電圧・電流の物理的概念

「電気回路から物理学理論と教育を考える」で漸く結論に至った。しかし、過去のすべてに不可解のまま、科学論の土俵への道も知らずに来た。ただ教育現場が如何に在るべきかと思う。

2年程前、電圧・電流とエネルギーと時空 (2019/08/11)、それに続いたこれが電気回路の実相だ (2019/10/01) および電気回路のエネルギー問答 (2019/10/02) 等に、その当時は未だ『エネルギー伝播現象』の実相を捉えてはいなかった様子が観える。その後の2年間で漸く到達した。振り返れば実に不思議な感慨を覚える。疑問を抱き続ける事に。

電圧・電流はエネルギーの伝送特性量

電圧・電流とエネルギーと時空 (2019/08/11)。そこに示された波形だ。

物理的概念と表題にした。その意味は物理学理論の物理ではない。自然現象としての電気エネルギーが伝播する現象を物理的に解釈するという意味、即ち自然の屈という意味である。

現代物理学理論は既に自然現象を理解するには役に立たない過去の遺物論となっている。自然界に存在もしない『電荷』や『電子』で解釈するあらゆる学術論は、自然現象を理解するに色眼鏡の度がきつ過ぎて、人の解釈を迷わせる存在に観える。

光のエネルギー量。hν[J]で評価する光。その解釈では、光の空間エネルギーの分布を理解できない。光のエネルギーを振動数のみで解釈する理論では、決してエネルギー量のジュール[J]を認識することが出来ない。単一周波数の光が幾ら高密度であっても、その振動数での解釈では決してエネルギー量を評価できないから。空間を伝播する光のエネルギー量が自然現象に影響することを評価できないから。それは電気回路現象の理解が出来ない。電圧、電流の自然現象としての意味が認識できない。その意味で将来に向けた理科教育として相応しくない。そこで上の波形の意味が問題となる。

さて、物の理屈として上の電気現象波形の意味を考えてみよう。電流波形や電圧波形の意味が分かれば物の理屈の例となる。これぞ物理学となる。

図の横軸は角度表記である。それは同時に時間軸と見做せる。ωtのt[s]軸と同じ。オームの法則は実に優れた科学技術法則だ。自然の奥底の現象を技術量に置き換えて評価している解釈法が素晴らしいのだ。その概念『電圧』と『電流』が含む自然現象の真理は決して自然界に存在しない『電荷』などで解釈する事は出来ないのだ。誠に有り難い事は西洋哲学が自然現象を活用する意味において、特段の意義を発揮している点である。その御蔭で現在の科学技術の恩恵に浸れるのである。科学技術競争社会はその思想の延長線上にある。しかし、東洋哲学の方向性は少し異なるように思う。自然の中に深く入り込み、自然と思いを同化する方向性のように思う。自然を守る方向性と。

ー苦言。エネルギーの大量消費で発電エネルギーと同じ分を海の加熱で賄っている事を全ての電気エネルギー利用者の科学リテラシーとして認識しなければならない。豪雨災害の原因や高温異常のフーン現象はすべて海の加熱エネルギーの自然的放射現象をその根源にしている事を。ー

東洋思想は科学技術的進展を目的とする方向性とは考え方が異なる。自然現象の本質を求めるには、科学技術概念の自然的真相を理解する為に、その概念の中身に『削ぎ落し』の思考を重ねて、理解に到達するように思う。自然はすべて空間の『エネルギー』一つの千変万化の具象像でしかないと漸く考えられる。それは光一つが空間の『エネルギー』の密度分布の縦波現象でしかないのだ。電界や磁界の概念はその『エネルギー』の空間状態を科学技術的解釈法に合理的な手法を編み出した、自然界に実在する物理量ではない仮想的概念なのである。その様な意味を踏まえて、電圧、電流波形の意味を単なる技術概念という意味でのみ解釈すべきでない。光のエネルギーの空間伝播現象との関係付けで認識すべきである。

波形図の横軸は角度量である。それは又、ωtの関係から、時間軸 t[s] とも見做せる。この図の波形の意味は、電線路のある位置で観測した時、その位置での、その電圧と電流の値が時間的に変化する様子を表現したものである。波形の値はその位置の値で、離れた位置の波形は違う値なのである。その事をこの波形で表現した深い意味の数量であると理解しなければならない。波形一つも漠然とした意味ではないのだ。この波形の同じ意味を横軸に距離を採って表現すれば、右に波の進む位置の方向を採った場合、左右が逆転した波形になる。空間図形の表現内容も注意してみるべき意味を含んでいる。

電圧 v(ωt) の波形、電流 i(ωt) の波形が正、負に変化する正弦波形である。この電圧と電流と言う物理的概念が何を定義したものかを理解するのはなかなか難しい。科学論では、『電荷』が存在するとの仮想的認識に基づいて理解しようとする。そこに、根本的な不明確にならざるを得ない原因がある。その『電荷』概念に基づく解釈では、子供たちが満足できる明快な説明が出来ないのである。理屈で非の打ちようがない論理性は期待できない。説明者自身が、おそらく分からないからなのであろう。『電荷』に因る解釈である限り、教科書の正当性が保障されていないのである。『電荷』は自然世界には存在しない、科学論用の仮想概念でしかないから。

(1)電圧について。1[V] と言う電圧値は何でしょうか。

電線路間に掛かる電圧の意味が、先ず物理的に明確でなければならない。電圧が正の波形の場合の電線路に生じる原因が何か?『電荷』で説明できますか。電圧波は光速度で電線路を伝播する。電源から正の電荷(陽子?イオン?その具体像?)と負の電荷(電子像?)が電線路に流れ出て、その電荷が光速度で進むのですか。ここで既に「電荷」論には無理があると分かる筈であろう。電子の流れでは電圧の解釈は無理であろう。電気回路は、その回路特有の回路空間に静電容量と言う定数値を持っている。その定数を εo[F/m]とすれば、電線路の空間に分布するエネルギー密度は

εo V^2^[J/m]

と、電圧の2乗で表されるのだ。電源のエネルギー供給能力と回路空間定数に関係した技術概念が電圧の意味なのだ。

(2)電流について。1[A]、その物理的な意味は何かを明確に示さなければならない。

電圧の電源に電線2本で電気配線空間を張る。電線路終端に負荷抵抗を繋ぐ。電線導体に電子が流れて電流となると解説される。そんな理屈が厳密な物理論として通るだろうか。電圧と同じく、電線路空間にはエネルギーの流れる速度を決める回路特有の定数がある。誘導定数をμo[H/m]とすれば、そのエネルギーの流れる伝送密度は

μo i^2^ [J/m]

となるのだ。電流値の2乗に因るのだ。電流と言う概念の意味もそのエネルギーの流れに関係したものとして在るのだ。

記事の冒頭に掲げた波形の V^2^ [J/H]およびi^2^[J/F]はそのような意味を表現した意味を持っている。空間の『エネルギー』分布に関係した概念を持っているのだ。

ここ迄述べれば、誰でも『電荷の科学論』は教育現場での緊急課題だと気付くと思う。

交流回路現象は、直流と違って、負荷でのエネルギー反射現象が電圧エネルギーギャップに対して、時間位相が少し複雑になる。

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