科学技術の世界では経済活動との関係で商業取引が公正でなければならない。計量が世界で統一された測量基準に則らなければならない。その測量基準の基本量が [MKSA] 等である。そこには電流値のアンペア [A] が組み込まれている。不思議に思っていたが、『エネルギー』という空間を流れる物理量の単位ジュール [J] が入っていない。
何故かと考えた。電流[A]は電気回路現象の解釈の基本概念として、19世紀初めのアンペアの法則で最初に認識された物理学の基本量になったと思う。しかし、その電流の現在の物理学での認識は『電子』の逆流として一般的に解釈されている。その『電子』とは負の『電荷』の粒子という認識にあるようだ。その『電荷』概念が何時頃から物理学の解釈基礎概念として定着したかが良く分からない。計量法の基準がどの様に決まって来たかを少し調べた。
1874年。英国科学振興協会(BAAS) でボルト[V]とオーム[Ω]の二つが実用単位に導入された。
1881年。国際電気会議 で上に加えて、アンペア(A)、クーロン(C)、ファラッド(F)、ヘンリー(H)、ワット(W)、ジュール(J)も加えられたとある。ここで殆どが取り上げられた事に成る。
1893年。シカゴの国際電気会議。電力のワット(W)と熱量のジュール(J)が
W=AV=10⁷abW J=VAs=10⁷ abJ
と定義された。abの意味理解できず? cgs単位系での関係かもしれない。
cgs系からMKS系へ。
1901年。MKS単位系で、 W=kg m²/s³ J=kgm²/s² と統合。
1948年。 国際電気会議(CGPM)、
1950年。 国際電気標準会議(IEC)
で MKSA が採択された。
1960年。国際単位系(SI)もそれを引き継いだ。
電流アンペア [A] が選ばれたのは、1948年のCGPMで採用され、簡便だから2019年のSI基本単位の再定義まで使われた。とある。
結局、1881年に『電流』アンペア[A] と『電荷』クーロン[C]が採用されたようだ。当時はキューリー夫妻の元素の放射性現象で漸く原子の謎に研究が向き出したころである。原子構造は勿論、『電子』も不明の頃である。第二次大戦後に、MKSA単位系がさいたくされて、今日まで [A] が電流計で測定可能という事で使われている訳であろう。
エネルギー [J] の世界。
『エネルギー』が物理学理論で、空間に分布した物理量だと認識されていない。東洋哲学の一つの至言「色即是空」がある。この意味を『エネルギー』との関係として自然世界に観照してみる。
自然世界は目の前に溢れる生命の天然模様を見せている。その姿に触れて人は心ときめかす。森羅万象の『色』である。『電流』という概念も電流計で認識できる。しかし、それは自然とは違う。寧ろ電流計で測定できる技術量の『電流』が見えることが、『色』と人が勘違いする原因となる。
mc² =E [J] (式)
で、質量m[kg]は見える『色』の自然である。しかしその質量は、その根源は質量ではない。光の『エネルギー』が局所化した姿である。例えば、水素のその構成の基も光の『エネルギー』である。
だから原子はすべて、『エネルギー』に究極で分解してしまう。だから質量mと『エネルギー』Eは(式)のように等価となる。
『エネルギー』になった時、それは『色』の有ると思う状態から『空』の何もない状態になる。
「色即是空」はその意味と解釈する。東洋哲学の自然観だ。
空間に実在する『エネルギー』を科学的手法で測定できない。だから物理学理論で、科学的物理量と認識できない事に成っている。
しかし、[MKSJ] の[J]を認識しない度量衡は人の自然観を誤りに導く。それは教育における『学問の自由』の意義に繋がる。