灯が部分点灯する事に驚いた。蛍光灯の点灯は水銀蒸気の紫外線 2537 Åが蛍光物質を励起して、可視光線を発光すると言う技術理論の応用である。しかし、 150 MHz は紫外線に比べれば、とても低周波数、長波長(2 m )に該当する。それにも拘らず、蛍光灯が高輝度で点灯するとは誠に不思議な現象である。蛍光灯の点灯原理とは余りにも異なる点灯現象であるから。この不思議な点灯現象の話は、長岡工業高等専門学校での、文部省の助教授(中曽根内閣、松永光文部大臣)審査申請書で、3つの研究成果・教育成果の一つに挙げて、提出した事を覚えている。もう一つは、やはり新潟県の幽霊教員時代の「変圧器教育指導上のー電圧時間積分ー」への教科書指導原理の変更を迫った。(これが審査で通過した事を思えば、文部省は何も審査等せずに、抹殺の為の手続きを踏んだだけとしか考えられない。内緒の話?)