教育における指導内容。学校で使う教科書は教育の行政機関が細部に亘って検定で合格する内容を決め、その指針に従ったものでないと教科書として学校では使えないように思う。その教科書の電気理論について問題を指摘したい。電気回路現象について、教育の場で真理を伝えたいと願って30年過ぎた。
ここで展開する考察は、科学理論ではなく文学論だと過去に言われた。確かにその通りだ。科学的検証法に則っていないから。しかし、科学的に測定できない物が自然世界を基本的には象創っているのだ。科学理論とは何かで、次に述べる意味を分かって頂かなければならない。
簡単な電気回路で教科書の解説とその回路の真の電気現象を比較してみよう。(2022/08/29)追記、訂正。上のランプの抵抗24Ωは有り得ないと気付く。
24ボルトの電源に豆電球を繋ぐ。電線は2本を適当に這わせた。この回路で、電圧は電線間に掛かる筈だ。電圧とは何かが現在の教科書では明確に示されない。確かに電線のプラス側とマイナス側の何処に電圧計を繋ごうと、その電圧値は24ボルトを示す。
電気理論では電線2本で、負荷のランプに電圧24ボルトが掛かる。だから電線がどの様に配線されようと、その線間電圧に何も影響を及ぼすとは考えない。プラス側の電線には電源端子からランプの端子迄同じ電位24ボルトだという意味である。マイナス側の電線の電位は基準の0ボルトと考える。
(2023/06/04) 以下の記事は間違いでした。p₁点とp₂点の間の電圧は24ボルトです。誠に申し訳ありませんが訂正いたします。p₁点とp₂点の近傍のエネルギー空間分布を意識しすぎて、導体の同電位と言い乍ら、説明が不足しておりました。ただ、電線間には『エネルギー』が流れて、その分布量で『電圧』と言う概念の値が変化します。負荷が一定で、電源電圧が一定であれば導体の電位は変化しないから、以下の論は間違いです。上の図で、「p1点 とp2点の2点間の電圧は幾らか?」その答えには深い意味が隠されている。答えは24ボルトではないのだ。しかし電圧計をつないで測れば必ず24ボルトとなる。『その意味は何か?』が自然現象の真理を理解する起点となる。そこが、えも言われぬ自然と科学理論との絶妙な差である。空間の『エネルギー』は科学的手法では決して測定できないのである。その事は科学理論の検証の限界を示すことでもある。そこは哲学になろう。人の感性に頼らざるを得ないところだ。 科学技術理論は自然を利用する視点で組み立てられた解釈法である。その視点で見れば、その理論は如何にも論理的で完璧に見える。しかし、素人、科学技術理論に疎い人から見るときっと何か理解し難い『本当か?』と言う思いが燻っていると思う。検索情報の中に、初めて学んだような子供たちが、『電流とは?』とか『電圧とは?』とか素朴な疑問が質問に見受けられる。結局その回答者が答える内容は、決まりきった意味不明の教科書や高等理論でお茶を濁した内容で逃げているのが現状である。教科書を書く人が過去の伝統的解釈論の伝承に心しているだけが故の、真剣に疑問と格闘しない専門家であるからと思う。そこのところを、自然を利用する視点と異なる、自然に己の心を開いて感応させようとの思いで、科学理論を見直してみたいのだ。自然は科学理論の定義概念程複雑の本質を持っている筈などない。『電荷』など自然は必要としない。原子構造論のような複雑さを自然は嫌う。
そうは言っても、電気回路理論通りに電圧計を繋いでみれば、どんな場合も思い通りの実験的に証明できる。それが科学的理論の真理の捉え方の原則である。その解釈法は誠に理に適っている。誰に対しても目に見える形で「答」として示せるから。科学技術を活用する観点からは全く間違いはない。何処にも非の撃ちようが無い。そんな科学技術理論が伝統的に生活に果たした意義は計り知れない有意義なものである。
それは物理学理論と言う伝統的で、専門的な共通の科学論の基本に則った解釈法に適合している。しかし、その伝統的解釈法では空間に『エネルギー』があると言う意識、認識に基本的に立って居ないのだ。『エネルギー』は運動エネルギーや位置エネルギーが基本になっている。それは『質量』がエネルギーを認識するための具体的根拠と解釈しているからだ。質量の無い物理量が空間に在るとは認識していない。
『エネルギー』とは何か?
ここで使う『エネルギー』と言う用語は、ややもすると地下資源のエネルギー政策の燃料と解釈され易いかも知れない。しかしそれとは違うのだ。『光のエネルギー』が空間を光速度で伝播していると考えるか、そう思わないか。そこに明確な認識を示して貰わなければ、先の話が嚙み合わない。エネルギー(energy)とは? (2011/09/07)等の旧い記事もある。
もし光が空間を伝播する『エネルギー』だと解釈しないなら、最近空間の電線路無しの『エネルギー』伝送、『電力』伝送と言う話題もちらほら見受けられるが、そんな話題は物理学理論とは嚙み合わない話となると思うが如何でしょうか?決して空間に質量によって『エネルギー』を飛ばす技術で考えている訳ではなかろう。受ける方は光速度の弾丸を受け取らなければならない仕儀となる?電磁エネルギーは空間に分布した『エネルギー』の縦波なのだ。スマホの電波も同じ空間の『エネルギー』の縦波なのだ。電磁波は電界と磁界の質量を伴わない、誠に都合の良い曖昧さを隠した如何にも高度な専門的知識の数学的表記理論の総合概念だと言っているように思える。空間を光速度で伝送する『エネルギー』の波だ等とは解釈しない。光が『エネルギー』の波だとは考えず、振動(何が振動しているかには答えない物理学理論)の波だと言う。例えば、NHKの放送電波の電力が300[kW] と言う。空間に放射する『エネルギー』の1秒当たりの量である。その空間に放射するものが何であるかは『エネルギー保存則』との兼ね合いの理屈としても理解できよう。電界や磁界の強度を空間ベクトルで解釈する電磁波の電磁気学理論以前の問題であろう。
そこで改めて考えて欲しい。電線路空間はどのような物理的役割を担っているか?『空間』という物理的対象は電気『エネルギー』の伝送に対した、特別に考えるべき機能を何も持たないと解釈するのか?と言う疑問である。確かに現在の理論で、電線で挟まれた空間が『エネルギー』伝送に特別の役割を持つと考える必要もないのがオームの法則等の電気理論だ。電圧と電流という科学技術量だけで、他に何も付け加える必要などないのだ。だから電線が張られていれば、その電線の間の空間など何の役割も持たないと言う解釈が普通の電気理論の解釈となるのだ。だから何も考えることなく、オームの法則が便利に使えるのだ。電気回路現象、それは実験で確認できる。科学的理論に適って実験的に証明されるという大前提が確立しているのだ。学校で習う教科書で、電線路の『空間』と、その空間を流れる『エネルギー』等と言う話はどこにも無い。だから初めから電気回路現象に『空間』が大切な役割を担っている等と聞くことも無い。誰も教えない。教える先生が居ない。何故そのような教育の場に成っているのだろうか?
その原因は❓ 研究者や専門家は、その研究内容が社会に役立つことが認められて、その研究業績に人生の誇りを掛けているのだ。役立つ研究とは経済的な競争に有効な業績として残るものに意識が向く。日長ぼーっと目の前の景色を眺めて、景色と光の物理的関係は何だろうか?等と疑問に思っても何の経済的利益にも、研究業績にもつながらない。研究室で、科学研究費を獲得するような研究課題を探し続けなければならない『任期制度』の若い研究者の研究環境は厳しい状況らしい。先輩や指導者の研究業績に従って、その方向性で決まった内容しか生きる研究の道は無いのだ。『電荷』など自然界に存在しない等と言えば、それだけで研究の道は厳しい。『静電界は磁界を伴う』という物理的意味をどれだけの方が分かるか。
しかし、自然現象を解釈する方法は科学理論が唯一ではない筈だ。次の電気回路の線路空間を例に、その事を考えてみよう。
空間のエネルギー伝送 『エネルギー』が空間に満ち溢れている。光はその代表だ。電気エネルギーも光と同じエネルギーの空間の流れだ。
(2022/08/29)追記。上の図で、エネルギー分布密度δ₁、δ₂[J/m]は負荷ランプへのエネルギー流密度を示す。その量は負荷特性と電源電圧値によって決まる。電源電圧が電線路の回路特性によってその電線路空間のエネルギー分布密度を決める。
その量δv[J/m] は、δv=CV²[J/m] と回路特性値C「F/m]によって決まる。このエネルギー分布と負荷電流によるエネルギー流とは異なる。
上の図のδ₁、δ₂は回路特性C[F/m] 、L[H/m]によって、流れるエネルギー分布も異なる事を示す。回路のエネルギー流の速度が異なるから。しかし電力はどの部分も同じだ。以上追記。
金属体の電線内部を『エネルギー』が伝播する訳ではない。伝統的電気回路現象理論、物理学理論(電子論)によって自然現象が起こる訳ではないのだ。自然現象のある面を切り取って解釈する方法が今までの物理学理論なのだ。あくまでも自然が在っての、それに対する人の解釈法即ち、『電子』を電気回路現象の基礎に据えた物理学理論なのだ。
物理学理論に逆らった電気回路論。
図は電線の配線の空間構造に考える為の工夫をした。電線路線間間隔に差を付けた。決して電気回路としてこんな無意味と言える配線は実際にはしない。何の経済的利益も生まない無駄な事だから、電気技術研究者はこのような配線構造は考えないだろう。しかし、中には分布定数回路など、高周波伝送路の設計などをしている方が『おや?』と技術者感覚から、何かに気付くかも知れない。電線路は反射波などの無い一定の特性インピーダンスで統一しているのが、同軸ケーブルなどである。線間間隔が狭くなればその空間の静電容量 C[F/m] は大きくなる。当然その線路空間の電気的特性は変化する。送電線路でも電気特性は線路定数のC[F/km]、L[H/km]等で解釈する。それは電線路空間構造によって決まるからだ。決して電線の中を『電子』が流れる事は無いのだ。『エネルギー』伝送の役に立たない『電子』の役割は何処にも無いのだ。
上の図の回路空間が直流電源回路であっても、その空間のエネルギー分布密度[J/m]は様々な反射現象を伴いながら、結局一定の負荷電力供給に対応する値になって、『エネルギー』供給の自然現象機能を発揮する事に成る。詳細の『エネルギー』分布は皆さんにも考えて欲しい。
その意味の起点を教えてくれたのが『変圧器の奇想天外診断』(2015/06/03)の実験的結果である。電気現象の本質は『静電界は磁界を伴う』の実験結果を理解することから分かる筈だ。