瞬時電力問答

昔瞬時電力理論について考えていた。なかでも『瞬時虚電力』と言う新しい電力解析理論の概念を論じた事もあった。しかし、電気理論の基礎になる『電荷』の意味が分からなくなり、更に電気現象の影を支える『光』について考えるには、余りにも有名なアインシュタインの『特殊相対性理論』の大きな壁が立塞がった。光の速度と空間特性 (2011/05/22) この記事は分かり難いので、光の相対速度と空間 (2020/06/08) に書き改めた。研究分野(電力工学)に縛られては到底無理な道であったとやっと分かった。
常識の壁 自分自身の中に育った常識さえも考えれば壁になっている。分かっている心算の事が誤りであったと気付く。昨日も電気抵抗の解釈で驚きを覚えた。

瞬時電力と無効電力 瞬時電力も無効電力もその基に在るのは『エネルギー』である。電力は計測できるが、計測できるからと言ってそれが物理的実在だとは言い切れない。科学技術量ではあるが。

%e7%9e%ac%e6%99%82%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e3%80%81%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e5%8a%9b瞬時電力と無効電力 電圧が正弦波の電気回路でも電流が正弦波とは限らない。最近の様に電気製品に半導体素子が多く使われると殆ど正弦波電流ではない。図のような場合の、瞬時無効電力はどのように解釈したらよいだろうか。瞬時電力p=vi[W]は図のようになろう。その平均値が消費電力で、その平均値の値は1秒間の消費エネルギーを表してジュールとなる。それが電気量単位のワット[W=J/s]である。しかし、瞬時電力の中味には消費されるエネルギーの電力分とただ電源と負荷の間でのやり取りされるだけで消費されない電力即ち無効電力とがある。そのそれぞれの瞬時値を分離することが出来るだろうかと言うのが瞬時電力問答の主題である。単相回路の瞬時電力で、電圧電流からそれを分離することは不可能である。三相電力系統で初めて可能になる。その瞬時電力理論を理解するには、今までの電気回路理論では無理があろう。抵抗とリアクトルと言うインピーダンスベクトルの解釈ではおそらく瞬時電力は捉え切れない。

瞬時電力その意味

%e7%9e%ac%e6%99%82%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e3%81%a8%e9%9b%bb%e6%b5%81瞬時電力と電流 電流は流れずと言いながら電流の話をする自己矛盾論お許しください。電気製品はテレビや冷蔵庫など多様である。電圧は正弦波であるが、電気製品の負荷は単純な抵抗とリアクトルの回路では決してない。その電流波形がどのようであるかは測れば分かろうが複雑であろう。②の様に電気回路要素で解釈することが出来ないのが殆どであろう。その時の負荷や電源の電気現象を解釈しようとすれば、測定できる情報は電圧と電流しかない。しかも瞬時値となれば、電流計や電圧計では測れない。時間の流れの無い一瞬の値が瞬時値である。それは一連の瞬時値の流れとして計測できるから、電気回路制御が出来ると言う科学技術の不思議である。実際の負荷回路の状況は知ることが出来ないから、電圧と電流の瞬時値で検出する。②のように、電気回路理論では要素抵抗とリアクトルに掛かる電圧に分解して解釈するが、実際は無理である。従って、③のように電流を分解して、有効電流irと無効電流ixに分解して解釈したらどうかと考えて見る。そのように電流を分離できれば、電圧とその電流との積で、瞬時の有効電力pr と瞬時無効電力pxを解釈することが出来る。瞬時電力p=viは有効電力と無効電力の両方を合わせて含んでいる。元々無効電力と有効電力に瞬時電力としては何の違いもないのである。瞬時電力が有効か無効かはその平均値としての『エネルギー』の消費に関してどのような意味を持っているかで区別する概念でしかないのだ。負荷側に供給したエネルギーが電源側に戻れば、差引消費する『エネルギー』がなかったとなり、その電力が無効電力と言う意味になるだけである。ただ電源と負荷の間で無駄な『エネルギー』のやり取りが生じた事で、その電力分を無効電力と言うのである。電気負荷には無効電力を含まなければならない必然的理由があるのだ。モーターには必ずコイルと鉄心があるように。

瞬時電力と電気抵抗 瞬時電力とはその瞬時における負荷側での消費電力と解釈することが一般的であろう。電気抵抗はその瞬時の電力を消費すると考えていたが、そうではなかった驚きに気付いた。実際の具体的数値で考えてみよう。

ri2%e3%81%ae%e4%b8%8d%e5%8f%af%e8%a7%a3Ri^2^[W]の不可解 電源電圧実効値200V(最大値282.8V)、抵抗とリアクトルの直列要素の単相回路で見る。抵抗とリアクトル値が同じで、瞬時電流i(最大値10アンペア)が有効電流と無効電流に分離できる。瞬時有効電流irと瞬時無効電流ixが図のようになる。この二つの瞬時電流の解釈が瞬時電力理論の理解に必要になる。瞬時電力理論では、瞬時有効電力と瞬時無効電力が、三相回路で実電力と虚電力と言う概念につながる。この図から、瞬時有効電力prは負荷抵抗要素の電力Ri^2^を意味している訳ではないことになる。負荷抵抗の機能はエネルギー消費だけの機能であるとの認識では理解できない事を示している。Ri^2^[W]の瞬時値と瞬時有効電力pr[W]に位相のずれがある。ただ、このずれは三相回路での総和では負荷変動がなければ、全く差がない一定の直流電力となる。

方形波電圧と瞬時電力 最近はインバーター回路が多く使われる。最も単純なインバーター電圧波形が方形波である。そんな波形での瞬時電力はどう算定できるかを考えてみた。

%e6%96%b9%e5%bd%a2%e6%b3%a2%e9%9b%bb%e5%9c%a7%e3%81%a8%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e5%8a%9b方形波電圧と無効電力 回路解析は微分方程式を解く事から始まろう。しかし、残念ながら考えたが電流の式を解けなかった。厳密な方程式を解く方法でないが、指数関数での電気現象から解いた結果が次である。

%e6%9c%89%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81%e3%80%81%e7%84%a1%e5%8a%b9%e9%9b%bb%e6%b5%81電流解 スイッチング時間T0=5[ms]での結果である。有効電流ir および無効電流ixの数値グラフは正解ではなかろう。その訳は抵抗での消費電力からの算定結果であるから、前のRi^2^の不可解に通じる意味で自信がない。『問』瞬時有効電流及び瞬時無効電流を算定してみてください。さらに瞬時無効電力はどのような式になるでしょうか。

三相交流回路の瞬時電力 三相電線路の線間電圧と線路電流からの瞬時電力の算定式だけを参考に示しておく。

%e5%86%99%e7%9c%9f446瞬時電力理論の電力算定式で、三相ー二相変換しない、三相電圧と電流からの直接の瞬時実電力と瞬時虚電力の算定式である。ただし、この瞬時虚電力とは瞬時無効電力のようなエネルギーの流れの瞬時値を算定している訳ではない。三相では無効電力の総和値は零になる事を付け加えておく。この式が電圧、電流の瞬時値のみから算定できる瞬時電力式である。この式の意味を次の記事で、空間座標上で考えてみましょう。

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