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『瞬時電力』の物理的意味

はじめに 電気技術概念に『瞬時電力』がある。電気エネルギーが現代生活を支える基盤となっている。しかしエネルギー消費量が増加すれば、海水温度の上昇を来たし、地球温暖化による自然災害の増加と言うリスクも伴う状況を来たして居る。先日も新潟地方を襲った暴風雨によって電柱4本がなぎ倒され、突然の停電の被害が発生した。海水温度の上昇が空気中の水蒸気含有率を挙げ、寒気とのせめぎ合いによる上層部の急激な水蒸気体積収縮により低気圧を作り出す。日本の木造住宅の安全性が脅かされる事態を迎えている。竜巻と低気圧暴風雨が伝統的な生活様式の安全性を脅かす事態になっている。食糧生産のハウスも対応できない事態を来たしている。『エネルギー』の物理的意味が正しく認識されていないようで気掛かりである。3月5日西日本では雷の異常発生が観測された。雷の原因は水蒸気の熱エネルギーである。『電荷』などでは決してない。#末尾注#に雷について関連記事。初期の記事、電流は流れず (2010/12/22) にも論じた事である。水と温度の関係は『エネルギー』の何たるかを問う問題でもある。電気技術には『瞬時電力』の他新しい『瞬時虚電力』などと言う用語もある。電気技術の『瞬時電力』の意味を少し深めて置きたいと思った。

瞬時電力とは? 電気現象を論じるに『瞬時電力』と言う用語が使われる。一般にはあまり馴染みがないであろう。電気製品の消費電力も余り気にはしないだろうから。600Wとか500Wと言う数値はその電気製品の1秒間の消費エネルギーが600J(ジュール)、500J(ジュール)であることを示している。その消費したエネルギー量に対して電気料金を払っている。少し電気回路を考える技術者なら電圧と電流の実効値の積との関係で平均の消費電力量で十分理解できる事である。今更改めて、『瞬時電力』でもなかろうと思うかもしれない。しかし無効電力などとの関係を考える時になると、時間的なある瞬時の値がどんな意味を持つのかが分かっているのかと自分に問うてみた。簡単な回路で考えた。

図1.瞬時電力とは何か? 100V、50Hzの電源に10Ωの負荷抵抗。難しい理論は分からないが、基礎的なオームの法則の範囲なら深くも考えられる。電圧v(t)、電流i(t)および瞬時電力p(t)はグラフに描いてその瞬時値を認識出来る。不図気になったのは瞬時電力p(t)の座標の[kW]である。この負荷の電力は電流実効値10AであるからP=1[kW]である。この1000[W]と言う電力は1[s]間の間に負荷に供給されるエネルギーが1000[J]であると言う意味である。瞬時と言う時には時間の長さは含まれていない筈だ。ある時刻の意味である。1[μs]でも瞬時と言う時刻ではない。ワット[W]と言う単位はエネルギーの時間微分の意味である。50Hzの交流電源電圧は1[s]間に100回の回数で負荷にエネルギーを供給しているのだ。その1回分が10[ms]の間に供給される丁度10[J]である。その100回分が1[s]間の1[kJ]になる訳である。(2020/07/06) 追記。上の10[J]が10[ms] 間に伝送される訳であるから、電線路長のエネルギー分布を考えれば、1m当たりの平均で解釈すれば、 0.16[μJ/m] のエネルギー分布という事になり、それが3000kmの長さに分布して伝送されるという意味になる。実際は正弦波状の分布である。

図2.p(t)=とdwp(t)/dt 。 瞬時電力p(t)とは、ある時刻における供給エネルギー値wp(t)の時間微分値を表すものと見られよう。瞬時電力と言う供給エネルギーの電気技術概念もその表現内容を確認しようとすると、なかなか複雑である。それは電圧でも電流でもやはり時間微分の概念が含まれているのだろうから、同じく物理的には微妙な意味を含んでいるようだ。電気回路の基本認識として、『エネルギー』の供給設備であると言う事を理解して欲しい。燃料の『熱エネルギー』を発電設備で「電気エネルギー」に変換し、送配電線路を通して需要家に『エネルギー』を供給しているのである。電気エネルギーを動力に使ったり、熱源として利用したり電灯の光として利用するのである。その『エネルギー』とは何かを認識することが重要である。何処にも『質量』を必要とはしていない。質量でエネルギーを論じる必要は無いのである。確かにモーターの負荷は回転の慣性に動力を働かせるから、質量との関係で論じられる。しかし電気エネルギーには質量は含まれていないのである。電気回路の電流概念には『電荷』と『質量』を含んだ『電子』が主役を演じて論じられる。電気回路で、電源の『エネルギー』を『電子』がどのように負荷まで運ぶと考え得るのだろうか。『エネルギー』の実在性を認識する事が科学論の基本であるべきだ。瞬時電力p(t)は正弦波電源電圧で有れば、数式では電圧と電流の瞬時値から、その積として三角関数の式で表現できる。その電圧と電流の瞬時値は変圧器(Tr.)と変流器(CT)で検出し、その積をオペアンプなどで算定して瞬時電力p(t)の瞬時波形を描くことが出来る。その得られた波形の瞬時電力の単位と数値で、2[kW]のピーク値とは一体どのような意味を持っているのかと考えると、その表現する概念の内容が良く分からないのである。技術概念とは?と誠に不思議な感覚に陥るのである。完璧と思われる技術概念と理論が電気技術者としての長年の常識的世界観が故の物であったのかと、自分の認識に戸惑いさえ感じてしまうのである。

易しいことに含まれる深い意味。 電気理論は長い伝統に育まれて、完璧な電気技術論として定着している。それは、電圧と電流の技術概念で十分電気回路現象が理解できるものになっている。極めて易しいオームの法則として完成されている。しかし、その完璧と思える理論でさえも、自然世界の眞相と看做すにはどこか不自然な違和感を感じざるを得ない。そんな感覚的理論の不整合性を突き詰めて来た。物理学理論の『電荷』と『質量』そして『エネルギー』の間に横たわる膨大な絡み合いを解きほぐす作業であったのかも知れない。世界を描くはそんな思いの結論であったのかもしれない。

図3.瞬時電力p(t)とエネルギー伝送。 導線内を電子が流れ、電気エネルギーを負荷に供給すると言う解説が普通の電気回路解釈である。今でも教科書はそのように解説されている。電気技術概念の『電流』と『電圧』は誠に素敵な概念である。そんな便利な概念を創り上げてきた電気技術を称賛しなければならない。その御蔭で現在まで電気が社会生活の重要な『エネルギー』供給源として利用出来ている訳である。太陽からは電線路も無しに地球上に『エネルギー』が供給されて、地球の生命が育まれている。お日様が照れば暖かい。太陽の『エネルギー』を受け取っているのである。電線路の銅線の中を『電子』が流れて、電気エネルギーを供給している等と言う解釈では矛盾に耐えないと思うのだが皆さんは如何に考えるかと問いたい。最近は配電線路も絶縁電線を撚って配線しているので、相当配電線路静電容量も大きいかもしれない。その配電線路単位長さ当たりの静電容量をC[F/m]として、電圧分のエネルギー分布量wv(t)[J/m]を表現してみた。電線路には電圧が印加されただけで、線路空間に電気エネルギーが溜まると解釈する。そのエネルギー量を評価する電気技術概念が『電圧』である。電気の眞相(1)-電気エネルギーとは何か― (2014/10/13) に関連している事でもあろう。過去に電気の眞相(2)および(3)で―電圧とは何か―、-電圧と負荷―(2015年)を論じた#末尾注#。電線路電圧の2乗に比例してエネルギー量が溜まる。どのような空間分布になるかは分からない。絶縁材料部でエネルギー密度は高くなるだろう。深い意味でのエネルギー流について。図3で、ポインティングベクトルS(r,t) を使って線路空間のエネルギー流の解釈を描いた。しかしそれも考えてみれば、時間的には瞬時の表現には成っていない。電力の単位ワット[W=J/s]は時間的な瞬時と言う意味での物理概念を表現しては居ないのである。今までの考察では、線路電圧がその線路空間のエネルギー貯蔵量を評価する技術概念であると言う結論に達した。しかしそのエネルギー貯蔵量に対して、負荷に供給される伝送エネルギー量がその内のどの程度の比率であると考えれば良いかまでは示されていない。その負荷供給のエネルギー量を評価する技術概念が『電流』瞬時値i(t)になる筈である。i(t) とp(t) およびwv(t)の間の関係で捉える必要があろう。その辺の関係は次の記事、瞬時電流の物理的意味で別に述べたい。(2018/11/25)追記。瞬時電流や瞬時電力と言う物理的意味が今まで筆者の理解し切れないでいた事さえ改めて考え込んでしまう。その意味を、技術概念『電流』とその測定および瞬時電磁界と概念に纏めることが出来たかと思う。導体中を流れる電子と言う解釈が虚構の科学概念であったと言わなければならない事態をとても残念な結果と思う。物理学の根幹から立て直さなければならないから。

光の正体が電気現象の基礎事項。 電気現象は線路空間のエネルギーの挙動として理解する必要があろう。電子が『エネルギー』を背負って負荷まで運ぶ理屈は成り立たない筈だ。どうしても物理的な自然現象として捉えるには、光のエネルギー伝送の意味を基礎に考えなければならない。電子では、エネルギーの光速度伝送を説明できなかろう。『電荷』概念では物理現象としての電気回路解説は無理である。『現代物理学理論』の高度な数学理論での解釈は何も理解できないが、身近な電気回路の『オームの法則』の自然現象としての物理的意味を掘り下げて解釈することの大切さは理解できる。目指すは市民が理解できる科学論であるかも知れない。

#末尾注#

雷の正体 (2012/11/13) ドアノブの火花-熱電変換- (2014/02/09) 雷は熱爆発 (2014/05/03)

電気の眞相(2)-電圧とは何か― 電気の眞相(3)-電圧と負荷―

電気回路要素『抵抗』の物理的意味

(2020/06/23)追記。

電気回路要素の『エネルギー』処理機能 (2020/04/12) として示した。

電気技術と電気物理 電気磁気学は電気物理と言うより電気技術理論である。電気回路における技術概念『抵抗』の物理的意味はどのようなものか。抵抗の単位は[Ω]である。電気工学、電気磁気学では回路の電圧が電流に比例するその比例定数と言う意味である。いわゆるオームの法則における回路要素の定数を表す。電気技術論とは異なる電気物理理論とはどのようなものと解釈すれば良いかの具体的例題として、抵抗R[Ω]を取上げて考えてみる。電気磁気学と言えば、その基本概念に電界と磁界がある。電界とは空間の単位長さ当たりの電圧の強さで、磁界と言えばやはり空間の単位長さ当たりの電流の強度で定義した技術量である(この磁界Hの単位[A/m]と電流ベクトルの方向を考えれば、磁界は電流に直交しているから、論理性が怪しい?)。電圧とか電流と言う概念は電気技術論の最初に定義した科学技術量の代表的概念である。電圧とは何か?電流とは何か?と自問してみた時明確に答えられるでしょうか。おそらく科学技術論としては電気工学の常用概念では理解できているであろうが、それ以上の意味を認識しているかと余り考えはしないことであろう。そこからが電気物理になる。そこでは『電荷』も「素粒子」も望まない自然世界の話になる。いわゆる物理学の眞髄であろう。それは単純であり、ただ空間に『エネルギー』が実在するだけである。従って電界も磁界もその『エネルギー』の観方でしかない。

空間のエネルギー 空間にエネルギーが存在する時、その空間は電気導体も有れば、磁性体もある。その空間に存在する『エネルギー』にとっては真空自由空間とは言えない様々な制限の条件を受ける電線路空間で、そのエネルギーの果たす機能をどのように解釈するかが大切であろう。単に空間誘電率や透磁率と捉え切れない条件があるように思う。

図1.回路抵抗と空間エネルギー 電気技術論での電気回路がある。交流電源電圧 v(t) に3つの抵抗が繋がれている。回路論では電圧、電流で全て解釈できる。それ以上の事は要求しない。しかし、電気物理と言うものの理屈を究めようとすれば、技術的な簡便法では無理である。光のエネルギーが導線の無い自由空間を伝播するように、電気エネルギーも電線路に制限された局部空間を伝送されるのである。図の電線路空間内のp点の微小空間のエネルギー密度δ(r,t) [J/㎥]は座標rと時間tの関数である。しかも座標点がp'(導線近傍)等のようにその近傍空間の条件で異なる空間特性に支配されると類推できる。空間点の空間特性ε、μが一様ではない筈だ。さて、抵抗のエネルギー消費電力はオームの法則から簡単に算定できる。そこには電流や電子あるいは電荷の技術概念の助けを借りて可能になるという前提がある。電気エネルギーと言うエネルギーそのものの実在を認識するかしないかに因って、解釈の手法が異なって来るのである。電気磁気学や物理学理論では『エネルギー』の空間に実在する意味を認識していないのである。そこで電子(これもエネルギーと理解すれば良い筈だ)や電荷と言う概念を創り上げて、その概念に因って技術論を構築した来たのである。電気エネルギーの光速度伝播現象を電荷で解釈しようとしてもそれは無理であるが、その曖昧さは解決できない謎のまま見過ごさざるを得ない現状に在る筈だ。電気物理としてはやはり電線路空間内を電気エネルギーが光速度で伝送される現象として捉えなければ、論理的明快さは得られない。空間のエネルギーがどのように抵抗体の中で『エネルギー変換』されるかを明らかにすべきと考える。そこで『抵抗』の物理的回路要素の意味を考えなければならない。抵抗の単位[Ω]もエネルギー変換機能として見れば、[(H/F)^1/2^]と看做されよう。抵抗で消費されると言っても『エネルギー保存則』が成り立っているのである。電気エネルギーを使っても空間の熱エネルギーや光エネルギーとして放射されているのである。エネルギーは失われずに、新たな輪廻転生の基として保存されている。

抵抗はエネルギーの吸収・変換機能体 電気技術・電気工学から見ればエネルギーの消費要素として抵抗を捉える。抵抗を電気エネルギーの熱・光エネルギーへの変換機能要素と観るのは電気物理となろう。その時電気エネルギーが直接抵抗体に空間から流れ込むのである。その抵抗体中に侵入するエネルギーの様態をどう捉えるかに掛ってこよう。明確に捉え切ったとは言えないが、現時点での解釈を述べたい。一つの技術論との繋がりで電界、磁界と言う概念との関係でポインティングベクトルS(t)[J/s㎡]のエネルギー流をその基に据えて考えてみる。その前に、電気工学における抵抗の意味をまとめておく。

抵抗とエネルギー感覚(電気工学) 電気回路には抵抗が様々な意味で使われる。電子回路やオペアンプなどに使われる時は、抵抗に要求される機能は電圧分担、電流制限などでエネルギー処理の意味は殆ど無い。ただ発熱の熱処理の意味で意識される。電気工学でも電力部門では電力処理、エネルギー処理の問題意識で対処される場合が多かろう。どちらもオームの法則で十分理解できる。電流と電圧によって回路動作の理解に問題は感じない。図2.回路抵抗と電力 簡単な回路例で、抵抗と電力の関係を考えておきたい。電気工学でオームの法則だけで感覚的に電力と抵抗の関係が納得できる。

① 合成抵抗値はR=R1+R2+R3で、電流値i(t)=v(t)/R。各抵抗の電力はその抵抗値に比例する。電力は負荷抵抗に比例して配分される。

② 負荷端に負荷抵抗R4を追加した。抵抗値が小さいR4が電力は大きい。R2とR4の負荷抵抗で比較すれば、今度は抵抗値に反比例して電力が大きくなる。一般に電力配線で負荷電力で考えると、抵抗値が小さい程消費電力が大きいと感覚的に捉える。

③ 抵抗R1とR3の代わりに電流計が繋がれているとする。電流計は交流回路で実効値を測定しようとすれば、可動鉄片型電流計になる。しかし簡便測定では直流用の可動コイル型計器に整流回路を使った整流器型も使われる。波形が正弦波でないと正確な実効値は測定できない。電流計の内部回路はほぼ抵抗体である。抵抗値の小さなシャント抵抗が指針可動用のコイルと並列に入っていて、回路電流の殆どがそのシャント抵抗を流れる。だから電流計の内部は抵抗電圧降下r i(t)の電圧値を計っていると見做せる。その電圧の分流電流分のコイル電磁力を指針回転力に利用して、電流表示目盛を読んでいるのである。電流と言う電気技術概念はとても有効な電流計と言う測定方法を獲得したから、極めて有力な電気概念『電流』が電気技術の要として意味を成していると考える。

電気工学では、電圧、電流そして抵抗でオームの法則によって回路解析は可能である。その技術概念と測定技術が電気技術を完璧な実用性で完成させているのだ。その完全性が『電流』や『電荷』の実在性を疑う余地を奪っている。 『静電界は磁界を伴う』と言う1987年(昭和62年4月)の電気学会全国大会(仙台市、東北大学)での発表は今日までの電気エネルギー論の原点であった。それは現在の電気磁気学の根源的基礎概念に疑義を提起したものであった。30年前のその基本的論点は今考えても科学界では受け入れ難い内容であることは良く分かる。マックスウエルの電磁場方程式の電界と磁界概念を『エネルギー』から見れば矛盾がある概念だと唱えた訳だから。しかしその極端な意味が『電荷』否定の象徴的な表現になっていた訳である。その時の主張したかった事が、当時曖昧で有っても今は確たる認識になって、間違っていなかったとホッとしている。電気磁気学に対する解釈への責任は果たし切ったと。しかしその当時の社会的存在の意味『以下余白』の不覚も定かに自分が知り得ないままである。

抵抗体の空間概念(電気物理) 抵抗体は回路内で発熱体である。その抵抗体から放射される熱エネルギーは『エネルギー』そのものである。他に解釈する必要の無い『エネルギー』そのものである。この『エネルギー』と抵抗体の関係を考えるに適切な題材が白熱電球である。白熱電球(100V 40W)の抵抗値 一般の回路抵抗は10kΩとかで、抵抗値は変化しないように見える。しかし同じ抵抗体でも、電球フィラメントはフィラメント温度で抵抗値が変化する。テスターで計ると20Ω程度である。定常点灯時は250Ω程の筈である。この図は『オームの法則』-物理学解剖論ーで取上げたものである。電球点灯時から定常時まで何故抵抗値が変化するか。電気エネルギーが抵抗体内の内部空間に貯蔵され、抵抗体空間内の熱エネルギーとしてそこに留まっているからである。抵抗体空間のエネルギー量で抵抗体内への入射エネルギー量が制限された結果として、抵抗値の増加と言う意味になっているのである。抵抗体内のエネルギー貯蔵量で、抵抗体内部空間の空間定数が変化するからと解釈する事も出来よう。抵抗体構造が変化するからとも観られるからかも知れない。その技術的評価概念を抵抗体内部の誘電率と透磁率と看做しても良かろう。昔は電子回路にカーボン被膜抵抗などで陶磁器表面に薄い炭素皮膜を巻きつけたものを使っていた事を思い出した。熱放散と抵抗値の変化抑制策の結果の抵抗体であったかと今思う。

図3.エネルギー流と空間特性(電気物理) 図1の回路で、座標r点の空間定数を透磁率μ(r)、誘電率ε(r)と解釈する。透磁率、誘電率も磁界、電界と同じく科学技術概念として仮定したものである。実在するものはエネルギー密度δ(r,t)の座標点rと時間tによって決まるエネルギーでしかないのだが。電界と磁界が電気磁気学・電気工学の論理展開の要の概念であるから、それを無視したら電磁界理論が成り立たなくなる。しかし、本当の事を言えば、電界と磁界概念さえ矛盾した事を含んでいる。それはパラボラアンテナ表面に放物面中心軸に対称な電界と磁界を表現できない事から分かる筈だ。衛星放送は電界と磁界ベクトルでの電波表現が出来ない意味を考えて欲しい。衛星放送の電磁波方程式を解剖するをご参照いただきたい。お願いしたい。電磁気学の授業担当者は、パラボラアンテナ表面での電磁界ベクトルを描けるかご確認いただきたい。その表面の反射信号が受信アンテナの入射信号となるのでる。エネルギーの縦波信号以外は論理的には表現できない筈である。少し筋道を離れたが、電磁界とエネルギーの関係および空間定数の意味との関係を確認して頂きたくて触させて頂いた。以上の話を踏まえた上で、電界・磁界のベクトル積で表現されるポインティングベクトルS(r,t)で電線路空間内を伝播し、伝送される空間エネルギーの意味を表現したのが図3.である。空間定数も導体表面と電線路中心部では異なるだろう。従ってエネルギー伝送速度も座標位置によって異なると観た。負荷へのエネルギー伝送空間分布模様も一様ではないと結論付けた。その上で、抵抗体へのエネルギー入射がどのようであるかは簡単には判断できない。ただ、抵抗体への入射エネルギーベクトルSi(t) と熱・光放射エネルギーベクトルSo(t) との間には定常状態では常に等しい筈である。その意味が白熱電球のエネルギー変換機能として理解の助けの具体例になろう。何も難しい量子力学など要らない事を分かって欲しい。

電気抵抗のエネルギー論

「電気抵抗のエネルギー論」などと言うと大げさな事と顰蹙(ヒンシュク)を買いそうだ。しかし、電気物理は『電荷』がその論理全体の根本を支えている訳だから、その『電荷』概念を否定する意味を解説するには、単純な電気抵抗の意味とそのエネルギーに関する現象をひも解くのが分かり易かろうと考えての標題である。電気抵抗と言っても、その回路要素としての機能は深い意味を兼ね備えている事を理解する必要があると思う。一般に抵抗が示すエネルギーに関する現象を理解しようとすれば、抵抗以外の電気導体から成るコイルや電気絶縁体から成るコンデンサ等のエネルギーに関わる現象を合わせて考えることで、より深く抵抗の機能が理解できるだろうと考える。

単純な電気回路の例。

①コイルと抵抗 ②コンデンサと抵抗 ③導体と絶縁体と抵抗体の混成回路 の三つの回路でエネルギーと電圧の関係を考えてみよう。

①コイルと抵抗回路。 コイルが示す電気現象はそのエネルギーと電圧の関係で不思議だ。導線は電気導体である。その導体をコイル状に巻くとそのコイルの内側の空間にエネルギーが貯蔵される。導体の中にエネルギーが蓄えられる訳ではない。あくまでも導線のコイル状に巻いた巻線で囲まれた空間にエネルギーが蓄えられるのである。その電気回路でエネルギーが変動しない、定常状態ではコイルにはエネルギーが蓄えられているにも拘らず、全く回路的には電圧には無関係の独立したエネルギー貯蔵器になっている。

②コンデンサと抵抗回路。 この場合は、抵抗には全く電圧が掛らない。すべて絶縁体のコンデンサに電源電圧が印加される。丁度回路を開くスイッチと同じ意味をコンデンサが担っているのだ。

③立体模型での導体、抵抗体と絶縁体回路。 ②と同じくコンデンサで電源電圧が保持される。抵抗体はエネルギー、電圧には何の機能も持たない。導線全体には定常状態に達するまでの過渡現象でのエネルギー(電圧時間積分)の導線周辺周りのエネルギー貯蔵が微かになされていよう。しかしそれは電圧には無関係であるのは、①の場合に同じである。

①コイルと抵抗回路のエネルギーと電圧。

抵抗体周りのエネルギーと電圧の関係を示す。『電流』が流れる訳ではない。電源が供給する『エネルギー』が電気回路全体の空間を通して、その電線路電圧の保持に対応するために光速度で充填される。そのエネルギー密度δ[J/m^3^]で光速度に近い速度のエネルギー流が抵抗体表面から侵入する。エネルギーの流れが光速度に近いということが重要な意味を持っている。如何にエネルギー密度が小さくても僅かな時間でさえ、その間に流れるエネルギー量は途轍もなく大きな量になり得る訳だ。そのエネルギー流がポインティングベクトルSi[J/m^2^s]である。抵抗体はエネルギーをその内部空間に取り込み、定常状態では、入射エネルギーと平衡してその同じエネルギーを熱・光エネルギーとして放射している。抵抗体は内部空間構造がエネルギー貯蔵、変換そして放射するエネルギー変換器の機能要素と考えるのが分かり易かろう。さらに電源電圧を抵抗体が担う訳であるが、それは抵抗体の表面の空間エネルギー密度δの電気技術評価概念の『電界』√(δ/ε)[(J/F)^1/2^]=[V/m]に基づいた意味だと解釈すれば良い。エネルギーで観る線路電圧 にその意味を記した。電気抵抗Rの意味は『オームの法則』で電流との関係で理解することで十分であり、便利である。しかし、例えば大学で電気物理として抵抗を意識する場合には、それだけでは電気現象を理解したことには成らないと思う。エネルギーを運動エネルギーと位置エネルギーで解釈しようとする物理学的論理には、そこに潜む矛盾を取り除けないだろうと思うからである。自然は如何に基本が単純であり、それ故に現象の複雑な姿に戸惑うかを考えるのにこの抵抗体のエネルギーの意味は示唆を与えるだろうと考える。ただその空間のエネルギー分布を数式で表現しようとしてもなかなか困難である。数学が自然を完全に表現することには成らないから。数学や式は一つの理解の方便と心得るべきであろう。さて、この抵抗体のエネルギー機能を考えるに、コイルの貯蔵エネルギーについてもその意味を考え併せることで役立つだろう。コイルの巻線内部空間に貯蔵されるエネルギーはどのようなものと考えるか。決して空間のエネルギーは静止した状態ではないだろう。コイルの磁気はそのコイルの軸方向には磁界が生じている。図の方向に磁極のNが現れる。磁極、磁気とは何かを磁界・磁気概念の本質 に述べた。磁極N極の方向に対して、その軸性ベクトルに左ねじの向きにエネルギーが回転する方向性で解釈すると考えた。その方向性が電磁気現象の全体像を捉えるに極めて重要である。その方向への確信を得るに長い年月を要した。コイルのエネルギー貯蔵の形態と次に考えるコンデンサのエネルギー貯蔵の形態は、同じエネルギーを貯蔵する意味でありながら、状況が異なる訳も考える必要があろう。回路からの切り離しによるエネルギー貯蔵の可能性で異なる意味を持つ。

②コンデンサと抵抗回路。 コンデンサもコイルと同じくエネルギーを貯蔵する。しかしこの場合は抵抗は電圧を担わず、すべてコンデンサが受け持つ。コンデンサのエネルギー保存機能は電極版間の誘電体・絶縁物によってその特性が決まる。絶縁物が空気では殆どエネルギー貯蔵の意味で、その機能を考える程の特性を意識できない。直流の電気回路としては電源電圧を負荷から遮断するスイッチの機能素子に見える。

エネルギー貯蔵と等価回路。 コンデンサは絶縁体内にエネルギーを貯蔵し、回路から負荷抵抗を切り離す役割に見える。①のコイルの場合も併せて考えれば、コイルにエネルギーを貯蔵し、そのコイルを回路から切り離すように、コイル端子をスイッチオンした回路に等価と見える。コイル内で損失が無ければ、空間にエネルギーを放射しなければ、図のような等価回路と看做せる。この回路ではコイル電流を仮定したとしても、電源とは無関係のものとなる。

電源からの切り離し。 エネルギー貯蔵器にエネルギーを貯蔵したまま、回路から切り離すことを考えてみよう。②のコンデンサの場合は既に回路が遮断された状態だからコンデンサを回路から切り離すことは問題なく可能だ。切り離したコンデンサには、エネルギーが貯蔵されたままであると考えて良かろう。特に電解コンデンサではその意味が顕著である。①のコイルの場合はどうだろうか。この場合もコイル端子をスイッチで短絡しても電圧が掛って居ないのだから基本的には問題ない。その状態であれば、既にコイル端子はスイッチで閉じられているから、電源回路からは切り離された独立の状態にある。従って、もう一つのスイッチで、抵抗を電源に直接つないでも回路としては変化が無いから、ネルギー貯蔵したコイルを切り離せる筈である。しかし、②のコンデンサと異なり、実際にコイルのエネルギーを長く貯蔵したままに置くことは難しかろう。エネルギーが空間を通して放射され易いからと考える。それをコイル内の抵抗損失がある故と看做すのが普通である。磁気材料の鉄心を利用すれば、鉄心の永久磁石としてエネルギー貯蔵が保持される事もまた事実である。様々な電磁気現象は、その基本に『エネルギー』と言う空間に実在する物理量が関わっていることを理解すべきである。

周期律表と抵抗率で、上の抵抗体でのエネルギー変換現象を考える上での根拠に元素構造と抵抗率の関係を取上げた。外殻電子の周回運動としての元素構造論ではなかなかエネルギーの変換現象を理解し難いとの思いから、抵抗体の内部空間構造を考えてみたい。抵抗の次元が[Ω]=[(H/F)^1/2^]である認識からの空間構造が大切であろう。それは光の色調を決める color cell の構造にも通じるものである。