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電気回路要素の     『エネルギー』処理機能

電気回路は芸術だ。
電気回路要素は『エネルギー』の演技舞台。
直流回路は電源とコイルとコンデンサと抵抗の組み合わせだ。電源は『電子』など貯めていない。それは『エネルギー』を供給するための『エネルギー』の貯蔵ダムだ。『エネルギー』を緑色で示した。電池の負(?)側の銅線に沿って『エネルギー』はその近傍空間を流れ出る。定常状態では、『エネルギー』は抵抗体にだけ流れ込む。コンデンサもコイルも『エネルギー』を貯蔵して、電源との『エネルギー』のやり取りはない。回路要素の機能を纏めてみた。

コイル。
コイルLは『エネルギー』の忍者宿。コイルは既に電源回路とは切り離されたような状態にある。だからその端子電圧は零である。コイル内に貯蔵された『エネルギー』は回路側からは見えない。端子電圧がゼロという意味は回路から切り離された『エネルギー』の隠れ蓑の貯蔵宿だから。あたかも忍者によって『エネルギー』が隠されたようだ。

コンデンサ。
コンデンサはその電線間の電圧分だけの『エネルギー』を貯蔵している。電線路空間もコンデンサもその『エネルギー』分布を支配する空間構造定数回路と見做せる。だからコンデンサ機能の静電容量が電源『エネルギー』分布を導く道標役の道祖神だ。

抵抗。 
抵抗は『エネルギー』の空間手品師。抵抗は『エネルギー』の処理には高度の技能を発揮して、まるで手品師のようだ。図1.抵抗は『エネルギー』変換要素。抵抗は『エネルギー』の空間構造による処理の手品師だ。抵抗は図の右上に示した単位・次元の関係 [(H/F)^1/2^] で捉えられる。抵抗は結局その内部空間構造がコイルとコンデンサの組み合わせと見做せる。回路要素の中で、この抵抗の物理的機能が最も手ごわいものであった。抵抗は単純で、単に『エネルギー』の消耗体と見做される。電源から供給される『エネルギー』はこの抵抗体の中で回路から消えてしまうから。しかし、本当は『エネルギー』が消耗される訳ではなかろう。実際は図のように、抵抗体の中で『エネルギー』が変換されて、電源の中で観えなかった『エネルギー』が熱や光に変換された姿になって空間に放射される。それは『エネルギー』変換現象を経た『エネルギー保存則』の自然の原理の表れである。抵抗の単位はオーム [Ω] である。そのオームの単位、次元では抵抗体の物理的機能は見えない。何を意味しているかは分からない。電圧と電流の比を示す単位でしかないから。元々『電圧』も『電流』もその現象の隠された真相には『エネルギー』があるので、ボルトとアンペアではその物理的意味は捉えきれない筈だ。長く、抵抗の次元が [(H/F)^1/2^] である意味と、その抵抗体の中での『エネルギー』が見え難かった。    

結局、図2.抵抗要素構造のような空間構造機能を持った要素素子の合成体と解釈した。抵抗体に入射する『エネルギー』が先ずコンデンサ要素に蓄えられる。その『エネルギー』が要素のコイル構造を通して、コイル終端が解放したアンテナからの空間に放射される。その抵抗体内からは二度と電源側には戻れない。抵抗要素の特性インピーダンス Zr がその次元は [(H/F)^1/2^] となる。抵抗体内の空間に蓄えられた『エネルギー』は熱の『エネルギー』となる。その『エネルギー』が高密度で貯蔵されると、光として自由空間の特性インピーダンス空間に放射される。一通りそのような物理的機能要素として“抵抗”を捉えた。

『エネルギー』は『電子』や『電荷』では捉えきれない筈だ。電池から『電子』が流れると解釈するなら、『エネルギー』の供給を『電子』の機能で解説しなければならない。

電気物理(コイルの電圧)

はじめに
考えるということはどう言うことかと思った。分からないこと、疑問に思うことは突然頭の中に浮かび上がる。しかも、その内容は至極当たり前で、今まで特別気にも留めないものである。しかし、不図気付くと何故か答に窮してしまう。それが標題の『コイルの電圧』の意味である。電気物理(電圧時間積分とエネルギー)を書きながら、コイルの電圧の意味だけ確認して置かなければと気付いたのでここに纏めたい。

統合するということ
電線路は空間を通してエネルギーを供給する設備であると前から述べ理解していた。電流と言う負の電荷の電子など電線を流れていないと理解していた。そこにコイルの機能を物理的にどう理解すべきかと考えたときに、磁束を電圧時間積分として納得していたにも拘らず、磁束飽和とコイルエネルギー貯蔵の関係を統合して理解していない事に気付いた。解った心算でいただけで、本当は分かっていなかったのだと。ここで、この難問にどう始末を付けるかと気分が暗闇に落ち込む。様々な電気現象の中からパズルの組み立てのような、何か忘れている駒札が無いかと探る。考えることは忘れものを拾って結びつける作業のようだ。その仕方は決して理屈で考えるというものと違い、自分の感覚に馴染むものを探し出すような精神的作務のようである。何か特別にどう研究するという事ではない。ただ「ボー」と思い悩むだけのようだ。今回の経験はそんな感じの答えへの道であった。

納得したこと コイルの電圧とはどんな意味を持っているのだろうか?と一瞬思い直した。『電圧時間積分』と言う意味を大切なことと理解していながら、電圧が線路の空間エネルギー分布の解釈技術概念であるという事との繋がりで意識していなかった。磁束が物理的実体でないことを唱えながら、磁束飽和現象と言う意味とエネルギー貯蔵の意味との統合に失調していたことに気付いた。(20205/31)追記。以下のエネルギーギャップの解釈で、変圧器の1次、2次巻き線間の空間エネルギー伝送を考えた時、コイル1ターンへの入射エネルギーの意味を考慮すれば、それは負荷抵抗の内部エネルギー入射分布と似た様相が考えられる。少し検討したいのは、コイル1ターンごとにほぼ均等にエネルギー入射が起きると解釈すべきかと考えたい。従って少し以下の解釈は修正が必要かもしれない。

電圧とエネルギーギャップ コイルの回路解釈は電流iと電圧vで解釈する。コイルのインダクタンスL[H]とすれば、コイルの貯蔵エネルギーはW=(1/2)Li^2^[J]と流れるコイル電流の瞬時値[A]の2乗で評価する。この数式による解釈が電気磁気学、物理学の世界の常識である。この式で理解するということは、そのエネルギーはどこにどのように分布していると考えるのだろうか。一方コイルはその特徴を磁束で解釈する。磁束とエネルギーの関係をどのように理解しているのだろうか。磁束が直接エネルギーと同じとは理解していない筈だ。結論は上の図のように、電圧の極性の負側の導線近傍にエネルギーの高密度分布が存在し、そこからコイル導線近傍にエネルギーが入って行く。コイルの導線同士の間の空間にエネルギーが分布し、そのコイル全体にエネルギー分布が行き渡った時、コイル内のエネルギー分布が平衡し、エネルギーの貯蔵余裕が無くなった時コイル端子間のエネルギーギャップが零となる。その状態がコイル端子電圧零の状態である。電圧から見れば、コイルにはエネルギーが貯蔵されているにも拘らず、コイル端子がスイッチで短絡された状態になる。これがコイルの端子電圧の物理的意味である。電気回路におけるスイッチの物理的意味が、そのスイッチの端子間のエネルギーギャップの有る、無しの意味と同じようなことである。実際はこのようなエネルギーギャップの意味をスイッチ端子間の『電荷』分布で解釈している訳である。その『電荷』は自然界に実在するものではないのだ。

電気抵抗のエネルギー論

「電気抵抗のエネルギー論」などと言うと大げさな事と顰蹙(ヒンシュク)を買いそうだ。しかし、電気物理は『電荷』がその論理全体の根本を支えている訳だから、その『電荷』概念を否定する意味を解説するには、単純な電気抵抗の意味とそのエネルギーに関する現象をひも解くのが分かり易かろうと考えての標題である。電気抵抗と言っても、その回路要素としての機能は深い意味を兼ね備えている事を理解する必要があると思う。一般に抵抗が示すエネルギーに関する現象を理解しようとすれば、抵抗以外の電気導体から成るコイルや電気絶縁体から成るコンデンサ等のエネルギーに関わる現象を合わせて考えることで、より深く抵抗の機能が理解できるだろうと考える。

単純な電気回路の例。

①コイルと抵抗 ②コンデンサと抵抗 ③導体と絶縁体と抵抗体の混成回路 の三つの回路でエネルギーと電圧の関係を考えてみよう。

①コイルと抵抗回路。 コイルが示す電気現象はそのエネルギーと電圧の関係で不思議だ。導線は電気導体である。その導体をコイル状に巻くとそのコイルの内側の空間にエネルギーが貯蔵される。導体の中にエネルギーが蓄えられる訳ではない。あくまでも導線のコイル状に巻いた巻線で囲まれた空間にエネルギーが蓄えられるのである。その電気回路でエネルギーが変動しない、定常状態ではコイルにはエネルギーが蓄えられているにも拘らず、全く回路的には電圧には無関係の独立したエネルギー貯蔵器になっている。

②コンデンサと抵抗回路。 この場合は、抵抗には全く電圧が掛らない。すべて絶縁体のコンデンサに電源電圧が印加される。丁度回路を開くスイッチと同じ意味をコンデンサが担っているのだ。

③立体模型での導体、抵抗体と絶縁体回路。 ②と同じくコンデンサで電源電圧が保持される。抵抗体はエネルギー、電圧には何の機能も持たない。導線全体には定常状態に達するまでの過渡現象でのエネルギー(電圧時間積分)の導線周辺周りのエネルギー貯蔵が微かになされていよう。しかしそれは電圧には無関係であるのは、①の場合に同じである。

①コイルと抵抗回路のエネルギーと電圧。

抵抗体周りのエネルギーと電圧の関係を示す。『電流』が流れる訳ではない。電源が供給する『エネルギー』が電気回路全体の空間を通して、その電線路電圧の保持に対応するために光速度で充填される。そのエネルギー密度δ[J/m^3^]で光速度に近い速度のエネルギー流が抵抗体表面から侵入する。エネルギーの流れが光速度に近いということが重要な意味を持っている。如何にエネルギー密度が小さくても僅かな時間でさえ、その間に流れるエネルギー量は途轍もなく大きな量になり得る訳だ。そのエネルギー流がポインティングベクトルSi[J/m^2^s]である。抵抗体はエネルギーをその内部空間に取り込み、定常状態では、入射エネルギーと平衡してその同じエネルギーを熱・光エネルギーとして放射している。抵抗体は内部空間構造がエネルギー貯蔵、変換そして放射するエネルギー変換器の機能要素と考えるのが分かり易かろう。さらに電源電圧を抵抗体が担う訳であるが、それは抵抗体の表面の空間エネルギー密度δの電気技術評価概念の『電界』√(δ/ε)[(J/F)^1/2^]=[V/m]に基づいた意味だと解釈すれば良い。エネルギーで観る線路電圧 にその意味を記した。電気抵抗Rの意味は『オームの法則』で電流との関係で理解することで十分であり、便利である。しかし、例えば大学で電気物理として抵抗を意識する場合には、それだけでは電気現象を理解したことには成らないと思う。エネルギーを運動エネルギーと位置エネルギーで解釈しようとする物理学的論理には、そこに潜む矛盾を取り除けないだろうと思うからである。自然は如何に基本が単純であり、それ故に現象の複雑な姿に戸惑うかを考えるのにこの抵抗体のエネルギーの意味は示唆を与えるだろうと考える。ただその空間のエネルギー分布を数式で表現しようとしてもなかなか困難である。数学が自然を完全に表現することには成らないから。数学や式は一つの理解の方便と心得るべきであろう。さて、この抵抗体のエネルギー機能を考えるに、コイルの貯蔵エネルギーについてもその意味を考え併せることで役立つだろう。コイルの巻線内部空間に貯蔵されるエネルギーはどのようなものと考えるか。決して空間のエネルギーは静止した状態ではないだろう。コイルの磁気はそのコイルの軸方向には磁界が生じている。図の方向に磁極のNが現れる。磁極、磁気とは何かを磁界・磁気概念の本質 に述べた。磁極N極の方向に対して、その軸性ベクトルに左ねじの向きにエネルギーが回転する方向性で解釈すると考えた。その方向性が電磁気現象の全体像を捉えるに極めて重要である。その方向への確信を得るに長い年月を要した。コイルのエネルギー貯蔵の形態と次に考えるコンデンサのエネルギー貯蔵の形態は、同じエネルギーを貯蔵する意味でありながら、状況が異なる訳も考える必要があろう。回路からの切り離しによるエネルギー貯蔵の可能性で異なる意味を持つ。

②コンデンサと抵抗回路。 コンデンサもコイルと同じくエネルギーを貯蔵する。しかしこの場合は抵抗は電圧を担わず、すべてコンデンサが受け持つ。コンデンサのエネルギー保存機能は電極版間の誘電体・絶縁物によってその特性が決まる。絶縁物が空気では殆どエネルギー貯蔵の意味で、その機能を考える程の特性を意識できない。直流の電気回路としては電源電圧を負荷から遮断するスイッチの機能素子に見える。

エネルギー貯蔵と等価回路。 コンデンサは絶縁体内にエネルギーを貯蔵し、回路から負荷抵抗を切り離す役割に見える。①のコイルの場合も併せて考えれば、コイルにエネルギーを貯蔵し、そのコイルを回路から切り離すように、コイル端子をスイッチオンした回路に等価と見える。コイル内で損失が無ければ、空間にエネルギーを放射しなければ、図のような等価回路と看做せる。この回路ではコイル電流を仮定したとしても、電源とは無関係のものとなる。

電源からの切り離し。 エネルギー貯蔵器にエネルギーを貯蔵したまま、回路から切り離すことを考えてみよう。②のコンデンサの場合は既に回路が遮断された状態だからコンデンサを回路から切り離すことは問題なく可能だ。切り離したコンデンサには、エネルギーが貯蔵されたままであると考えて良かろう。特に電解コンデンサではその意味が顕著である。①のコイルの場合はどうだろうか。この場合もコイル端子をスイッチで短絡しても電圧が掛って居ないのだから基本的には問題ない。その状態であれば、既にコイル端子はスイッチで閉じられているから、電源回路からは切り離された独立の状態にある。従って、もう一つのスイッチで、抵抗を電源に直接つないでも回路としては変化が無いから、ネルギー貯蔵したコイルを切り離せる筈である。しかし、②のコンデンサと異なり、実際にコイルのエネルギーを長く貯蔵したままに置くことは難しかろう。エネルギーが空間を通して放射され易いからと考える。それをコイル内の抵抗損失がある故と看做すのが普通である。磁気材料の鉄心を利用すれば、鉄心の永久磁石としてエネルギー貯蔵が保持される事もまた事実である。様々な電磁気現象は、その基本に『エネルギー』と言う空間に実在する物理量が関わっていることを理解すべきである。

周期律表と抵抗率で、上の抵抗体でのエネルギー変換現象を考える上での根拠に元素構造と抵抗率の関係を取上げた。外殻電子の周回運動としての元素構造論ではなかなかエネルギーの変換現象を理解し難いとの思いから、抵抗体の内部空間構造を考えてみたい。抵抗の次元が[Ω]=[(H/F)^1/2^]である認識からの空間構造が大切であろう。それは光の色調を決める color cell の構造にも通じるものである。

コイルの電圧時間積分と角周波数ω

(2016/10/20)追記。読み返して恥ずかしい。何も怒ることはないのに。ただ、電気磁気学で、物理学として教育するに、アンペアの法則やファラディーの電磁誘導則を本当に矛盾を感じないで皆さんが授業をされているのかと信じられない思いが強い。『物理学』の参照基準は『電荷』と『磁荷(この概念は既に存在しないとの科学常識に成っている)』の実在性を否定することであろう。変圧器などの電磁誘導則では、磁束と電流の関係は何も関係付けられていない。パワーエレクトロニクスの学習の最初で、衝撃を受けた電気磁気学の理論的矛盾がその電磁誘導則であった。1970年頃である。それ以降磁束は『電圧時間積分』で解釈して来た。1985年に「電気磁気学」の授業を担当して、アンペアーの法則との関係をまとめて、理論的矛盾を確信した。理解できないことが『物理学』という自然科学のそれこそ参照基準と看做すべき基本の電気磁気学で、論理性が成り立たない事が今も相変わらず生徒・学生に教育されている事である。実際の教育の制度で、文部科学省が諮問して審議会が取りまとめる方式はおそらく戦前からの行政手法として伝統なのであろう。その方式に従った『報告』であるから尊重すべきと言われようが、本当に役にたつ教育行政なのか。誠に見苦しい記事ではあるが、今教育に携わって居られる皆さんが『学習指導要領(高等学校)』の検定内容に矛盾を感じていないのか。少なくとも電流で磁束が発生するなどという矛盾は教育現場から排除して欲しい。『電圧時間積分』についてはロイヤーインバータの動作原理が簡潔に示している。G.H.Royer:A Switching Transistor AC Inverter Having an Output Frequency Proportional to the DC Input Votage (AIEE,July,1955,p.322) この回路はNASAの研究成果の一つと理解している。静止電力変換回路の基礎(2)、新潟県工業教育紀要第8号に実験結果(稚拙な記事ですが)を載せた。

私は怒りを禁じえない。生徒、学生に教育する日本の教育制度を思うと。この度、日本学術会議の報告 「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 電気電子工学分野」がある事を知った。その電気電子工学分野の一部を読ませて頂いた。3.電気電子に特有の特性 (1)電気電子工学に固有な視点と役割 と言うことで縷々(ルル)報告されている。電気電子工学の基礎となるのは、電磁気学や量子力学の物理学ならびに数学である。・・電気電子工学の特質は、物理学と数学の原理・原則から一歩一歩着実に理論を積み重ね、その厳密な体系化のもとに簡略化・抽象化がなされて・・。と言う様に記されている。この報告をどれだけの大学の関係者が参考にして、教育課程編成上の参照基準として参考とすると考えているのだろうか。誰のための誰による誰に向けた報告書なのか?報告書を作成した本人は自分でその報告内容を常に読みながら過去、現在そして未来を考えるのだろうか。電気電子工学と言う意味が解っているのかと、誠に残念ながら疑わざるを得ない。本当に物理学が電気電子工学の科学技術教育の参照基準になると考えているのだろうか。元を質せば、文部科学省の行政上の思惑に因った報告書作りの形式的体制保持事務仕事に原因があるのだろう。『学習指導要領』の内容が古くて、学生・生徒の為に成らなくてもその内容に従わざるを得ない教育制度が支配している日本の国定教育制度なのだ。間違った、役に立たない応用のきかない古い法則にしがみ付いている伝統教育内容に問題があるのだ。具体的例題を上げて、あるべき考え方を述べたい。物理学は、電流、電子あるは磁束とは何かを考えるところにその存在が生きる筈だ。

コイルの電圧時間積分 コイルの電気特性を語るには、その磁束を一つの考察量として取り上げるだろう。物理学では、アンペアの法則で磁束は発生すると解釈するから、コイル電流が磁束発生の原因と解釈する。そんな電流で磁束が発生するなどと言う無駄を教育する時ではない。ファラディーの法則には、磁束と電圧の関係しかない。電流など不要である。コイルが空心であろうと、鉄心コイルであろうと、磁束は電圧だけに起因して発生するのである。磁束の時間微分が誘起電圧だと言うことは、電流など無関係なのである。コイル内の空間の状況で、電流と言う技術概念量は変わるのである。少なくとも『学習指導要領』の電流による磁束発生原因の考え方は破棄しなければなるまい。

周期電圧波形と最大磁束量 電圧波形にもいろいろある。正弦波、方形波および三角波の各コイル電圧波形の場合の最大磁束は次のようになる。

電圧波形と磁束電圧波形と磁束 電圧の最大値が同じ場合で磁束の最大値を比較して示した。電圧の三角波形は実際にそのような波形がある訳ではないが、電圧時間積分の意味を説明する為に比較として示した。電流による磁束発生の解釈を改めて頂かなければならないと思って。

正弦波電圧の場合 コイル電圧と磁束最大値の計算。

正弦波と磁束最大値Vm=nωΦm

電圧・磁束と角周波数電圧・磁束と角周波数

鉄心がある場合は変圧器と同じ現象で、鉄心の磁気特性によりコイル特性、特に電流は変化する。しかし磁束量が基本的に電圧波形だけから決まる点は鉄心コイル、空心コイルには無関係である。

コイル機能の物理的課題(追記) (付記)変圧器設計で使用鉄心の選定にあたり、V=4.44fnΦm ,Φm=Bm×S, 電源電圧実効値V[V],鉄心磁束密度Bm[Wb/m^2],鉄心形状の断面積S[m^2]が使われる。4.44=2π/√2である事を付記させていただく。一つ物理的課題として挙げておきたい。空心コイルの印加電圧限界はどのように解釈すれば良いか?コイルに掛ける電圧を高くすると、コイル内空間のエネルギー密度が空間の保持限界を必ず超える。その時コイルは機能できなくなる。所謂短絡現象になる。その理由は当然空間のエネルギー密度限界があるからだ。空気の絶縁破壊現象は静電界などではほぼ30[kV/cm]で解釈できよう。しかし磁界強度についての絶縁破壊現象の捉え方は無い。エネルギーは電界とか磁界と言う解釈概念では弁別できない筈である。コイルの機能限界はその捉え方に一つの解釈法を与えるものであろう。この事と関連して浮かぶ事がある。時代に消えそうな運命にある「白熱電球」の事である。科学技術としての『二重コイルフィラメント』も低空気圧下におけるコイルである。タングステンフィラメントが使われるが、高温度材料としての有用性からである。二重コイルの空間内にエネルギーが効率良く貯蔵され、高温度空間を作り出せるからの科学技術である。二重コイルも考えて見れば、愉快な電気回路の仲間たち として見られよう。電球フィラメントはコイル機能限界を超えて、エネルギーの発光放射を利用する物理現象である。