電力技術に残した未練

『裸愚落筆』に人生の悲哀を記した。己の愚かさを、過去を描けば、なお深まりて、寄る辺なき瀬を、ひとり漕ぐ船。今、社会正義の砦が崩落の危機にある。戦後の日本に新たな正義を構築するために、昭和22年に制定された『検察庁法』。以前、暗中模索の中で、地元の長岡法務支局および検察庁更には裁判所内の検察審査会などで、長岡工業高等専門学校での我が身に降りかかった殺人未遂事件について訴え回ったこともあった。何処も「糠に釘」の無視の知らせに時の経つのみ。人生の終わりになって、わが身に起こった真実を知る事になった。法務省に、人権擁護の意思など何処にもないにも拘らず、そこが掲げる〈人権擁護〉とは何をか況やである。

 流されながらも、今『現代物理学』の基礎理論の矛盾を明らかにして、自然科学の全体の意味を問い直さなければならない時代に突き当たったと感じるまでになった。物理学理論に研究の矛先を向けてきたが、元々技術が性に合うわが身にとっては、やはり消化不良で中断せざるを得なかった『電力技術』への思いが今も未練がましく燻ぶっている。

  技術も、その研究内容は初歩の見習い的のものから始まった。送信機の払い下げの中に、双三極真空管 2B29 があった。出力の大きい発信器を作った。担当科目「電子工学」の分布定数波を生徒実習に取り入れた。教室に5メートル程の平行線路を張り、150MHzの定在波の測定・観測実験で供した。それが1.の「分布定数…」である。科目『発送配電』、『電気機器』を担当して、モーターの起動実習に、その教育効果に疑問を感じていた。大学紛争の直中、電気書院の『電気計算』に宮入庄太先生のパワーエレクトロニクスの特集記事を拝見し、内地留学で半年間の研修をさせてもらった。ようやく最先端の技術に触れ、教育への改革課題の目標を見定めることができた。ただ、その研修は、新潟県と文部省の関わりの制度でありながら、宮入研究室には何の研修補助も無かった事を後に知った。勝手にしたと、無視の文部省。新潟県教育委員会からは研修許可辞令もなし。

2.以降の『静止電力変換回路の基礎』は、日本のどこの工業高校でも実施できない最先端の生徒実習に供する為に整えた製作実験装置とそのデータの公開である。『半導体整流・・』は各種変圧器の結線により生じる様々な現象や問題点を徹底的に調べたものである。整流回路の電流は正弦波とは全く異なり、変圧器に直流偏磁現象などを引き起こす。それを知らなければ、系統ひずみの問題認識も困難である。この装置製作と実験データ取りで、寒中の寒い実験棟での無理で急性肝炎で生命の危機に見舞われた。他の装置も制御対象は容量3kWの電動機で、速度制御の意味を知るに役立つ実習内容であっただろうと思う。新潟県教育委員会で採用もされていないなど知る由もないまま。

 長岡技術科学大学に転勤したと思ったのも勘違いであったのだ。毎日が実験室の設備と配線準備にほとんど費やした。元々電気回路の複雑な解析には自信があった。静止電力技術は半導体のスイッチング制御に因っている。過渡の連続制御になる。8.の『瞬時無効電力の一般化理論とその応用』で、正弦波交流解析の理論的矛盾に、目から鱗が落ちた思いをした。『瞬時実電力・虚電力理論』を超えるものはないと。10.の『・・電力理論に基づくひずみ波電流の解析』は その理論の有効性を実証する内容である。電力系統の高調波ひずみは大きな問題であり、その現象解析が行われていた。しかし、この論文で、第5、第7高調波の比率がどのような原因で生じるかを的確に示した。全ての高調波問題は、この論文で解明された筈である。電力系統関係者がこの事に気付いているかどうかは知らないが。正弦波解析では解明不可能である。11.は『我が科学革命・・』にも載せた回路であり、未練を残した一つである。自慢になるが、13.は『PWM変換器』のスイッチング素子の制御速度限界の設計値を算定する基準を論理的に示した論文である。その後の事は全く知らない。

 さて、電力技術分野で、最大の未練を残した論文が最後の 14.「空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用」電気学会電力技術研究会資料、PE-86-39,(昭61-8) である。どうしてもその時の研究状況とこの論文の意義を説明しておきたい。論文8.の重要な応用例として発表したものである。そのある一頁を右に示す。三相のスイッチング回路SWの制御は過渡現象の連続であり、その回路の電力的瞬時値を回路の瞬時アドミタンスベクトルcon(瞬時コンダクタンスcon と 瞬時サセプタンスcon)として捉え、その回路の瞬時定数を捉える方式を開発したものである。これは電力系統の状態監視機能に適応することを見据えた制御監視システムの開発である。なおここで付記しておかなければならないことがある。このシュミレーションについては、高専5年の卒業研究生が1週間ほどで出してくれたものである。4年の数値解析でルンゲクッタを指導していたお陰で、その習得力で作成できたものと感謝している。さらに、私は卒業研究の指導をしていながら、その評価については門外漢で、評価の関わりから外されていた。トンデモナイ学校であった。この論文の回転鎖鎌のような(a)図は誠に興味ある未練を残した瞬時解析図である。東大の関根先生から発表時に質問を受けた図でもある。

この研究会の資料は、空間瞬時ベクトル解析法と交直変換器への適用に示した。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください