電源電圧の伝播現象

電気回路の現象は電気技術理論で解釈される。しかし、それはその電気回路の真の電気現象を解釈することには成らない。19世紀のはじめに電気現象についての研究が盛んになり、現在の基本的法則の多くが唱えられた。

それらの法則や理論は現在の電気技術理論として科学技術を支えている。その理論は電気技術者の専門的高度の能力として社会的に欠かせない役割を果たしている。それは200年の歴史を背負って今に生きる技術でもある。しかし、残念ながら現在その科学理論が問題を抱えていることが明らかになって来た。そこには、200年前には光の意味が十分理解されていなかったことが基にあるからであろう。新しい知見が古い理論の解釈に反映することが難しい人間の持つ保守的な意識が働くからであろう。

電気現象の光速度伝播。

電気現象は全て光速度伝播の支配下にある。『オームの法則』は電気回路解析に欠かせない金字塔である。しかしその法則には光速度の意味は考慮されていない。電圧と電流の技術概念で、回路解析がすべて可能である。実生活上光速度の遅れなど考慮する必要はない。

そのオームの法則で解釈する初歩的な基本回路が上の回路だ。直流電源電圧を負荷抵抗回路にスイッチオンで印加する。電気理論のオームの法則で解けば、S on で瞬時に負荷抵抗に電圧 Vs が掛かる。その理論は物理学理論でもある。

光速度伝播現象。電線路の電圧を印加すれば、必ずその電圧は電線路に沿って時間的遅れを持って伝送される。それは電線路内空間を『エネルギー』が流れる現象であるから。線路定数C[F/m] 、L[H/m] とすれば、『エネルギー』の伝播速度は c=1/√(LC) [m/s] となる。xにおける電圧v(x,t) は『エネルギー』波 δp[J/m] の波頭が到達するまでは、図のβ=0である。t(1/x√(LC))-1=0 でβ=1となり、電源電圧の波頭が到達したことに成り、 v(x,t)=Vs となる。基本的にはこのように電圧伝播現象を解釈すれば良い訳であるが、電圧が負荷端に到達した後に負荷と線路インピーダンスの整合が取れていない場合は反射が生じる。反射現象は勿論『エネルギー』の反射である。その反射『エネルギー』によって、線路分布の『エネルギー』は電源電圧による『エネルギー』分布とは異なる。それは線路電圧の脈動現象を招く。

一般に線路電圧を観測すれば、上の図のように電圧値の波頭部に脈動現象が観測される。負荷と電源との間の『エネルギー』の反射による電圧値が負荷の『エネルギー』吸収と電源電圧による『エネルギー』伝送値の定常化への過渡現象として起きるものだ。

電気現象の解釈。それは物理学の理論的解釈の問題である筈だ。そこには決して『電子』などは何の役にも立たない仮想概念である事を認識することから始めなければならない。『電子』が自然現象を解釈する物理学の本来のあるべき姿勢を失わせてしまった。それは自然世界に『電荷』など存在していなかったことに気付かなかった科学パラダイムの『罪』でもある。

電源電圧の伝播現象は、線路特性に依存する。過去の記事を参考に挙げる。コンデンサ型配線のエネルギー伝送 (2021/10/03) および 電圧‐その意味と正体‐ (2015/10/03) 。

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