時たまひょっこりと雨蛙が生まれる。幼生生殖で、土の中から地上に誕生する。平成5年頃、小さな庭に梅雨時には数え切れないほどの多くの日本雨蛙が生まれた。最近は、時々1っ匹2匹と新生の雨蛙が生まれ出る。1匹生まれ出た。
朱鷺草の葉に居た。産れて数日も経っていなかろう。最近は、たまにしか生まれて来ない。日本雨蛙だけでないのかもしれないが、特に日本雨蛙について必ず注意して見て頂きたいこと。産まれたてでも決して尻尾は無いと言う事を。日本雨蛙の専門書で、山と渓谷社の本に稲株に居る堂々とした尻尾を付けた写真が載せてある。しかもその尻尾の色は少し赤みを帯びている。そんな尻尾の有る日本雨蛙は存在しない。他にも雨蛙の種類はあるのだろう。外国で雨蛙はどんな生態を採るかは知らない。背に負ぶって育てる雨蛙(?)がいるらしい。しかし日本雨蛙は一種類だろう。全て土の中に卵塊(この卵塊は勝手な想像の域の話)で産み落とされ、何年かの地下生活で成長し、雨が降り、土が柔らかくなった時に土の中から生まれ出るのである。生まれる前は、白くて細長い体型で、弱弱しい尻尾を付けた幼虫の姿(これは偶然に観察した事実)をしている。それは真っ白い細身のオタマジャクシが成長した手足の伸びた姿である。人の眼に触れる、産まれた時には完全に緑色の日本雨蛙になっている。親になるまで何年かかかる。親雨蛙は環境に合わせて色も変化する。冬籠りで、必ず地下に潜る。日中生活では、水は必要としないようだ。強く雨が降ると、雨を避けて吹きかからない処に隠れる。日中は夏でも、暑い日射しを背に受けてじっと背中を焼いて居ても平気で過ごす。夜まで木や葉の上でじっと過ごし、夜行性の習性で、必ず糞(大きさはネズミの糞に同じくらい)を一つ残して食料探しに起床し、行動に移る。朝になると大きな親雨蛙は、また同じ場所に戻ってくる習性がある。その日も夕方まで全くびくとも動かないで過ごす。日本雨蛙の生態観察による結果は上に述べたような事になる。毎日何回も同じ日本雨蛙と接していると、その親雨蛙は人を識別するのかと疑いたくなるほど、信頼して安心している様子を示す。だから、筆者は日本雨蛙を『悟りの者』と見做したくなる。余りにも堂々とした立ち居振る舞いだから。
日本雨蛙の新しい謎 幼生生殖でこんな数少ない雨蛙が生まれ出るとは不思議である。疑問・不思議は一体何年土の中で過ごすのかである。蝉は7年と言う。雨蛙はその年数が決まっていないのじゃないかと感じられる。それにしても、上の写真の雨蛙は何年で世の中に出たのか。しかも1匹である。雨蛙の土中生活年数は?
雨蛙と幼生生殖 幼生生殖だが、雄、雌の区別が良く分らない。鳴くのが雄とは思うが体型を見て、雄か雌かを判別できない。親雨蛙は皆雌のようにも見える。雨蛙の交尾を見た事も無い。だから日本雨蛙の生態で、分るのは昼間の観察できる事だけである。モリアオガエルの生殖は交尾ではなさそうだが、似て非なる日本雨蛙の生殖については謎のままである。土の中で卵塊(卵塊と幼生生殖の繋がりも見えない)での受精と言うのも中々理解し難い。幼生生殖は受精なしかと疑問が増える。