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原子力発電の熱の行方

『熱』という自然現象の本質は、きっと人間に知ってほしい事があるに違いない。熱には不思議な力が隠れている。火を起こし、肉を焼き魚を料理する術を知った。人の知恵と科学知識がそんなところから始まったのかも知れない。『熱』はエネルギーの日常性の具体像である。しかし、その熱の本性がまた捉えにくい科学的対象でもある。熱力学と言う学問分野が産業革命の『蒸気機関』の発達に拍車を掛けた。物理学教育でもその熱力学は一つの分野を成しているようだ。ところが今でもその物理学的『熱』の解釈は曖昧なままに残されていると思わざるを得ない。蒸気機関車は時代の中に主役を降り、電力のエネルギーにその座を明け渡してしまった。蒸気は『水』の熱力学的変幻自在の妙を演出して見せる世界である。理論で「カルノーサイクル」が有る。蒸気の臨界点は圧力が225.2[kg/cm^2^]で、温度が374[℃]で特異点として知られている。その蒸気タービンの水蒸気は完全な蒸気であると同時に水の密度のままで乾燥した蒸気でもある。なかなか不思議な水の状態でもある。その理論は『火力発電所』の蒸気タービンを回す動力源の熱理論であり、今も蒸気はエネルギーの主役を担っている。蒸気タービンで発電機を回して発電する方式が『火力発電』『原子力発電』であり、現代社会のエネルギー源の主役である。石炭、石油および原子核燃料のウランU235がその熱エネルギー源の『化石燃料』である。石炭は太古の大森林材木が地球の地殻変動で地下に潜り込み地熱の作用で変換した。石油も同じような地球の地殻変動のお陰で、動物的細胞の熱変換結果であるかと解釈している。ウランが放射性鉱物であり、どのようにその鉱物資源が造られたかは知らない。地球誕生の不思議と同じく私には解らない不思議である。今回の『東日本大震災』で大きな被害がもたらされて、改めて地球の生命の迫力に思い知らされた。地球は人間の為の存在ではない。あらゆる生命の創造体として地球は存在する。化石燃料を利用できるのも、地球の地殻変動と言う巨大な自然現象の一端に人間が触れているだけなのである。さて、原子力発電設備は人間の科学技術の最先端の集積機構である。その仕組みは、『水の熱現象』の熱源に『原子炉』の核分裂を利用している点である。ウラン原子核の質量の一部が『光・熱エネルギー』に変換する核分裂反応を利用しているのである。

原子力発電は海の加熱装置である。その熱がどのように利用されているかは、発電電力を利用する現代科学技術社会に生きる人の誰もが知っておかなければならない常識であろう。地球温暖化が経済発展と引き換えに、人の生きる環境に大きく影響を及ぼしてきている。人間の生存がその環境を変化させていると見て間違いなかろう。何を言いたいかと言うと『原子力発電』が電力源として、この震災が起こる前には、世界的な設備増加の傾向を示していた。しかし、それは電力源のみならず、『海の加熱装置』が『原子力発電』『火力発電』でもある。上のエネルギーフローの図は10年も前に纏めた古い資料であるが、『原子力発電』も『重油燃焼火力発電』もその熱エネルギーの半分以上は海の水に吸収して貰わなければ、海に放熱しなければ、発電できない仕組みなのである。人間が利用する電気エネルギー、それ以上の熱エネルギー分を無駄に『海』に吸収して貰って初めて発電できる事を誰もが知っていなければならない筈である。極端にいえば、蒸気タービン発電方式は地球の海加熱装置で、地球環境加熱装置であるのだ。空気の熱吸収量に比べて、同じ体積で水は3360倍の吸収能力がある。(誤りの記事を謝罪します。前回の記事で67万倍としたのは私の勘違いの計算結果でした。ここに誤りを訂正させて頂きました。4月29日)。海への放熱の為に海際に発電所が有る訳です。最近福島原子力発電事故の報道に、『復水器』と言う設備の用語が出てくる。それは原子炉などの炉で発生した蒸気が回転動力機械のタービンを回し、余力の蒸気熱量を復水器で海の水に拠って冷却せれて、原子炉への供給用の水、蒸気サイクルの利用水に成るのである。この復水器で熱エネルギーの半分以上を放出しなければ発電できない発電方式の設備である。図面が不鮮明のままで取り急いだ事をご勘弁下さい。

(2013/04/29)訂正と謝罪。水の熱吸収能力が空気に比して5.18 3360倍の能力を持つ。その算出理由を説明しておく。水。比熱は1[cal/gK]=4200[J/KgK]。密度は1000[Kg/㎥]。この二つの数値から、水の単位体積1[㎥]当たりの体積の比熱に換算すると4200  4200×10^3^[J/㎥K]と言う値になる。次に空気について。空気の比熱が0.24[Kcal/KgK]=1006 1008[J/KgK]だと言う。密度は1.24[Kg/㎥]。従って、空気の単位体積当たりの体積比熱は1006 1008[J/KgK] /1.24 ×1.24[Kg/㎥]=811 1250[J/㎥K] と成る。ただし、空気の比熱がどのような意味を持つと解釈すれば良いかは十分吟味する必要があろうとは思う。しかし現在はその値の計測条件も解らないから、信じざるを得ない。その上での話ではあるが、次のように5.18 3360倍を算出した。以上から、水と空気の同体積当たりの熱吸収容量の比率はA=4200/811=5.18 4200/1.25=3360と成る。以上記事の間違いの再謝罪と訂正をさせて頂きました。しかし、5.18倍は余りにも小さすぎると考える。『空気の比熱』の測定法とその検証(空気分子が吸収するエネルギー量を正確に測定できるかの疑問がある)に問題が無いのか気掛かりではある 大変な間違いで、気付いてお恥ずかしい事です。しかし、地球表面の空間体積に対して、水が空気より3360倍の熱エネルギー吸収能力を持っている事が確認できた。海が如何に地球温暖化に対する保護機能を持っているかを示していると。その海の温度上昇1度がどれほどの気象環境に影響を与えるかを理解する視点を示すと。豪雨被害や様々な異常気象の原因として考えるべきである。

放射能と発熱の正体は何か?

この度の東日本大震災(2011/03/11)の未曽有の自然災害に言葉も無い程の悲しみを抱いた。中でもその二次災害で、科学技術の粋を集めたエネルギー供給方式の原発が技術破壊の脱落現象に見舞われてしまった。地球の破壊力に人間の知識の弱さを曝してしまった。その原子力と言う普段は日常で電力を使いながら、意識から遠ざかっていた『原子核分裂の利用と物理的現象認識』について、自分の無知を思い知らされた。昔、高校生に『発変電』の教科で教えて居ながらである。今日はそれらの事を踏まえて、この度『原発事故の事後処理と安全終息への献身的な現場技術者の格闘する現実』を見て、その過程で様々な疑問を抱いた。最大の無知を挙げれば、『使用済み核燃料の発熱現象』である。今考えてみれば当然のことであるが、核燃料が核分裂した後の生成元素が放射性物質である事は理解していた。その放射能と言う『何か』を吐き出し続けて、その強さが半分に成るのに要する期間を『半減期』と言う事も知っていた。しかし、それが『熱源』であるとは意識していなかった。今度の事故に基づく経過を教えてもらいながら、そこに多くの『疑問』を抱く事になった。それは原子核物理学の専門分野で使われている常識の『専門用語』とその『単位』の意味が理解できない事を知らされた。それは恐らく私だけでなく、多くの人も理解できない事であろうと考えて、『疑問』を基に基本的な事から、考え直してみようと思う。ここで、素人の私が記す事に如何程の意義があるかは不明であるが、専門家の論理に疑念を提起する事が市民の未来の安全に欠かせない科学認識に繋がればと考えての事でもある。先ず『放射能』とは何か。その計測単位、シーベルト[Sv] 、ベクレル[Bq] 等の単位が使われていた。それが具体的にどんなものを言い表しているか。それは放射能と言う用語の実体をよく理解できないからでもある。α線、β線あるいはγ線等と言うもので説明されるが、それがどのような物であると理解すれば良いかという問題である。α線はヘリュウム原子、β線は電子そしてγ線はレントゲン線のX線の様なものと言う。

減衰特性と半減期原子が崩壊する時、その崩壊特性は指数関数の半減期の特徴で推移すると言う。その減衰特性を先ず考えてみよう。上のグラフが表している事は、ある放射性元素の原子数が崩壊して、その数量が指数関数的に減少する様子を示している。自然対数の底 e =2.7183 の -at 乗でat=0.693が半減期を表している。即ち、e^-0.693^=0.500073となり、ほぼ半分となる。もし、tが日数を意味する変数とすれば、t[日]で 係数 a を0.693[1/(半減期日数)]の特性値で捉えれば、a が各放射性物質によって異なる値となり、グラフの特性式で解釈できる。例えば、ヨウ素131、セシウム137およびプルトニウム239の半減期がそれぞれ8日、30年および2.4万年だそうであるから、ヨウ素のaはa=0.693/8=0.08662、セシウムのaはa=0.693/(365×30)=0.0632×10^-3^[1/日数] となる。

減衰特性に関する疑問  上の特性式の『真偽』を実験で確認する事が出来ないから、専門家の言うことを信ぜざるを得ない。プルトニウム2.4万年の半減期などどうして確認できるのだろうか?また、放射性原子の崩壊とはどのような過程と解釈すれば良いか。単一の元素集団の中で、単独に、順次1つづつの原子が崩壊して行くのか、あるいは全体として放出と入射を繰り返しながら、放出エネルギーの量が減衰して行くのかが分からない。個々の原子の放射現象はどう認識されているかである。減数特性が確実に指数関数的に変化するかは『原子力発電所データ』の運転実績で詳しく調査・収集されている。市民対象の外部に公表されるべきであろう。

『放射能』とは何か?  (2012/03/21)追記と修正(『放射能』という用語が極めて不明確である。以下の記事にも意味不明のまま使われていた。『放射能』と『放射性物質』更に『放射線』との関係が曖昧のままである。特に『放射能』という用語の意味が放射された放射性物質のグラム量(分量)であるのか、その放射性物質から放射される「放射線量」の測定値であるのか、どちらを示すのかが不明確である。そこで放射能(線量)のように(線量)を( )書きで追加して、自分なりに放射線量という意味に明確化するように書き直した。

ここで、『原子力発電所と核分裂反応』の事を私の理解の範囲で、その基礎的な事項と疑問を書き記したい。先ず初めに原子力発電所の概要を図で示す。詳細は分からないが、おおよその発電所の機能で十分であろう。ここで述べたい事は、原子炉での核分裂で得られる熱エネルギーがどんな原理で発生し、どのように使われているかの概略を考える事である。原子力発電等熱エネルギーを利用する発電所はエネルギーの半分程を海に捨てなければ発電できない熱勘定の基に運転されている事をまず知ってほしい。だから電気エネルギーは大きな熱エネルギーの無駄の上に成り立っている事を知っておく必要があろう。原子炉で核燃料のウラン235の核分裂で放射される熱で水を過熱蒸気にする。その高温高圧蒸気で蒸気タービンの回転、発電機の回転を通して電気エネルギーに変換するのが主な発電所機能である。核燃料の利用した熱エネルギーの内、送電できるエネルギーは40%程度になる。この発電所の『熱サイクル』は地球温暖化に対する致命的なリスクを担っているのである。原子力発電の熱の行方

ここから原子炉内の核分裂と言う現象を考えようと思う。ウラン核燃料の核分裂で、生じた「セシウムCs137」が現在の放射性物質の食品や、環境汚染の問題の元凶になっている。しかし、古い物理学の教科書にはそんなセシウム137など、少しも載っていない。と言う事から見ても、相当原子力理論には曖昧な部分が多く、専門的な面で論理性が無いように思える。その意味で、標題の内容をもっと突っ込んで考えて見たいと思う。そこには『物理学教育』での『熱理論』そのものにも大きな矛盾があるからと解釈している。『熱エネルギー』とは何か?を問わなければならない。 『温度とは何か』が問うもの にも少し述べた。ここでは、原子力発電所での熱源は原子炉での『核分裂』である。そのウラン燃料の核分裂の状況を正確に知りたいが、余り詳しく説明されていないようだ。ウラン235の分裂に因る生成物質の原子も多様で200種程になるらしいと記載されている。その過程は極めて曖昧ではっきりしない。そこで適当に考えて、核分裂における様々な生成元素の状況を含めて、上の図に表現した。燃料棒ペレット内で起きた核分裂の結果、発生する熱はどのように生まれるかと言う点を考えたい。まさかと思うが、物理学教育で、発生した分裂生成物の運動エネルギーが衝突の繰り返しで、エネルギーを摩擦熱に変換するからだ等と説明する教育者はいないと思う。そんな無益な教育が行われていないかとても気掛かりだ。例えば、広島、長崎における『原子爆弾』の炸裂で、窓の鉄格子が熱と爆風によりグンニャリと曲がったのは決して運動エネルギーに因るものでない。光と爆裂の圧力と体積の積のエネルギーが『熱』のエネルギーとなるのである。『質量欠損』と言う自然の奥深い物理現象の真髄に関わる『エネルギー変換』が核分裂の意味と解釈する。質量がエネルギーに消え、熱に成るのである。一つ加えると、セシウム137は核分裂生成物として原発事故以前は殆ど書かれていなかったようだ。それが、事故後はその除去がとても大きな問題になっている。食品も「放射線」はそのセシウム137の問題のようだ。恐ろしいプルトニュウムの問題も見え隠れしているようでもある。

少し気になる事。原子力発電所の運転実績における『核燃料と核分裂生成物』の具体的なデータが公表されているのだろうか。核分裂理論での崩壊特性等は書籍にあるが、発電所燃料における具体的成分と分裂特性は『部外秘』扱いなのか(核燃料物質の拡散防止・管理の問題もあることであろうから)。原子力利用の原理は、核燃料ウラン235(天然のウラン鉱石を採掘生成すると、その僅か0.71%程度しかない)で、それにエネルギーの小さい熱中性子を核に吸収させ(吸収断面積と言う概念の実態が理解できない)、核分裂によって発生する熱エネルギーを利用する。その熱で蒸気を作り蒸気タービン、発電機を回して電気エネルギーに変換する。分裂生成原子の質量との差を質量欠損と言い、それを『結合エネルギー(この概念も理解できない)』分の熱解放と言う説明がされている。ウラン原子核が核分裂して生成された原子が放射能(放射線量)を排出する場合、その生成原子を放射性核物質と言うと解釈している。セシウム、ヨウ素などの事であろう。その放射性核物質が放射する『放射能』とは何かが分からないのである。『放射能』と言う言葉はradioactivityの日本語訳である。放射線を放出して害を与える可能性のある物質(放射性元素あるいは分子)の能力を『放射能』と言うのであろう。放射能が存在する訳ではない放射性能力が有る物質が存在するのである。放射性物質から放射されるエネルギーの形態は、α線、β線などいろいろである。γ(ガンマ)線は電磁波と同じ部類で粒子とは言えない。しかしそれは物質の透過性が強い電磁波である。人体に入射したとき、細胞に、あるいは遺伝子細胞のDNA結合分子にどんな作用をするか、またその作用の仕組みが明らかなのか?その意味を知ってそこ、放射能(線量)測定の数値と単位について、それが適正かどうかの評価が可能になると考える。単位の事は後にして、先ず放射能(線量)放出に拠る『熱現象』の意味をどのように捉えればよいかと言う疑問である。使用済み核燃料が長年にわたって、貯蔵プールでの冷却が必要であると言う事実。それを知らなかった無知を恥じている。使用済み核燃料が原子炉から取り出された時の燃料温度に基づく保有熱量とその後の貯蔵プールでの放熱熱量の関係が何に拠るのかという点に『発熱現象』の物理的意味が存在する。今回の原子炉の冷却および使用済み核燃料の冷却の様子を知るにつけ、放射能(線量)と言う物の意味とその熱的意味の両方の物理的論理の統合が自分なりに欲しいと思った。『燃料が熱を持っているから冷却する』と言う説明が初めの頃有ったように記憶している。その時異様な理解し切れないものを抱いた。確かに核分裂、中性子に拠る臨界状態の分裂は起きていないであろうが、原子からの放射と言う事は、その原子の質量が放射エネルギーとして失われているのである。質量欠損が起きているのである。元々の保有熱量ではなく、新たに放射と言う熱エネルギー放出を継続している核燃料の熱放射現象である。この放射の機構を次のように解釈している。指数関数的に減少する『減衰特性』に従う(使用済み核燃料の)生成原子核物質の放出する放射能(線量)が冷却を要するエネルギーの熱源であると言う認識に間違いは無かろう。環境問題で、『放射能(線量)』と『放射性物質』という二つの用語の意味は全く異なるものである。『放射能(線量)』はα線(ヘリュウム原子)は元々科学的には反応しない不活性ガス分子である。しかし質量をもつ粒子であるから、分裂する訳ではなく、その運動エネルギー(保有熱エネルギーか?)が大きく細胞破壊に影響するのかも知れない。しかし、殆ど紙をも通過できないと言うから、危険性がどの程度の放射能(影響力の線量)に位置づけられるかは不明で、専門家の明確な回答を望む。次にβ線がある。それは電子の流れのように説明されていると解釈する。核内から、陽子や中性子が変換して、電子や陽電子を放出すると言う核分裂理論のようである。原子力発電は核分裂技術と言う面から、核子等「素粒子理論」にも密接に関わっている。その意味で、素粒子論の高尚な意味が日常生活上で、放射線の人体に影響するかどうかの問題にも数量的説明が求められると思う。陽電子やニュウトリノの放射性能力に関する専門家の御説明が頂ければ有り難い。しかし、私は『電荷』を否定する。それは元もと原子外殻軌道電子論など、矛盾が多くて納得できないからである。私なりに、β線とはエネルギー流であると解釈している。その局所的エネルギー分布の一固まりがどの程度のエネルギーの空間分布積分量かを知る事が出来れば、その『放射能(線量)』と言う意味を理解し、納得する事が出来るであろう。しかし、計測量の単位ジュール[J]を空中で測定するのは困難であろうから、なかなか理解に至らない。ただ、もしβ線が『電子』『陽電子』あるいは『ニュートリノ』等から構成されているならば、それらをどのように計測するのだろうかと疑問に思う。計測法にもゲルマニュウム検出器、シンチレーションカウンタあるいはガイガー・ミュラー計数管等いろいろあるようだ。

『放射能(線量)』『放射性物質』の計測量と単位について 空気中の放射能汚染この表現は放射性物質が付着して、常にその付着物から放射線量を放射し続けている状態の生存環境汚染という意味で捉えるべきと思う)は『モニタリングポスト』と言う計量システムで計っているようだ。そこで使われる『単位』はマイクロシーベルト[μSv] その千倍のミリシーベルト[mSv]である。この単位の意味が理解できない。安全に慣らされて、放射能汚染(上に同じ意味)など意識していなかったところに突然現れた単位である。専門家には常識であろう。素人は、その意味を理解しようと、本質を探る。少ない科学書籍や事典類から、1[Sv]=a[J/kg] (関連して、1[Gy(グレイ)]=1[J/kg]もある)と言う意味らしい事を知る。このaがなかなかの曲者であるように思える。それにしても、マイクロあるいはミリシーベルトが1kg当たりの数値を表していると言う。大気中の1kg中に存在するエネルギー[J]を、しかも『放射能(線量)』は光と同じエネルギーの空間伝播量である。あるいは粒子なら、モニタリングポストの検出器部分を通過、捕獲される物であろうから、そのエネルギー[J]を測定しなければ、何[μSv]と言う測定値は得られないと思う。専門家の言う事に従えば良いと言われそうであるが、安心できない。確かに、モニタリングポストの測定法で示される数値は、大気放射能汚染度として技術的に適正であろうとは思う。しかし、その単位の意味が正確かという点で何を計測して何の質量[kg]当たり、何のエネルギー[J]を計り、その係数aをどのように評価するのかが理解できない。また、先日から『放射性物質』の降下に基づく土壌汚染が生鮮野菜や源乳汚染問題を引き起している。これは『放射能(線量)』ではなく放射能(線量)を放射する放射性元素の問題である。その単位がベクレル[Bq]と言う、原子核分裂崩壊の理論の基礎概念量として使われる物である。教科書に拠れば、放射性物質の崩壊現象を 何 [events/s] と考えて使う単位のようである。ここで、原子崩壊現象の回数等と言われても、一体何を指すかがなかなか理解し難いのである。1キューリー[Ci]= 3.7×10^10^ [evennts/sec]=37ギガベクレル[GBq]と言うような意味らしい。この単位が農産物の1kg当たりの数値で計測されたと言うことである。この単位も全く理解できない数量である。農産物を食して、放射性物質を体内被曝した場合の、その安全性を評価する『単位』であろうと解釈する。ヨウ素とセシウムでその放射能(線量)減衰特性(放射性物質の崩壊に因る物質量の減少特性)も異なり、体内吸収量(原子の数単位)と時間の関係で、その評価基準も異なる筈である。しかも、何故この場合だけ、シーベルト単位を使わないのかも不明である。測定する物理量はどちらも、『エネルギー量』に関わるものと思う。以上の疑問は、専門家にとっては、戯言と一笑に付されるかもしれないが、素人が理解出来るように教えて頂ければ、未来への市民の関わりが安全の基に役立つかとの思いで認めた。

(追記)計測量に対する疑問は実際の医学的放射線の影響とは少し異なる次元の話で、日常の意識とはかけ離れたような観を受けるかも知れない。しかし今でも『単位』は科学的認識の規範であると思う。実際の放射能(線量)観測データの報道が極めて曖昧である事には間違いない。例えば、ある測定値が何々マイクロ㏃であるから、1年に換算すると何㏃になると言う。この表現は、電気で使う何(ワット)Wであるから、1年に換算すると何々Wになると言う表現と同じ事である。電気ではワット[W]とワットアワー[Wh]あるいは[kWh]等と単位が異なる使い方で初めて論理的な話になる。[kWh]はエネルギー[J]と同じ物理的意味である。[Bq]=[event/s]であるから、[event]が何を指すのかが不明である。さらに、エネルギー[J]との関係が不明である上に、1年に換算するとはどう換算するのかが分からない。[BqH(ベクレルアワー)]としても、エネルギーでないから理解の糸口を掴めない。要するに『専門業界用語』の分かり難さが際立つ。今科学論全体が「非論理的が故の積み木崩し」の危機に直面していると言わなければならない。