日別アーカイブ: 2021年12月3日

変圧器技術理論と物理学理論

技術理論とは、自然現象を応用した科学技術用に分かり易く創り上げた解釈理論である。

物理学理論は、あらゆる応用科学技術や自然現象を解釈する、全ての分野に共通な根本原理を示す指標となる基礎学問としての理論である。と一般的には捉えられているだろう。

この論考の目標。それは、物理学理論が科学技術理論の基礎理論として全く役に立っていない事を述べ、真に物理学理論が目指すべき学問としての有り様と教育に果たすべき目標がどうあるべきかを論じる事である。

変圧器は電力と言う『エネルギー』供給の送配電網を構成する基幹設備である。その原理は「ファラディーの法則」、「レンツの法則」そして「アンペアの法則」によって解釈する設備用の理論から成り立っている。しかし、それらの法則は18世紀初頭に発見された物理学理論として考えられている。

その変圧器の動作と電気現象は通常、少し電気理論を学べば、上の諸法則によって、分かり易く理解し、納得している筈だ。それらの諸法則は優れた解釈理論として技術文化の伝統を支えて来た。

変圧器の解釈理論が上の諸法則で十分満足できる。しかし、その中の物理量としての諸概念、『電流』、『磁束』そして『電圧』等の定義概念が自然世界に実在する真の「物理量」かと考えると、それは違うと言わなければならない。真に存在する物は『エネルギー』一つに集約される。この言葉は、バートランド・ラッセル博士が唱えたものでもある。自然科学を統合する根本原理はあらゆる自然現象解釈において、全てに如何なる矛盾や曖昧さも無く、素直に納得できる筈である。その事を科学技術の電気設備、変圧器を具体例として、検証して観よう。具体的目標は、『電荷』や『電子』が電気回路現象・変圧器現象で、全く無意味な概念である事を示すことである。

変圧器の技術論。

ファラディーの法則。それが全てを表現している。電気技術は『電圧』、『電流』そして「磁束」でその変圧器理論は表現されている。鉄心にコイルを巻いて、電圧を印加すれば、全く導体が繋がっていない他のコイルにも電圧が発生する。その関係を見事に簡単な式で表現した。そこで、巻き線数nターンは空間的な物理量として分かる。しかし、『電圧』、『電流』および『磁束』は自然界の現象として真の物理量と言えるか?それらの概念は電圧計や電流計で測定可能(実効値で瞬時値ではない)な科学技術概念であり、それが自然世界の『何』を捉えた量であるかを明らかに解明するのが物理学理論の本来の学問としての役割である。『電圧』と『電荷』の関係が明確に物理学理論で解説できるかを問うのである。『電流』が『電子』の逆流だと言っていて良いと言えるのか。『電荷』は決して物理量と言う自然世界にある量ではない。『電圧』、『電流』の『エネルギー』との関係が明確に示せない物理学が何故自然科学の基盤だと言えるのか。

2次起電力v₂が何故離れたコイルに発生するかをどの様に物理現象として解釈するか?

ファラディーの法則の法則で理解するのは、物理現象解釈ではない。自然界に実在しない『磁束』では自然世界の現象を説明できない筈だ。『磁束』とは何か?を究明するのが物理学にあるべき姿だ。決して自然世界に『磁束』など存在しないのだ。『磁束』は科学技術の為に唱えられた解釈概念でしかないのだ。

アンペア―の法則。19世紀初頭に発見された自然現象の捉え方である。導体の周辺に何かが在るようだ。電気を通すとその現象が起きる。その現象の意味がアンペア―の法則として発見された。その意味が現在まで、電気理論の根幹を成す基本法則として、科学理論の基礎となっている。この意味は変圧器でも、『磁束』発生原因として、それを論理の基礎にする。『磁束』発生の物理現象にはその法則が欠かせないと教科書では唱えられる。電源から励磁電流が流れてはじめて鉄心空間の磁束存在原理が示される。しかし、ファラディの法則には電流など無い。物理学理論と数学はとても密接な関係で特徴付けられている。しかるに「磁束」の発生原理がその微分と積分の数学的関係を無視して、アンペアの法則による「磁束」発生論を唱える。『励磁電流』が変圧器動作に必要だと唱えられるのだろうか。

少なくとも『電荷』が流れて『磁束』を発生する空間像を示して初めて、物理学理論と言えるのじゃないのか。

磁気エネルギーと解釈描像 (2021/11/17) 、電気自動車と物理学理論 (2021/11/26)、モーター駆動力 と エネルギー流 (2021/12/01)  等少し磁気現象に関する論考を続けよう。磁気の磁力の不思議を解き明かして、自然が認める物理学理論に近付けるかと。

『Electrons』の紋所と科学理論 (2020/04/07) があった。