久しぶりに大学入試センター試験問題を見た。物理の問題が目に入った。以前からどうしても理解できずに困っていたものに近い問題である。セルンの『ヒッグス粒子』の実験で以前話題にもなった。陽子加速の問題であった。今年の物理の問題を見て、解こうと思った。しかし、理解力の無い頭で考えると、なかなか問題の意味さえ理解できない。そこで、自分の理解できない事をまとめてみた。 問題と読み取り 問題文を読み取ることに時間がかかった。なんとか読み取って、不可解な点をまとめた。
電極と電場 電極の材質も一応金属導体と解釈し、高等学校の電気理論でどのように問題の意味を捉えたら良いかと考えた。それが電極と電場の図に示した、図解説になる。電極構造は半円形で無くても、四角の箱状でも良かろう。加速粒子は確かに円形に近い運動をするだろう。更に、向き合った電極面の間が加速の場となるから、それ以外の部分は不要でないかとも思った。
電場 ②粒子加速の電場をどのように解釈すれば良いかが分からない。荷電粒子を加速すると言う教科書的解釈では、『電荷』を解釈の基本に考えると思う。所謂クーロンの法則である。クーロンの法則を斬る を御参考に。『電荷』を加速するのは『電荷』による電気力線の『電界強度』である。それ以外の原理を私は知らない。例え『電荷』が物理的実在量でないとしても、現在の教科書は『電荷』を電気の基礎概念として、そこから理論を考えている。この物理現象・荷電粒子加速の問題も『電荷』抜きには理論構築できない筈だ。電界ベクトルの方向に、プラス電荷が加速される。F=qE=mα[N]の加速度ベクトルα[ms^-2^]を生む電界Eが描けなければ、考える事が出来ない。電圧V[V]で常に加速とは、電気理論上は理解できない。電界をギャップ空間に描く事が先ず考える基になる筈だ。私にはこの問題の電界を描く事が出来ない。『電荷』によれば、③のように電気力線は描かれる。この電気力線では、粒子加速の原理が見えない。問題提出者はどのような電界の描像を描いて解釈したのか、教えて欲しい。
④電界レンズ 実際に荷電粒子が加速されるとしたら、それは電極間の電場・電界が『電荷』による描像以外の原理で描かれると解釈するのであろう。教科書で『電荷』によるクーロン力で荷電粒子加速を説明するなら、当然の事この問題の加速法も『電荷』で説明できなければならない。
『電荷』概念の矛盾を示す物理の問題であると考えて、解けない基本を記した。