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誘導エネルギーに観る技術と物理

はじめに
電気回路現象を理解するにはその回路内でのエネルギーの振る舞いを感覚的に捉えることが大切である。この記事もロイヤーのインバターの記事の準備として書いている。誘導電動機の運転などでは、その誘導性のエネルギー処理の問題を理解して置かなければならない。インバーターは直流電源を交流電圧波形に変換する技術であり、変圧器と誘導負荷のエネルギーの物理的意味を、電気技術概念の更に深い処の意味で捉えて置きたいと思った。基本的な方形波電圧波形と純誘導負荷のエネルギーの特質を捉えて置く必要があるからである。

単相インバーターと基本動作
最も簡単な基本回路を取り上げ、その負荷が純誘導負荷、リアクトルだけの場合についてまとめておく。物理量のエネルギーをどのように認識しているかが理科教育特に物理学において極めて重要に思える。誘導エネルギーと言う用語は一般的ではないが、コイルに蓄えられるエネルギーの技術的表現である。空心コイルでなく、鉄心に巻いたコイルのエネルギー量が大きく、その電気回路動作に強い影響を及ぼす。鉄心も含めて、コイルの中の空間に蓄えられる貯蔵エネルギーをここでは誘導エネルギーと言う。正弦波交流電圧より直流電圧の一定値を切り替えた方形波電圧波形の方が、そのエネルギーの意味を感覚的に捉え易いだろうと思う。技術的な電流や電圧の意味とエネルギーの関係について、方形波交流電圧源によって考える中身が明確になるだろう。筆者自身の経験で、初めて電気の回路動作を知ったのが方形波電圧源に関わったからである。正弦波電圧では意識しないものが観えて来るからである。

方形波電圧と誘導負荷電流 上の図のように、トランジスタとダイオードを逆向きに繋いだ一対で一つのスイッチを構成する。それを4個使って、負荷Lを電源につなげばトランジスタのオン、オフで方形波電圧が得られる。この方形波電圧で初めて、コイルの電流はどのようになるかを知ることが出来る。コイルの電圧voはLと電流ioの時間微分の積で得られることは知っていても、電流ioが電圧の時間積分となることは意識していない。コイルの電圧時間積分は磁束になる。磁束[Wb]をL[H]で割れば電流[A]になる。このような計算は科学技術理論であり、物理理論(現在の物理学は科学技術理論である)ではない。

科学技術理論と物理論あるいは自然論 科学技術論は電圧、電流などの計測量に基づいて理論を組立てたものである。当然現代物理学理論もその同じ概念に基づいて組み立てられているから自然論とは異なる。自然は人間が創り上げた自然観察手法ほど複雑な原則には無い。磁束も電荷も無い。原子構造もすべての素粒子と考えるものもたった一つの『エネルギー』の世界像である。磁束、インダクタンスおよび電流の単位間で、磁束[Wb]=インダクタンス[H]×電流[A] が何故成り立つのか?自然感覚としてその意味を捉え切れるか。せめて、磁束[(HJ)^1/2^]=インダクタンス[H]×電流[(J/H)^1/2^] なら、次元解析も容易であろう。如何に世界は『エネルギー』が根源を成しているか。エネルギーを論じない物理学は自然を論じているとは言えない。まだ、科学技術論からの要請で取り入れられた空間概念の空間容量ファラッド[F]と誘導容量ヘンリー[H]の時空論の曖昧性は残されたままのように思う。それは哲学的な思考によって解決されるべきものと思う。電流も電圧もそれらがエネルギーと関係付けて捉えられるには、それぞれ2乗によって初めて観えて来る筈だ。もう一つ触れておこう。トランジスタのnpn積層構造でも、ダイオードで表記すれば、ベース端子に対してエミッタもコレクタもダイオードの背向した構造体の筈である。コレクタ側からベースへ電流が流れないダイオードの構造の筈である。何故か不思議にもダイオードの逆向きの電流を制御していることになる。これも実際の製造現場では、単純なnpn積層構造ではない事が分かっているのだろう。考えても単純な頭では理解できない。これも何とも言えない不思議な科学技術論である。トランジスタにはエミッタに電流の方向が示されているが、量子力学論では電流ではなく、逆向きの電子の流れで論じられる。何故電子がコレクタ側に流れるかの明快な解釈は見えない。何しろダイオードの逆向きであるから。それも質量でもなく電荷でもないエネルギーの流れとして捉えなければ真の物理学にはならない筈だ。この辺に対する過去の悩み論を記した記事謎(p n結合は何故エネルギーギャップ空間か)がある。標題に技術と物理としたので少し脇道に逸れてみた。

誘導エネルギーの回生 誘導負荷エネルギーはその処理を的確にしないと、スイッチング素子が破損する。貯蔵されたエネルギーは回路から突然切り離そうとすれば、無限大のエネルギー放射源となり、回路内で炸裂する。だからと言ってそのエネルギー量が多いとは限らない。量は少なくても、そのエネルギーの流れを瞬時に止めることはできない。無理に止めようとすれば火花を放ってエネルギーを放射する。そのエネルギー感覚が電気回路解釈における筆者の感覚の基になっている。コンデンサのエネルギーにはそのような凶暴性を持った回路への危険はない。コンデンサの貯蔵エネルギーは簡単に回路から切り離せる。半導体回路のその誘導エネルギー処理の優れた機能に感心させられた。

リアクトルエネルギーの貯蔵と回生 ここでも技術論である。本来の電圧は電位が高い方がエネルギーの分布が少ないのである。負側がエネルギー源である。然し技術論では如何にも電圧の高い電位がエネルギー供給側のように解釈される。だから電流が流れて、負荷にエネルギーを供給すると理解する。本当は逆なのであるが、如何に科学技術論で頭が飼いならされたかは、電流と電圧の意識が手っ取り早い理解に結びつくかを思い知らされる。実に電圧、電流の技術概念が使いなれると便利であることか。しかしその物理的根本原理を明らかにしようとすれば、並大抵のことで解き明かせるものではない。だから電流が電線導体の中を電子が逆向きに流れる現象だなどと、実しやかなウソで誤魔化す事になる。質量の無い電子は定義されていない。電線の中を質量を移動させるにはどのような力が必要かは知っている筈だ。運動力学論で質量は電界では動かない。だから電荷と電界の関係で力を想定する。一般導線の中に電界をどのように想定できるか厳密に論理を展開出来るか考えてみれば分かろうと思う。無理なのである。それでも巷の電気解説論では堂々と電子が電線内を移動すると解説されている。しかし、だからと言って電流、電圧と言う概念を不要と言って切り捨てる訳にはいかないのだ。これ程実用的な便利な技術概念も無いから。その物理的実像を明確に捉えることは本当の自然の深い真髄を理解する上で大切な事でもある。それはトランジスタの内部あるいは近傍空間をどのようにエネルギーが流れるかを極めることに繋がる話である。技術論と自然の眞髄はどこかで明確に論理的に繋がる筈であるから。エネルギーの回生については何も述べずに来てしまった。一定周期でのスイッチングで、定常状態になった場合の負荷電流ioは三角形状に変化する。その各状態でコイル内にエネルギーが貯蔵される区間と放射(それが電源にエネルギーを回生)する区間とに分かれる。エネルギーの流れと電流値とは同じくはないが、コイルのエネルギーを電流で捉えるのが分かり易いという実に慣れという常識習慣の恐ろしさも感じながらの論理に従って理解する。本当のことは、エネルギーは電流の2乗で捉えられる筈だ。

半導体スイッチ回路をダイオードとスイッチSで書き換えてみた。二つのスイッチSを同時にx 側かy 側に投入すれば、電圧は方形波となる。スイッチの切り替えごとに打点のダイオードが電流の帰還回路を形成し、エネルギーの電源回生動作となる。なおコイルのエネルギーは電流の2乗だから放物線状に変化する。

むすび 電圧、電流と言う技術概念が如何に便利であるかは慣れるに従って益々離れがたい価値を意識する。しかし、自然にはそんな概念は無く人が創りだした技術概念でしかないのだ。実に不思議なことである。こんな事を書くことが社会的な混乱を来たす元になるようで実に気が重い事でもある。社会的組織の中では許されない論議になるかも知れないことから、孤独の世界を歩くことに成ったとも考えられる。過去の電気技術の仲間や工業高校時代の仲間とも全くの繋がりのない世界での思考の論考である。5,6年前に住所録も消えて無くなっていた。日本物理学会での発表も所属欄が書けない無様で今は止めた。学術に関する処に参画するには所属欄の記載がなければ、参画資格が無いようだ。時どき昔のことの闇の声が聞こえる。竹下内閣の『約束』が有ると。地方創生資金配分の関係かとも思うが、何の『約束』かは知らない。

今回の記事で、単相インバーター回路を取上げたが、電流が電気エネルギーの流れを示していると電気技術者ならそう理解する。しかし直流電源のエネルギー放射・伝送は実は負側のマイナス側から送られるのだ。だからトランジスタのスイッチングによるエネルギー伝送機能も負荷に印加する電圧のマイナス側がエネルギー高密度空間の基になっているのだ。大学の電気工学・電子工学の教育上の『参照基準』はその辺に照準を合わせるべきと所属の無い身ながら恥ずかしさを忍んで提言する。残念ながら教科書が間違いあるいは矛盾に気付かない内容を広めているのだ。理論がもっと実学・技術の学びの上に基づくべきだ。何々の法則が矛盾に耐えない筈だ。

政府機関なのかどうかは知らないが、裏で何か決めているようで、実に気味の悪い精神的ストレスの毎日である。正に人権侵害の連続だ。人の繋がりのない断絶した過去の上の浦島退屈論ではあるが。

 

LとCと空間エネルギー

電気回路には回路要素のLとCがある。インダクタンスLもコンデンサCもエネルギー貯蔵要素だ。インダクタンスLの値はその形状と寸法で決まり、「長岡係数」と言う係数もある。コンデンサCもその形状と寸法で値が決まる。勿論それらの空間環境を占める磁性材料や誘電体材料によって大きく影響されることは当然である。

形状と寸法で決まる訳は何か 時定数から観る電気現象で『問答』にしたL,Cとの関係についての参考記事でもある。電気現象の本質がすべて導体や誘電体、磁性体とその近傍における『エネルギー』の振る舞いによって様々な特性を表すことに在る。すべては空間のエネルギーの存在形態として見ることも出来よう。だから『エネルギー』の貯蔵空間の意味によってインダクタンスとかコンデンサとかの電気要素で捉える分け方になると言えよう。ただ『エネルギー』の量がその要素の空間の大きさで決まるのか、その形状を構成する空間の何が大きく影響を与えるかなど不明な事も多い。そこで、回路要素の形状と機能を『エネルギー』から考えてみよう。

空間エネルギーとは? あまり馴染みのない用語かもしれない。物理学理論には質量を伴わない『エネルギー』の存在、その概念があるのかが分からない。世界は『エネルギー』から出来あがっていると思えるから、物理学理論が理解できない。筆者の頭脳の能力が劣っていると言われれば止むを得ないが。周りを見渡せば、光が世界の姿を教えてくれる。その光はどんな素粒子から出来ていると物理学では考えているのだろうか。太陽から届く光の『エネルギー』は何からできていると考えているのだろうか。その身の周りに在る全てのエネルギーが『空間エネルギー』の姿であると言うのが筆者の考えである。電線路を伝送される電気の『エネルギー』も星から届く星座の光もすべて空間を通って流れる『エネルギー』の姿である。それら全てが『空間エネルギー』である。電熱器のヒーターが熱い熱源として働くのも、白熱電球のヒラメントが光源として働くのも、いわゆる抵抗体の内部に『エネルギー』が蓄積され、その貯蔵限度を超えた『エネルギー』が空間に放射されるだけの現象でしかない。質量のタングステンヒラメントの内部は空間構造を成していると看做せて、そこに『エネルギー』が貯蔵されているのだ。それも含めて『空間エネルギー』と言える。電気回路要素のコイルやコンデンサも『空間エネルギー』の貯蔵空間を構成している構造体である。ただコイルやコンデンサは抵抗体と違って、貯蔵した空間エネルギーは外部空間に放射はされず、必ず電気回路内の空間を通して、電源に回生される。だから基本的にはエネルギーの消費はしない。『エネルギー』を処理しながら、消費しないから結果的に利用されない無効の『エネルギー』なのである。その電力が無効電力と言われる訳である。放送電波や携帯情報端末で取り入れる電波はその電波の波長に同期する共振回路で、空間エネルギーの縦波を取り込み、コイルやコンデンサ内の『エネルギー』を選別して利用している毎日である。空間を『電荷』が光速度で飛んでくる訳では決してない。光の縦波の『エネルギー』が空間と共鳴状態(誘電率と透磁率)で伝送されているだけである。みんな空間エネルギーである。

回路要素と空間エネルギー 空間を電気技術から観ると真空透磁率μoと真空誘電率εoと言う基本定数によって解釈する。空間に存在する『エネルギー』は電気技術的観点から解釈すれば、必ず透磁率と誘電率と言う定数によって判断するように習慣づけられていた。その空間定数と同じ観方で、LとCを捉える。真空透磁率や誘電率が自然の眞髄から観れば、その深い哲学的な意味までは理解できないでいる。一つの自然解釈法の基準定数として理解しているに過ぎない。その観方からすれば、インダクタンスと静電容量のエネルギー貯蔵機能も統一的に解釈できれば良いと思うが難しい。

LCとエネルギー LとCおよびRの違いは何だろうか。先ず初めにはっきりさせておきたい事がある。導体のエネルギーに対する解釈である。一本の導線を張れば、その空間に今までと異なる影響を生み出す。エネルギーが基本的には導体を反射体として捉えるだろう。導体の中に侵入すればおそらく熱エネルギーとして消費されるだろう。極端な例が『超伝導体』である。エネルギーロスが無いと言うことは超伝導体が完全反射体であるからである。逆に抵抗体は極めて効率良く空間エネルギーを内部構造体の中に取り込み熱エネルギーとして貯蔵する特性を持った要素と看做せる。貯蔵限界まで蓄えた結果温度が上昇し遂には放射源となって発光、発熱作用現象を呈する。抵抗体の単位を[(H/F)^1/2^]と評価したのも、エネルギーに対する空間の意味を統一的に捉える観点からである。科学技術法則の単位のΩの優れた点とは別に、自然の物理的、より深いつながりを重視した一つの解釈法でしかないが。LとCについては個別に考えてみたい

Lと空間エネルギー リアクトルと言う用語は電力技術用語かもしれない。それは電力用誘導性コイルと言う意味で捉える習慣だ。リアクタンスはコイルとコンデンサの両方に使う用語だが、電力技術では主に誘導性のコイルが主要な回路要素であるために、その用語を代用したのかもしれない。インダクタンスよりリアクトルと言う使い方が馴染みやすい。変圧器もモーターも殆ど鉄心がその主要な構成材となっている。銅線以外は鉄で出来ていると言えよう。電気磁気学のインダクタンスと言う概念と感覚的に電力技術での捉え方には違いがあるかもしれない。『空間エネルギー』の解釈には、リアクトルと言う鉄と銅線から構成された電力機器が頭に浮かぶ。そこでリアクトルと言う捉え方で、電力用インダクタンスLの意味を考えてみよう。

(L-1)ギャップとインダクタンス E I 型鉄心を用いて、コイルNターンを二脚に巻いた。鉄心EとIの間にギャップgがある。そのギャップ寸法が電気要素としてのコイルのインダクタンスにどのような影響を及ぼすか文献(1)が参考になろう。ただgの寸法がインダクタンスLにどんな関数関係で影響するかは、その意味が明確ではないように思う。『空間エネルギー』が鉄心ギャップ部分に集中して存在する事が大きくリアクトルの特性に影響を及ぼしていることは間違いない。ギャップgが小さくなるほどLは大きくなる。しかしg=0ではリアクトルとしての機能は果たせなくなる。インダクタンスL=∞となるから、エネルギー貯蔵機能は無い。それは変圧器となるから。序でに考えておこう。モーターも重い外側の固定子と回転子との間のギャップがエネルギーの存在する大事な空間であり、ギャップ空間エネルギーの振る舞いを動力発生の原理に解釈を広げられれば、物理的『空間エネルギー』の電気現象の役割がはっきりするであろう。若い方に挑戦して欲しい。

(L-2) 変圧器等価回路 鉄心間にギャップがある変圧器は漏れ変圧器と言う。ギャップ空間にエネルギーを貯蔵する機能でリアクトルと漏れ変圧器は同じ意味で捉える事も出来よう。そのギャップg=0ではインダクタンスL=∞で、リアクトル電流は流れ得ない。エネルギー貯蔵機能も無くなる。変圧器等価回路では、相互インダクタンスMとして評価される。1次、2次負荷電流の相互関係を解釈する為にはMが便利であるからであろう。しかし、変圧器の励磁電流と磁束概念の伝統的解釈法では、磁気特性の非線形性をうまく表現し難い点があろう。それは磁束が励磁電流によって発生する訳ではないと考えなければ解決できない現象である。ファラディーの法則の微分形式には電流と磁束の関係は何も表現されていない。微分形式を積分形式で表現すれば、巻線コイル1ターン当たりの電圧の時間積分で磁束φは評価すれば良いだけである。もし励磁電流で磁束を解釈するなら、非線形回路を書き加える便法もあろうが、余り意味は無かろう。しかも磁束さえも技術的解釈概念である訳で、結局は空間エネルギーの一つの観方でしかないと考える。しかし、その磁束概念は磁気現象を解釈するには大変便利で有用な概念であることには間違いないものである。さてリアクトルの『空間エネルギー』であるが、コイル巻線の導体周辺に分布していると考えざるを得ない。電圧概念が元々空間のエネルギー分布の技術的評価概念であると観れば、その解釈法も理解し易かろう。インダクタンス値がコイルの1ターン長さに因るだろうと言う解釈も、鉄心最大磁束密度Bmと鉄心断面積の積φmと言う設計基準の解釈法とも通じていると理解できよう。V=4.44fNφmの意味もコイル1ターン長との関係で理解できよう。

Cと空間エネルギー リアクタンスの一つにコンデンサがある。コイルとはその構造も空間材料(磁性体に対して誘電体)も全く異なる。同じ電気のエネルギーの貯蔵機能要素である。伝統的には実在しない『電荷』概念で評価している。このコンデンサの静電容量と形状の関係が先の記事の『問答』の解答ともなる訳であろう。コンデンサ容量はその電極間の面積に比例し、電極間のギャップdに反比例すると解釈されている。面積一定のままで、ギャップ寸法dを狭くしたら静電容量が大きくなるのだろうか。極限はギャップ零に近付けることになる。ギャップd=0は丁度電気回路のスイッチを投入したような状態となろう。それはもうコンデンサとは無関係の状態である。空間エネルギーを保持する状態ではなくなる。コンデンサ容量Cはd=0で定義式では無限大となるがそれは意味の無い事である。コンデンサのリアクタンスXcで考えれば、d=0でXc=0となって、インピーダンスにおける意味に矛盾は無くなり理解できる。『問答』のKとの関係も理解できよう。以上がコンデンサの寸法についての解釈としよう。さて、リアクトルと同じように少しコンデンサの機能についてその物理的(物理学教科書的ではない、学習指導要領的ではない)意味を考えてみよう。

電線路とコンデンサ機能 ある配電線路の終端にコンデンサだけを負荷としてつないだ回路を考えてみる。今までも何度か電圧の意味の考え方は述べて来た。その意味をコンデンサ負荷との関係でもう一度整理してみよう。電線路については分布定数回路と言う観方が高周波で採られる。それは何も電圧の周波数に因ることではなく、すべて電線路はエネルギー伝送から観れば、回路としてはコイルとコンデンサの分布回路と観なければならない。電源電圧が正弦波とすれば、瞬時的には電線路全体がその電圧の変動回路となる。何が電線路の電圧の原因を成しているかと言えば、その電線路空間の『エネルギー』分布である。電源から負荷までの電線路空間が電源電圧の瞬時値に対応したエネルギー分布で平衡状態を保持するように、空間を『エネルギー』が自動的に伝送されるから有効な電力伝送設備が可能なのである。それは『エネルギー』の自然界の現象で、光速度伝送する自然現象の御蔭なのである。その自然現象を科学技術概念で便利な捉え方で利用している訳である。上の図で電線路終端のコンデンサ負荷では、電源電圧の変動に対して、光速度での遅れは伴うが、電源電圧に対応するべくコンデンサ内のエネルギー分布を確立するための、エネルギー貯蔵で機能する訳である。コンデンサの電極板導体の面積が広ければ、その面積全体に亘って電圧vcに対応するべくエネルギー分布を行き渡らせなければならない訳だから、多くの『空間エネルギー』を貯蔵する必要がある。そのエネルギー貯蔵に於いては、コイルのようなエネルギー入射を妨げる作用は無いから、極めて瞬時に電圧変動に対応して、素早い応答で機能が発揮される。コンデンサの電気要素としての感覚的認識にはそんな意味で納得できるだろう。誘電体に強誘電体材料が使われるが、その材料のエネルギー貯蔵特性には時間的遅延性などがあるため、特殊な特性を示す面もあろう。最後に付け加えておこう。電源電圧の極性と電線路の『エネルギー』伝送空間について。図に示したような電源電圧の『極性』は(+)、(-)で馴染んでいるから分かり易いと思うが、本当はその『極性』とは何かと問えば分からない筈であるにも拘らず、理解され易いと言う科学技術の恩恵(?)がある。しかし実際に『極性』と言える意味の電気現象に差が存在する事も確かな事であるから、それが『何か?』と疑問に思う。今から丁度7年前に、記事を元のSpaces.live.com/に投稿させて頂いた。その科学論の最初の記事が放電現象と電荷・電流概念である。放電現象は電気現象の意味を解く最初の研究対象でもあったとも見做されよう。そこで『陰極線』と言う得体の知れない流れがあると見做した。(+)側からは流れない事を知った筈だ。その『何か』が流れ出る側が(-)側であると。その応用が三極真空管の熱陰極線の空間電荷制御法になった。乾電池、蓄電池の電源も(-)側が『エネルギー』供給源になっているようだから、交流回路の電線路の『エネルギー』流も(-)側にその流れがあると解釈して良かろうとの判断である。その流れは光の流れと同じだから、科学の論証に従った実験的に検証する方法は考え付かない。

不適格な科学論か? 上に述べた事を含めて、殆ど科学者の検証に耐える根拠が示されていない。それにも拘らず、『電荷』否定から始まった記事は殆ど数学的解析式などもなく、ただ日常用語で『エネルギー』の電気現象における振る舞いを感覚的に納得できる意味を述べさせて頂いた。科学論らしくなくて御免なさい。

文献(1) 大学講義 最新電気機器学 宮入庄太著 (丸善)   p.53~

 

落ち穂拾いに『定抵抗回路』

電気回路にこんな不思議があったとは。それが『定抵抗回路』である。検索すると多くの解説が載っている。先ずはその代表的回路を示そう。

定抵抗回路例定抵抗回路 この二つの回路が代表例として示されている。コイルとコンデンサが含まれているにも拘らず、回路素子の間にR^2^=L/Cが成り立てば、電源から見て回路の合成インピーダンスは純抵抗Rに等しい。しかも、電源周波数には無関係で成り立つ。その事は検索すると、詳しく解説されている。合成インピーダンスを計算して、素子間の条件をとれば確かに抵抗値Rとなる。それは直並列インピーダンスの計算問題としても面白い。しかし、それ以上の意味を考えた解説は余りないようだ。なおこの二つの回路は機能としては同等の等価回路の関係にある。

定抵抗回路の奥義 回路が秘めている深みは疑問に思う事から始まる。純抵抗Rに等しくなると計算出来たとする。それで満足するのですか?こんな不思議な回路の意味をただ抵抗値に等しくなる事が解った、解けたと言うだけで満足するのですか?回路にはリアクトルとキャパシタンスのエネルギーを貯蔵する回路機能素子が含まれているのですよ。合成負荷インピーダンスが純抵抗Rに成ると言うことは、リアクトルやキャパシタンスは何の意味も、機能も果たさないのでしょうか。しかも回路を一瞥すれば、抵抗も直列か並列かで二つありながら、一つと同じ値に成ると言う。電気回路技術の取り扱いの感覚からすれば、エネルギーの振る舞いを説き明かさないで満足する訳にはいかないのです。電源電圧の正弦波に対して、リアクトルのエネルギーの脈動がどのようになるかを理解しないで、この回路の面白味を落ちこぼす訳にはいかないじゃないですか。少しその辺の意味を計算してみました。『問答』のネタにしてみましょう。

回路電流と問題ヒントと問題 電気回路は回路素子の相互関係で、その回路の特性が決まります。回路インピーダンスより『時定数』Tで取り扱うのが便利です。定抵抗回路例の(1)のインピーダンスベクトルは、Zl=R(1+jωT)、Zc=R(1-j(1/ωT))等と表される。電気回路の時定数。回路(2)の場合を取上げて見ましょう。電源からの流入電流は図のように、赤い線と青い線の二つの流れから成り立ちます。それはヒントとしておきましょう。『問題』です。二つの抵抗に流れる電流は幾らになりますか。ヒントの赤い線、青い線の電流とは異なります。

解答例 解答例を示しましょう。具体的な回路要素を決めて、解析するのが良いでしょう。

解答例解答例 回路時定数T=1msの場合で計算してみました。試してみてください。図には電源電圧の波形vも付記しました。