職歴不明のままであり乍ら、長い間の電気理論との格闘のように、電気回路の現象を考察し、漸く『エネルギー』伝送現象による総合的な解釈に到達できた。
“哲学”と言えば、普通はとても難しい学問分野の様にも思うかも知れない。しかし、ここで標題に使った訳は科学理論の伝統を根本から破壊するような作務であるから、世界の常識を否定する思索という意味で、それが“哲学”の意味かと考えて使った。学問的には日常の不図した疑問を突き詰める作務を“哲学”としたい。『エネルギー』と質量の等価性。その意味の本源を納得することが物理学理論に求められている。
今『電荷』や『電子』が自然世界に存在しないとの確信にある。科学理論の根幹を否定するような内容の繰返しに、特に電気磁気学等の教育御担当の皆様にはご迷惑な事かも知れない。内容は単に、科学理論と言う範疇で捉え得るかどうかは分からないが、「哲学」の領域まで踏み込むことに成っているだろう。『エネルギー』の空間像を観測できないから、実験による検証に応えられない意味で科学論とは言えないかも知れない。しかし、それは実在しない『電子像』が観測できない意味とは異なる。『電子』の実在性は思考を深く重ねれば、その存在その物の矛盾に誰でも気付き『電子』が理論の為に人が創造した仮想物理概念であると分かる筈だ。少し前の記事、科学論と電荷 (2019/07/28)がある。
前の記事、エネルギーと素粒子 (2021/08/16)で取り上げた回路について再考して、『電荷』概念が科学理論の論理性から見て、その矛盾に耐えられない、何の役割も果たし得ない事を示したい。何故その存在が疑問を抱かれないで、科学理論の基礎概念として評価されているのだろうか?
『電荷』による電場とその概念とは。
『電荷』や『電子』は科学論の基本概念として、世界共通の自然界の真理であるとの常識になっているだろう。誰もその科学常識の『電荷』の存在を否定はしてこなかったと思う。もし、『電荷』によって発生する筈と考える空間の電界が、実は磁界だった。等と言う事に成れば、科学理論とは一体何なんだ❓という事になる。静電界は電流も流れず、ただ『電荷』によって静かな電気力線の空間場であり、世界の基本物理量『電荷』が実在すると考えるから発生すると唱えられる電界空間だ。自然世界の『電荷』の実在認識が長い歴史の絶対的科学常識・パラダイムである。それが否定されるのだ。その実験による証明の結果発表が『静電界は磁界を伴う』だった。そもそも、電界および磁界の空間は『エネルギー』の場だと物理学理論でも解釈している筈だ。しかし、感覚的に意識化されていないようだ。その場その場で、都合よく論理を創り上げる、その訳は『エネルギー』の空間像が認識できないからであろう。見えないからと言う理由で、『エネルギー』を認識しないでは済まない筈だ。電界、磁界の空間の意味を『エネルギー』の分布密度との関係で瞬時電磁界と概念 (2018/10/23) にも示した。
【今気付いた(2021/10/29)。ロゴウスキー電極間の高電界中で、何故コンパスで磁界を検出したか。その訳は電界と言う場に『エネルギー -εE²[J/m³]-』が必ずある筈で、それが磁界と無関係の筈はない。その事で『電荷』の意味を明らかにできると考えたのだと。しかも、『電荷』の存在で発生すると言う空間の電界(電気力線)は何処までの領域を捉えるものかの解釈が全く曖昧である事を以前から疑問に捉えて、悩んでいた。正・負の電荷間の空間はどの様な『エネルギー』の空間場の広がりに成るかが物理学では全く無視されている。今考えれば、やはり物理学理論では全く空間の『エネルギー』の存在を認識していないからだと結論できる。だから『電荷』周りの空間の『エネルギー』を考えない訳だ。空間に実在する『エネルギー』を認識していないのだ。】
電気物理(電圧時間積分とエネルギー) などで述べたように、インバーターの変圧器動作の技術感覚が、電気現象の根本は『エネルギー』であるとの認識になった結果に基づく結論であった。その後の長い回路動作の解釈から、電界と磁界は切り離せない、空間に在る同一の『エネルギー』を観るそれぞれの観方の解釈技術概念でしかないとの感覚的捉え方になっていた結果の実験結果であったのだ。その事が『静電界は磁界を伴う』と言う表現での実験結果の発表となった。結局電界も磁界も、空間の同じ『エネルギー』の解釈法でしかないのだ。変圧器‐物理学解剖論‐ (2011/09/13)、あるいは L とCと空間エネルギー (2017/08/02)などに結果を示した。
『瞬時虚電力』なる空間概念も電気理論が余り信頼に足るとは考えられずにいたから、感覚的に空間表現の新しい捉え方に躊躇は無かった。空間ベクトルと回転軸 (2017/09/07)の電線路内の『エネルギー』の回転流と解釈する。
今改めて思う。『電荷』や『電子』を否定するという事は科学理論の世界の常識を否定する事なんだと。エネルギーと素粒子 (2021/08/16) を投稿して、これが哲学と言うものではないかと思った。社会常識を否定して、危険な道を踏み出すことが哲学なのかと。科学的共通基礎概念の認識の中で、初めての新しい科学的発見ならば歓迎もされるだろうが、長い科学理論の根幹を「嘘」だと否定したら、今までの科学理論の権威を傷つける事に成り、それは大変な事に成る筈だ。単なる新発見では済まない筈だ。
その時代の平穏な仕組みを否定する事は、社会的に存在が許されないかも知れない。特に自然科学論の組織の中では。多寡が電気回路現象の解釈でしかないのに。
それでも電気回路現象の解釈を深めるしか道は無いのだろう。大学がどの様な自然科学の研究、教育を目指すべきかを問う事でもあろうから。大学が本当の基礎に、自然世界の真相に真摯に向き合うことの必要性を問いたい。だからと言って、その事が新しい科学技術の開発を妨げるという事ではなかろう。ただ余りにも物理学理論が法則の意味を深く考えずに、その利用に安易に頼り、思考停止の集団教育体制や集団研究体制が業界組織強化だけに使われているような現状は間違っている。大学の教育に対する『参照基準』などのような物理学が「電気・電子工学」の基礎にあると言う認識は間違っている。その弊害から抜け出す道は簡単な事である。覚悟が問われるが。その第一歩が空間に実在する『エネルギー』を認識する事であり、その為に一粒の光量子(2021/08/12)などの光の空間のエネルギーの流れを認識する事であろう。しかし、認識すると言ってもその空間に在る『エネルギー』を科学的手法で観測することはできない。それは実在しない『電荷』を観測できないと同じ次元ではなく、実在する空間の『エネルギー』であり乍ら観測できないという意味である。しかし、どちらが真の実在であるかは科学理論のあらゆる分野の広い哲学的論証による矛盾の排除から、正しい結論に導かれる筈だ。豆電球からの放射光は空間に何が解き放たれているのか?を考えれば分かるだろうと思う。基本法則の意味を考えることで分かる筈だ。本当に『電流』とは何かを考えて、納得しているだろうか? 1[A]とはどんな物理現象の量なのか?しかもそこには『光速度』の伝播現象がある事を合わせて認識する必要がある。
もう一度電気回路の現象の真相が何かを深めてみよう。『電荷』や『電子』の仮想概念では自然現象の理解に到達できない事を確認するために。決して『電子』に光速度伝送の機能を課すことは不可能な訳を考えれば、誰でも分かっている筈だ。何故その事に真剣に向き合わないで、曖昧な論理の誤魔化しに逃げて居るのだろうか。
これ程単純な電気回路はないだろう。
【問】 この回路の電気現象を説明しなさい。
さてどの様に解答するでしょうか。コイルのインダクタンス Laa は電源電圧が直流だから、ωLaa=0 となり、定常状態では単に負荷抵抗 R だけの回路と考えて、解ける。オームの法則で、I=V÷R[A] 、消費電力 P=RI² =VI [W] である。と答えれば、標準的な回答として100点満点でしょう。
しかしこの回答は、電気技術論的法則による標準の回答でしかない。少しも自然現象としての電気回路内の真理・眞實を解答していない。
【再度の問】 電流 I [A] とは、どの様な物理量か?電圧 V[V] とは、どの様な意味の物理量か?電球からの光放射の『エネルギー』はどの様に供給されたか?電源電圧の物理概念 (2021/06/18)。原子構造と光放射現象 (2021/04/07)。
この再度の問いが自然現象がどの様であるかを尋ねているのである。尋ねている事は『エネルギー』をどの様に理解しているかである。先ず『エネルギー』とは何かを知らなければならない。それを考えるにはコイルの電気現象に対する機能、動作特性を理解する必要がある。インダクタンス Laa [H] の回路部分の働きであろう。
Laa回路近傍の空間の『エネルギー』の姿、流れ方を認識する事であろう。
電源側スイッチSを投入した瞬間から、負荷抵抗 R に単に電源電圧 V が掛かる訳ではない。
V=Laa(di/dt)+Ri
の微分方程式を解くのが標準的解法である。そこでは、電流瞬時値 i が定義されて、その電流値を解くことになる。しかし、それは電流その物が科学技術的解釈概念であって、その電流とは何かを物理学理論では理解していない。電線導体の中を『電子』が流れる訳ではないのだ。さてどう解釈するか?この微分方程式が解ければ、電気回路現象はすべて解明できたとなるのが科学技術理論だ。しかしよく考えれば、電圧も電流もそれが何を定義したものかを分かったと納得されておられますか。きっと分からないで、はっきりとは意味不明なのではなかろうか。
電気回路の機能原理。②図に示したように、線路空間が『エネルギー』の流れを支配している。電線路定数のLに更にLaaが加わった時、どの様な回路機能として働くかが問題の解くべき点であろう。LaaとLが電気エネルギーの伝送を決める要素として働く。その部分の空間の『エネルギー』分布は静電容量 C[F/m] が決める。『エネルギー』の基本的分布はマイナス側の電線近傍に流れる。Laaはプラス側電線路にある。この Laa[H]が回路の電磁現象にどのような影響を及ぼすかは先に電流計とエネルギー流 で解説した。
多分コイルのLaaの電圧vは零であろう。しかしコイル内には技術概念の磁束が生じていると解釈するが、それは内部に軸性エネルギー流が貯蔵されている意味だ。その磁界の向きは、③図の方向で解釈する。しかしその図に示した、磁極の周りの空間を回転する『エネルギー』の流れについて、残念ながら物理学理論(教科書)にはその認識がない。 電気磁気学の要-Axial energy flow- (2019/03/03) 。
磁界や磁束と言う磁気概念が、結局その磁気ベクトル軸の周りを回転する空間の軸性エネルギー流を解釈する技術概念であったという意味になる。兎角科学技術あるいはその基礎理論はその専門家特有の現象解釈概念を捉えて、その特有な理論展開をする。しかし、その専門的概念は何処か自然世界の様相に整合しないと感覚的違和感を覚える。その感覚の違和感を解消する為に、根底で調和する真相を求める作務、それが科学と言うより哲学になるのかと思う。見えない『エネルギー』を理論の矛盾からの解放の眼目とすることが科学的検証の出来ない解釈法であるから、科学論とならないのかも知れない。知っている と 分かる に解釈を示した。
職歴不明のお恥かしさは戦後75年間の不可解? (2020/06/23)から対処法の欠落状態にある。