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電流と磁気と空間の哲学

哲学とは(2020/02/23)。「明解 国語辞典 改訂版 金田一京助監修 (三省堂)昭和29年4月5日。これは高校1年生の時から、今でも大切に使っている大事な辞書だ。そこに哲学:あらゆる仮定を排して根本原理を扱う学。とある。

電流とは何か?『電荷』とは何か?電子とは何か?磁気とは何か?その空間事象は如何なるものと解釈すべきか?それは自然科学の最も根源的即ち哲学的課題だ。電気工学理論では自然の真相は説明できないのだ。電子は流れず (2019/06/06) 。

科学への不信。 最近こんな言葉が有るようだ。誠に我ながら情けない。初めは電気工学の勉学の役に立てればとの思いもあって、己の認識を確認しながら時を重ねてきた。日本物理学会に参画させていただき、日頃の思いも発表させて頂いた。しかし辿り着いてみたら、そこには初めの思いと異なる結果に次々と遭遇し、己自身を題材にして知らず知らずに「哲学」の深みにはまってしまったかも知れない。何か深く考究を積み重ねているうちに、科学への不信などと言う風潮を生み出すような結果になってしまったのかと申し訳ない思いもする。筆者本人が信じられない程、物理学理論の矛盾の多さに困惑している。それも電気回路現象の本質が見えた結果としての結末でもあった。実は今ある磁場の意味を考えて、新しい磁気現象・マグネット磁場の記事を書き始めた。しかしどうしても、電気磁気学理論の根本法則である「アンペアの法則」についてもう一度その根本原理の意味をかみ砕いで自身で整理しておこうと思った。科学への真の信頼を取り戻すためにも。

アンペアの法則と磁気の概念

図1.直線電流と磁界 アンペアの法則を直線電流 I[A] によって表現してみた。電流ベクトルを直交座標 r = xi+yj+zk  で表現する。単位ベクトルをそれぞれ ij および k とした。p 点の座標 r の方向単位ベクトルは r/r となる。無限長直線電流による電流周辺空間に磁場が生じる現象を数式によって評価する基本概念として、アンペアの法則を捉えて良かろう。実際の技術的認識には極めて理解しやすい表現の法則である。その現象の物理的意味を考えるとき、何故電流の位置から離れた空間に磁界が発生するのかと言う疑問が浮かぶ。なお、電流は少なくとも往復2本の電線で囲まれた空間回路でなければ、電流概念も成り立たないことを付け加えておく。実はまたこの電流と磁界のことを考えると昔を思い起こす。昭和61年春のこと、高専の電気科4年生の電気磁気学の授業中に、電流の磁界Hの空間磁場模様を rot H [A/㎡] = J の電流密度空間として計算例題に選んでいた。と記憶している。その時廊下の窓から黒板の板書内容を写真に撮って行かれた。それは中曽根臨教審の関係の出来事と後で理解した。

電流はアンペアで、電荷の時間微分の概念である。それはあくまでも『電荷』の流れが離れた空間点の『磁束』即ち磁束密度(μH[Wb/㎡])の発生原因となる意味である。「クーロン[C]」が「ウエーバー[Wb]」を発生することになる、基本的に「次元変換」の自然現象解釈となる。『電荷』が『磁束』の意味を内包しているとは定義されていない。『電荷』は、その存在空間に如何なる物理的空間像で表現されるのかと言う疑問に答えていない。それは空間に描く『磁束』の空間像と結び付く『電荷』概念像でなければならない筈だ。物理的な基本概念で、その理解し易い物理的空間像が明示されなければならない筈である。それが論理性を基礎にした科学論を展開する場合の基本姿勢でなければならない。離れた空間座標点に何故『電荷』の運動で、『磁束』が発生するのか?磁束密度B=μH[Wb/㎡] は電流が磁界を発生すれば、自動的にそれは磁束と解釈する。空間は透磁率μ[H/m]の場と捉えている。何故か?と疑問を抱くこと、その疑問を子供たちに伝えることが教育の姿勢であるべきだろう。そんなに自然のことが解っている事ばかりではない筈だ。殆ど分からないと考えるべきじゃなかろうか。

電子と磁気。 

図2.電子と磁気 いろいろの解説記事で磁束の発生に電子スピンと言う用語が現れる。磁束の発生原因に電子スピンを唱える方は、電子のスピンと言う現象をどの様な空間像で捉えておられるのか?電子がスピンすると何故磁気が生じるのか。電子は空間的にどのような像で捉えているのか?電子は『電荷』と『質量』を備えた基本粒子となっている。『電荷』がどのような速度 v[m/s] の運動をするとそれが『磁束』に変換されると言うのか。

マグネット磁気。

図3.マグネット。マグネットの機能は磁束で解釈される。磁束は磁力の機能を何故発揮できると考えるか。実際マグネットはとても強力な磁力を発揮する。

 

図4.磁束と磁力 F(φ)?

何故磁束が磁力の基になると考えるのか?磁気のクーロン力には磁束は関係していない。磁気のクーロン力に表現される変数の『磁荷』は存在しないことで一般に解釈されている。マグネットは近付けると磁力が増す。磁束が変化するのか?磁束が磁力の機能を発揮するとの解釈はどこにも示されていない。それなのに何故磁束が磁力の重要な基の如くに考えるのか。

磁力の原因は何か?

何故マグネットは磁気を保持したまま、その磁力が弱まらないのか?磁性材料の代表が鉄である。何故鉄が強磁性体の特性を持っているのか。周期律表で、傍の銅は磁気特性を持っていない。原子構造の違いは電子の配列で解釈する。そんな違いが鉄と銅で生れる訳を、周回電子が発揮する程の物理的役割を持っていると考えられるだろうか?図2.の(2)鉄の磁気とは?で示したのは、鉄の電子スピンが磁束発生源だというような解説が有る。マグネットの磁気は本当に電子スピンによると解釈できるのだろうか。磁束が発生しても、何故その磁束が磁力を生じると考えるのか。昨年の記事 物理学理論と磁束 (2019/04/22) に重ねて、電子スピンを唱える方が、その具象像を御提示をされることを願い、求めて取り上げた。

『エネルギー』はどこにある。

図5.エネルギー流と磁力

マグネットや磁針の磁極 N 、Sの近傍空間にはエネルギーが流れている。そのエネルギーの回転流の方向は図5.の磁極間のようになる。この空間のエネルギー流の流速がどの様であるかは検証できない。空間のエネルギーは光速度に近いと考えるしかない。電線路の伝送エネルギー流からの推測である。そのエネルギー流が磁極NとS間で接近すると近接作用力として、周辺部に高密度の急勾配分布をきたす。磁力 f = rot (S/c) [N/㎥]はギャップ空間の周辺部単位体積当たりの力密度の解釈である。電気学会 電磁界理論研究会資料「資料番号 EMT-87-106」(1982) p.152 の(29)式である。

むすび

二つのマグネット間の砂鉄模様を観測すれば、ギャップを狭くするにつれ、砂鉄はマグネットの外周辺に集中し、マグネット中心部には砂鉄は無くなる。マグネットの磁力は周辺部のエネルギー流分布勾配の空間微分によって決まると解釈する。 電気磁気学の要-Axial energy flow- (2019/03/03) がある。また、コンパスと砂鉄の心 (2015/12/03) で砂鉄模様からエネルギー流を調べる意味を述べた。

アンペアの法則を解剖する

(2020/06/10) 追記。現在思う。いくら電流の物理的意味を考察しても、それは技術概念としての価値の論議にしかならない。電線の導体金属内には何も流れていないのだから。関連記事として、Friction heat and Compass (2020/03/22) ,The electron did not exist in the world.(2020/05/15) および電気エネルギーの測定法(電流と電力) (2020/05/03) 。

もう一度初めの原点を見直そうと思った。今から30年前、昭和60年に初めて電気磁気学を教える羽目に成った。div,rot,grad等の微分計算も計算した経験が無いのに突然のことだ。考えれば、偏微分も3次元空間の中での微分計算だから、計算してみれば難しい事ではないのだった。おそらくその授業の中で、アンペアの法則の意味に何か疑問を抱いたのだと思う。学生にそんな事を言う訳にはいかないから、自分の中で疑問を膨らましたと思う。元々、ファラディの法則の教科書の解釈に矛盾を抱いていたから、アンペアの法則も疑問を持って当然なのかもしれないとの認識にはあっただろう。ファラディの法則で、励磁電流で磁束を解釈すること自体がおかしな論理だから。所謂パワーエレクトロニクスの電気技術論では、ファラディの法則は微分形式を積分形式に変換して、磁束は電圧時間積分で決まるという観方で解釈するのが常識であった。そんなところにも人間の思考の面白さ(教科書的常識の滑稽さ)が隠されているようだ。

電流と磁束と人間思考性。 常識の滑稽さの意味を説明すれば、数学では微分と積分は表裏一体の関係に在る事は誰でも知っている。ファラディの法則は磁束の時間微分で示される。それなら磁束は積分形式に書き直せば、励磁電流などが式の中に出て来る訳が無いにも拘らず、アンペアの法則で、磁束は電流によって発生するとの解釈が法則化されているから、その原則・常識から抜け出せない人間の思考性により、磁束が電圧の時間積分で決まるという意識には成り難いのだろうと思う。それが人間の思考形態の滑稽さと看做せよう。アンペアの法則がファラディの法則より10年程先に提起されている。古いほうが新しいものより強く保守的に残る傾向なのかもしれない。その辺の科学に潜む保守性が科学理論の特殊性かもしれない。これから議題のアンペアの法則を解剖する訳であるが、その電流と磁束と電圧の関係について、前以って意識して置いて頂く為の準備として触れた。

電流の遠隔作用電流の遠隔作用? 法則は空間ベクトルの意味を持って表現される。電流と考察点までの距離とその点の磁界の強度の3つは空間ベクトルの意味を持つ。共に他に対して直交したベクトル方向を意味する。それぞれのベクトルの方向を示す単位ベクトルn_in_rおよびn_h=[n_i×n_r](ベクトル積)使って示した。

直線状電流の意味と周辺空間。 アンペアの法則は電流周りの磁界に意味がある。直線状電流の矛盾を指摘したい。img278

電流の周辺。

電流の役割とその周辺空間。電流は一本の直線導体には流れ得ない。電流とは往復導線で初めて意味をなす。電流をベクトル計算で解釈するとき、その電流の周りの磁界で解釈するのが一般的である。その電流 i(t) を取り上げて、図に基いて考えてみよう。この電流による磁界 H(r,t) は実際には意味が無い筈である。しかし、殆どこの図の解釈で説明する。ここに、アンペアの法則の捉え方に誤りがあると気付いた。

アンペアの法則の原型は上の図の q点において、電流 i'(t) が受ける力を電流 i(t) による磁力と考えた事ではなかろうか。(ここまでは前のファイル①の文章である。)(2020/07/09)追記。結局電流は往復二本の電線で囲まれた空間でしか、その技術概念『電流』は意味が無いのであり、一本の導線を流れるとものと言う認識は論理的に矛盾である。

磁界と偏微分。

(ファイル②の書き換え。)ところが、アンペアの法則の解釈は無限長導線の電流 i(t)に対して論じられ、その周りの磁界 H(r,t) が電流に対する垂直平面上の距離 r  だけによって決まるという事になっている。その磁界ベクトル H(r,t) は

と表される。ただし、p 点座標ベクトル rr=xi+yj  である。

さて、上の図が何故使われるかと言うと、マックスウエルの電磁場方程式の解釈からの要請とみる。電磁波伝播方向に対する直交の変位電流を磁界の発生源として捉えた。

その磁界に対する偏微分がその p点の電流密度 J(t)k で、

として関係付ける為であろう。

このようなアンペアの法則を、一本の直線状の導線で解釈する事は電流の概念と相容れない解釈である。

(ファイル③の書き換え。) (参考) 磁界はベクトル成分に分解すると、

この回転の偏微分計算は

 

で、周辺空間の電流密度は0となる。

なお、電流 i(t) が交流のような場合でも、空間的な広がりには時間的遅延の意味は表現されていない。電流と磁界の関係は、瞬時的無限遠への光速度を超えた遠隔作用の式である。

遠隔作用の矛盾。 電流の時間的変化が有っても、法則ではその伝達に無限遠まで時間は不要だ。この関係が次につながる。

電流が流れるという意味は? 水は一本の管の中を流せる。電流は一本の電線の中は流せない。必ず往復の電線が必要である。一本の電線に電子を流し込んで、負荷まで届けられ、その電子の質量と電荷をエネルギーとして消費できれば有り難い。しかし残念ながらそれは無理な話である。空から空間を伝播させる高密度電磁エネルギー伝送の話があるが、それは電線が無く、光の高密度エネルギーと同じものであろう。電流概念には往復導線が必要である。その電流はエネルギー源と負荷との間の進行方向で定義される。電磁波がマックスウエルの方程式で、アンペアの電流・ファラディの磁界法則を統合し、更に「変位電流」を加えてようやく磁界発生原因を方程式に纏めた。やはり『電流』が電気現象の基本に据えられ、磁界発生の原因とした方程式である。しかし、その電流はエネルギー伝播方向に対して横方法に流れるベクトルである。電気回路の電流方向とは90度異なる概念である。この事は電流とエネルギー伝送方向とに関して相当意味が異なるようである。その点は別の機会に論じよう。ここではその変位電流について考えて見よう。電流と磁界の時間的関係は原因と結果の因果律の基で論じられるが、その時間的関係は同時性か遅延を伴うかをどう理解するべきかは判別しかねる。因果律には「同時性」はあり得ず、原因が時間的に早くなければならないと思う。『変位電流』について、その電流の意味は誘電体内の電荷移動で解釈されるようだ。真空内には電荷を定義できる対象物はない筈だ。その時も変位するのは電荷(電子質量の付帯概念電荷と言うようだ)だけではなかろうから電子の質量も伴う筈だ。質量は時間微分するのに不要だから電荷だけで良いのだが、質量を伴うとなると真空内のその存在を納得できない。その質量不要は電線内でも同じことだ。電子の質量は邪魔だ。話を遠隔作用の論に戻す。アンペアの法則は瞬時性で光速度を超えた概念と認識する。それは電気力線の描像でも同じ事であろう。一本の電気力線も空間的に光速度を超える意味だ。その横波電気量(電束、磁束)の描像の発生の起点から終点の時間的関係は、瞬時に広がった閉ループとして描かないと電磁波の縦方向への光速度伝播を説明できない。横に広がる瞬時の描像は論理に矛盾する。光速度を超える瞬時現象は認められない。

磁界・磁束の意味は? 磁界とか磁束と言う用語は今はある程度電気に関心がある人はみんな馴染みの有る言葉だ。精々200年ほど前に、電磁誘導と言う電気現象の存在が分かって、電気技術の根幹を支える概念となるまで歴史を重ね、現在の常識の電気用語となった。人間は偉いと思う。その概念を自然現象の中から有用な科学技術の基礎知識にまで高めて来たのだから。しかし、自然世界にはそんなものはないのである。人間が造り出した技術用語であり、概念である。人間が偉いというのは、たった一つのエネルギーを利用するための解釈法として、実に巧妙に利用し易く、考えやすく分析して、科学技術として育て上げて来たという意味での偉さである。その分析思考能力においては、西洋文明の特徴として称えるべき事であろう。そこには東洋哲学的方向性とは異なる思考形式があると観たい。磁界・磁気概念の本質にエネルギーとの関係の意味を示した。

磁束と電圧の関係。 初めにファラディの法則の電圧時間積分の関係で、磁束を理解するべきだと触れた。電流で磁束が出来るというのも感覚的には違和感を持つが、電圧を掛けてその時間との積分で磁束が出来るというのもやはり同じく違和感を持つ。電圧もエネルギーの一面的評価量である事を知れば、その時間積分が磁束量と言う評価量になるとの解釈は納得できる。同じエネルギーに対する科学技術量としての観方であるから。コイルの中の近傍空間にエネルギーが局所的に蓄積されるのであるから。

電流も電圧もエネルギー空間分布に照らして。 自然世界の包容力は何とその不思議の世界観を楽しませてくれるありがたさに在るとも思う。自然界の真理はこれほど基本が単純であるのかと驚嘆する到達点に在るのかもしれない。新世界ー科学の要ーで、科学技術概念の根源を問う『静電界は磁界を伴う』の意味を解いて、偶然の思い付きからその延長としての天晴れ(コイルと電圧とエネルギー)に到達した。

結び。 アンペアの法則の意味を少し分析的に解剖して、考えを述べた。自然世界の単純性と人間の思考の複雑性の対比として、科学技術概念の意味を電流とその法則を例に考えた。未来の科学技術教育の重要性と共に、理科教育の課題も示したかった。

(研究の余禄)。 『電流は流れず』の持つ意義はとても大きい。太陽光発電設備で、送電線が盗難にあった。電圧が低いから、高電流密度での計算から特に電線断面積は太く要求される。高価な電気銅はその設備管理にも影響が大きかろう。電流は、その本質が電線内などに流れているものでない事を理解すれば、電線は太さだけで中空電線で十分なのだ。その経済効果は技術革新に大きく貢献する筈だ。この特許権者は?

(*)電気の技術史 山崎俊雄、木本忠昭 共著(オーム社) p.31

『静電界は磁界を伴う』の解説

『瞬時電磁界理論』とはは『静電界は磁界を伴う』と言う標題で、東北大学での発表(電気学会全国大会 昭和62年4月1日)内容を取り上げた記事である。口頭発表予稿論文を訂正・修正して載せた。そこにその『解説記事』がファイルで纏めてあった。そのファイルが参考になると考えて、公開する。少し多い5ページになる。(2020/08/31) 追記、訂正。ファイル②の終段に間違いがある。誠に申し訳ありませんでした。陰極線発見のついて、J.J.Thomson (1856-1940) をエジソンと間違って書いた。なお、ファイルを読み返せば、お恥かしい幼稚な記述が多く赤面の至りと反省させられます。しかし、『電荷』否定の根幹は間違いでなかった。

静電界解説(1)

静電界解説(2)

静電界解説(3)

静電界解説(4)静電界解説(5)以上の解説として、『静電界は磁界を伴う』の実験結果の発表に至った論理的根拠や、その道筋の説明には成っているだろうと考える。

ファラディ電磁誘導則・アンペア周回積分則の物理学的矛盾

自然世界は不思議に満ちている。それ以上に人間世界は不可思議に満ちている。今、現代社会は情報通信を始め、科学技術に支配された世界を人は生きている。その科学技術を支えている基本原理を『物理学』と言う学問として学び、その真髄に迫ろうと皆努めてきた。にも拘らず、その学問『物理学』に疑問を抱き、その矛盾を指摘してきた。私は世界の姿の奥底にはとても信じられない『矛盾・虚偽』が隠されている事を確信せざるを得ない状況に至ってしまった。『電気磁気学』は『物理学』の1つの分野であるが、その一握りの事柄が「現代物理学」の根幹を揺るがす事にまでなるとは信じられない。原子理論はじめ全ての基の『電子電荷』を考えた事が始まりであった。『電子が動くと何故磁界が発生するか?』が始まりであった。今まで、『電流計は何を計るか』『磁界・磁気概念の本質』に述べてきたことである。それを物理学の教育と言う面から、「教科書」の中身を考えてみたい。

『ファラディの電磁誘導則』も『アンペアの周回積分則』も共に技術法則としてはこの上なく有用な法則である。慣れ親しむ程捨てにくくなる。しかし物理学的にはその論理性から見れば、欠陥に満ちている。磁束概念そのものの矛盾と、更に電流による磁束発生論理の矛盾を指摘したい。挿入ファイル6枚によって説明したい。先ず①で、教科書の説明を取り上げて、その矛盾を示す。コイルの傍で磁石を動かせばコイルに電圧が誘導される。その解釈に磁束鎖交で説明する事が論理的に間違っている。これは変圧器の解釈でも同じことである。

磁場空間における、規定条件     div B = 0  に従えば、磁束表現が矛盾なのである。

その点は後で説明する事にして、変圧器の技術的解釈で、磁束が電流によって発生すると言うことは間違いである。図版②の1次コイルに印加する電圧e1および2次コイルの起電力e2における式がそれぞれファラディの誘導起電力の法則を表現したものである。その式は磁束φと電圧eの関係を表しているが、電流は含まれていない。その起電力の式を書き換えれば、図版③に示す通り、磁束は『電圧時間積分』として決まることを表している。この事はコイルのインダクタンスに対する電流の解釈も改めなければならない。直流電流に対しても、コイルに印加された初期過渡電圧の時間積分値として磁束量が決定されると解釈しなければならない。この『電圧時間積分』と言う解釈は電力技術の分野では当たり前のことであるが、電気理論の教科書では目新しい事であろうと思う。そこで、家庭電器の中に普通に取り入れられている「インバーター」を取り上げて、『電圧時間積分』を説明しておきたい。トランジスターとダイオードで一つのスイッチを構成し、4つのスイッチA,B,CおよびDの切り替えで直流電圧 E ボルトの方形波交流電圧を作る。その負荷の変圧器の磁束波形は一定直流電圧の時間積分として、一定勾配の直線状に増加する磁束波形φとなる。その磁束を発生すると解釈している「励磁電流 io」と言うものはほとんど変化せず、磁束の発生源とは言えないことを明確に示している。家庭用太陽光発電設備なども、このインバーター動作が基本技術として応用されている事を考えて、そのスイッチの動作モードも波形の下に示しておきます。インバータの電圧eが正の区間①は、スイッチAとDが「on」となる。次にスイッチの切り替えで、BとCが「on」する前に、AとDを「off」しなければならない。その時余分なサージエネルギーを逃がす必要がある。それが②区間のダイオードを通して直流電源にエネルギーを回生する。ダイオードの重要な役目である。その後③の区間に移行する。以上が「インバータ」の基本動作である。さて、今まで「磁束φ」そのものが矛盾概念であるという点を説明せずに来た。divB=0と言う磁場規定と磁束による電磁誘導の説明は論理的に整合性が成り立たない。その点について、図版⑤として纏めた。ファラディの電磁誘導則という電気磁気学の

基礎理論の根幹を成す「磁束」を論理性が無いと否定することは技術者として耐えられない思いでいる。しかし、そこを認めない限りは新しい『真理』に到達する未来を拓く事は出来ない。

自然科学と言う大きな学問の全ての基礎に成る物理概念は非の撃ちようの無い真の姿で捉えたい。無駄や間違いによる混乱を避ける近道になる。最後の図版⑥として、アンペアの周回積分則の矛盾を取り上げる。電流と磁場の関係は、国際度量衡会議の「電流原器」にも採用されていると思う。しかし、私にはその『フレミングの左手の法則』の測定値が正しいとは信じられない。そのことを図版⑥で示す。コイルに電流計を繋ぎ、その指示値が I アンペアとする。コイルの近傍で3箇所の磁気状態を考えてみよう。(イ)は直線状の導線部。(ロ)はコイルの内部。(ハ)はコイル側面の外部。それら各部の磁場状態がアンペアの法則通りであるかどうかを考えてみる。(イ)の電線周りの磁束は、元々無い訳なので測定出来ない。当然コイル内の磁束も測定できない。しかし、(イ)も(ロ)も、共にその近傍には『エネルギー』の流れが実在する。そのエネルギーを検出する時に、『電流計』もその測定器の一つである。磁石で検知する事もエネルギーの存在を或る一面で捉えているのである。さて、アンペアの周回積分則が『真』であるならば、コイル外側部(ハ)の磁場はどのようであろうか。コイルに流れる電流が磁場を作ると言うなら、(ハ)にも磁場が出来て当然である。しかし、そこには磁気、磁束は出来ないのである。コイル電線の傍で磁気が無いのは何故かと『問答』をしなければならない。結論は、電線の中に『電流』など流れていないのである。しかも電流の基が『電子』となれば、そんな電子が電線の中を流れたからと言って、電線の外に磁気を作りだす訳がありません。電子には磁性保有の特質は定義されていません。負の電荷と質量のみで定義されているのです。電子が電線内を直線状に運動したとしたら、金属の電線の外に、どのような訳で、磁場を作り出すと言うのでしょうか。空間で電子が加速されると、負の電荷に入る電気力線(電界)がどんな磁界を発生するのでしょうか。その解釈に疑問を抱いたのが『静電界は磁界を伴う』の実験的検証を実行した原点である。

アンペアの周回積分則 とは導線に流れる電流 I [A] とすると、その導線の周りの磁界を電線周りで一周積分を取ると、電線の電流値 I[A] に等しいと言う法則である。そんな電線周りの磁界を積分する実験的検証方法が有る訳で無い。しかし、昔の法則はどんなに新しい発見が有っても、古い法則は新しく正されることなく、教育の題材として大事に守られる。上のコイル外側部の場合で、その電線周りの積分を取ったら、どのように周回積分則が成り立つと言えるのだろうか。電流が流れ得ないのに、電線内を『電子』の『負の電荷』が流れて、導線外部に磁場を生じると言う極めて非論理的な解釈が、物理学世界を構築しているのである。『電荷』が導線内部に在って、その金属遮蔽に対して遮蔽の意味を無視した論理で、外部に磁界を創りだすという発想そのものが人間の論理と言う不思議な実情を示していると言わなければならない。科学論理の人間的奇妙な不思議さ、この法則を解剖してみると見えて来る。