タグ別アーカイブ: 半導体エネルギー準位

ペルチエ効果と熱エネルギー

(2020/11/19) ペルチエ効果。

ペルチエ効果を使う熱電素子の構造は図の(1)のような説明で示される。N型半導体とP型半導体を銅などの板で組み合わせて構成される。そこに電圧を加えると、吸熱面と放熱面が生まれる。吸熱面の空気から熱エネルギーが金属板に吸収される。その作用を使って除湿器が造られる。空気からと言うのはその水蒸気が保有する熱エネルギーを吸収することだ。水蒸気は熱エネルギーで水が体積膨張した状態である。吸熱面で熱エネルギーが奪われれば、水蒸気は体積収縮して水になる。それが除湿機の機能原理だ。それはペルチエ効果の説明のように実際の技術として機能している。しかし、何故n型半導体‐銅‐p型半導体の方向に電圧を掛けると銅で吸熱現象が起きるかの原理が理解できない。そこで、(2)図のように、n型半導体を銅版で挟んで電圧を掛けても、吸熱と放熱が起きるのか?予測では、実験すれば吸熱、放熱は起きる筈だ。起きなければ、原理の意味が成り立たない。これはn型でもp型でも同じ筈だ。p型では吸熱、放熱の反応極性が逆にはなるが。

除湿機能と降雨現象。空気中の水蒸気から熱エネルギーを奪えば、水蒸気は水に成って、体積収縮を起こす。気象で地上の低気圧も、上層気流の冷気で地上からの水蒸気が体積収縮を起こすから、空気の水蒸気が上空に吸い上げられ、その結果低気圧となる。水蒸気の熱が上層気流に奪われ、水蒸気が体積収縮を起こす結果、雨となって降り注ぐ。除湿器の機能も自然現象としてみれば、降雨現象と同じものである。その吸熱現象がペルチエ効果ではどのような原理で起きるかの問題と考える。電気回路現象は電子が主役を演じる解釈理論となっている。電子がどのような役割を担っているかを詳らかにするのが科学論の目的だ。降雨現象には電子は不向きだ。その違いの訳が説明できるか?という設問となる。この上層空気がより冷気が強ければ、遂には氷となり雪になる。地上と上空の温度差が急激に大きくなれば、熱エネルギーが空間のチリなどに蓄積され、その熱放射、熱爆発の「雷」となる-雷は熱爆発 (2014/05/23) -。

思考回路。

ペルチエ効果の意味を考えてみよう。図(3)はダイオードに電圧を逆方向に掛けた。これでは回路は on 出来ないから、off である。図(4)はn型とp型の間に銅板を挟んだ。この構造はペルチエ素子の構造と同じだ。原理から考えれば、やはり吸熱と放熱現象が起きる筈だ。銅板を挟むとダイオードのoff機能は消えてonするという意味になる。この構造でもペルチエ効果が表れる訳を説明できなければならない。さてどう解釈するか?

電子と熱電効果の原理。

電源は決して電子を回路内を循環させる訳ではない。現在も、電子が主役の量子力学が半導体動作原理の解釈理論となっている。もし、電子が電気回路の機能を担うとすれば、電子が電流の逆向きに流れると解釈する限り、無理して『電荷』がその役割を担うと考えざるを得ない筈だ。電子の『質量』では無かろう。しかし、『電荷』が電気回路内を循環する具体的役割を、誰をも納得させるだけの論理性で示し得ないだろう。電子が『エネルギー』の伝送に役割を果たし得るか?電子が『エネルギー』を電源の負側からどのような状態で電気回路に運び出すのか?The electron did not exist in the world. (2020/05/15) 。にも述べた。電子の電荷と質量の空間像が定義できなければ、電子の熱エネルギーに対する機能も述べられない筈だ。電源は、電圧をその規定する値にするため、その繋がる回路の回路定数に対する『エネルギー』の放出源なのである。放出電子の数を調整する機能など電源には無い。電源は電子など制御対象にできないし、無用である。

電源と熱エネルギー。

電源は負側の電極電線路近傍空間を通して『エネルギー』を放出する。この電気エネルギーと熱エネルギーに違いがある訳ではないのだ。熱エネルギーは輻射熱として放出される。所謂赤外線と言う分類の光と見做せよう。可視光線に比べて、何か速度が鈍いような長波長成分と言う物のように感覚的に感じる。しかし電力波と比べれば波長は光に近い筈だが、衣服等に吸収された熱量値しての状況は何か粘性の強いエネルギーに思える。その熱が高密度に貯蔵されれば、遂にはより作用性の強い放射光となる。熱電現象は電気エネルギーと熱エネルギーの間の相互作用の変換現象と解釈する。とは言っても電気エネルギーと熱エネルギーは基本的に空間に実在する同じ『エネルギー』であることに変わりはなく、電池から電線路を通して負荷抵抗の空間構造に閉じ込められれば熱と言う人の解釈になる。

半導体の不思議。

トランジスタのスイッチング機能は技術の結晶に思える。しかしそのコレクタ側はダイオードの逆極性導通としか見えない。そこは吸熱特性を呈する。ダイオード電圧 (2020/08/26)。

 

 

謎(p n 接合は何故エネルギーギャップ空間か)

(2022/07/13)。訂正。大きな間違いに気づいた。pn接合のエネルギーギャップが逆であった。現在修正中である。N型半導体側が高エネルギー領域で、P型半導体側が低エネルギー領域であると気付いた。この事で、他の記事にも多くの訂正が有る為、訂正にはしばらく時間を頂きたい。

『エネルギー』の存在形態を尋ねる旅。半導体はエネルギー変換制御に欠かせないスイッチング素子である。電力制御とは『エネルギー』制御である。三相交流回路の瞬時空間ベクトル解析で、スイッチング機能を回路定数サセプタンス化して解釈する意味を考える。その基礎考察で半導体の意味を理解したい。電力系統のスイッチング機能を担う半導体のp n 接合 とはどんな物理的意味を持っているかが分からない。その動作原理を『電荷』に頼れないとすれば、『エネルギー』に頼るしかない。専門家は良く解って居られることだ。しかし私は理解できないから困っている。何とか、まとめ に結論と覚悟した。

‐下のエネルギーギャップの図で、Diode のエネルギー分布が逆であった。‐

以下に、訂正図を挿入。

ダイオードのpn接合面で、『エネルギー』の分布状況が逆になる。それは、半導体の前の真空管時代で、二極管が検波機能を担っていた。その陰極側とダイオードのN極側とが同じ意味を持ったいると解釈できる。整流機能要素の原理 (2022/01/04)で訂正で示した。その意味から当然 N極側が『エネルギー』レベルが高密度である事になる。だから、下の エネルギーギャップ(訂正)になる。

『エネルギーギャップ』と『電圧』の物理的概念関係。 p n 接合の意味をダイオードを例に考えた。p型半導体とn型半導体の接合部にどんな現象が起きるのか。pn接合部のエネルギーギャップの電圧分が電源電圧との極性とによって、負荷側の回路空間に及ぼすエネルギーギャップとの間の関係でダイオードのオン、オフが決まる。エネルギーは高密度部から低密度部へ流れると考えたいが、乾電池に蓄えられる『エネルギー』は内部では消耗しないで、必ず外部負荷を通して消費する。その訳も重要な意味を秘めているのだ。乾電池の『エネルギー』の供給機能も、決して『電荷』では理解できない現象である。『電源電圧』という意味の物理現象もおそらく今までの物理学理論では説明できない筈だ。それが『電子』では電気回路現象の物理的意味を解釈できないという事である。『電子』概念から離れない限り、電気回路現象を理解できないという事だ。電源端子に現れる『電圧』が回路空間内に生み出す『エネルギー』の分布は結局回路空間構造の回路定数 C[F/m]、 L[H/m] によって決まる現象と理解しなければ、端子電圧の意味さえ理解できないのである。『電圧』という単純と思える概念さえも、その本質の物理的意味を理解するには『エネルギー』の空間に展開する現象を深く認識しなければ理解は無理である。(新しく書き換えた。)

まとめ 過去の記事をまとめて確認しておきたい。エネルギーギャップという意味に至るまでの過程も見たいから。最近の記事から古い記事の順で。単1乾電池もエネルギー貯蔵庫で、そのエネルギーギャップが内部で炭素陽極と亜鉛陰極間に保持された状態と言える。電池自身が、その内部の『エネルギーギャップ』によって、外部回路空間へ『エネルギー』を放射する物理的機能を保持した要素という事である。しかも陰極電線路空間側への放出によって。

(2019/04/02)半導体追加。

  1. 半導体とバンド理論を尋ねて (2018/05/14)
  2. トランジスタのオン・オフ機能と理論の間に (2o17/05/23)

半導体とエネルギーギャップ

  1. ダイオードの機能 (2016/09/17)
  2. 電気回路とスイッチの機能
  3. 物質のエネルギー準位
  4. 問答実験
  5. 半導体とバンド理論の解剖
  6. トランジスタの熱勘定 (2013/01/30)

電圧とエネルギー

  1. 電圧ーその意味と正体ー (2016/05/15)
  2. 電池電圧と『エネルギーギャップ』
  3. 電池の原理を問う
  4. 電圧ー物理学解剖論 (2011/12/14)

 

 

物質のエネルギー準位

科学漫遊の旅から観えて来たことがある。世界に存在する物質は、すべてそれぞれ特有の『エネルギー準位』を持って存在すると言えるように思う。しかもそれはその存在する環境(温度、圧力など)によって変化する。比熱、誘電率、膨張率など様々な物理的特性によってその『エネルギー準位』の様相が特徴づけられる。物質同士の接合、接触によって特徴的な様相を示す。その一つに『触媒』の不思議も挙げられよう。『エネルギー準位』とは必ずしもその物質の保有するエネルギーと断定できなかろう。その物質がその外部空間に存在する物質に対して影響する空間へのエネルギーの支配力のように思える。基本的に物質の保有エネルギーはその質量自体もエネルギーの局所化したものであり、質量の基はエネルギー(光など)そのものであるから。

半導体のエネルギー準位 半導体で、p型とn型半導体に分けられる。シリコンSiに前後の周期律元素を添加すると、その混合結晶の間にエネルギー準位の違いが発生すると考える。その接合面で、エネルギー準位の差、即ち『エネルギーギャップ』が生じると考える。それぞれp型半導体とn型半導体の抵抗率はどんな値かと思って検索するが、p型だけは5.0 Ωcm とあるがn型は幾らか分からない。どうしても『フェルミレベル』の解釈では理解できずに勝手に自己流の解釈で評価したくなった。『疑問』は教育的な意味で生徒学生に提示する有効な意味にもなろうかと思う。当然現在の理論を解説したうえでの事ではあるが。その事は学生に考える手立てや研究の励みを与える事にもなろう。(2017/05/17)修正。