人が認識する物事には具体的な実像と抽象的な領域の二つが有る。科学論は抽象概念を数学的な評価で認識する事が主となる領域のように思う。日常生活と科学論を結びつけようとすれば、抽象概念は難しい場合が多い。具体的な科学論は、目の前に在る空間にその思考対象を描けないと理解できない場合が多い。空間の解釈には、地球も銀河もその全体像を認識する場合に先ず『球空間』で捉える。難しい方程式で論じられる電気磁気学も、マックスウエル電磁場方程式もその現象の基本はエネルギーの振る舞いをどのように捉えるかに係っている。空間に展開されるエネルギーの振る舞いである。光の放射現象や電波伝搬はすべてエネルギーの光速度伝播に関わる現象である。そのエネルギーがどのように放射されるかは、空間認識に『球空間』がとても重要だ。その球の表面積と、その面積を空間の広がりとして捉えるに『立体角』が重要である。球の全表面積は、半径をRとすれば、4πR^2^である。その4πが全空間の広がりを捉える『立体角』である。マックスウエルの電磁場方程式や、部屋の照明の光分布を考える場合には、光源や電波放射源(アンテナ)からのエネルギー放射特性を「配光曲線」と言う照明の基本解釈法から理解できると考えて、球と立体角の関係から考える準備として記したい。具体的例としてパラボラアンテナと正反射を挙げておく。電磁場方程式の電界磁界ではベクトル的解釈が矛盾となる例でもある。光伝播現象も横波解釈でなく、縦波解釈でなければならない。電磁界も縦波である。電磁波のエネルギー縦波伝播を理解するに欠かせないのが立体角の概念である。
右に球帯の面積と立体角の定義の説明図を示した。この図がどのような意味を持つかと言うと、球の中心O点に光源が有り、そこから放射される光がどのように空間に分布して流れるかを考える基に役立つ。大体光の放射は球の軸に対して、対称形であるから、帯状の空間面積(球帯と言う)で捉えるのが都合がよい。
微小角度dθ に張る面積とその立体角の関係を示した。
その面積と立体角は③のようになる。
(2014/09/26)追記。 この立体角を使ったのは、電気工学の一つの分野である『電熱・照明』であった。ブログの中でもこの記事が多く読まれている。その訳は簡単な図形表現に在るように思う。具体例として、照明と配光曲線を上げておこう。