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津波とそのエネルギー

はじめに(3月20日) 

津波の恐ろしさは海岸に到達した波が陸の奥まで、すべてを押し流して襲い掛かることにある。東日本大震災(2011年3月11日)から9年が過ぎた。その巨大な津波が日常生活を破壊し、多くの命を奪い、忘れ得ぬ悲しみを残した。今回改めて、今まで津波現象の伝播エネルギーの計算をしてきたが、修正しなければ成らないことに気付いた。その点を含めて、過去の記事を確認しながら、改めて計算根拠を含めて提起する。

津波の原因

先日、9年前の津波災害の検証の放送がNHKスペシャルであった。今でも、その東日本大震災における津波の仕組みについての専門家の解釈は変わっていない。当時ツイッターで頻りに、海溝に陥没あるいは亀裂が出来ていないか調査してほしいつぶやいた。予測通り、海洋開発機構の『しんかい6500』が観測結果を提供された。2011/08/16に震源域の深海底に亀裂 『有人潜水調査船 しんかい6500』 でYouTube に調査結果が示されている。その亀裂は2006年の調査時には無かった海底亀裂が新しく出来たものだと言う話である。予測が的中した調査結果である。地震・津波発生の原因 (2014/06/15) にその亀裂を載せさせて頂いた。当時から、地震・津波の専門家の解説は歪解放の陸側の地殻の跳ね上がり現象が原因との話だ。

専門家の津波原因説 専門家の津波の原因としての解釈を図に描いた。全く理解できない疑問を3点挙げた。残念ながら、専門家による組織、政府機関である気象庁のホームページ記事の解説記事は間違っている。それが筆者だけの捉え方なら止むを得ない。

3点目に挙げた事。太平洋側に跳ね上がる事で、何故陸側に津波が到来することになるのか。太平洋側にしか伝播しないように思える。津波の波長は数㎞から数百㎞にも成るらしい。そんな長さの波を跳ね起こし、しかも跳ねた方向と逆向きに巨大津波を発生させるという力の運動力学的論理が全く見えないのだ。数百㎞の津波波長を大陸側の岩盤が跳ねると解釈する論理性が見えないのだ。それほどの長時間跳ね続ける等無理であると思うが、もしそのような事が起きると考えるなら、その論理的な説得力のある理屈を示すべきと思う。

専門家の津波解釈が理解できない根拠

津波前の急激な引き波―専門家に問う― (2019/06/26) がその根拠である。この引き波についても、気象庁の解説は、その事実を間違いとして否定している。2004年12月26日スマトラ沖での津波災害も、遠い海岸での海岸線の津波前引き波で、遠浅の海底が干上がり、魚が跳ねていた。その後に巨大津波が押し寄せたテレビ映像を見た。その津波前の引き波現象を専門家はどのように解釈するのか?その引き波現象について今まで、専門家が説明している事を知らない。

専門家は津波伝播エネルギー量の計算とその根拠を示して欲しい。

筆者の解釈 津波伝播エネルギーとは?

津波の現象について独自に考えた結果を提唱する。津波エネルギーの本質は何か。津波は海水面の上に高い階段状の衝撃波頭を持った長い波尾長の減衰波形で観測される。波尾長の長さが数百㎞に及ぶものもあるという。その津波が沿岸部に到達し、災害の津波として上陸する伝播エネルギーを如何なる現象と捉え、その『エネルギー』をどの様な力学的現象による量と認識するか。どのような理論的根拠を捉え、計算するのか。そのエネルギー量を計算するには、基本的には普通の水面波の波動現象をどの様なエネルギー量で捉えるかに掛かっている。水面波を物理学でエネルギー波と捉えていないところに最大の教育上の問題がある。『エネルギー』なしに波は発生せず、伝播もしない。すべて波は『エネルギー』の縦波であるから。波を観たら、それは『エネルギー』の伝播現象と先ず感覚的に理解しなければならない。その『エネルギー』を認識できるかに掛かっている。その『エネルギー』の水中分布を捉えられるか。津波が海岸部に襲来すると、津波伝播速度が遅くなる。その理由を海水の深さが浅くなるからと解説されている。その訳を式で説明されているが、何故そのような式で解釈できるかの理由が示されていない。その解釈には『エネルギー』の意味が全く考慮されていないから、その式が本質的な自然現象としての認識を伝える意味をなしているとは理解できない。津波の速度が結果的に深さに関係すると見える訳は、海洋伝播時の水の移動しない圧力エネルギー波(ほぼ200[m/s])が、水の流れる運動エネルギー波および水を持ち上げる位置エネルギー波に変わり、地形に従った止むを得ない『エネルギー保存則』によって起きる、エネルギー変換による速度変化の結果なのである。質量の流れない圧力エネルギーが水の質量の流れとしての運動エネルギーおよび位置エネルギーへの『エネルギー保存則』に基づく変換をするから速度が変化するのである。基本的に、津波の速度は深さには関係しない。その『エネルギー』の空間像を認識して、はじめて波の物理的意味が分かる筈だ。その上でその津波の『エネルギー』を数式でどのように表現するかであろう。残念ながら、津波エネルギーの計算根拠が示されていないように思う。

図1.Water pressure

海洋を伝播する津波波形は図のように描けよう。海面には大気圧poが掛かっているが、それをここでは考慮する必要はない。津波波形は波頭で急激に立ち上がり、階段波の長い波尾を引いたものとなろう。津波は図の h(m) の波の高い部分がその物理現象の原因となる。津波の意味を知るには、この部分の水圧が平常の海の水圧に付加されることによって、どの様な『エネルギー』の作用が生じるかを知ることが必要である。また大事な事は、津波は図のような波の水は即ち水の質量は少しも流れないという事である。津波の海洋を伝播する時の『エネルギー』は水の『運動エネルギー』ではないという事を知らなければならない。水圧の『圧力エネルギー』であるという事が普通の水力学での現象と異なることを津波現象の本質と知らなければならない。必ず津波はその波頭部の直前の海水面が低くなる。その意味はその直前の海水を只高く引き上げて、津波の波高値を保つのである。その水は流れないで、高く押し上げられ徐々に波高に従って高さが下がるだけである。この意味は普通の水面に現れる波が流れないで、只水面の上下する現象と同じことで津波を理解すればよい。津波の水も津波の進行方向には流れず、只上下するだけである。海岸で海水が流れ込み、陸に上陸したとき災害になる。それは海洋を伝播する津波の『圧力エネルギー』が海底の深さが浅くなると津波の『圧力エネルギー』を保存できなくなるから、水の『運動エネルギー』と水位の上昇での『位置エネルギー』に変換する現象によって、普通の水力学の状況になるのである。この『エネルギー保存則』の物理学理論を理解していれば、津波が「これ程高い所に来るとは理解できない」などと訝しく思う筈はないのだ。普通の『エネルギー保存則』の物理的変換現象なのである。

図2.伝播エネルギー

この伝播エネルギーの計算法で今までの解釈を修正しなければならない。津波によって生じる圧力エネルギーの災害を生じる『伝播エネルギー』は当然平常時に保有する海底までの圧力エネルギーとは異なる。津波の波高 h[m] の単位面積当たりの水中の圧力エネルギーは上の図の(5) 式となる。その津波波形の圧力は p[N/㎡] (図1.の(1)式)および『エネルギー』は(1/2)ρgh^2^ [J]  (5)式となる。津波に依る水圧増加分 p が海底まで掛かって影響する。結局全水圧の『エネルギー』から津波の無い平常時の圧力『エネルギー』を引いた分が津波の災害を引き起こす『伝播エネルギー』となる。その(6)式の『伝播エネルギー』 Et [J/㎡] が沿岸部に到達して上陸する災害の基となる『エネルギー』量である。単位面積当たりの量であるから、それの波全体に広がった『エネルギー』が伝播する。

図3.津波波動関数

地震震源地点の海底に津波の発生原因がある。その津波を引き起こす地殻のどの様な現象が津波の原因となるかの捉え方が問題である。それは次の問題として、津波が発生した波動を関数式に表現してみた。発生点を座標の原点 O とする。津波の波頭がO点から伝播し、その後の時間 t[s] 経過後の位置 x[m] 点の津波波高値 y=h(t,x) は(9)式で表す。津波の規模はその波頭の高さと波尾長で決まると観てもよかろう。波頭値を H[m] とした。津波速度は海洋では V=200[m/s] の一定値と解釈して良かろう。基本的には津波も水中の圧力波の縦波伝播現象である。関連して、水中の音の伝播速度は1500[m/s]のようだ。空気中の音の伝播速度もほぼ 331[m/s] 程度と言う。音の伝播現象も水中であれ、空気中であれ、それらはすべて圧力密度波『エネルギー』の縦波伝播現象である。ただ津波の圧力伝播速度が音の伝播速度に比して7分の1ほどの速度となる。その訳・理由は分からないが、『謎』として意識しておきたい。津波の伝播速度は一定値Vとして表現した。波長を L[m] とし、波尾長が一定の勾配 α=H/Lで減衰すると仮定した。(10)式は位置座標 x の範囲を示す。津波の規模は海底の発生源の広さ、亀裂の長さとその規模に依ろうが、またその結果が現れる波頭値 H と波尾長 L によって決まろう。

関数式と『伝播エネルギー』。

波頭の最大波高値 H から波尾の各波高値 h(t,x) に対して、図2.の(6)式から海底の深度 D との関係で『伝播エネルギー』は求まる。しかし、この値は実際には少し異なる。『伝播エネルギー』は本当は震源地点の海底深度で『エネルギー』の量は決まる。その『エネルギー』が伝播する途中で、海底深度が変化すれば、その『伝播エネルギー』は『エネルギー保存則』によって位置あるいは速度の『エネルギー』に変換される分が生じる。浅い川で水の流れを見ても、石等の上を流れるとき水面が上下したり早くなる様子が見える筈。飛行機の揚力と空気の流れと似た現象だ。流体は基本的に、圧力と速度の『エネルギー』変換現象の基にある筈だ。大事な事は水や空気の空間に在る『エネルギー』の諸現象をどの様に認識するかに掛かっていよう。物理現象で最も大切な事は空間の『エネルギー』の諸相をどう認識するかではなかろうか。このような解釈は、電気回路現象の中の『エネルギー』の意味の解釈から感覚的に捉える見方であるかも知れない。電気コイルの中の空間にインダクタンスと言う前に、『エネルギー』が存在していると認識することからの解釈であろう。『電流』や『電荷』あるいは『電子』の電気技術概念の前に『エネルギー』が有るのだ。

津波と波源 津波は波源から離れた海岸部に襲い掛かる水の自然現象の一つである。津波は地震に伴って起きる海底の地殻の陥没や亀裂を原因として、深海に掛かる水圧と突発的真空空間出現との関係に伴う水力学的自然現象である。地球の自然的活動の一つの姿でしかない。特に複雑な地殻の狭間にある日本列島は常にその脅威に晒されている運命にある。歪解消の地殻の跳ね上がりで、数百kmの波長の津波が発生するとは考えられない。海底亀裂や陥没による空間の出現とその高水圧との水力学による海水の引き込み現象と、その引き波の周辺海域への波動伝播が広範囲からの海水引き込みを呼び起こし、巨大な海水流入が起きる。それが津波前の引き波現象の原因である。この海水流入が長ければ当然波尾長は幾らでも長くなる。道草問答(5)-津波と真空破壊力-にもその時間との関係を述べた。これらの解釈に至る過程は、すべては水の中に潜って水の慣性や水圧などの感覚的認識が基になっているかも知れない。

東日本大震災時の『しんかい6500』の海底亀裂観測結果について。

しんかい6500によって海底亀裂が報告された。特に亀裂が北の方で、深さ5331mと言えば巨大な水圧であり、地震の震度が5程度であっても此の水圧からすれば、巨大津波になった理由として不思議ではない。NHKのスペシャルを見ての感想。

また、海溝が日本列島に平行に走っているから、亀裂がその海溝に沿って発生すれば津波は太平洋沿岸に平行な波頭の津波として襲い掛かると考えられる。その津波の威力は衰えずに沿岸部まで到達することになる。海底亀裂の恐ろしさである。しかしその亀裂に関する観測結果が津波との関係で捉えられていない点で、とても不思議である。

津波と速度。津波の速度には水が流れる速度と水が流れない『伝播エネルギー』の速度と様々なものがある。津波とその速度 (2020/3/27) にまとめてみた。海洋伝播する『伝播エネルギー』の速度は200[m/s] の高速度で、深さにはほとんど無関係と見做す。

海岸に上陸し、直接災害をもたらす津波の速度は一概に幾らとは決まらない。海洋を伝播してきた『エネルギー』の総量と到達海岸の地形によって『速度』も「到達高さ」も決まるものである。

まとめ

災害を及ぼす津波波動は陸に上陸した海水の流れる波である。その津波の高さと災害の脅威は海洋を伝播する津波波形のただ高さだけでは理解できない。防潮堤の高さがどのような意味を持つかを理解するには海洋の津波の『伝播エネルギー』を理解する必要が有る。海岸部に到来する津波の速度などの計算式は別に考えたい。

関連記事。エネルギーで見る世界―津波― (2011/3/27) 。 大津波の発生原因を探る (2011/4/18)。 津波を(tsunami)解剖する(2012/2/13)。 道草問答(5)津波と真空破壊力 (2012/12/20) 。 道草問答(7)水圧と水頭 (2013/5/6)。津波と圧力水頭 (2018/5/1)。 津波前の急激な引き波―専門家に問う―(2019/6/25)。

津波とその速度

はじめに(2020/3/27)。津波の伝播エネルギーを計算した。その記事を書きながら、「津波の速度」の意味が曖昧に思える。元々津波の物理現象の捉え方が曖昧だからと思う。基本的に津波も、普通の水の水面波と同じく水の移動はない。水は流れず、津波の圧力波が海洋を伝播する現象である。津波は陸に上陸したとき水が流れ込む。その陸上を襲い掛かる津波の速度と海洋を伝播する津波の速度さらに津波波源の状況の速度と、津波の速度という速さにはいろいろある。その意味でまとめておきたい。
巨大津波の原因。
海底亀裂による真空空間の発生。津波(tsunami)を解剖する (2012/2/13)。で指摘した。その絵図を載せる。

 

海底亀裂の図。大陸側の地殻の跳ね上がりが津波の原因と言うのが専門家の解釈である。しかし「しんかい6500」の2011年8月の海底調査結果は海底に亀裂が新たに発生したことを示している。

 

 

海底亀裂による津波発生のメカニズム。

突然海底の高水圧の処に空間が出来る。それがどのような物理的意味を持つかはだれでも想像できよう。地球の寝返り程度の日常の活動であっても、その空間は人が作り出せる空間ではない。ほぼ真空状態とも思える空間が高圧『エネルギー』の欠損空間として出現するのだ。強烈な海水の吸い込み現象が起きる。水は一体的な慣性体と見做せよう。その吸引力は波動として、その津波源から周辺海域に伝播する。どこまでも海水を引き寄せる波動が伝わる。それが海岸線に現れる、津波前の引き波現象である。津波の波源に寄せる海水が高く競り上がり、その海水が周辺に広がり津波の本体となる。巨大津波の発生原因はあくまでも海水が広い水域から寄せる海水の量で決まると解釈する。その原因が海底亀裂である。【不可解】この絵図は2012年に「メディア」に保存したはずであるが、消えてなくなっていた。何故この図が消えたのか不可解である。ブログに問題があったのか? 津波(tsunami)を解剖する (2012/2/13) の図。この図の津波の速度 V=200[m/s]は海洋の深さには余り関わりなく、ほぼ一定の伝播速度と解釈する。その訳はチリ地震による津波伝播速度を基に解釈した。チリ地震。1960年(昭和35年5月23日午前4時過ぎ‐日本時間‐)M 9.5 の津波が日本の東海岸に時速750km(秒速208.3m)で到達し、犠牲者142名を出した。その伝播速度は海洋津波伝播速度と解釈して良かろうと考えた。なお2010年2月27日にもチリ中部地震、M8.8が起きた。ペルー・チリ海溝の深さはおよそ8000mにもなる様だ。その海底の単位㎥当たりの『圧力エネルギー』は水圧と単位体積の積で、ボイルの法則により E= ρgD = 78.4 ×10^3^[J]となる。亀裂の体積とその発生時間微分が津波の規模を決めると解釈する。

津波の速度模擬実験。

津波は上陸した災害をもたらす恐ろしい水の流れで意識する。それは確かに水が流れて災害を起こす。だから津波は水の流れる現象と理解する。しかし、津波の本質は海洋を伝播する『圧力エネルギー』が持っている。その海洋を伝播する物理的実体は何か。物理学で、普段の水面波をどのように教えているか?その伝播する物理的実体を何だと解釈しているかである。教科書を開いても、そこには『エネルギー』という意味はどこにも見えない。その波の教育で、津波を理解できる訳がない。津波が恐ろしいのはその伝播して陸に上陸する海洋の『エネルギー』の規模なのである。普通に目にする水面波は水は流れずに、水面が上下するだけの波動で伝播する。その波動の物理的実体は何か?を知らなければ津波の意味は分からない。津波の意味を理解するための実験を思いついた。その試してみたい実験が図の装置によるものである。ダムの水位Hとして、水路の深さをその何(n)倍にすれば良いかは不明だ。

普通の水力学の実験とは全く違う。今までの水力学の実験で行われる水路の水の現象では解明できない津波の現象である。物理学は空間の『エネルギー』の物理的実体を認識しておらず、力学の対象にしていない。津波は深い海水の表面に現れた波の階段波である。深くて長い水路(A)に水の貯水ダム(B)を準備する。突然(B) の扉を跳ね上げる。水路(A)に水が流れ込む。水の上の水はどのような流れとなるか。初めは水路の水の中に流れ込む。水は区別がつかない同じ水になる。しかしその流れ込んだ『エネルギー』は消えない。ダム(B)内の水は水路(A)の水より位置が高いだけ、多い位置の『エネルギー』を保有している。その『エネルギー』は水路に流れ込んでも『エネルギーの保存則』の原理の基に残される。その流れる水の中に保存された『エネルギー』が、どれ程の距離Rを進んで津波の波動となるかは分からない。実験的に確認しなければ分からない。しかし必ず津波の波動となり、水の流れない『圧力エネルギー』の伝播現象となる。水が実際に流れない波は水の質量の『運動エネルギー』とは認識できない。この水の質量の流れを伴わない波を物理学では『エネルギー』の流れと認識しないようだ。水力発電所の『位置エネルギー』の利用と言う概念も、実際に水が流れる事で利用できるものであるから、質量の運動として認識できるものである。しかし、津波の伝播する『エネルギー』は質量に相当する水の流れが無く、物理学の『エネルギー』の概念には馴染まないものであろう。この津波の水の流れない伝播速度 V がここで問題にする『速度』である。

津波の速度。

大まか四つの速度に分けられよう。津波の波源に流れ込む海水流の速度。これは実際に水が流れ込む普通の速度である。それは水の質量が流れ込む。二つ目は、津波源から流入海水が流れだす現象の速度。三つめは所謂津波の速度Vである。この速度Vが海洋を伝播する速度である。ここでの解釈の主眼の速度である。四つ目は海岸に到達し、災害となる、上陸する水の流れる速度である。この速度は『エネルギー』が運動速度の『エネルギー』に変換されて上陸する。その『エネルギー』が流れを塞き止められれば、高く位置の『エネルギー』に変換されて想像以上の恐ろしい高さまで駆け上る津波の水となる。津波の高さという意味は、海洋を伝播する階段波の高さとは全く関係が無いと言ってもよい。災害として防潮堤を乗り越える津波の高さは防潮堤で遮る事が出来ない意味を持った高さだという事を知らなければならない。それは海洋を伝播する『圧力エネルギー』の総『エネルギー』量に掛かっているのだ。津波の波尾長の長さも『エネルギー』量になる。その総量が災害の上陸津波の恐ろしさを持っている。

津波(tsunami)を解剖する (2012/2/13)。エネルギーで見る世界―津波― (2011/3/27)。

Friction heat and Compass

追記(3月23日)。少し説明不足が有った。電気クラゲが浮遊する現象の主張したい点は反発力かと思う。静電気ではクーロンの法則での同じ電荷同士の間に生じる反発力になろう。電気クラゲの浮遊現象はクラゲがマイナスの『電荷』即ち『電子』なら、風船も同じく『電子』でないと反発力の意味には成らない。その点に関して、以下の記事での摩擦による『熱エネルギー』とコンパスの関係は反発力の説明には成っていない。以前から摩擦の熱エネルギーと電気エネルギーは同じものとの解釈に立っていたので、電気クラゲの話についコンパスとの実験を思い立って試みた。しかし電気クラゲの反発力の実験としては説得力がなかった。そこで、少し追記にて説明したい。電気クラゲはビニル片を通して、『熱エネルギー』を放射するであろう。そこに摩擦した風船も『熱エネルギー』を周りの空間に放射すると考える。電気クラゲの放射が強くその反発力と解釈して良かろう。

はじめに 「電気クラゲ」の記事が 新潟日報 (2020/03/21 土曜) に載っていた。楽しく拝見させて頂いた。記事の通り「かぎは静電気」である。それが世界の科学理論・電気磁気学の伝統的科学常識である。今も、「科学革命の構造」トーマス・クーン 中山 茂 訳(みすず書房) の第九章 科学革命の本質と必然性 を少し読みながら、正しくその通りと『パラダイム』の意味を考えさせられて居る。

『エネルギー』の不思議
『エネルギー』は様々な姿で世界に現れる。それをそれぞれ自分好みの観方で捉える。『電気エネルギー』も『光エネルギー』も『熱エネルギー』も質量から解放された独立の単なる空間に存在する『エネルギー』なのである。
『電荷』『磁束』も空間に存在する『エネルギー』を自分好みの捉え方で、自然世界を見る便法でしかないのである。『電荷』や『磁束』が自然界に実在すると考える捉え方が、今まさに問われているのだ。

摩擦と摩擦熱。
物を摩擦すれば、そこには仕事に相当する『熱エネルギー』が発生する。それは触れば熱くなるから、その存在を理解できる。その『熱エネルギー』はより温度の低いところに放射されて、空間分布『エネルギー』の平準化に向かう。所謂放射現象や伝導現象によって熱は流れる。

摩擦熱に磁気コンパスの反応。

動画の投稿が出来ないので残念。ブログでは「セキュリティ上の理由によりこのファイル形式は許可されません。」となる。You Tube でも「無効なソース」の為投稿不可。結局、摩擦エネルギーの意味を示す動画での解説、検証説明ができない。

その実験内容。アクリル系の樹脂の物を指や紙で擦る。理科実験用の方位磁石のコンパスを備える。そのコンパスに摩擦したものを近付ける。コンパスが強く反応して指示方向が回転する。

科学論のパラダイム。伝統的科学論は『電荷』が電気現象の根本にある。『電荷』は、『電子』は『エネルギー』とは観ない。まさか空間の『熱エネルギー』の現象が『電気クラゲ』の姿とは誰も考えないだろう。それは『電気クラゲ』の静電気が伝統的科学理論の世界標準論に基づく解釈であるから。しかし誰でも何か絶縁材料を摩擦して、コンパスに近付けてごらんなさい。コンパスの指示方向が変わりますから。ただし、大事な条件が有ります。コンパスは空間に支持されていなければならない。オリエンテーリング用の油の中の磁針や周辺に閉鎖さた磁針でないことが必要である。空間の光エネルギー流を検出する確認実験であるから。『静電界は磁界を伴う』の電磁界解釈の検証実験結果を発表してから33年経った。

図3.直流電界とマグネットの回転

Above are photographs of the experimental results when DC voltages of +15kV,+30kV and -30kV were applied to the Rogowski electrode.

The schematic diagram of the experimental device is shown on the right. This experimental result is impossible according to the traditional theory of electromagnetism. That is, the concept that “the magnetic field exists in the space of the electrostatic field” should not exist in the theory of electricity. However, the results showed that “the electrostatic field is accompanied by a magnetic field “as based on the theoretical prediction. the basis of the theoretical prediction was that “the magnetic flux should be considered to be generated by voltage-time integration”. That is 33 years ago.

The results of this experimental have completely undermined my understanding of the theory of electromagnetism. Finally,” charge” does not exist in this natural world.  Therefore, “electronic theory” does not hold. I reached the point of that conviction.

上の写真は、直流電圧 +15kV  、+30kV、⁻30kVをそれぞれ平行版の金属電極に掛けたものである。これは電極に伝統的電気磁気学論に依れば『電荷』のプラスとマイナスが金属板に集まる。しかも直流であれば、電荷は一定値で、変動しない。その空間は一定の静電気による静電界の場の筈である。決して磁界は存在しない筈である。図は、円形のコンパスをその空間に吊るした状況である。電圧がゼロの時はコンパスは地磁気の方向を向いている。直流電圧を高くすると、コンパスの向きはその方向を変える。ある角度だけ回転して、地磁気の方向と異なる方向を向いて停止する。さて、『電荷』でどのように解釈するか?の問題である。

追記(2020/3/28)。The geomagnetic direction that is the reference for the compass in the Rogowski electrode is shown.

上のロゴウスキー静電界内の磁気コンパスの方位について基準となる「地磁気」を示す。

 

 

磁気コンパスも示そう。支持はベークライトの円柱棒。マグネットはフェライトコアで、掲示用品に木綿糸の留め支持リングを接着剤で付けた。

 

 

 

 

鋏の磁気?

はじめに

急に気付いた、今まで珍しい現象が有るものだ位にしか思わないでいたことを。見ても気付かない事が有るという、その意味は自分の意識の有り様を理解し、考えるに充分な価値のあることだ。過去の電気工学論で、絶対的実在量と確信していた電流(電線金属内を負電荷の電子が逆向きに流れるという科学論の電流。そんな電荷が導体内など流れる訳がなく、電線路空間内をエネルギーが流れる現象を電気技術論として捉える概念として構築したものが電流計で計測する電流技術概念なのだ。)が自然世界に存在する物理量でなかったと気付いたことから見ても、何も不思議な事でなく日常的に有り触れた人間の意識の姿であったかも知れないと気付いた。物理学理論の根源的「原子像」も原子核の周りを電子が周回しているという科学的、社会的常識の標準理論で世界が支配されている。誰もその「原子構造」を疑いもしない。それを理解できない原子像と否定するのは筆者が常識外れの素人か、偽科学論者として排除されるかも知れないが。『電荷』を否定した筆者には、原子構造論を疑う事は至極当たり前の自然科学論の心算で在る。そうであっても、何年先、何十年先になって皆さんが気付くかと考えれば、それも気付きの人の意識の問題として不思議な事でないのかも知れない。今回は高が鋏の磁気現象でしかないが、とても大事な意味が含まれている。

それが右の砂鉄模様である。コンパスで確認した結果が写真に示した磁極N Sである。今回改めて気付いたことは鋏中央部が何故磁極 N になるのかという事である。磁気はマグネットのように、磁性材料の両端に在るものだ。金属の真ん中に磁極がある等と言う磁界はあり得ない。直ぐにそんな訳が無いと気付いて当然だ。しかしそのことに気付かないで過ごしてきた。今回の気付きの、その切っ掛けとなった事に、『ハルバッハ配列』の磁気現象の存在を知った事があるかも知れない。この鋏の磁極 N はどのようなエネルギー流によって生まれるのかという疑問に気付いた。磁極を磁束描像で認識することには論理的な説得力に成らない基本認識からの疑問である。この写真に示した砂鉄模様は、今までの物理学理論への認識を新たな捉え方に切り替えなければならない実験的証明の意味を示している。鋏が何故磁気を帯びるのか?ほとんどの鋏をコンパスで調べれば、何等かの磁気を帯びた結果を示すはずだ。そこに隠された意味が有る。その意味を解き明かしたい。

磁場とは何か?-物理学の命題– (2016/03/29) で鋏に磁気の極性が生まれる事を取り上げた。何故鋏に磁極 S-N-S の配列が生まれるのか?磁極は『軸性エネルギー回転流』に依る物理的現象である。磁束も自然界には存在しないもので、科学技術理論・電気磁気学理論の構築に有効な概念として仮想的に創作した物理概念である。ファラディーの法則として電磁気現象を解釈する極めて有効な概念が磁束量である。磁石のように離れた物同士の間に働く力を、解釈するにはその空間に変化をもたらす何かが存在すると考えざるを得ない。その創作概念が磁束である。しかし、もし磁束があるとしたら、その磁束の何が『力』の基として空間で機能すると考えるのか。磁束が空間で太くなるとか、本数が増えるとか、力が強くなるにはその磁束にどのような空間の状況の変化を生むのかを説明しなければならない筈だ。しかもどんな磁束の式で表現されるのかを。磁気のクーロン力には磁束がない。それは距離の長さが変数である。磁界の原則を説明したdiv B = 0 は空間に磁束を発生する基の磁荷 m[Wb] は存在しないことを説明した式である。理解して欲しいことは、空間に『エネルギー』が実在するという事である。『磁束』と『エネルギー』との関係である。光は『エネルギー』である。光を観ようとしてもその姿は見えない。空間には『エネルギー』が、その代表として「光」があるが、それを見る事はできない。物の姿は「光」によって見る事はできるが、「光」を見る事はできない。電気コイルは『エネルギー』をその空間に貯蔵、保持すると解釈するが、その『エネルギー』があるとは解釈しないで、『磁束』で代用して解釈しているという事ではないのか。空間の電磁場を電界や磁界で解釈するとき、その空間の『エネルギー』を意識しているのだろうか。結局磁界や『磁束』もその空間の『エネルギー』の代用概念として使っているのじゃないか。電池は電気の『エネルギー』の貯蔵器だ。電池が何を貯えるものと考えるのか。『電子』を貯えるものではない。電子など『エネルギー』じゃない。電子が負荷を流れたからと言って、負荷がどのように『エネルギー』を使うと言えるのか。電子は『エネルギー』を背負って移動する訳ではなかろう。電池の『エネルギー』をどうして意識して解釈しないのか。電線で囲まれた空間を流れる電気の『エネルギー』を何故考えないのか。電磁気現象の本質はすべて空間の『エネルギー』の現象なのだ。目に見えない『エネルギー』や『光エネルギー』の空間場なのだ。

解析結果

磁極とエネルギー流 鋏の腹に当たる中心部が磁極Nである。鋏の鉄金属の中心がN極になる訳を磁束では説明不可能であろう。図解のように、丁度二つの磁石が N 極で向き合った磁気結合の構造をなしている。結局その結合がN極周りの図解のような、鋏のどの方向から調べても全ての面で軸性エネルギー回転流の磁極 N の指向性を示す。腹部のN極の鋏のどの方向でもコンパスを近付けると、そのエネルギー流がコンパスのS極のエネルギー流と同じ流れとなる。そのエネルギー流の合成分布が磁極の向きを揃える力を生む。鋏のN極のエネルギー流とコンパスの磁極 S のエネルギー回転流(その密度流ベクトル S [J/㎡s])に直交した方向に、二つの磁極の間での近接作用力

f = rot (S/v) [N/㎥]

が発生する。磁極周辺空間内を通して金属同士(コンパスと鋏)の間に作用力が生じることになる。

むすび

何故鋏が磁気を帯びるか?鋏の使いの機能、即ち2枚の刃を擦り合わせる事によって摩擦のエネルギーが原因かと考えた。しかし、その点の確認はできなかった。感覚的には、製造加工時の加圧ネルギーが原因かとも思える。今のところ不確かではある。

他の鋏でもその磁気分布を調べた。鋏によって、その模様も異なる。左上はその例だ。磁極が端に在る訳でもないことを示す。

 

 

 

視界と光の科学

はじめに(2020/02/28)
視界の一事を理解することがとても難しいと知った。人も動物も水平二眼によって視界を認識する。視界の対象である万物から届く光によってその存在する世界を知る。すべて光の本性が司る世界像である。光の何たるかを知って初めて視界の意味が理解できるのであろう。また、人の視界認識の仕組み即ち二眼によって取得した光の情報を脳でどのように処理・判断するかの脳機能を理解して初めて視界の意味が分かったとなるのだろう。脳機能まで理解するなど無理である。大よその処で自分なりに納得できれば良しとしたい。

今思い出す印象的な記憶が有る。それも光の不思議としての子供の頃の思い出である。

図1.障子戸の針穴写像。朝早く、まだ板の雨戸を閉めたままの薄暗い部屋で、晴れた日の障子戸に映る鮮明な影絵が目に入る。板戸と障子戸の間は10㎝程の隙間が有る。雨戸の杉板の節の割れ目の針穴から光が差し込み、家の前の杉林の影が障子戸に映る。所謂「針穴写真機」の原理である。広い風景から、小さな針の穴を通して、その風景の各点からそれぞれの一筋の光が真っすぐに障子戸の紙に幾何学の直線を引くように届く。決して光は干渉等すること無く独立の一筋を描いて空間を伝播する。

視界構成に果たす光の基本特性。

光路独占の原理。視界を認識することができるのは光の特性にすべてが掛かっている。遠景も近景もその瞬時の同時性で認識できる。それは光の超高速度の『光速度』に依るからだ。もう一つは光の直進性に依るからだ。光は決して曲がらない。伝播空間の媒体の特性に従った速度で伝播する。それが「蜃気楼」のような現象になるのでは視界を認識できなくなる。伝播空間の媒体の空間特性の変化が生じるとそのように視界認識できなくなる。「逃げ水」もその例だ。そんな状況が普段は起きないから、当たり前のごとくに視界における光の特性など考えもしない。媒体空間に意識的に変化を起こさせるのが「レンズ」などの技術である。その視界における光の特性を【光路独占の原理】と仰々しく名付けたい。

図2.一点の放射光 視界の中に観る対象の一点から光は四方八方に放射される。この一点から全方位に放射される光が有る中で、ただ一筋の光だけが視界の構成に役立つ。その光は決して他の光の伝送路の邪魔をしない。その光の通り道はその光だけの独占光路である。宇宙論で、水星の近日光(?)と光が重力の影響を受ける話が有るが、光は伝播光路に障害が有れば、その近傍で回折する筈と、その現象の意味を考える。一言付け加えておく。視界の対象の一点からの放射光が眼の角膜を通して入射する。角膜の表面全体には対象の一点からの光が無数に入射し、それが水晶体を通して一点(水晶体の内側の面が硝子体管の入射面になる)に集光する。その点の光は対象の一点からの四方への放射光が角膜の表面の各点を通して、それぞれの一筋の光路を独占して入射する。

テレビ画面とその視界。PCやテレビの映像が現代社会の生活基盤を支えている。テレビ画面はどの方向から見ても、映像は乱れなく観察できる。何も不思議のことではない。当たり前の常識である。しかしよく考えると、テレビ画面から放射される光が、各画素の一点から半平面の立体空間(立体角 2π [st(ステラジアン)])に放射されている訳でありながら、その光は決して隣の画素の光の光路を邪魔するようなことはない。その事の中には、光が如何に自然界の厳格な仕来りを司る役割を担っているかという深い意味を持っていると考える。光路独占の原理と言いたい。自然界の王者光に乾杯!素粒子をも構成する素原として。

視界は天然色である。目に入る視界の万物は天然色である。視野・視界に入る対象はすべてその固有の色彩の光を放射している。木炭の炭は真っ黒い色で、それは光を放射していないからである。すべて光を炭の構造体の中に吸収してしまうからであろう。炭素抵抗体が電気エネルギーを吸収して熱に変換するように。さて、図2.の一点の色が決まるのは何故だろうか。何故その色の光を放射するのだろうか。視界に入る風景はすべて色彩豊かな景色である。その光はほとんどが対象からの反射光である。反射光という事はその反射光となる前のその対象に入射する基の光が有った筈である。それ等の対象を取り巻く空間に満ちている光が基の光である。全天空光とも言うかもしれない。青空の光と言うかもしれない。視界に入るすべての対象の色彩はその対象の入・反射の光波長変換特性によって起きると解釈する。その点を、光源の輝度とは? (2020/03/07) にまとめた。

水平二眼の視界。
図3.二眼の視界 目の前に蜜柑をかざす。片目をつぶって、それぞれその蜜柑を見る。蜜柑の位置が左右に動いて見える。右目で見れば、右側が見え、左目で見れば蜜柑の左側の側面が多く見える。それぞれ異った見え方で、左右にズレて見える。しかし両眼で見れば、一つの蜜柑として左右の混乱なく認識できる。水平二眼による視界の特徴は遠近とその機能による奥行きを無意識に捉え

ることにあると考える。水平二眼がどの様な光と視界の意味を持っているかを二眼珍カメラで考えれば分かるかも知れない。どんなに焦点をそろえても決して鮮明な写真は撮れないはずだ。二眼のそれぞれの像が写るから。

反射鏡の視界。

平面鏡。図4.鏡と写像。普通の鏡に映してみる。ガラスの透明な保護面を通して金属面での反射像を視界とする。鏡の反射視界像の特徴は、実際の視界と左右が必ず反転していることだ。前にNHKのある放送番組で取り上げられた問題で、初めて意識した。上下はそのままだが、左右だけが何故反転して映るかと言う疑問の提起であった。考えてみた。自分の顔が左右反転している。何故か?と問われても特段説明が付かない。鏡の反射像は目の上下、左右からの反射現象だから、鏡を通せばその反射光線の光路から、当然のことである。水平二眼の仕組みも、片目で鏡の写像を見ても、左右の位置が相当逆方向に移動した視界となる。異なる反射像を見ている筈なのに、一つの視界として認識する脳機能の方がとても不思議に思える。結局考えれば、反射鏡での光の反射現象としての理屈は当たり前のこととしての結論にしか導かない。

図5.放物面鏡と視界。反射鏡で有名なのが放物面鏡である。巨大な天体望遠鏡としても利用される。マイクロ波の通信アンテナ設備も、衛星放送のアンテナも放物面鏡の一つだ。天体望遠鏡は星の光を反射させる。衛星放送アンテナは放送電波を反射させて、焦点の受信端子で電波の縦波のエネルギー分布波を受信する。光も電波もエネルギーの縦波であるから同じものとしての機能が働く。図5.は焦点に二眼で見る意味である。厳密には二眼に入る一つの星からの光は僅かに異なる光路となるのだろう。それで遠近をと思うが、実際はどうか?天体観測は焦点の鏡の反射視界を望遠鏡で観測するのだろう。この視界も上下はそのままだが、左右は反転した視界となる。だから天体観測写真は左右逆転像の筈だ。見る方向で、横にして見ればその軸の左右が逆転像の視界となる。天体の上下左右は意味が分からなくなる?これも鏡の宿命的反射視界の現象だ。

逆さ富士の視界。湖が静かな時に、そこに富士山が逆さに映る。そのような湖面の反射像は上下が反転し、左右はそのまま映る。これも鏡の反射現象に基づく視界の一つと言えよう。

ネガの反転写真。カメラのネガの逆さの向きでの焼き付け写真。ネガの向きを逆に焼き付ければ、丁度平面鏡の視界の写真となる。以上幾つかの反転視界を拾ってみた。

視界認識―水平段層視界―
図6.視界認識。水平二眼による視界認識機能。視界を認識するには一眼でも可能である。あらゆる動物も一つ目小僧はいないようだ。カメラでの写真を見れば、普段我々が認識している視界の姿がその写真に見える。だから、一眼カメラの視界が我々の認識視界と同じと思っても致し方ないかも知れない。しかし、図3.の二眼視界のように二つの目で別々の視界を捉えている。それを脳の機能で一つの視界と奥行きのある三次元視界を見ていると解釈したい。その三次元は水平の視界認識においてである。だから、視界が水平二眼で認識されるという事は無意識に、水平の段層視界の積み重ねとして認識しているのではないかと考える。図6.はその意味を写真を使って水平視界の分解像として表現した。

むすび。
視界と光の科学(屈折) (2020/02/16) に続いた視界論。

光源の輝度とは?

はじめに 風景を見れば、それは天然色に彩られている。何故万物はそれぞれの固有の色彩なのか。視界をなす光の特性の謎が増す。その光源は何か。

照明工学と輝度 風景は光の反射現象によって成り立つ。

その光の光源は何か。視界の物理現象を理解しようと考えたら、その視界の光源の意味が分からない。日中は太陽の光で視界全体が明るい光の中にある。直接太陽の陽が当たらなくても、視界は天然色に彩られている。その色彩を奏でる光源は空全体の輝度と見做せるかと考えた。視界の物理現象として理解を深めようとしたが、結局は無理であったかと考えざるを得なくなった。その訳が照明工学での、技術用語の定義や概念にあると理解した。上の絵図で、ローソクの炎を例にまとめてみた。照明の用語には光の量を捉える『光束』、その単位ルーメン [lm] があり、その量を基に単位系が構築されている。一応「電気工学必携」を参考にして、光度 I[cd] (カンデラ)および輝度 B[sb=cd/㎠] (スチルブ)の定義をまとめた。

光束[lm]が物理量『エネルギー』との関係で定義されないところに、色彩や照明の物理的解釈ができない原因がある。人の視感度曲線で、可視光線しか認識できないため、紫外線などの自然界の現象を司る成分を我々は閑却しているのだと気付いた。自然の万物の天然色の色彩は我々が意識しない光の波長成分が大きな意味を持っているのかとの予感がする。光束[lm(ルーメン)]と比視感度 (2010/11/25) が原点にあった。

薔薇は何故赤い。

詩心 乗せて観世の 帆掛船 177号(2007/08/07)

「深紅の薔薇は何故赤い」の色彩の考察の絵図である。薔薇の色を演ずる自然の仕組みは深すぎる。深紅の光が有る訳ではない。人にその薔薇の命の営みに共感してほしい願いの姿と見たい。その色彩を演色する花びらの物理的機能を何と捉えるか。花弁に入射する光が如何なる波長変換機能によって、赤い色に変換されるか。入射光が決して赤い光の訳ではない。元々光に色が有る訳ではないから。命同志の心のつながりの仕組みを奏でているのだと解釈した。

参考記事。色の世界を尋ねて (2012/01/05) は自慢の色彩論である。視界と光の科学を纏めるに、視界の光源の役割は何かと少し別にまとめた。光の波長変換機能として万物の色彩の意味を解釈する外ないと考えた。薔薇の花弁の分子構造体の空間格子構造内での光エネルギーの共鳴現象と捉える。それには光が空間エネルギー分布波と解釈する必要が有ろう。振動数では空間像が捉えられないから。

 

マグネット 摩訶不思議-ハルバッハ配列-

はじめに(2020/02/21) 久しぶりに楽しい時間を過ごさせて頂いた。ものづくり・科学フェアinアオーレ長岡、2月1日。普段は全く科学や伝統技術に触れる機会がなく、ひきこもりのブログ投稿で過ごす。今回の催しに参加し、科学の雰囲気に触れられ、話ができる満足を楽しませて頂いた。その科学技術で、少し勝手に質問等させて頂いた展示部門に「ハルバッハ磁場」がある。お相手頂いた方(学生さん?)にはありがとう。久しぶりに『磁気』の専門的な部門の不思議を味わった。展示された先生には感謝です。改めて、今回もう一度「磁力」の物理的現象の意味を考えてみたくなった。自然現象、物理現象の解釈を学問とした物理学は、ややもすると簡便な伝統的解釈手法に拘泥したまま、その理論に不思議とか疑問とかを抱かなくなっている。所謂「考えない」伝統論が支配してしまった。筆者が取り上げる内容は、それらの伝統論の矛盾を拾い出し、新たな市民が理解できる易しい科学論(数式を使わない日常用語あるいは空間図形表現で解説する科学論)を目指すため、専門家の皆さんからは顰蹙を買う内容となろう。教科書批判ともなる訳だからなお更ややこしいことになる。ご容赦の程お願い仕ります。今日ダッシュボードに、関連した古い記事が読まれて、コイルの電圧時間積分と角周波数 (2016/03/21) が挙がっていた。この記事を書きながら、もう一度磁束の意味を、その概念に自然現象としての物理的な論理性が有るかどうかと自身で確認した。それが電流と磁気と空間の哲学 (2020/02/24) である。

摩訶不思議(2020/02/20) 非常に不思議だという意味で魔訶が付く。解けそうもない永遠の謎に思えるのがマグネットの磁気エネルギーの保存原理だ。電気器具の電池が切れるような、マグネットのエネルギーが切れることに遭遇する経験がない。何故マグネットは幾ら力によってエネルギー消費の物理現象を辿ってもマグネットの機能がなくなることが無いのか。エネルギーの永久保存則など有るのだろうか。それは地球が自転・公転する原理が理解できないと同じ位不思議だ。

マグネット 

今回会場で頂いたマグネットの寸法と形状を示す。

「ハルバッハ配列」と言うマグネットの利用技術が有ることを教えて頂いた。リニアモーターカーの浮揚磁石として使われるとか?のお話であった。

そのマグネットを磁気力で、側面接合させたら、図のようにズレて接合した。このマグネットの磁極は赤丸のN極と青色のS極が図のような側面にある。図のように接合面がズレた珍しい向きになっている。図のように半分ずれた位置で安定する。その位置で安定する訳は何故か?マグネットの一つの現象の表れである。その意味をどう解釈するかが物理学の意味であろう。磁束や磁界の物理学概念でどう解釈するかである。このズレを無理に押し付けて平板型の一体マグネット構造にすると、下側のマグネット面が NSSSN の磁気の並びの磁場構造面となり、この下側面が「ハルバッハ配列磁場」となる。上面は NSNSN の磁気配列で、「ハルバッハ」とは無関係だ。「ハルバッハ配列磁場」は強烈な磁場面となる。何故そのような磁場となるのか?「磁束」概念で解釈できるのかを論じてみたい。それは電気磁気学の全貌に関わる内容になる筈だ。『静電界は磁界を伴う』の実験結果が示した『磁針・マグネット』の静電界中の磁界検出の意味の確認ともなるから。

マグネットが呈する現象は電気磁気学の神髄を秘めている。マグネットのことが理解できれば、それは電気磁気学の学理を習得したと見做してもよかろう。こう断言する訳をここで論じてみようというのである。それは『電荷』と同じく『磁荷』及び『磁束』も自然世界にはないという基本的立脚点に立っている事からの断言でもある。電気磁気学という科学技術に欠かせない科学論の根幹が、今こそその深い基本で検証されなければならないところにある。

磁気・磁束とは
マグネットの解釈では、必ず磁束や磁界が専門用語として使われる。磁気、磁束の関係した科学技術の代表は変圧器であろう。二つのコイルを鉄心と言う構造体に巻き付けると、その巻き数の比率に従って、二つのコイルの電圧が決まる。その電圧は鉄心内の磁束によって決まる。ファラディーの法則の式には励磁電流など一つもない。電圧と磁束の関係しかないのだ。励磁電流など流れなくても、理想の変圧器は立派に動作する。鉄心の物理的特性に依るのであり、励磁電流など不要なのだ。理科教育・物理学はもっと技術の意味を学習し、考えてほしい。旧い伝統踏襲の「考えない教育」から脱却してほしい。教える方も法則や基礎概念のその意味に疑問を抱く程深く認識し、自己問答をしてほしい。と『磁束』の概念が電圧時間積分によると言いながら、その『磁束』はこの自然世界にある訳ではなく、それも科学技術の一つの解釈概念でしかないと言わなければならない切ない論法になる。

磁力、その解説。
マグネット間には「磁気のクーロン力」と言う式で表される力があると解説される。式は磁束φでなく、存在しない磁荷+m 、-m[Wb] で表現されている。その理論式に論理性があるとは考えられないにも拘わらず、見過ごされている。実際にはマグネットの磁力の特徴、意味を図解では磁束φで表現される。そこには残念ながら、磁束で磁力を納得させる説得力は見当たらないからであろう。

上のマグネット接合の訳。それはマグネットがエネルギー流による現象だから。

図3.エネルギー流と反発力 図のような配置にマグネットを持ってくると、平板状に並ばず、図のようにズレる。それはマグネット間に力が働くからである。マグネットの不思議な磁力は磁極近傍の空間のエネルギー流の為せる業であるからだ。エネルギー流が接合面で、逆流によって反発の近接作用力となるからである。実験的な証明ができない解釈である。空間に実在する『エネルギー流』など計測できない物理量であるから。それは光と同じものである。

ハルバッハ配列の磁場 図3.のマグネットのズレを強く押して、平板状にすると磁極がNSSSNのハルバッハ配列面が得られる。裏面は磁極配列がNSNSNとなり、その面はハルバッハ配列ではない。その磁場の磁力は強くはない。

図4.ハルバッハ磁場 とても強力な磁場が発生する。その訳は何故か?(1)磁束描像 と(2)エネルギー流描像で表した。磁束描像では特に磁力が強くなる物理的意味が説明できない。磁力発生原理になる磁束量の式が無いから。

(2)エネルギー流描像 中心の広いS極面のエネルギー流が存在し、その側面配列のS磁極とのエネルギー流が強め合う方向に合流すると解釈できる。残念ながら、この解釈も空間エネルギー流を観測する実験的手法を筆者は知らない。表式化するだけの科学的根拠を示せない。

磁場の砂鉄模様

図5.砂鉄模様。磁場の様子は砂鉄では観測できる。マグネットの上に紙を載せ、そこに砂鉄を振りかけた。(1)はハルバッハ配列面の模様。(2)はその裏面の模様。

(1)ハルバッハ面。砂鉄模様からは特別磁場が強いという様子が見える訳ではない。ただ、全体が一つの磁極の磁場模様を呈していると見える。(2)ハルバッハの裏面模様。明らかに磁気N極とS極の間に断裂が有る。

図6.ハルバッハ配列砂鉄模様。もう一度砂鉄量を増やして、模様を取った。指で砂鉄表面を均した結果の模様である。この模様は磁極S面の大きな磁場模様で、周辺部に強い磁気が集中した広い磁場の様子を呈しているとみられる。単独の磁極の磁場ではこのような広い模様は得にくいと思う。

むすび。

側面に張り付けたマグネットの磁気エネルギー流も中心の磁場と同じ方向の流れとして、それを強める方向に流れる。図6.はその結果によって生まれた磁場模様と解釈する。それが「ハルバッハ配列」の磁気の強度をなす原因と解釈する。

 f = rot S/c [N/㎥] の磁気力の意味について。模様の外周部が広く一様であるので、磁気周辺部におけるエネルギー流の急峻な分布模様とは異なる。しかし、中心のS極周辺部ではゼロから急峻なエネルギー分布量に立ち上がっているとも観られることから、そこにおいて表式の意味が成り立つと解釈することは出来よう。

【附】ハルバッハ裏面砂鉄模様。

①の模様は砂鉄を撫でた結果のもので、砂鉄の分布が4列にハッキリと分かれている。中心の2列は磁極Nの幅の模様である。また、両端の2列は側面のSN磁極の幅に模様である。中心の磁場Nと隣の磁極Sの間は磁束表現で捉えれば、砂鉄模様に断裂が発生する理由はない筈で、ここにも磁束評価解釈の矛盾が表されていると考える。電磁界解釈の基本理論で、磁場はNS極間では磁束を通して強くつながる筈である。この付図のような磁極間に断裂は発生しない筈だ。どのように解釈すべきか付議したい。

参考記事。磁界・磁気概念の本質 (2010/11/16) 。から始まって、既に9年が過ぎた。新世界―科学の要ー (2015/03/05) に磁界とか電界とかの概念も一つの『エネルギー流』の下で理解したいとしてまとめた。

電流と磁気と空間の哲学

哲学とは(2020/02/23)。「明解 国語辞典 改訂版 金田一京助監修 (三省堂)昭和29年4月5日。これは高校1年生の時から、今でも大切に使っている大事な辞書だ。そこに哲学:あらゆる仮定を排して根本原理を扱う学。とある。

電流とは何か?『電荷』とは何か?電子とは何か?磁気とは何か?その空間事象は如何なるものと解釈すべきか?それは自然科学の最も根源的即ち哲学的課題だ。電気工学理論では自然の真相は説明できないのだ。電子は流れず (2019/06/06) 。

科学への不信。 最近こんな言葉が有るようだ。誠に我ながら情けない。初めは電気工学の勉学の役に立てればとの思いもあって、己の認識を確認しながら時を重ねてきた。日本物理学会に参画させていただき、日頃の思いも発表させて頂いた。しかし辿り着いてみたら、そこには初めの思いと異なる結果に次々と遭遇し、己自身を題材にして知らず知らずに「哲学」の深みにはまってしまったかも知れない。何か深く考究を積み重ねているうちに、科学への不信などと言う風潮を生み出すような結果になってしまったのかと申し訳ない思いもする。筆者本人が信じられない程、物理学理論の矛盾の多さに困惑している。それも電気回路現象の本質が見えた結果としての結末でもあった。実は今ある磁場の意味を考えて、新しい磁気現象・マグネット磁場の記事を書き始めた。しかしどうしても、電気磁気学理論の根本法則である「アンペアの法則」についてもう一度その根本原理の意味をかみ砕いで自身で整理しておこうと思った。科学への真の信頼を取り戻すためにも。

アンペアの法則と磁気の概念

図1.直線電流と磁界 アンペアの法則を直線電流 I[A] によって表現してみた。電流ベクトルを直交座標 r = xi+yj+zk  で表現する。単位ベクトルをそれぞれ ij および k とした。p 点の座標 r の方向単位ベクトルは r/r となる。無限長直線電流による電流周辺空間に磁場が生じる現象を数式によって評価する基本概念として、アンペアの法則を捉えて良かろう。実際の技術的認識には極めて理解しやすい表現の法則である。その現象の物理的意味を考えるとき、何故電流の位置から離れた空間に磁界が発生するのかと言う疑問が浮かぶ。なお、電流は少なくとも往復2本の電線で囲まれた空間回路でなければ、電流概念も成り立たないことを付け加えておく。実はまたこの電流と磁界のことを考えると昔を思い起こす。昭和61年春のこと、高専の電気科4年生の電気磁気学の授業中に、電流の磁界Hの空間磁場模様を rot H [A/㎡] = J の電流密度空間として計算例題に選んでいた。と記憶している。その時廊下の窓から黒板の板書内容を写真に撮って行かれた。それは中曽根臨教審の関係の出来事と後で理解した。

電流はアンペアで、電荷の時間微分の概念である。それはあくまでも『電荷』の流れが離れた空間点の『磁束』即ち磁束密度(μH[Wb/㎡])の発生原因となる意味である。「クーロン[C]」が「ウエーバー[Wb]」を発生することになる、基本的に「次元変換」の自然現象解釈となる。『電荷』が『磁束』の意味を内包しているとは定義されていない。『電荷』は、その存在空間に如何なる物理的空間像で表現されるのかと言う疑問に答えていない。それは空間に描く『磁束』の空間像と結び付く『電荷』概念像でなければならない筈だ。物理的な基本概念で、その理解し易い物理的空間像が明示されなければならない筈である。それが論理性を基礎にした科学論を展開する場合の基本姿勢でなければならない。離れた空間座標点に何故『電荷』の運動で、『磁束』が発生するのか?磁束密度B=μH[Wb/㎡] は電流が磁界を発生すれば、自動的にそれは磁束と解釈する。空間は透磁率μ[H/m]の場と捉えている。何故か?と疑問を抱くこと、その疑問を子供たちに伝えることが教育の姿勢であるべきだろう。そんなに自然のことが解っている事ばかりではない筈だ。殆ど分からないと考えるべきじゃなかろうか。

電子と磁気。 

図2.電子と磁気 いろいろの解説記事で磁束の発生に電子スピンと言う用語が現れる。磁束の発生原因に電子スピンを唱える方は、電子のスピンと言う現象をどの様な空間像で捉えておられるのか?電子がスピンすると何故磁気が生じるのか。電子は空間的にどのような像で捉えているのか?電子は『電荷』と『質量』を備えた基本粒子となっている。『電荷』がどのような速度 v[m/s] の運動をするとそれが『磁束』に変換されると言うのか。

マグネット磁気。

図3.マグネット。マグネットの機能は磁束で解釈される。磁束は磁力の機能を何故発揮できると考えるか。実際マグネットはとても強力な磁力を発揮する。

 

図4.磁束と磁力 F(φ)?

何故磁束が磁力の基になると考えるのか?磁気のクーロン力には磁束は関係していない。磁気のクーロン力に表現される変数の『磁荷』は存在しないことで一般に解釈されている。マグネットは近付けると磁力が増す。磁束が変化するのか?磁束が磁力の機能を発揮するとの解釈はどこにも示されていない。それなのに何故磁束が磁力の重要な基の如くに考えるのか。

磁力の原因は何か?

何故マグネットは磁気を保持したまま、その磁力が弱まらないのか?磁性材料の代表が鉄である。何故鉄が強磁性体の特性を持っているのか。周期律表で、傍の銅は磁気特性を持っていない。原子構造の違いは電子の配列で解釈する。そんな違いが鉄と銅で生れる訳を、周回電子が発揮する程の物理的役割を持っていると考えられるだろうか?図2.の(2)鉄の磁気とは?で示したのは、鉄の電子スピンが磁束発生源だというような解説が有る。マグネットの磁気は本当に電子スピンによると解釈できるのだろうか。磁束が発生しても、何故その磁束が磁力を生じると考えるのか。昨年の記事 物理学理論と磁束 (2019/04/22) に重ねて、電子スピンを唱える方が、その具象像を御提示をされることを願い、求めて取り上げた。

『エネルギー』はどこにある。

図5.エネルギー流と磁力

マグネットや磁針の磁極 N 、Sの近傍空間にはエネルギーが流れている。そのエネルギーの回転流の方向は図5.の磁極間のようになる。この空間のエネルギー流の流速がどの様であるかは検証できない。空間のエネルギーは光速度に近いと考えるしかない。電線路の伝送エネルギー流からの推測である。そのエネルギー流が磁極NとS間で接近すると近接作用力として、周辺部に高密度の急勾配分布をきたす。磁力 f = rot (S/c) [N/㎥]はギャップ空間の周辺部単位体積当たりの力密度の解釈である。電気学会 電磁界理論研究会資料「資料番号 EMT-87-106」(1982) p.152 の(29)式である。

むすび

二つのマグネット間の砂鉄模様を観測すれば、ギャップを狭くするにつれ、砂鉄はマグネットの外周辺に集中し、マグネット中心部には砂鉄は無くなる。マグネットの磁力は周辺部のエネルギー流分布勾配の空間微分によって決まると解釈する。 電気磁気学の要-Axial energy flow- (2019/03/03) がある。また、コンパスと砂鉄の心 (2015/12/03) で砂鉄模様からエネルギー流を調べる意味を述べた。

視界と光の科学(屈折)

はじめに(2020/02/11)
視界は人が見る光の世界である。すべての生き物はその命の保全を図るに周辺外界の安全を常に注意しなければならない。その感覚器官の中心に視界認識が有ろう。視界の意味を知るには光の物理現象を知る必要が有る。その上で更に、人や動物は水平二眼によって視界を構成認識しているという意味を考える必要が有ろう。そこには、上下と左右の視界構成の機能的意味の違いが有るように解釈する。それが次回の記事(視界論)になろう。その為の予備知識を整理しておきたい。

光の科学(物理特性) 光とは何か?と考えた時、思い浮かぶ現象・知識の基礎は次のようなもの(高校生の学習項目程度)になろう。しかしその解釈は物理学での教科書の内容とは同じくないかも知れない。あくまでも筆者の電気回路技術感覚を基にした『エネルギー』を基準にした解釈になる。光も空間エネルギーの振る舞いとして捉えたいから。科学実験で観測不可能な『エネルギー』であるところにその科学論としての認識の困難さが有ろうが。

①光は毎秒30万キロメートルもの超高速度で直進する。自然現象を理解することが大切である。光の速度を知ることで、さらに何故その速度なのかあるいは直進とはどの様な空間に対する意味なのかなどに疑問を抱くことが物理学の大切な視点と考える。それは哲学にもなろう。

②屈折現象が有る。空気と水、空気とガラス、空気と角膜などの境界面で、垂直でない角度で入射するとその媒体の特性によって屈折が起きる。それはその伝播空間媒体での光の速度が異なるからである。境界面に垂直で入射する光は屈折はしないが、入射媒体内で波長によっても速度は異なる。それが色収差あるいはプリズムの原因と考える。上のような意味が屈折現象の起きる原因の基と考える。

③望遠鏡、顕微鏡あるいはカメラなどはレンズの表面の曲率によって、主に空気との間の屈折現象を利用する光学機械・器具である。

④反射現象。光は鏡、放物面鏡あるいは水面などで反射する。木炭のような完全吸収体以外の物体はすべて反射体である。物が見えることはその対象が反射体であるからだ。確かに太陽光や焚火あるいはホタルの光は反射光ではない。それは質量のエネルギー変換(化学物質反応)光と見做してよかろう。それらの発光源からの光以外の視界に入る風景の万物はそれぞれの色彩と形を持っている。その景色の基になる光は同じ光でありながら、対象はそれぞれの色彩をもって反射光を放っている。

⑤電波と同じ特性である。パラボラアンテナでの反射現象は光と電波で全く同じである。

⑥光はエネルギーである。その現代物理学理論での表現は ε=hν [J]  である。プランク定数 h[Js] と振動数 ν[1/s =(Hz)]で評価した表現式である。しかし、光の実体は空間分布エネルギーの縦波と考える。光には教科書の解説のような振動などする物理的実体は何もないだろう。光のエネルギー量と振動数の概念を具体的に解説することが市民感覚と物理学理論との乖離をなくする大事な現代的課題と考える。

ここに挙げた6個ほどの認識について、そのような現象は何故起こるのだろうか?それらの現象の中で、今回は屈折について、その何故?について考えてみよう。

屈折とは?
屈折現象について物理学での解釈はホイヘンスの原理で成される。何故媒体が異なる境界面で屈折するのか。光の進行方向が曲がるのか?ホイヘンスの原理は良く分かり易い説明である。しかし、光の波長が違うとプリズムのように屈折角が何故違うのだろうか?ホイヘンスの原理で理解できるだろうか。波長が異なる光の違いをホイヘンスの原理でどのように捉えますか。波長とは何ですか?その辺の極めて日常的な生活感覚からの疑問が自然現象を理解するためにはとても大切な事と思う。物理学理論あるいは教科書での解説は、それは学術的な専門家集団の常識的統一解釈を取りまとめた共通認識論法である。決してそれが自然現象の本質を捉えた論理的な科学論であるとは限らないのだ。国家統一論と同じく、全体的な掌握手法としてとても有効ではあろう。自然現象を論理的に矛盾無く捉えようとすると、厳しい事象を乗り越えなければならない現実に突き当たる。屈折現象は光の物理学理論になるが、光の捉え方で、波動性と粒子性の統一し難い困難がその一つの例でもあろう。光が粒子でないことは分かると思うが?また波動性と言っても、どんな波動かと疑問が沸いて当然と思う。その波動性をすんなり現代物理学理論として理解するような能力を筆者は持っていない。学術論が理解できない劣等感は若い頃から抱いてきた。そんなことから今回も、素人的な感覚だけから、一つのレンズを取り上げて、その屈折現象を具体的な実験装置で考えてみたい。

屈折と媒体

こんな実験装置は時間を掛ければ手作りできそうである。特別予算を組むほどではない。透明プラスチック容器にレンズを取り付け、不透明版を張り付ければできそうだ。側面が透明であれば、半透明膜の写像は観測できよう。レンズを通した光はボックス内の焦点距離に像を結ぶ。半透明膜が焦点(写像距離)に在れば、像が写る。カメラはレンズの両面が空気だ。空気とレンズの境界面で「屈折」が起きる。その距離をXとする。次にボックスの中に水を満たして半透明膜を移動して写像距離を調べる。必ず長さXは長くなるはずだ。その距離Xは何で決まるかと言うと、レンズの表面の曲率半径とレンズとその接触媒体の物性(誘電率)によって決まる筈だ。当然レンズの光の入射面では反射も起きている。屈折で色収差(プリズム現象)も基本的にはある。また、水以外の透明なゼラチンなどではさらに距離Xは変わろう。レンズ表面の曲率と伝播媒体の特性差で距離は決まる筈だ。レンズ内部ではそれぞれの入射角によって方向が異なる直進光路を辿る。出口ではその媒体によって屈折角が違うため、Xが変る。Xが違っても鮮明な写像(媒体内でエネルギーが吸収されない限り)が映し出される。眼球内の硝子体のような媒体であれば透明であろう。媒体間の屈折の物理現象について、誰もが水中でゴーグルを外して水中視界を見ようとすれば、理屈抜きに感覚的に理解できよう。同じ目で空気中では見えても、水中では視界など歪ボケして見えないのだ。それでなくても元々人の角膜の曲率半径は小さく、小さな瞳からの僅かな光で視界を認識する。水中では角膜表面での屈折が弱く、水晶体の終端即ち硝子体管の入口に視界の像が結べないからだ。そんな意味も考える屈折の実験装置になればと提案した。

2016年にレンズに関する関連記事。

レンズと焦点距離 (2016/11/03) 。眼球の光路とカメラ機能 (2016/11/09) 。レンズの機能 (2016/11/27) 。

⑥の光はエネルギーである。その意味を 光とは何か?-光量子像- (2012/01/15) に述べた。

電力p[J/s]の意味と解析法(2)解析法

 

(2020/02/04)。何故印刷すると、自分のブログが「購読ブログ」と表示されるのか?

はじめに(2019/12/03) 9月28日に表題だけで残してあった。電気回路解析法としてアドミッタンス法を考える心算で、そのままにしてあった。分布定数回路現象は電気回路のエネルギー伝送のより物理的解釈になるが、技術解析法として集中定数解析による手法がアドミッタンス法になろう。電流解析法で、瞬時有効電流と瞬時無効電流の分離に有効な手法となろう。再び電気技術解析手法に戻って考えてみたい。(2019/12/09)今、特に気付いたことがある。等価回路変換の定理 (2016/01/29) が回路解析上とても重要な意味を持っていると気付いた。それは電気回路解析であまり注目されていない『時定数』が重要な意味を持っていると考えていた。その『時定数』に着目した解析手法に関係付けて、インピーダンスの直並列等価回路変換に一つの発見をした点である。前の記事、電気回路のエネルギー問答 (2019/10/02) で示した負荷電流の分離(有効電流と無効電流)から電力の解析法を考えてみたい。

回路条件

以前、電気回路のエネルギー問答 (2019/10/02) で取り上げた回路条件である。この回路条件の負荷である直列インピーダンスを次の回路変換定理によって並列回路に変換する。『時定数』が重要な役目を担っている。

 

 

並列回路への等価変換により、ωT=X/R=3/4から、

R’= 25 [Ω] 、 L’ = 106.17 [mH]  および X’ = ωL’ = 33.34 [Ω]

となる。その結果により、アドミッタンス解析を取り上げてみよう。並列回路への変換に『時定数』を使うか、使わないかで算出計算の手間に差がある。また回路動作の意味を理解するに違いがある。

負荷回路電流を『エネルギー』の意味から、有効電流と無効電流に分離して捉えるには、並列回路が分かり易い。即ちアドッミッタンスと電圧の積で分離できる。

(2020/01/26)再記述始める。

アドミッタンス Y=1/R’ + 1/jX’  = G -jB [℧] での解釈をもう一度考えてみたい。一般には負荷の特性を評価する場合、直列インピーダンスとして捉えるであろう。負荷の電力をどのように捉えるか。負荷にはモーターなどその回路要素を捉え難い場合も多い。基本的には、電源電圧に対してどの様な『エネルギー』の流れになっているかを理解することが大切と思う。電源電圧がある一定の周期波形であることで、モーターの回転数も決まる。電圧値が変化することは送電エネルギー・供給エネルギーも時間的に変化する訳である。そのエネルギー流の変化は負荷特性によって電源にも様々な影響を及ぼすのである。そのエネルギーの流れを電源電圧値を基準にした二つの流れに分離する解釈が有効と考える。電圧の2乗によって負荷に供給されるエネルギー流とそれとは異なる負荷で吸収と回生のエネルギー流の繰返し成分とに分離して捉える考え方が有効と考える。

図1.電線路と瞬時電力 

電線路は三相の高圧配電線路で成り立ち、三相回路でエネルギーの供給が成される。変圧器を通して低電圧(対地電圧150ボルト以下の安全性で家庭に供給される)配電線路を通して負荷につながる。図に示すように、『エネルギー』は電圧波形に従って時間的に脈動して負荷に供給される。この『エネルギー』と言う物理量は瞬時的に捉え難いものである。『エネルギー』の量の瞬時値を波形で観測することができない。光や熱の『エネルギー』のように、それを観測できない不思議な物理的「実在量」なのである。代わりに「電力」でその『エネルギー』の意味を理解するしかないのである。図のように、負荷を通して消費されるものと再び電源に回生されるものとの二通りに分けられる。電源に回生される『エネルギー』は供給する電源側にしてはとても迷惑なものになる。単相線路で配電するものを統合して、三相として捉えた時、その厄介な回生『エネルギー』でもうまく吸収する機能が発揮されている。ただ電圧と電流概念で解釈するだけでは捉えきれない『エネルギー』が有るのだ。

図2.回路変換と電流

図の①の直列回路については既に電気回路のエネルギー問答 (2019/10/02) に電流波形、電力波形として示した。

 

アドミッタンスへの変換

 

ここでは、計算結果は直列回路での計算と同じであることから、並列アドミッタンス変換回路に有用性があるかと疑問もあろう。確かに直列回路インピーダンスによる伝統的解釈でも電流や電力の分離は簡単にできる。図の①で考えた時、電流 ia と irはインピーダンスZ=√(R^2 + X^2)  (何故か? (jX)^2^= X^2^ で (j)^2^= 1 の不思議な虚数概念の矛盾が通る。)およびアドミッタンス Y= R/Z – jX/Z によって算定できる。ただそこには、電気工学特有の複素ベクトル記号 j の取り扱い方の問題がある。ピタゴラスの定理とオイラーの公式そして電気ベクトル (2017/01/15) に指摘した。この複素数ベクトルによる虚数の概念は共役複素数による分数有理化などの処理においても、j^2 = -1 の基本が所謂ご都合により科学論の論理性で矛盾した扱いになっている。この記号 j を虚数としての解釈では科学論と言うより、習熟による技術業界論になってしまう。図2.の②で、1/jX’=-j/X’=-jB は、1/j も -j も虚数ではなく、電圧に作用するサセプタンス B がその電流を電圧より位相π/2だけ遅らせる記号として解釈する。

この“ j ” について

伝統的ベクトル計算の関係を生かした、単なる位相の進みと遅れの解析記号として捉える意味を提示したい。+jはπ/2 進相、-jおよび  1/j  はπ/2位相遅れの意味を表す『位相記号』と解釈する。

 

アドミッタンス回路 図の②の場合は、印加電圧 v に対して同位相の電流 ia とπ/2遅れの電流 ir に分離されて、有効電流と無効電流の意味が直列インピーダンス回路より分かり易い。同じく瞬時電力も有効分と無効分が感覚的に分かり易いと思う。

(参考)2017年にベクトルと電気現象を考えた。纏めて挙げておきたい。三相交流回路の負荷と無効電力 (2017/01/01)。空間とベクトル (2017/02/03)。瞬時電力問答 (2017/02/15)。単相瞬時空間ベクトルと瞬時値 (2017/03/04)。三相交流回路の瞬時電流分離 (2017/03/24)。三相瞬時空間ベクトル (2017/04/07)。空間ベクトルと回転軸 (2017/09/07)。また空間ベクトルについて、空間ベクトル解析と単位ベクトル (2011/06/06) 。