超伝導現象とは何か?

日本物理学会の発行誌「大学の物理教育」を手にした。今回は『超伝導現象』に関する教育報告記事が載っている。それは高校生、学生や一般市民を対象にした公開講座などである。誠に理科離れを食い止める方法としては大いに結構である。しかし、その現象の物理的原理や解釈については私自身も疑念を持っている。『超伝導現象の誤解』 日本物理学会講演概要集第63巻p.691  (2008.9.20) で現象の解釈が間違いである事を発表した。難しい理論に「BSC理論」と言うのがあるが、『電流』が導線内に流れていない事を考えれば、理論がどうであろうと『超伝導現象』の電流解釈からして間違いであることは否定できない。この辺に、即ち学生に理解させようとしても、理解させるだけの解り易くて、納得させ得るだけの説明が出来ないジレンマを抱えた研究者側の実像があると思はれる状況に、本当の理科離れを起こす原因があるのだろうと考える。私自身が、電力変換制御回路の電流解析を得意としながら、否定する『電流』概念の矛盾認識がある。電流は流れず 電流計は何を計るか 。に電流の意味とその矛盾を述べてある。

超伝導現象はその磁気特性に際立った特徴がある故に話題に成り、利用されている。『マイスナー効果』と言われる現象がある。超伝導現象として目の前に提示するには効果的な現象である。低温超伝導体が磁石の上で空中に浮かぶ現象のことらしい。希少金属で話題になったネオジム磁石の強力磁場中で浮くらしい。だから、超伝導とは磁場、磁気に関する現象と解釈すれば良い。そこで磁界とは何かであるが、それがそもそも『電流』とは何かを問う事に成るのである。電流計で計るものは決して導線の中の電子の流れる量(逆向き)など計ってはいないのである。導線のコイルの周りにできる『磁界』を磁気的な力を利用して検出しているだけなのである。そこで『磁気、磁界』とは何か。磁界・磁気概念の本質ファラディ電磁誘導則・アンペア周回積分則の物理学的矛盾 。等で電流や磁場の関係を、教科書の矛盾を解説した。技術は生活に便利さを提供する。しかし、その物理現象の解釈には矛盾が多く、その本質に真剣に立ち向かう研究者の姿勢が無ければ、本心から納得できずに、理科分野への近づき難さの気持ちを起こさせないかと心配でもある。磁石の強力磁場上に物体(超伝導体)が浮遊する『マイスナー効果』は物体が磁石の空間磁気エネルギーの回転流が磁石周辺部に集中して、物体がそのエネルギーを反射する事によって生じる現象と解釈する。物体にエネルギーが入射すれば浮力は保てなくなる。それはエネルギー入射ロスによる加熱現象を起し超伝導現象が破れるのであろうと解釈する。導体との関係で、エネルギーが導体内部の結晶構造に因り熱化すればエネルギーロスになる。しかし、導体内部での熱化が起こらないエネルギー流は、殆ど導体表面でのエネルギー反射現象に因り、損失が起きない状態と解釈する。上の図は日本物理学会で、超伝導現象の誤解 第63巻第2号第4分冊 p.691 の発表に使った資料である。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください