漢字『蜘蛛』は特殊な、難しい文字だ。仏教の講話にある1月15日に地獄の蓋が開くと言うものがある。地獄に送られた罪人に、蜘蛛が糸を垂らして、救おうと言う話である。蜘蛛の糸の話はその蜘蛛の生態に神秘性を感じた事からの話であろう。
川の上に張られた蜘蛛の巣である。小さな虫が巣に掛かっているから、その巣の糸の模様が微かに読み取れる。中心部には蜘蛛がいるようだ。
蜘蛛の神業 寺院などの古代建築や、古い豪邸などの建築物を見ると、その建造技術は棟梁の技術が故の物と感心する。蜘蛛の空間感覚は、どのような事から生まれるのかと不思議でならない。蜘蛛の巣で、その空間に張る平面は幾つもの遠く離れた支点によって支えられている。その支点を決める空間的認識能力は何によってなされるかという疑問である。
上の蜘蛛の巣を二日前に横から写真に撮ったものである。全く平面上に張られている蜘蛛の巣である事が解る。蜘蛛の棟梁と名付けた。こんな川の上で、橋と岸の間に支点を幾何学平面で選定できる能力が、小さな蜘蛛に備わっている事を神業と観る以外言葉が無い。