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変圧器技術理論と物理学理論

技術理論とは、自然現象を応用した科学技術用に分かり易く創り上げた解釈理論である。

物理学理論は、あらゆる応用科学技術や自然現象を解釈する、全ての分野に共通な根本原理を示す指標となる基礎学問としての理論である。と一般的には捉えられているだろう。

この論考の目標。それは、物理学理論が科学技術理論の基礎理論として全く役に立っていない事を述べ、真に物理学理論が目指すべき学問としての有り様と教育に果たすべき目標がどうあるべきかを論じる事である。

変圧器は電力と言う『エネルギー』供給の送配電網を構成する基幹設備である。その原理は「ファラディーの法則」、「レンツの法則」そして「アンペアの法則」によって解釈する設備用の理論から成り立っている。しかし、それらの法則は19世紀初頭に発見された物理学理論として考えられている。

その変圧器の動作と電気現象は通常、少し電気理論を学べば、上の諸法則によって、分かり易く理解し、納得している筈だ。それらの諸法則は優れた解釈理論として技術文化の伝統を支えて来た。

変圧器の解釈理論が上の諸法則で十分満足できる。しかし、その中の物理量としての諸概念、『電流』、『磁束』そして『電圧』等の定義概念が自然世界に実在する真の「物理量」かと考えると、それは違うと言わなければならない。真に存在する物は『エネルギー』一つに集約される。この言葉は、バートランド・ラッセル博士が唱えたものでもある。自然科学を統合する根本原理はあらゆる自然現象解釈において、全てに如何なる矛盾や曖昧さも無く、素直に納得できる筈である。その事を科学技術の電気設備、変圧器を具体例として、検証して観よう。具体的目標は、『電荷』や『電子』が電気回路現象・変圧器現象で、全く無意味な概念である事を示すことである。

変圧器の技術論。

ファラディーの法則。それが全てを表現している。電気技術は『電圧』、『電流』そして「磁束」でその変圧器理論は表現されている。鉄心にコイルを巻いて、電圧を印加すれば、全く導体が繋がっていない他のコイルにも電圧が発生する。その関係を見事に簡単な式で表現した。そこで、巻き線数nターンは空間的な物理量として分かる。しかし、『電圧』、『電流』および『磁束』は自然界の現象として真の物理量と言えるか?それらの概念は電圧計や電流計で測定可能(実効値で瞬時値ではない)な科学技術概念であり、それが自然世界の『何』を捉えた量であるかを明らかに解明するのが物理学理論の本来の学問としての役割である。『電圧』と『電荷』の関係が明確に物理学理論で解説できるかを問うのである。『電流』が『電子』の逆流だと言っていて良いと言えるのか。『電荷』は決して物理量と言う自然世界にある量ではない。『電圧』、『電流』の『エネルギー』との関係が明確に示せない物理学が何故自然科学の基盤だと言えるのか。

2次起電力v₂が何故離れたコイルに発生するかをどの様に物理現象として解釈するか?

ファラディーの法則の法則で理解するのは、物理現象解釈ではない。自然界に実在しない『磁束』では自然世界の現象を説明できない筈だ。『磁束』とは何か?を究明するのが物理学にあるべき姿だ。決して自然世界に『磁束』など存在しないのだ。『磁束』は科学技術の為に唱えられた解釈概念でしかないのだ。

アンペア―の法則。19世紀初頭に発見された自然現象の捉え方である。導体の周辺に何かが在るようだ。電気を通すとその現象が起きる。その現象の意味がアンペア―の法則として発見された。その意味が現在まで、電気理論の根幹を成す基本法則として、科学理論の基礎となっている。この意味は変圧器でも、『磁束』発生原因として、それを論理の基礎にする。『磁束』発生の物理現象にはその法則が欠かせないと教科書では唱えられる。電源から励磁電流が流れてはじめて鉄心空間の磁束存在原理が示される。しかし、ファラディの法則には電流など無い。物理学理論と数学はとても密接な関係で特徴付けられている。しかるに「磁束」の発生原理がその微分と積分の数学的関係を無視して、アンペアの法則による「磁束」発生論を唱える。『励磁電流』が変圧器動作に必要だと唱えられるのだろうか。

少なくとも『電荷』が流れて『磁束』を発生する空間像を示して初めて、物理学理論と言えるのじゃないのか。

磁気エネルギーと解釈描像 (2021/11/17) 、電気自動車と物理学理論 (2021/11/26)、モーター駆動力 と エネルギー流 (2021/12/01)  等少し磁気現象に関する論考を続けよう。磁気の磁力の不思議を解き明かして、自然が認める物理学理論に近付けるかと。

『Electrons』の紋所と科学理論 (2020/04/07) があった。

変圧器の奇想天外診断

探検思考(2017/12/22)探検思考

(2017/12/22)追記。 下の解釈に更に思考の冒険をしておこう。検出電圧は電源としての意義は全く無い、役立たずの電圧である。3本の導線の配置は電線1-1’と電線3-3’も電線2-2’と全く同じ関係にある。図の①コイルの配置に示した。次に冒険思考として、②電圧と分布エネルギー 電源電圧周期の極性とエネルギー分布を考えてみよう。交流電圧でも、その電圧の極性については、直流電圧の極性の意味をそのまま踏襲しているだろうと解釈する。電源電圧Vsが負極性(実際に負と言う意味は無いのだが、他に使う用語が無いと言う不立文字に陥っていしまう自己矛盾である)となった場合は、電源からのエネルギー供給は負側であるから、難燃架橋ポリエチレン絶縁体へのエネルギー貯蔵量が多くなろう。しかし測定に現れる程の違いには成らないであろう。この電線間の分布エネルギーは、無負荷であれば、全て電源と電線路間でエネルギー分布に対応した往復流が生じている事は当然であろう。そこで、このエネルギーが電源電圧Vsに対して負荷端の端子1’、2’および3’間の測定電圧の位相関係はどのようになるかと興味を覚えた。オッシロスコープが有れば簡単に分かる事であるが、どのようになるかと考えるより他は無い。 ③電圧ベクトル図がその結果を不確かながら仮想的に表示してみた図である。電圧値を表示すると言う事は、計測器がエネルギーを消費している訳である。難燃架橋ポリエチレン線のエネルギー貯蔵効果とそのエネルギーの測定器への流出との兼ね合いが検出電圧の位相に影響を及ぼすかどうかは波形観測で明らかになる筈だ。以上の思考探検は電気物理としての解釈である。『電荷』『電子』の技術概念で電気現象を理解しようとすれば、どのような解釈になるでしょうか。こんな論議が出来れば楽しい人生なのだろうが、家族に説得する実績が無いため身動きできないのが・・。

奇想天外診断の実験結果について(2017/12/20)追記。三本の電線を揃えて鉄心に巻いた。電線1-1’は難燃架橋ポリエチレン絶縁電線。2-2’および3-3’はエナメル絶縁電線だ。

絶縁体とエネルギー分布

二本の電線の端子1と2に電源電圧100V,50Hzを掛けた。電線終端の端子3’と1′ および3’と2’間の電圧を測定した。結果は40Vと16.6Vであった。この結果の意味をどのように解釈するか?少し解説すると、電気物理の話になる。電流は流れずの意味でもあり、電圧とは何かを示した実験結果である。電気回路の現象は基本的には自然界の真理をその表現した姿の根底に隠しているのである。人はその現象を都合よく解釈して、電圧や電流と言う概念で共通理解しているのだ。自然を利用するにはその概念が、科学技術概念が誠に有効なのである。しかし自然の世界を深く理解しようとすると、科学技術概念は完璧ではなく、論理的な矛盾を多く抱えているのである。それは哲学の領域になろう。上の実験結果のデータは、電線3-3’は全く電源電圧には関わりない状態にある。全く電圧は掛かっていないのである。この実験結果を理解するには、基本的に『エネルギー』とは何かを理解しているかどうかに関わる事である。電線路で『エネルギー』を伝送するのが電気回路の役割である。電流や電子を送るのではない。『電子』や『電荷』とは何かを突き詰めて理解する必要がある。難燃架橋ポリエチレンと言う絶縁材料は難燃物質を混入するとその誘電率は高くなるようだ。誘電率の意味はコンデンサのエネルギー貯蔵能力に示される。電線路はその近傍空間内でエネルギーを伝送する訳であるから、電線被覆絶縁体の誘電特性に大きく依存する事になる。そのエネルギー空間密度分布の電線路空間の積分が『電圧』と言う概念を表している事をいろいろの回路で述べて来た。そのエネルギー分布が難燃架橋ポリエチレン線の絶縁部で高密度となる。その部分で電圧の相当部分を担う事になる。それが実験結果の電圧値になっている。

電気工学では変圧器は欠くことのできない基本設備機器である。科学技術としては、ファラディーの法則で解釈すればその機能原理の理解には十分であろう。しかし、物理学での変圧器の動作解釈としてはそれではすまされない。何故なら磁束など存在しない架空の概念であり、その磁束概念に従う限りでは論理的な矛盾から抜け出せないことになるから。変圧器の基本構成は、1次巻線と2次巻線を共通の鉄心に巻きつけたものであり、その二つの巻線間で電圧変換をする機能の機器である。電圧を変換する巻線間を通して、エネルギーを伝送するのがその基本動作である。エネルギーはどこを通して絶縁された巻線間を伝送できるのだろうか。それは巻線間の空間を通して流れるとしか解釈しようがない。導線の金属体内をエネルギーは流れ得ない事を理解しなければならない。もし仮に導線内をエネルギーが通るとしたら、二つの絶縁された巻線間でエネルギーは移り得ないという矛盾を解決できない。『エネルギー』はすべて空間でその本領を発揮する。

変圧器診断変圧器動作診断

奇想天外にふさはしい思考実験 こんな実験は人に見られない処で、こっそり隠れてやってみたいのである。環境が許せば、思い付いたらすぐやる筈だが、どうも『以下余白』の不覚が足枷になって無理だ。そこで思いを空想の世界としてやったらと。変圧器は『エネルギー』を伝える電気設備であり、決して『電圧』『電流』ましてや『電荷』を伝送する電気設備ではない。『電荷』も「磁束」もこの自然世界に、電気技術世界に決して実在する物理量ではない。その世界の真実に基づいた思考は、新しい危険な旅にも行かなければならない。世界を支配する真の実在は『エネルギー』一つである。それ一つを頼りにした変圧器の診断物理実験が上の図である。しかも、変圧器動作のコイルを使わないでの空想実験だ。全く経済的利益を生まないだろう、独立した精神活動の自然科学実験である。交流電源は100Vの商用周波数電源で、検出器はオッシロスコープか検流計が良かろう。巻線はエナメル絶縁線で、100V電圧に耐えるか少し心配だ。三本揃えて磁心カットコア用の枠に巻き上げることになる。上の図の①は多分検出不可能だろう。さてどこをどう『エネルギー』が流れるのかを調べたいのだ。後は不明??。

実験① この回路構成は丁度単相配電線路の無負荷状態でその配線が鉄心に巻かれて場合と観る事も出来る。無負荷配電線路も線路電圧に対して電線路間の空間に『エネルギー』の光速度の流れが起きている。それがエネルギーで観る線路電圧である。そこでの重要な点は金属導体内を『エネルギー』は流れない意味である。負荷への伝送エネルギーは必ず空間を流れるという意味である。『電流』が流れる訳でもなく、ましてや『電荷』が通過する訳でもない。その意味で、鉄心に平行電線を巻きつけた時、同じくその導線の間に電圧に応じたエネルギー分布の変動が起こるだろうという意味の確認実験である。閉じたコイルでないから磁束の解釈には成らないだろうとの意味である。その時その空間近傍に沿う第3の導線3-3’にどんな信号が現れるかを確認したかったのである。ただ少し気掛かりがある。それは銅線周りの空間が鉄心に沿っている事 である。だから全く結果は分からない奇想天外なものである。(気づいて追記)検出器Dの検出端子をd-2、d’-3とすれば、電圧印加端子と空間エネルギーに対して同じ事になるので、電圧が検出されるかも知れない。

実験と結果(2015/06/11) 運よく道具箱に高性能鉄心があった。ポリウレタン線を買って巻いた。3本合わせで3メートル長のコイル30ターン巻とした。低電圧での確認実験として、電源トランス100ボルト/18ボルト×2を使って試験。

実験回路実験回路

検出器検出器(昔の実習実験工作での自作テスター)(2021/06/27)追記。特記事項。最近気付いた。このテスターが消えてなくなっている。誰が❓と誠の不可解なり。このような古典的な炭素抵抗をパンダ付けした測定器は手に入らない。とても残念だ。誰が泥棒したか?恐ろしい!!

信号検出にテスターを使う。予備試験で、電圧36ボルに対して、テスターAC10Vレンジの端子をd-2’、 d’-3’に当てて様子を見た。僅かに針が動くのを確認した。次に意を決して、100Vをコイル端子1と2に掛けた。電源電圧105Vに対して、AC10Vレンジで検出値0.2Vと読めた。電線間空間の『エネルギー』を拾い出して検出するとはこんな程度の電圧となるのかと理解した。僅かな巻線コイル数で電圧の印加されていないコイルにその影響が現れると言うだけで、変圧器診断実験としては満足すべきかとの結論だ。何も出ないかととても心配したが、何とか奇想天外実験としての面目が立った。

購入経費2150円程度の出費での実験だ。科学研究実験として科研に請求する程のものではなかろう。ただ何十年も結論に到達するに掛る。

(2015/06/25)追記 昨日改めて上の実験の確認をした。ところが前の実験のような結果が得られなかった。第4番目のコイルを別に30ターン巻いて、追加実験をしたが、巧くメーターが触れなかった。電源保護ヒューズ(0.1A)が切れて、実験中断した。少し考える。直流電源(DC140V)も準備中。

(2015/07/03)追記 第3回目の実験。やっと回路が完成したのでまた挑戦した。想定外の結果が出た。まさか出るとは信じていなかったのに、奇想天外の結果に遭遇した。

実験回路2実験回路2

コイル1-1’の巻線(エナメル絶縁線)を有機系の絶縁線(絶縁体:難燃架橋ポリエチレン)に巻き替えた。ヒューズ切れの原因を考えて巻き替えた。(ヒューズ切れの原因)巻線の絶縁強度の影響ではないと思い直した。計測テスターを接続したまま電源投入した為、テスターレンジ(古い型のテスターのAC10V電圧レンジの抵抗値が小さい為に、負荷として影響する)の負荷の過負荷が原因で投入時の過電流ヒューズ(0.1A)遮断と考える。

(実験結果) 端子1-2間に交流電源100Vを掛ける。端子2’、3’にd-2’、d’-3’とテスターを当てた測定電圧が16.6V、同様に端子1’、3’間にd-1’、d’-3’で計ったら、何と40V程が現れた。少し疑問に思うかもしれないので、付け加えたい。

誠に以下の追記は勘違いの為後日訂正させて頂きます(2017/12/19)。ご勘弁下さい。負荷端子が1′ と2’間と勘違いしていました。実験は端子1′ 2’間でなくて、 1’と 3’間であった。後日、16.6V と40Vの違いの訳を図で示したい。難燃架橋ポリエチレンがその訳を担っている点は間違いでは無いのですが。(2017/12/20)解説の図を文頭に示した。次にも示す。絶縁体とエネルギー分布

なお、この実験は鉄心にコイルを巻いているが、変圧器としての機能の回路構成には成っていない。端子1-1’間に電圧を印加すれば変圧器になるが、巻線数が少ないから電源短絡(いわゆる磁束飽和現象)事故になる。また下記の内容については検討保留である。

然しそれだけによる違いではなかろう。全く電気磁気学理論では理解できない現象の筈である。得られた結果の意味については次の事を認識すべきである。それは線路間の空間のエネルギー分布を拾い出す訳だから、3本線の相対的空間関係が影響していると解釈したい。この結果については僅かの空間的差異で得られる結果は大きく変化して、計測器のエネルギー負荷によっても異なるだろう。計測器は写真のデジタルテスター(エネルギー消費は小さいだろう)である。独立に巻いたコイル4-4’との間にも全く「零」ではないようだ。直流については特に必要を感じないので確認していない。この結果は予測通りのエネルギーに因る線路電圧の解釈を検証する結果と看做したい。驚き桃の木とはこの事か?磁束概念の存立危機事態かな?波形を観測できないのが残念だ。なお、端子2′-4’間にも数ボルトの電圧がある。参考に、実験回路を示す。

実験回路2実験回路2

2017/12/19追記。なおこの実験の目的とした結果は追加実験で、天晴れ(コイルと電圧とエネルギー)に結論を示した。