電力送配電系統と電気の波

未だに電気回路の『電圧』の意味が分からずに彷徨っている。(2022/04/07)追記。分かったので、参考にエネルギー流が電圧・電流 (2020/10/01) 。変圧器のエネルギー伝送の仕組みを解剖しようと考えるが、なかなか見極めできずに悩みの中に居る。エネルギー伝送の電力系統の機能をその切っ掛けにでもなればと、少し専門家的な観点で取上げてみる。電力系統解析で、100kmを超える伝送系統では、分布定数線路の認識が必要と言われている。昔から何故そう言うのか疑問でもあった。本当にそんな捉え方が必要なのかを、この際考えておこう。大よその電力送配電系統の図を示しておこう。

電力系統図電力系統図

発電所から一般家庭の受電端までの図である。発電所は火力発電所を想定した。蒸気発生器のボイラーB、発電機を回す動力機の蒸気タービンT、同期発電機(系統周波数に同期した)Gおよび超高電圧に変換する変圧器Trがその基本構成である。新潟県から東京までの送電系統となれば、送電系統線路亘長は300kmを超えるだろう。その長い線路損失を軽減するには超高圧500kV等で送られる。それは鉄塔線路と成る。負荷近郷で、何回かの変電所を通して配電線路電圧6300Vで市中配電線路が張り巡らされる。柱上変圧器で100/200Vの家庭用電圧で各家庭に電気エネルギーが供給される。発電所の出口が送電端、需要家の引き込み口が受電端として、その間のエネルギー伝送を担うのが系統線路である。実際は、柏崎・刈羽原発でないから、火力発電所は需要家の傍で運転される。それなのに何故長い送電線路亘長を取上げるかというと、電気が光の速度で伝送されると言う意味を説明したかったからである。

光速度伝播と電圧波形 電気エネルギーが光の速度で送られることは誰でも知っていよう。しかしその意味を漠然と理解しているだけであろう。具体的に認識することで、改めて『光速度』の凄さを知るであろう。

線路電圧分布光速度と線路電圧

電力系統解析で、100kmを超えると分布定数線路でないといけないと言われる。300kmなら、当然その解釈を執ることになろう。それは線路亘長が長いから、線路上に電圧の波が高周波のように分布しているとの解釈ではなかろうか。しかし、線路上の電圧波は直流に近くほとんど変動していないのである。時間軸で正弦波を表記すると、①のように波で描かれるから、如何にも線路上に波が多く乗るように感じるのであろう。線路亘長L=300kmとしたとき、空間軸で線路上の電圧を表現すれば、f=50[Hz]で1波長の周期T0=20[ms]、その20分の1に相当する分しか線路上の電圧の変化はないのである。②空間軸電圧波形に示した。送電端から需要家までの電気エネルギーの伝送時間がto=1[ms]しか掛らないから、電圧は殆ど直流のようになっているのである。『光速度』の威力を具体的に理解する意味で、良い例であろうと示した。なお、図形表現で認識しなければならない点、それは時間軸表示は抽象的であり、空間軸表示は具象的であること。電力系統で、長距離伝送路が分布定数解析になると言う意味が分からない。(2021/03/10)追記。今直流電圧の回路も分布定数回路での解釈に成るという記事を書き始めている。だから長距離送電線路が分布定数回路での解釈に成るという意味は正しいのだ。ただ、上の「意味が分からない」という意味は送電線路長が例えば1000kmでも、電線路に載る電圧波形は4分の1波長にも成らず、高周波電圧分布になど成っていないという意味で述べた。エネルギー流と定在波 (2021/03/03)。が意味の参考に成るか。

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