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電気回路要素『抵抗』の物理的意味

電気技術と電気物理 電気磁気学は電気物理と言うより電気技術理論である。電気回路における技術概念『抵抗』の物理的意味はどのようなものか。抵抗の単位は[Ω]である。電気工学、電気磁気学では回路の電圧が電流に比例するその比例定数と言う意味である。いわゆるオームの法則における回路要素の定数を表す。電気技術論とは異なる電気物理理論とはどのようなものと解釈すれば良いかの具体的例題として、抵抗R[Ω]を取上げて考えてみる。電気磁気学と言えば、その基本概念に電界と磁界がある。電界とは空間の単位長さ当たりの電圧の強さで、磁界と言えばやはり空間の単位長さ当たりの電流の強度で定義した技術量である。電圧とか電流と言う概念は電気技術論の最初に定義した科学技術量の代表的概念である。電圧とは何か?電流とは何か?と自問してみた時明確に答えられるでしょうか。おそらく科学技術論としては電気工学の常用概念では理解できているであろうが、それ以上の意味を認識しているかと余り考えはしないことであろう。そこからが電気物理になる。そこでは『電荷』も「素粒子」も望まない自然世界の話になる。いわゆる物理学の眞髄であろう。それは単純であり、ただ空間に『エネルギー』が実在するだけである。従って電界も磁界もその『エネルギー』の観方でしかない。

空間のエネルギー 空間にエネルギーが存在する時、その空間は電気導体も有れば、磁性体もある。その空間に存在する『エネルギー』にとっては真空自由空間とは言えない様々な制限の条件を受ける電線路空間で、そのエネルギーの果たす機能をどのように解釈するかが大切であろう。単に空間誘電率や透磁率と捉え切れない条件があるように思う。

図1.回路抵抗と空間エネルギー 電気技術論での電気回路がある。交流電源電圧 v(t) に3つの抵抗が繋がれている。回路論では電圧、電流で全て解釈できる。それ以上の事は要求しない。しかし、電気物理と言うものの理屈を究めようとすれば、技術的な簡便法では無理である。光のエネルギーが導線の無い自由空間を伝播するように、電気エネルギーも電線路に制限された局部空間を伝送されるのである。図の電線路空間内のp点の微小空間のエネルギー密度δ(r,t) [J/㎥]は座標rと時間tの関数である。しかも座標点がp'(導線近傍)等のようにその近傍空間の条件で異なる空間特性に支配されると類推できる。空間点の空間特性ε、μが一様ではない筈だ。さて、抵抗のエネルギー消費電力はオームの法則から簡単に算定できる。そこには電流や電子あるいは電荷の技術概念の助けを借りて可能になるという前提がある。電気エネルギーと言うエネルギーそのものの実在を認識するかしないかに因って、解釈の手法が異なって来るのである。電気磁気学や物理学理論では『エネルギー』の空間に実在する意味を認識していないのである。そこで電子(これもエネルギーと理解すれば良い筈だ)や電荷と言う概念を創り上げて、その概念に因って技術論を構築した来たのである。電気エネルギーの光速度伝播現象を電荷で解釈しようとしてもそれは無理であるが、その曖昧さは解決できない謎のまま見過ごさざるを得ない現状に在る筈だ。電気物理としてはやはり電線路空間内を電気エネルギーが光速度で伝送される現象として捉えなければ、論理的明快さは得られない。空間のエネルギーがどのように抵抗体の中で『エネルギー変換』されるかを明らかにすべきと考える。そこで『抵抗』の物理的回路要素の意味を考えなければならない。抵抗の単位[Ω]もエネルギー変換機能として見れば、[(H/F)^1/2^]と看做されよう。抵抗で消費されると言っても『エネルギー保存則』が成り立っているのである。電気エネルギーを使っても空間の熱エネルギーや光エネルギーとして放射されているのである。エネルギーは失われずに、新たな輪廻転生の基として保存されている。

抵抗はエネルギーの吸収・変換機能体 電気技術・電気工学から見ればエネルギーの消費要素として抵抗を捉える。抵抗を電気エネルギーの熱・光エネルギーへの変換機能要素と観るのは電気物理となろう。その時電気エネルギーが直接抵抗体に空間から流れ込むのである。その抵抗体中に侵入するエネルギーの様態をどう捉えるかに掛ってこよう。明確に捉え切ったとは言えないが、現時点での解釈を述べたい。一つの技術論との繋がりで電界、磁界と言う概念との関係でポインティングベクトルS(t)[J/s㎡]のエネルギー流をその基に据えて考えてみる。その前に、電気工学における抵抗の意味をまとめておく。

抵抗とエネルギー感覚(電気工学) 電気回路には抵抗が様々な意味で使われる。電子回路やオペアンプなどに使われる時は、抵抗に要求される機能は電圧分担、電流制限などでエネルギー処理の意味は殆ど無い。ただ発熱の熱処理の意味で意識される。電気工学でも電力部門では電力処理、エネルギー処理の問題意識で対処される場合が多かろう。どちらもオームの法則で十分理解できる。電流と電圧によって回路動作の理解に問題は感じない。図2.回路抵抗と電力 簡単な回路例で、抵抗と電力の関係を考えておきたい。電気工学でオームの法則だけで感覚的に電力と抵抗の関係が納得できる。

① 合成抵抗値はR=R1+R2+R3で、電流値i(t)=v(t)/R。各抵抗の電力はその抵抗値に比例する。電力は負荷抵抗に比例して配分される。

② 負荷端に負荷抵抗R4を追加した。抵抗値が小さいR4が電力は大きい。R2とR4の負荷抵抗で比較すれば、今度は抵抗値に反比例して電力が大きくなる。一般に電力配線で負荷電力で考えると、抵抗値が小さい程消費電力が大きいと感覚的に捉える。

③ 抵抗R1とR3の代わりに電流計が繋がれているとする。電流計は交流回路で実効値を測定しようとすれば、可動鉄片型電流計になる。しかし簡便測定では直流用の可動コイル型計器に整流回路を使った整流器型も使われる。波形が正弦波でないと正確な実効値は測定できない。電流計の内部回路はほぼ抵抗体である。抵抗値の小さなシャント抵抗が指針可動用のコイルと並列に入っていて、回路電流の殆どがそのシャント抵抗を流れる。だから電流計の内部は抵抗電圧降下r i(t)の電圧値を計っていると見做せる。その電圧の分流電流分のコイル電磁力を指針回転力に利用して、電流表示目盛を読んでいるのである。電流と言う電気技術概念はとても有効な電流計と言う測定方法を獲得したから、極めて有力な電気概念『電流』が電気技術の要として意味を成していると考える。

電気工学では、電圧、電流そして抵抗でオームの法則によって回路解析は可能である。その技術概念と測定技術が電気技術を完璧な実用性で完成させているのだ。その完全性が『電流』や『電荷』の実在性を疑う余地を奪っている。 『静電界は磁界を伴う』と言う1987年(昭和62年4月)の電気学会全国大会(仙台市、東北大学)での発表は今日までの電気エネルギー論の原点であった。それは現在の電気磁気学の根源的基礎概念に疑義を提起したものであった。30年前のその基本的論点は今考えても科学界では受け入れ難い内容であることは良く分かる。マックスウエルの電磁場方程式の電界と磁界概念を『エネルギー』から見れば矛盾がある概念だと唱えた訳だから。しかしその極端な意味が『電荷』否定の象徴的な表現になっていた訳である。その時の主張したかった事が、当時曖昧で有っても今は確たる認識になって、間違っていなかったとホッとしている。電気磁気学に対する解釈への責任は果たし切ったと。しかしその当時の社会的存在の意味『以下余白』の不覚も定かに自分が知り得ないままである。

抵抗体の空間概念(電気物理) 抵抗体は回路内で発熱体である。その抵抗体から放射される熱エネルギーは『エネルギー』そのものである。他に解釈する必要の無い『エネルギー』そのものである。この『エネルギー』と抵抗体の関係を考えるに適切な題材が白熱電球である。白熱電球(100V 40W)の抵抗値 一般の回路抵抗は10kΩとかで、抵抗値は変化しないように見える。しかし同じ抵抗体でも、電球フィラメントはフィラメント温度で抵抗値が変化する。テスターで計ると20Ω程度である。定常点灯時は250Ω程の筈である。この図は『オームの法則』-物理学解剖論ーで取上げたものである。電球点灯時から定常時まで何故抵抗値が変化するか。電気エネルギーが抵抗体内の内部空間に貯蔵され、抵抗体空間内の熱エネルギーとしてそこに留まっているからである。抵抗体空間のエネルギー量で抵抗体内への入射エネルギー量が制限された結果として、抵抗値の増加と言う意味になっているのである。抵抗体内のエネルギー貯蔵量で、抵抗体内部空間の空間定数が変化するからと解釈する事も出来よう。抵抗体構造が変化するからとも観られるからかも知れない。その技術的評価概念を抵抗体内部の誘電率と透磁率と看做しても良かろう。昔は電子回路にカーボン被膜抵抗などで陶磁器表面に薄い炭素皮膜を巻きつけたものを使っていた事を思い出した。熱放散と抵抗値の変化抑制策の結果の抵抗体であったかと今思う。

図3.エネルギー流と空間特性(電気物理) 図1の回路で、座標r点の空間定数を透磁率μ(r)、誘電率ε(r)と解釈する。透磁率、誘電率も磁界、電界と同じく科学技術概念として仮定したものである。実在するものはエネルギー密度δ(r,t)の座標点rと時間tによって決まるエネルギーでしかないのだが。電界と磁界が電気磁気学・電気工学の論理展開の要の概念であるから、それを無視したら電磁界理論が成り立たなくなる。しかし、本当の事を言えば、電界と磁界概念さえ矛盾した事を含んでいる。それはパラボラアンテナ表面に放物面中心軸に対称な電界と磁界を表現できない事から分かる筈だ。衛星放送は電界と磁界ベクトルでの電波表現が出来ない意味を考えて欲しい。衛星放送の電磁波方程式を解剖するをご参照いただきたい。お願いしたい。電磁気学の授業担当者は、パラボラアンテナ表面での電磁界ベクトルを描けるかご確認いただきたい。その表面の反射信号が受信アンテナの入射信号となるのでる。エネルギーの縦波信号以外は論理的には表現できない筈である。少し筋道を離れたが、電磁界とエネルギーの関係および空間定数の意味との関係を確認して頂きたくて触させて頂いた。以上の話を踏まえた上で、電界・磁界のベクトル積で表現されるポインティングベクトルS(r,t)で電線路空間内を伝播し、伝送される空間エネルギーの意味を表現したのが図3.である。空間定数も導体表面と電線路中心部では異なるだろう。従ってエネルギー伝送速度も座標位置によって異なると観た。負荷へのエネルギー伝送空間分布模様も一様ではないと結論付けた。その上で、抵抗体へのエネルギー入射がどのようであるかは簡単には判断できない。ただ、抵抗体への入射エネルギーベクトルSi(t) と熱・光放射エネルギーベクトルSo(t) との間には定常状態では常に等しい筈である。その意味が白熱電球のエネルギー変換機能として理解の助けの具体例になろう。何も難しい量子力学など要らない事を分かって欲しい。

白熱電球のエネルギー変換原理は?

電気物理とはどのような内容を指すかと考えた。電気磁気学は電気技術論であり、電気現象と言う自然現象の本質を捉えた内容ではない。エジソンの発明として有名な白熱電球の発光現象はどのような物理現象と捉えるべきか?それは電気物理になろう。電気抵抗の単位『Ω』とはどのような概念なのかを知らなければならない。白熱電球の原理はタングステン(W)フィラメントの二重コイルにある。

フィラメントの物理概念 白熱電球はタングステンのコイルを真空の中にガラスで囲み電気エネルギーを供給して、光源とする最も初期の電気技術製品である。灯りが油を足さないでも出来る画期的な発明であった。そんな白熱電球の技術を物理現象としてどのように捉えれば良いかは教育的にはとても大切な意味を持っている。

二重コイルと熱エネルギー 何も量子力学を持ちださなくても白熱電球の原理くらいは解釈できなければならないだろう。木炭に電気を通せば光を発する。電気式木炭暖房。同じ様に焚火と蝋燭 (2013/02/03) がある。空気中だと燃焼するから、真空のガラス容器に封じ込めた。それでも寿命がある。幸いタングステンと言うとても熱に強い材料があった為に白熱電球が長く照明の役割を果たしてきた。フィラメントは二重コイル構造で出来ている。効率良く発光させるための技術である。原理は電熱器と同じである。抵抗体に電気エネルギーを供給するのであり、その貯蔵エネルギー量が大きくなると高温度になり遂には光変換・放射現象に進む。電線をコイル状に巻けば、電気エネルギーを貯蔵する機能のインダクタンスになる。フィラメントと巻数、形状を同じように二重コイルにして電源に繋いだらどんな現象が起きるかこっそり隠れて試してみたい。タングステンで巻けば抵抗で、導線で巻けばインダクタンスとは言えないのじゃないか。抵抗回路要素にはオームの法則と言う立派な技術法則があり、電気現象はその法則で良く解析し、理解できる。抵抗の単位が[Ω]である。その意味を考えた記事『オームの法則』-物理学解剖論ーがある。白熱電球と言う立派な電気製品の物理現象を確認したいのである。抵抗は電気エネルギーを熱に変換する機能を持っている。白熱電球のフィラメントも抵抗で、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するのが基本原理である。更にその熱エネルギーに変換すると同時に光に変換する現象を備えているのである。さてここで、熱エネルギーと光エネルギーの違いを現代物理学理論ではどのように捉えているのかを明確に確認して置かなければならない。この場合も質量は全く必要としない筈である。『電気エネルギー』→『熱エネルギー』→『光エネルギー』の変換の過程を物理学理論でどのように解釈するかを知りたい。このエネルギーの間に違いが有るか、無いか。 (2018/03/26)追記、質量は全く必要としないと言うのは間違いである。『光エネルギー』も光になる前は『熱エネルギー』であったとも言える。その『熱エネルギー』は物体の質量体に捉えられた自由を束縛された状態の「エネルギー」と観るべきかもしれない。更に『電気エネルギー』も電気回路要素の構造体や電線路導体に因って束縛された空間内での光速度伝送特性の『エネルギー』であると言える。だから質量を必要としないと言う表現は正しくは無い。ただし、『運動エネルギー』や『位置エネルギー』のような『質量』に付随したと言う意味での質量と言う意味ではない事を指摘しておきたかったのである。その上で、これら三つの『エネルギー』の間に違いがあるだろうかと尋ねているのである。出来たら実在しない『電荷』等は理論に使わないで示して欲しい。

二十世紀の科学理論と教育の未来 過去100年間の科学技術の進展と、唱えられた科学理論が互いに合理的で整合性のとれた関係にあったかが問われていると思う。確かに自然世界の華やかな多様性を見れば、その複雑な原則を説き明かそうと細分化した視点での科学研究が時代の流れとなる背景・要請にあるのも事実である。しかし、教育の場ではもっと根源的で、広く応用の解釈に広がる根本的な自然現象の根底にある眞髄を考えさせるべきではなかろうか。そこには『エネルギー』の実在性を如何に理解させるかが要となろう。『熱』の正体 (2014/5/15)にも述べた熱エネルギーが質量運動や電荷との関係なしに、実在する物理量であると。