電気回路の新しい解釈の『道』に踏み出そう。
自然の世界を理解するには『エネルギー』の空間現象を思い描くことが大切である。それが物理学の根本的理解の本筋・道筋である。兎角運動エネルギーの質量に囚われ易いが、それは回り道で複雑な迷い道に入り易い。確かに目の前に在る『物』を対象にして考えた方が目で確認できるから、理解が容易に思えるだろう。それはそれで良いのだが、物理学理論が空間に質量に関係しない『エネルギー』が存在することを認識していないことが理論の矛盾の根源を成していて、その事が教育の大問題となっているから困るのだ。『熱』と言えば質量の運動エネルギーで、押し競饅頭だか、ぶつかり合いだか知らないが、振動の運動エネルギーで解釈する現代物理学理論が間違っているのだ。すべて『エネルギー』が空間に存在している事を認識していない事から生まれている混乱・矛盾である。それは光がエネルギーの縦波だという事につながらない理由だ。光速度は質量の速度ではなく、光即ち空間の『エネルギー』の速度である。その光の速度は何が決めるかと言えば、空間そのものが決めるのである。光の光速度は空間定数(H/m,F/m)で決まる と述べた。物理学理論では、時空論が議論の対象になって居ながら、空間定数の透磁率や誘電率などはあまり重要視されていないように思う。科学技術の単位系の拠り所として、真空透磁率 μ=4π×10^-7^[H/m] が定義されている。上の記事で示した資料(1)の空間にエネルギー密度δ[J/m^3^] を想定して、質量の無い『エネルギー』の速度を書き加えた。
空間エネルギーの速度 電磁波も電気エネルギーもそれは質量の無い『エネルギー』である。質量の無い『エネルギー』と質量に伴う『エネルギー』とがある。運動エネルギーは質量に着目した『エネルギー』である。その値はE=(1/2)mv^2^[J] のように表される。このエネルギー量の大きさは単位ジュール値であり、それは質量ではない。質量m[kg]は物体として目に見えるから、如何にも質量が飛んでいるように見えるが、速度v[m/s]は『エネルギー』の速度なのである。質量を媒体として借りた『エネルギー』の速度がvなのである。この解釈をとれば、電磁波の『エネルギー』も質量の有る無しに関わりなく、その伝播するのが空間定数により決まる速度である。
速度の意味 速度とはある空間基準に対して何かが相対的に動いているその動きの強さを『速度』と考える。一般的な慣習ではある基準の時間当たりに動いた空間の位置の差を計った長さがその『速度』の評価量と看做す。単位は[m/s] が普通である。それは言葉も皆が共通に理解する解釈概念を表現したものである。しかし同じ物の速さを表現するにも、単位を逆の[s/m] としても理解できよう。この逆の概念なら、1m進むに要する時間は何秒[s]かで評価することになる。時間が小さい程速度は速いとなる。『速度』の概念一つをとっても観方でいろいろになる。もし例えば、光速度cを c^2^=(透磁率)μo×(誘電率)εo [(HF/m^2)]で定義すれば、それも速度の意味になろう。速度という意味は日常に溢れた言葉でありながら考えれば深い意味である。その速度の物理現象として電気回路での『エネルギーの速度』を取上げてみよう。
電気回路定数 電気回路定数は回路解析には無くてはならないものである。その意味を考えてみよう
エネルギーの意味 『電荷』や『電流』でない『エネルギー』によって電気回路現象を解釈しようとすると、回路定数の意味が変わって見える。電圧、電流で回路解析をする手法は科学技術の部に属する事である。物理学として電気回路問題を扱うとすれば、『エネルギー』についての問題でなければならない。それが「理科基礎」の市民の科学リテラシーの未来への視点として大切であろう。
電気回路のエネルギー
電気回路現象(エネルギー描像) 電気回路は電気エネルギーを扱う科学技術である。電荷を扱う回路ではない。『エネルギー』を電気回路ではどのように処理しているのかを解説しよう。どのように解説しようかと考えた時、少し時間を掛けてまとめなければならなくなった。電気回路のエネルギー(2)として記事にしたい。電界、磁界の意味をも含めて論じたい。電界とは?に古い記事を載せた。ここでは、その基本的な解釈を述べておこう。上の図の電線導体に沿ったエネルギー密度δ(x,y,z,t)が空間分布として存在する訳であるが、それは系統のエネルギー規模を決める『電圧』評価に関わる成分である。負荷によって負荷に供給されるエネルギー量は変化する訳で、図のエネルギー分布とは異なるものであろう。図の緑色で表現したエネルギー流がオレンジのエネルギー分布密度の一部分になると解釈すべきである。緑色のエネルギー流が磁気検出に現れる成分となる。