タグ別アーカイブ: ピタゴラスの定理

電気現象と三角関数

電気現象、特に交流回路の電気回路解析には三角関数の数学的処理が欠かせない。波の正弦波の周期性を、時間変数に対する計算手法で算定できる意味は数学の貢献で特筆すべき事と思う。有り触れたなじみ深い三角関数はその関数の概念も分かり易さで優れている。しかし、電気現象への応用数学として使いなれているにも拘らず、本当に理解しているのかと自問自答してみた。三角関数一つを取上げてみても、そこには十分捉え切っていない部分があることに気付かされた。
指導と要領 どこかのお偉い方が決める「何々要領」じゃないが、指導者が何事にも疑問を持っていつも向き合っていないと大切な噛み砕いて理解する『深く易しい意味』を教えずに過ごしているように思った。それが指導の要領であろうと。教育関係機関から不要とされて、彷徨う者が言うのも可笑しな錯覚か。今頃になって、解らずにこの何年かを過ごして、今不図気付いたことがある。回路要素によって決まる『時定数』の時間概念について。その認識不足を取り上げたい。

電気回路と数式 電気回路解析に三角関数は必須である。その辺の基礎から考えてみた。

インピーダンスと三角関数が交流回路の解析に必要な基礎知識である。電源電圧が決まれば、回路動作はその回路要素の値によって全てが決まる。その三角関数による表現手法が基礎知識として求められる。

インピーダンスの計算問答 交流回路のインピーダンスは各回路要素の特性から複素関数的な取扱いをするので、『虚数』概念を用いるようだ。虚数は記号 j かあるいはi を使う。ここでは電気記号で使う記号 j とする。

ピタゴラスと虚数の関係

上のインピーダンス表記法の虚数問題の解決法は虚数を使わない三次元空間ベクトル問題(時間を入れて4次元)として別の記事で改めて示すつもりだ。

三角関数とその意味 自分の理解している三角関数の意味を確認した。

電流と位相 電流の三角関数式の意味をまとめた。

電流と位相 電圧に対する電流波形の位相差φが回路要素によって決まる。

インピーダンスと時定数 交流回路解析では、時定数を用いたインピーダンス表現はしていないのかもしれない。しかし電気回路の要素によってその回路に特有の『時定数』があると考えた。インピーダンスはその時定数とエネルギー消費負荷要素の抵抗値とで回路の現象が決まる筈だ。

インピーダンスと時定数 R-L-Cの直列回路でそのインピーダンスは複雑な表式になる。インダクタンスもキャパシタンスもどちらもエネルギーの貯蔵要素である。その合成値は一つのリアクタンスと看做せよう。LとCのエネルギーの貯蔵機能は電源電圧周期波形に対して位相が90度ずれて、エネルギーの貯蔵と放出が反転している。エネルギーに対する機能として見た場合、差し引きの差分で回路外部には見える。だからリアクトルとキャパシタンスはその外部から見れば、エネルギーの差分の機能しかないと見做せる。だから合成リアクタンスと看做して良い筈だ。従って、エネルギーの消費要素抵抗値と周期的吸収放出の機能要素リアクタンス分との比率で回路要素全体の特性が評価可能となる。それが『時定数』の(4)式の表式である。ここで、『エネルギー』とは何かを物理現象として認識していることが基本的に必要である。

エネルギーと質量の関係 電気回路を解析する技術感覚から『エネルギー』の意味を捉えている。それは電気工学的分野からの狭い捉え方と言えるだろうか。ここに書く内容はとても気掛かりな意味を持つものである。それは現代科学理論として物理学理論の根幹を否定するような内容かも知れず、とても気の重いものである。出来たら書きたくないのだ。気体分子運動論も質量が世界の根幹を成しその運動エネルギーが温度のエネルギーの原因となっているとの解釈であると思う。物理学の『エネルギー』を論じる場合に、質量の無い『エネルギー』をどのように認識しているかが理解できないのである。しかし『エネルギー』概念をどのように捉えるかが長年科学技術と物理学理論の間の繋がりを考えて来た結果の主要な自分の論点でもあれば、やはり述べない訳にはゆかないので、ご勘弁の程。即ち科学技術と自然科学論の間に横たわる解決すべき問題に『エネルギー』概念があると思う。自然科学論は自然現象の根本原理を解き明かす本質的で、科学技術より高尚な学問と看做されて来たように思う。それが物理学理論と看做されていよう。科学技術と科学理論の間に横たわる未解決の命題だ。その本源は「質量」が何から構成されているかを問う問題でもある。それが素粒子論の主題となる論題でもあろう。E= m c^2^ [J] と質量m[kg] の間の根本命題である。私のつたない物理学的非専門的視点からの結論であるが。質量mが『エネルギー』から構成されているから、光速度 c [m/s] の光エネルギーに変換されるのだ。その光のエネルギーに質量が無い訳は質量の元の構成エネルギーが解放されて光のエネルギーになったからである。だから『質量』と『エネルギー』は等価で変換関係が成り立つのだ。光になった分の質量は当然姿が消える訳である。その事を『質量欠損』と言う言葉で巧く表現していると理解していたが、原子核崩壊現象の解釈を見るとどうもそうではないようにも思えて専門的解釈を理解しかねている。昭和62年に発表した『静電界は磁界を伴う』の根本命題が自然界の全ての概念は『エネルギー』に統一されると言う意味であった。電気工学技術からの『エネルギー』感覚がそう言わせて来たように思う。電気技術から電気回路の『エネルギー』がどのような意味を持っているかの、とても単純で、難しい理論も必要としない基本の問題を三角関数の計算問題として取り扱いながら考えて来ただけである。その電気回路内の『エネルギー』には決して「質量」を必要としないと言う結論の感覚がある。結局、質量を必要としない『エネルギー』を物理学理論で認識しているかの問題と考える。コイルに蓄えられる『エネルギー』とはコイルのどこに実在する『エネルギー』と解釈するか。コンデンサに蓄えられる『エネルギー』はどこに実在する『エネルギー』と解釈するか。その『エネルギー』はコイルとコンデンサのどちらに貯蔵されようと全く違いの無い同じ『エネルギー』である。その『エネルギー』の意味が理解されているかの問題であると考える。電流がエネルギーでもなければ、コイル電圧がエネルギーでもない。コイル電圧とコイル電流を掛けてもコイルに貯蔵された『エネルギー』は見えないのである。(4)式からLとCのどちらが優勢な機能を示すかはその合成値が『正』になるか『負』になるかで決まる。インピーダンス値は2乗するから区別は出来ないが、電圧に対する電流位相φの正負として現れる。それが次の時定数と力率角の三角関数の正弦波波形の位相関係になる。ここの『エネルギー』と『質量』の関係論は特別高度な理論を必要としない単なる三角関数式から考える電気回路内の『エネルギー』の話である。別の見方を示せば、コイル内に光エネルギー(電気エネルギー)が蓄えられ、コンデンサ内に同じく光エネルギー(電気エネルギー)が蓄えられると言う意味で解釈するのみでしかない。物理学理論を理解しているかと問われれば、高等学校の教科書の内容程度しか分からない、その分野の全くの素人の科学技術的感覚からの論でしかありません。

 

時定数と力率角

時定数と力率角 時定数の次元は時間の秒となる。しかし正弦波の波形上に取ると時間とは異なる不可解があった。その意味が判明したので上の図に示した。回路時定数から観る電気現象の記事を書く途中でこの記事が先になった。

(2017/07/14)追記 この記事に関連ある三角関数と回路要素の『エネルギー』について書いた。参考に電気回路要素のエネルギー(数式と意味)がある。

ピタゴラスの定理とオイラーの公式そして電気ベクトル

ピタゴラスの定理は中学の算数の内容らしい。直角三角形の三辺の長さの間の関係の定理である。現実世界の寸法に照らし合わせて理解できる日常生活と結び付く、簡便で有用な定理だ。それに比して、オイラーの公式は複素平面と言う現実の世界には存在しない、見る事の出来ない数学特有の公式である。『虚数』は実在しない世界の概念である。電気工学でも、多く虚数は使われている。ウイキペディアにオイラーの公式が図形で説明されている。

%e3%83%94%e3%82%bf%e3%82%b4%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%81%a8%e3%82%aa%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%83%bcピタゴラスとオイラーの式の比較 オイラーの公式の図はWikipediaの図形を参考にした。ただ、sin φに虚数記号 i (赤色文字で)を書き加えた。ピタゴラスの定理の各辺はすべて実数で、現実世界の数量を対象にした数式である。同じ直角三角形でも、オイラーの場合は一辺が虚数である。直交座標軸の縦軸が実数でなく虚数である。虚数はこの実世界に存在するものでなく、あくまでも非現実世界の表現量である。私は非現実的な数が現実の世界認識に有用な数であるとは理解できないのである。具象平面のピタゴラスの定理に対照してみたい。

z=e^iφ^ ,  x=cos φ ,  y=i sin φ

として、z,xおよびyの間にピタゴラスの定理を適用してみると、『虚数の2乗は-1』の大原則から、

|e^iφ^|=√(x^2^+y^2^)=√(cos^2^φ-sin^2^φ)

となる筈だが、虚数の原則は無視する不思議な数学的論理即ち、

y^2^=+sin^2^ φ と決してマイナスに成らない論理

が理解できないのだ。具象平面の現実世界にオイラーの公式の複素平面の数を対照すると、直角三角形の斜辺は他の二辺より大きいと言う実在世界認識に反する結果をもたらす。だからその時は虚数の原則は無視する論理に成るのかと思う。

『オイラーの公式の現実世界表現への価値はどこに在るのか?(命題)』と高等数学論理に弱い頭で考えてしまう。

さて、上の命題はそのままとして、実際に虚数記号(iあるいはj)は電気工学で多用される。折角であるから、平面2軸座標における電気工学の虚数利用上の特徴を考えてみよう。

%e8%99%9a%e6%95%b0%e3%81%a8%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab虚数とベクトル 電気工学では虚数記号に j を使う。負荷インピーダンスベクトルZ=R+jωL と複素数表現をする。実軸の実数に抵抗Rとその垂直ベクトルを虚数で捉えてjωLと表現する。インピーダンスZと抵抗RおよびリアクタンスX=jωLの間に、直角三角形の図形評価で捉える。この回路では、R=ωLの場合として考えている。この場合の電圧を時間軸に展開して示せば、e 、e_rおよび e_lのように三つの正弦波形となり、その電圧ベクトルも虚数記号jに因って、インピーダンスベクトルと全く同一の直角三角形でベクトル図が描かれる。これらの直角三角形はその三辺の大きさは、ピタゴラスの定理の関係で捉えることに決まっている。だから虚数記号jによる複素平面解釈の電気工学理論が何故[j^2^=-1 の原則]が成り立たないのに伝統として確立しているのか。何故虚数jでなければならないのか。虚数の原則に気付くと、誤って合成インピーダンスZ=√(R^2^-(ωL)^2^)で有ったかな?と考えてしまう。

具象と抽象 とかく科学技術理論はその世界(専門家)特有の概念によって共通理解の常識の世界認識で解釈している。上の例の正弦波波形表現も時間軸で展開して理解し易いように表現したものであろう。しかし実際にその状態は見ることは出来ない抽象化の表現であろう。オッシロスコープによる波形観測は掃引輝点の軌跡の残像(蛍光)に依るからだ。

%e5%85%b7%e8%b1%a1%e3%81%a8%e6%8a%bd%e8%b1%a1具象と抽象 電圧もその瞬時値の連続として脳で認識する訳である。時間軸に展開した表現法は理解し易くしているだろう。しかしそれも一つの抽象化表現法と看做せよう。その抽象化の解釈法に虚数表現が取上げられよう。特別に虚数表現にしなければならない理由があるのだろうか。直交座標の取上げ方で合理的な方法があるのじゃなかろうか。

回転ベクトルと単位ベクトル 実数軸と虚数軸での複素平面表現法に対して、実数の現実世界の数の概念の範囲で、電気工学に使われる便利な直交座標を考えてみよう。なお、この単位ベクトルについては空間ベクトル解析と単位ベクトルで述べている。

%e5%9b%9e%e8%bb%a2%e3%83%99%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ab回転ベクトル 単相交流回路で、電源電圧が正弦波とする。一つのやはり抽象化表現法ではあるが、電源電圧が時間的にどのような状態に在ると考えるかの具体例を考えた。互いに直交した二つの『単位ベクトル』naおよびnb を平面に設定する。

スカラー積は (nanb)=0 、ベクトル積は[na×nb]=nc   と平面に直交した単位ベクトルnc に成る。

上のように大きさ1の方向だけを決める単位ベクトルを設定することにより、平面上を回転する電圧ベクトルを表現することが出来る。電圧の平面上のベクトルe

e=Em(na sin ωt –nb cos ωt)

によって時間 t の経過に従って、電圧ベクトルの先端の軌跡が円を描く。オッシロスコープのリサジュー図形観測で得られるだろう。

電流ベクトル軌跡 図の電流ベクトル軌跡は負荷変動があれば、その軌跡は複雑に変動軌跡を描くことになろう。一般には負荷変動が電圧波形の変動を生むから、電圧も円軌跡から外れるだろう。

電源電圧eを積分して- Em cos ωt をオッシロの縦軸入力(y)、電源電圧 e を横軸入力(x) とすれば円軌跡のリサジュー図形になろう。

奇妙な積分への疑問 積分回路を通した信号は『時間t』での積分か、『角度ωt』での積分に成るのか?

この電圧円軌跡は後で、pq理論の瞬時虚電力での座標展開への予備的な意味を込めた。

電気工学理論の虚数概念に対する結論 自然科学理論には様々な部門で虚数が使われているのだろう。電気工学理論では虚数記号に「j」が使われる。直角三角形の一辺を虚数で解釈する長い伝統によって電気工学理論は馴染み易い解析理論として定着している。上で論じたように、虚数は2乗によるマイナスの実数に変換される虚数論の原則との整合性で矛盾しているからと言うだけで、j記号の使用は悪いと言い切るのは浅はかであろう。直交したベクトル評価概念が電気工学理論として優れている事には間違いがない。ただ、実数軸と虚数軸で捉える表現法は虚数と言う実在物理量とは言い難い数であると言う点から、その二つの軸の物理量を共に実数とすれば合理的な論理展開で、伝統理論がそのまま生かせる。空間ベクトルの3次元座標の単位ベクトルをi 、 j およびk とするように設定すれば、何も虚数を必要とはしない。従って結論としては、[j]を単なる単位ベクトルと解釈すれば良い筈だ。