電気の眞相(3)-電圧と負荷-

電気(エネルギー供給)回路、電線路の仕組みは長い歴史を通して、偉大な電気工学の権威によって築き上げられて来た。いわゆる電気理論、あるいは電気磁気学理論として、万全な理論体系と理解されている。それは数学的表現法で、多くの法則として完成しているように思われる。数式で表現されると、それは世界の真理と看做される傾向を強く待つ。
電気理論の基本中の基本は、電圧と電流である。電線路の特性は電圧計と電流計で計測できるので、まさか電圧と電流が科学技術の賜物であって、それが物理的な自然世界の眞相ではないなどとは信じられないであろう。電気の眞相(1)(2)を書いて来た。ここで最後の纏めになればと願いながら、電線路のエネルギー供給の意味を眞相(3)として取り上げたい。電線路間の空間的エネルギー分布を検証する計測法が無い事が科学論として、その厳密性を示せない歯痒さは残る。その上で次の配電線路を例に考えてみたい。

負荷変動と電圧負荷変動と電圧 街に張り巡らされた配電線路を通して、電気エネルギーが供給される。線路には多くの需要家の負荷が繋がっている。図で、ある点の負荷Pが投入された時、その点の電圧がVであったとする。負荷投入と同時にエネルギーが消費される。そのエネルギーはどこから来るのだろうか。スイッチS投入と同時に、まさか電源からそのエネルギーが瞬時に届く訳ではなかろう。あたかも、電線路のその負荷点の電圧Vが電源であるが如くに、線路近傍からエネルギーが流れ込むと解釈するのが合理的な解釈であろう。各負荷のエネルギー供給が全て電源からの負荷電流の流れとして供給されるとは考え難い。電源は遠く離れた発電所しかないのだから、そんな遠くから瞬時に投入負荷にエネルギーが送られる筈はない。いくら光速度と言ってもそれは無茶である。この辺の言説には違和感を抱かれる方も多いかと思う。電気回路は電圧と電流で解釈するのが常識であれば、電流の分配で理解しようと考えるだろう。ただ電圧と言う技術概念には、線路電圧、系統電圧などその電力送配電の規模は電圧が決めているとの感覚は誰でもお持ちであろう。その事を、一つの考え方で送配電線路の電線導体が丁度空間誘電体に対する線状コンデンサを成していると考えて見るのも良かろう。そう考えれば、電線路空間に電気エネルギーが貯蔵された状態が電源電圧周期で変動している仕組みとも取れよう。

エネルギーで観る線路電圧から天晴れ(コイルと電圧とエネルギー)  今年の4月になってから、金属導体周辺のエネルギーの様相が気になりだした。3月科学の要として静電界の解釈をまとめた事が切っ掛けである。電荷や電流概念の物理的意味の否定から始まった、電気現象解釈の道の終わりに待っていた日常生活の電気回路の話である。それは殆ど数式で表現できないような、異端の科学論の様相を示している。ただエネルギーと言う一つに対する感覚を基にした科学論でもあろう。今年になって、深い認識を得たのは上の天晴れ(コイルと電圧・・)である。配電線路のビニル絶縁電線も空間のエネルギー分布を決める要素(コンデンサ誘電体)として意味を持っていると成る。そこでのエネルギー伝播の速度(光速度)も低下する。それが電気現象の物理的な意味であり、理論物理学の対象であると同時に教育内容でなければならないだろう。しかし、科学技術の根幹を支えてきた電気回路技術は現代社会の知識として学ばなければならない基礎を成す。電流と電圧はその理解の根幹を成す。その科学技術としての意味を理解したうえで、ややもすると、それが自然界の物理的本質であるかの解釈が罷り通っている数学的論理に支配されている面が多い。その点は見直さなければならない課題として迫っている事を指摘したい。

電圧計と内部回路 ここで再び電圧計とは何かを考えたい。

電圧計と内部回路電圧計の回路 電源は交流でも同じである。電圧計の内部はコイルと抵抗の直列回路である。p1、p2点の線路電圧を計ると言うことは、その点に負荷抵抗rの負荷をかけて、その負荷に対する電圧形の内部コイルのリアクトルLv[H]のエネルギーを計ると言うことと同じ意味である。そのコイルの機能は前以って電気回路要素Lの機能とエネルギー感覚に述べた。電圧計で測定する電圧と言う対象をどの様に計器の中に取り込むかが大切な点である。その意味を上の電気回路要素Lの・・に書いた。電圧計は交流では「可動鉄片型」が使われることもあるが、「可動コイル型」と計器内のコイルのエネルギーを計測量に選んでいることには変わりがない。その事で、結局電圧計は自身の計器内の電流制限高抵抗rを負荷として、その消費エネルギーから換算されるコイルLvの貯蔵エネルギーWv=(1/2)L(V/r)^2^[J]を計測量として表示している。だから、電圧はV=r√(2Wv/L)[V] として、コイルのエネルギー√Wvを計測して、電圧目盛に利用していることになる。

電気エネルギー供給制御は電圧制御である。 配電線路による需要家への電気エネルギー供給はその点の電線路電圧がその基を成していると看做せよう。その電線路電圧は線路間の空間に分布するエネルギー分布が担っているのである。需要家の負荷が増減することにより、電線路電圧も変動する。電気事業法により需要家端電圧は100Vなら101V±5%の範囲となっていよう(?)。その電圧制御が送電系統の連携で各発電所により総合的に電圧制御がなされている。

エネルギー制御発電所の制御 50Hzと60Hzでそれぞれ別の系統になっている(ただ佐久間周波数変換所で二つも連携はされている)。それぞれの系統連係(図の点線部分で系統連係がなされている)で各系統が総合的に発電所の電圧Vgと周波数fを監視制御している。発電所の発電電力制御は発電機の回転数(周波数)と発電機電圧(励磁電流)がその制御対象となる。その基はボイラーへの供給燃料制御によってなされる。余談であるが、大事な社会的認識として理解すべき点がある。それは原子力、火力発電所等の蒸気タービンによる発電方式では、熱エネルギーの半分は海の過熱に放出しなければならないのだ。地球温暖化の原因でもある。その点で風力、太陽光発電は優れている。ただ自然エネルギーは蓄電池にエネルギーを貯蔵し、その直流電圧をインバーターで交流電圧変換する必要がある。この電線路間の空間エネルギー即ち電圧を遠くの発電所で制御すれば,電気エネルギー利用が出来る点は優れた科学技術と感謝したい。

理論に偏らず科学技術の意味を理解しよう。

一言追記しよう。発電所のタービンから発電機へのエネルギーの伝播現象について。太い軸の連結を通してエネルギーが伝達される。蒸気の熱エネルギーがタービンを通して機械的回転動力に変換され、更に軸の捩れ応力のエネルギーの発電機側への縦波(変動なしの一定値の流れ)として伝達される。その回転動力が同期発電機の磁極を系統側の電圧に対向してエネルギーを送り出す為のブレーキに逆らって回転させる訳である。熱エネルギーから回転機械エネルギーを経て最後の電気エネルギーとして系統に送りだす訳である。何を言いたいかと言うと、全て一つのエネルギーの流れであることを認識して欲しいのだ。形態は異なって見えても本質はエネルギー一つである。発電所から送りだすのも、電圧と言う技術概念ではあるが、電線路空間へのエネルギー送電なのである。

発電所効率について。 タービンと発電機の効率が95%として所内電力分を考えなくても,送電端効率は45%となってしまう。しかし、大容量でも中々そこまでは良くならないだろう。

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